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メマンチン塩酸塩OD錠20mg「タカタ」

後発医薬品
販売名
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「タカタ」
識別コード
メマンチン OD20 OD タカタ 20
薬価
20mg1錠 90.70円
製造メーカー
高田製薬

添付文書情報2024年01月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
その他の中枢神経系用薬
一般名
メマンチン塩酸塩口腔内崩壊錠
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. アルツハイマー型認知症と診断された患者にのみ使用すること。
5.2. 本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。
5.3. アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において本剤の有効性は確認されていない。
5.4. 他の認知症性疾患との鑑別診断に留意すること。
用法・用量
通常、成人にはメマンチン塩酸塩として1日1回5mgから開始し、1週間に5mgずつ増量し、維持量として1日1回20mgを経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 1日1回5mgからの漸増投与は、副作用の発現を抑える目的であるので、維持量まで増量すること。
7.2. 高度腎機能障害(クレアチニンクリアランス値:30mL/min未満)のある患者には、患者の状態を観察しながら慎重に投与し、維持量は1日1回10mgとすること〔9.2.1、16.6.1参照〕。
7.3. 医療従事者、家族等の管理の下で投与すること。
肝機能障害患者
8.1. 投与開始初期においてめまい、傾眠が認められることがある。また、めまい、傾眠の症状により転倒等を伴うことがあるため、十分に注意すること。
8.2. 通常、中等度・高度アルツハイマー型認知症では自動車の運転等危険を伴う機械の操作能力が低下し、また本剤により眩暈、傾眠等が現れることがあるので本剤投与中の患者は自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.3. 本剤投与により効果が認められない場合、漫然と投与しないこと。
9.1.1. てんかん又は痙攣の既往のある患者:発作を誘発又は悪化させることがある。
9.1.2. 尿pHを上昇させる因子を有する患者(尿細管性アシドーシス、重症尿路感染等):尿のアルカリ化により本剤の尿中排泄率が低下し、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある〔10.2、16.5参照〕。
腎機能障害患者:本剤は腎排泄型の薬剤であり、排泄が遅延する〔16.6.1参照〕。
9.2.1. 高度腎機能障害(クレアチニンクリアランス値:30mL/min未満)のある患者〔7.2参照〕。
9.3.1. 高度肝機能障害<Child-Pugh分類C>のある患者:臨床試験では除外されている。
相互作用
10.2. 併用注意:1). ドパミン作動薬(レボドパ等)[ドパミン作動薬の作用を増強させるおそれがある(本剤のNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体拮抗作用が、ドパミン遊離を促進させる可能性がある)]。
2). ヒドロクロロチアジド〔16.7参照〕[ヒドロクロロチアジドの血中濃度を低下させる(機序は不明である)]。
3). 腎尿細管分泌<カチオン輸送系>により排泄される薬剤(シメチジン等)[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある(本剤は一部が尿細管分泌(カチオン輸送系)により排泄されるため、同じ輸送系を介する薬剤と競合する可能性がある)]。
4). 尿アルカリ化を起こす薬剤(アセタゾラミド等)〔9.1.2、16.5参照〕[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある(尿のアルカリ化により、本剤の尿中排泄率が低下するため)]。
5). NMDA受容体拮抗作用を有する薬剤(アマンタジン塩酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物等)[相互に作用を増強させるおそれがある(両薬剤ともNMDA受容体拮抗作用を有するため)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 痙攣(0.3%)。
11.1.2. 失神(頻度不明)、意識消失(頻度不明)。
11.1.3. 精神症状:激越(0.2%)、攻撃性(0.1%)、妄想(0.1%)、幻覚(頻度不明)、錯乱(頻度不明)、せん妄(頻度不明)等があらわれることがある。
11.1.4. 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明):AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、ビリルビン上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
11.1.5. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれることがある。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
11.1.6. 完全房室ブロック、高度洞徐脈等の徐脈性不整脈(頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(1%未満)発疹、(頻度不明)顔面浮腫、眼瞼浮腫。
2). 精神神経系:(1~5%未満)めまい、頭痛、(1%未満)傾眠、不眠、徘徊、不穏、易怒性、不安、(頻度不明)歩行障害、不随意運動(振戦、チック、ジスキネジー等)、活動性低下、鎮静。
3). 腎臓:(1%未満)頻尿、尿失禁、尿潜血、BUN上昇。
4). 肝臓:(1~5%未満)肝機能異常。
5). 消化器:(1~5%未満)便秘、食欲不振、(1%未満)消化管潰瘍、悪心、嘔吐、下痢、便失禁。
6). 循環器:(1~5%未満)血圧上昇、(1%未満)血圧低下、上室性期外収縮。
7). その他:(1~5%未満)血糖値上昇、転倒、浮腫、体重減少、CK上昇、(1%未満)貧血、倦怠感、発熱、コレステロール上昇、トリグリセリド上昇、(頻度不明)脱力感。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ウサギ)で胎仔への移行が認められており、また、動物実験(ラット)で胎仔体重増加抑制及び出生仔体重増加抑制が認められている)〔16.3.3参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が認められている)〔16.3.3参照〕。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.1.2. 舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である(また、水で服用することもできる)。
14.1.3. 寝たままの状態では、水なしで服用させないこと。
20.1. アルミピロー又はプラスチックボトル開封後は湿気を避けて保存すること。
20.2. 製剤の特性上、吸湿により錠剤表面がざらつくことがある。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報ラットの高用量投与実験(メマンチン塩酸塩100mg/kg単回経口投与、25mg/kg/日以上14日間反復経口投与、又は100mg/kg/日14日間混餌投与)において、脳梁膨大皮質神経細胞空胞化又は脳梁膨大皮質神経細胞壊死及び帯状回皮質神経細胞空胞化又は帯状回皮質神経細胞壊死が認められた。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(1)メマンチン塩酸塩錠
健康成人男性に、メマンチン塩酸塩5、10及び20mgを空腹時単回経口投与したとき、最高血漿中濃度(Cmax)と血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)は投与量にほぼ比例して増加した。消失半減期(t1/2)は55.3~71.3時間であり、投与量による変化はみられなかった。
表16‐1 メマンチン塩酸塩単回経口投与時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

