ガランタミンOD錠4mg「JG」

添付文書情報2024年09月改定(第3版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. アルツハイマー型認知症と診断された患者にのみ使用すること。
5.2. 本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。
5.3. アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において、本剤の有効性は確認されていない。
5.4. 他の認知症性疾患との鑑別診断に留意すること。
- 用法・用量
- 通常、成人にはガランタミンとして1日8mg(1回4mgを1日2回)から開始し、4週間後に1日16mg(1回8mgを1日2回)に増量し、経口投与する。なお、症状に応じて1日24mg(1回12mgを1日2回)まで増量できるが、増量する場合は変更前の用量で4週間以上投与した後に増量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 1日8mg投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、原則として4週間を超えて使用しないこと。
7.2. 中等度肝障害患者(Child-Pugh分類を肝機能の指標とした中等度<B>の肝障害患者)では、4mgを1日1回から開始し少なくとも1週間投与した後、1日8mg(4mgを1日2回)を4週間以上投与し、増量する(ただし、1日16mgを超えないこと)〔9.3肝機能障害患者の項、16.6.2参照〕。
7.3. 副作用を軽減するため、食後に投与することが望ましい。
7.4. 医療従事者、家族等の管理のもとで投与すること。
- 肝機能障害患者
- 8.1. アルツハイマー型認知症患者では運転能力や機械操作能力が徐々に低下し、また、本剤によりめまい、眠気が起こる可能性があるので、本剤投与中(特に投与開始の数週間)は、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意するよう指導すること。
8.2. アルツハイマー型認知症患者では、体重減少が認められることがあり、また、本剤を含むコリンエステラーゼ阻害剤において、体重減少が報告されているので、治療中は体重の変化に注意すること。
8.3. 本剤投与で効果が認められない場合、漫然と投与しないこと。
8