(2)メマンチン塩酸塩OD錠
健康成人にメマンチン塩酸塩OD錠20mg(水なしで服用又は水で服用)又はメマンチン塩酸塩錠20mg(水で服用)をクロスオーバー法で空腹時単回経口投与したとき、いずれの場合も両製剤の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは同様であった。メマンチン塩酸塩OD錠20mgは水なしで服用又は水で服用した場合のいずれも、メマンチン塩酸塩錠20mg(水で服用)と生物学的に同等であることが確認された。
16.1.2 反復投与
アルツハイマー型認知症患者(10mg/日:11例、20mg/日:12例)に、メマンチン塩酸塩1日1回(朝食後)5mgから開始し、1週間ごとに5mgずつ漸増し10mg又は20mgを維持用量として24週間反復経口投与したとき、血漿中濃度は投与4週後ではほぼ定常状態に達しており、その時の血漿中濃度は10mg/日群で64.8~69.8ng/mL、20mg/日群で112.9~127.8ng/mLであった。
16.1.3 生物学的同等性試験
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「タカタ」
〈水で服用〉
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「タカタ」とメマリーOD錠20mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(メマンチン塩酸塩として20mg)、健康成人男性に絶食時に水で単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
図16‐1 血漿中濃度

表16‐2 薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
〈水なしで服用〉
メマンチン塩酸塩OD錠20mg「タカタ」とメマリーOD錠20mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(メマンチン塩酸塩として20mg)、健康成人男性に絶食時に水なしで単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
図16‐2 血漿中濃度

表16‐3 薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
16.3.1 脳脊髄液への移行性
アルツハイマー型認知症患者にメマンチン塩酸塩1日1回(朝食後)5mgから開始し、1週間ごとに5mgずつ漸増し10mg又は20mgを維持用量として24週間反復経口投与したとき、脳脊髄液中濃度の血漿中濃度に対する比は10mg/日群で0.63、20mg/日群で0.72であった。
16.3.2 涙液への移行性
健康成人男性にメマンチン塩酸塩を空腹時に単回経口投与した場合、涙液中への移行が認められた。
16.3.3 ラット及びウサギにおける移行性
ラットに14C‐標識体を単回経口投与したとき、放射能は主として消化管内容物、陰茎、腎臓、尿路、肝臓、肺、副腎、涙腺、ハーダー氏腺、唾液腺及び脾臓に分布した。
ラットにメマンチン塩酸塩を混餌投与したとき、脳内メマンチンのAUCは血漿中メマンチンのAUCの18倍以上高かった。
また、妊娠中のウサギに14C‐標識体を単回静脈内投与したとき、放射能は胎児に移行した。授乳期のラットに14C‐標識体を単回経口投与したとき、放射能は乳汁に移行した。[9.5、9.6参照]
16.4 代謝
16.4.1 高齢男性にメマンチン塩酸塩20mgを単回経口投与したとき、投与後72時間以内に未変化体が34.1%、代謝物であるフラノース型グルクロン酸が結合した抱合体が2.2%尿中に排泄された。
16.4.2 メマンチン塩酸塩は、ヒトチトクロームP450(CYP)分子種を発現した細胞を用いた検討で、ヒトのP450で代謝されにくいことが示された。ヒト肝細胞においてCYP1A2、2C9、2E1、3A4及び3A5を誘導しなかった。臨床用量における血漿中濃度付近(1μmol/L)で、ヒト肝ミクロソームにおける各P450活性、エポキシド加水分解酵素(EH)活性、フラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)活性、グルクロン酸転移酵素(UGT)活性及び硫酸転移酵素(SULT)活性を阻害しなかった(in vitro)。
16.5 排泄
健康成人男性に、メマンチン塩酸塩5mgを1日3回経口投与し、定常状態に到達した13日目の初回投与時に14C‐標識体5mgを経口投与したところ、総放射能の尿中への累積排泄率は投与20日後までに83.2±11.7%であり、糞中への累積排泄率は7日後までに0.54±0.41%であった(外国人データ)。
また、炭酸水素ナトリウムを併用し、尿pHをアルカリ性状態にした場合には、メマンチンの全身クリアランス(CL/F)は単独投与時と比べて大きく低下したとの報告がある(外国人データ)。[9.1.2、10.2参照]
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者での体内動態
メマンチン塩酸塩は腎排泄型の薬剤であり、腎機能が低下する程度に応じて、メマンチン塩酸塩のt1/2の延長とAUCの増大が認められている。[7.2、9.2参照]
表16‐4 メマンチン塩酸塩10mg単回経口投与時の腎機能障害患者及び腎機能正常者での薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.7 薬物相互作用
健康成人20例にメマンチン塩酸塩を漸増法(メマンチン塩酸塩5mgを3日間、続いて10mgを4日間投与後、20mgを14日間)により1日1回経口投与した後、メマンチン塩酸塩20mgとヒドロクロロチアジド(25mg)・トリアムテレン(50mg)配合剤を7日間併用したとき、ヒドロクロロチアジドのCmax及びAUCは単独投与時の約80%に低下した(外国人データ)。[10.2参照]
16.8 その他
16.8.1 メマンチン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」
メマンチン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づきメマンチン塩酸塩OD錠20mg「タカタ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。
16.8.2 メマンチン塩酸塩OD錠10mg「タカタ」
メマンチン塩酸塩OD錠10mg「タカタ」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づきメマンチン塩酸塩OD錠20mg「タカタ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相試験
中等度から高度アルツハイマー型認知症患者(MMSEスコア:5点以上14点以下、FASTステージ:6a以上7a以下)315例を対象にメマンチン塩酸塩10mg(5mg/日を1週間投与後、10mg/日を23週間投与:計24週間投与)又は20mg(5mg/日、10mg/日及び15mg/日をそれぞれ順に1週間投与後、20mg/日を21週間投与:計24週間投与)、もしくはプラセボを24週間投与する二重盲検比較(用量設定)試験を実施した。
認知機能を評価するSIB‐Jにおいて、主たる解析では投与24週後評価のスコア変化量で用量反応性が認められ、また、副次的に実施した対比較の結果、プラセボ群とメマンチン塩酸塩20mg/日群の間に有意差が認められた(解析対象:260例、p=0.0029、Wilcoxon検定)。日常生活動作を評価するADCS ADL‐Jにおいては、主たる解析では投与24週後評価のスコア変化量で用量反応性は認められず、また、副次的に実施した対比較の結果、プラセボ群とメマンチン塩酸塩20mg/日群の間に有意差は認められなかった(解析対象:260例、p=0.8975、Wilcoxon検定)。
副作用発現頻度はメマンチン塩酸塩10mg/日群で29.9%(32/107例)、メマンチン塩酸塩20mg/日群で31.0%(31/100例)であり、主な副作用は、メマンチン塩酸塩10mg/日群で体重減少3.7%(4/107例)、メマンチン塩酸塩20mg/日群で便秘、歩行異常、浮動性めまい、幻覚各3.0%(3/100例)であった。
17.1.2 国内第III相試験
中等度から高度アルツハイマー型認知症患者(MMSEスコア:5点以上14点以下、FASTステージ:6a以上7a以下)432例を対象にメマンチン塩酸塩20mg(5mg/日、10mg/日及び15mg/日をそれぞれ順に1週間投与後、20mg/日を21週間投与:計24週間投与)もしくはプラセボを24週間投与する二重盲検比較試験を実施した。
認知機能を評価するSIB‐Jのスコア変化量を表に示す。SIB‐Jにおいて、主たる解析である投与24週後評価のプラセボ群とメマンチン塩酸塩20mg/日群のスコア変化量の差は4.53点であり、両群間に有意差が認められた(解析対象:368例、p=0.0001、Wilcoxon検定)。最終評価時点においても両群間に有意差が認められた(解析対象:424例、p<0.0001、Wilcoxon検定)。
また、SIB‐Jのスコア変化量の経時的推移でもメマンチン塩酸塩20mg/日群は24週間にわたってプラセボ群を上回った。
表17‐1 投与24週後のSIB‐Jのスコア変化量
→図表を見る(PDF)

全般的臨床症状を評価するModified CIBIC plus‐Jの投与24週後評価の平均値を表に示す。メマンチン塩酸塩20mg/日群はプラセボ群を上回ったが、両群間の差は0.11であり、有意差は認められなかった(解析対象:367例、p=0.3189、Mantel検定)。
また、最終評価においても有意差は認められなかった(解析対象:425例、p=0.1083、Mantel検定)。
表17‐2 投与24週後のModified CIBIC plus‐J
→図表を見る(PDF)

副作用発現頻度はメマンチン塩酸塩群で28.5%(63/221例)であり、主な副作用は、便秘3.2%(7/221例)、血圧上昇2.3%(5/221例)、高血圧1.8%(4/221例)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、アルツハイマー型認知症各1.4%(3/221例)であった。
17.1.3 海外第III相試験
米国において、ドネペジル塩酸塩の治療を6ヵ月以上受けている中等度から高度アルツハイマー型認知症患者(MMSEスコア:5点以上14点以下)403例を対象にメマンチン塩酸塩20mg(5mg/日、10mg/日及び15mg/日をそれぞれ順に1週間投与後、20mg/日を21週間投与:計24週間投与)もしくはプラセボを24週間投与する二重盲検比較試験を実施した。
認知機能を評価するSIBの最終評価時点のスコア変化量の最小二乗平均値を表に示す。プラセボ群とメマンチン塩酸塩20mg/日群の差は3.4点であり、両群間に有意差が認められた(解析対象394例、p<0.001、2元配置共分散分析)。
表17‐3 最終評価時点のSIBのスコア変化量
→図表を見る(PDF)

全般的臨床症状を評価するCIBIC‐plusの最終評価時点の平均値を表に示す。プラセボ群とメマンチン塩酸塩20mg/日群の差は0.25であり、両群間に有意差が認められた(解析対象394例、p=0.03、Cochran‐Mantel Haenszel検定)。
表17‐4 最終評価時点のCIBIC‐plus
→図表を見る(PDF)

日常生活動作を評価するADCS‐ADL19の最終評価時点のスコア変化量の最小二乗平均値を表に示す。プラセボ群とメマンチン塩酸塩20mg/日群の差は1.4点であり、両群間に有意差が認められた(解析対象395例、p=0.03、2元配置共分散分析)。
表17‐5 最終評価時点のADCS‐ADL19のスコア変化量
→図表を見る(PDF)

副作用発現頻度はメマンチン塩酸塩群で33.7%(68/202例)であり、主な副作用は、浮動性めまい5.9%(12/202例)、頭痛4.5%(9/202例)、激越、錯乱各4.0%(8/202例)、転倒、下痢、傾眠、尿失禁各2.5%(5/202例)、疲労、無力症、嘔吐各2.0%(4/202例)、末梢性浮腫、高血圧、歩行異常、体重増加、不眠症、貧血各1.5%(3/202例)であった。
17.2 製造販売後調査等
17.2.1 国内第IV相試験
ドネペジル塩酸塩を服用中の中等度から高度アルツハイマー型認知症患者(MMSEスコア:1点以上14点以下)546例を対象にメマンチン塩酸塩20mg(5mg/日、10mg/日及び15mg/日をそれぞれ順に1週間投与後、20mg/日を21週間投与:計24週間投与)もしくはプラセボを24週間投与する無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。
認知機能を評価するSIB‐Jのスコア変化量の結果を表に示す。SIB‐Jにおいて、主たる解析である最終評価時点のメマンチン塩酸塩20mg/日併用群のスコア変化量はプラセボ併用群を上回ったが、両群間に有意差は認められなかった(解析対象:527例、p=0.2437、0週時のSIB‐Jスコア及びドネペジル塩酸塩の1日量を共変量とした共分散分析)。
表17‐6 最終評価時点のSIB‐Jのスコア変化量
→図表を見る(PDF)

※その他の解析として行ったWilcoxon順位和検定においても、両群間に有意差は認められなかった(p=0.0563)。

18.1 作用機序
アルツハイマー型認知症ではグルタミン酸神経系の機能異常が関与しており、グルタミン酸受容体のサブタイプであるNMDA(N‐メチル‐D‐アスパラギン酸)受容体チャネルの過剰な活性化が原因の一つと考えられている。メマンチンはNMDA受容体チャネル阻害作用により、その機能異常を抑制する。
18.2 NMDA受容体チャネルに対する阻害作用及び特性
18.2.1 ラット大脳皮質神経細胞膜画分のNMDA受容体チャネルに対して、選択的で低親和性の結合を示した(in vitro)。
18.2.2 ラット初代培養海馬神経細胞において、NMDA受容体チャネルの活性化によって生じる電流に対して膜電位依存性の阻害作用を示し、その作用の発現及び消失は速やかであった(in vitro)。
18.2.3 ラット海馬スライスのシナプス伝達の長期増強(記憶・学習の基本モデル)の形成に対して濃度依存的な抑制作用を示すが、NMDA受容体チャネル阻害作用のIC50値付近ではほとんど影響しなかった(in vitro)。
18.3 学習障害抑制作用
18.3.1 ラット海馬へのアミロイドβ1‐40及びイボテン酸(NMDA受容体作動薬)の注入により惹起された神経細胞傷害及び空間認知機能障害を抑制した。一方、正常ラットの空間認知機能には影響しなかった。
18.3.2 ラット腹腔内へのNMDAの投与により惹起された、神経細胞傷害に基づかない受動的回避学習障害を抑制した。
18.3.3 正常ラットに高用量(腹腔内10mg/kg)を投与した場合、受動的回避学習を障害したとの報告がある。

一包可:条件付可
分割:条件付可
粉砕:条件付可
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高田製薬
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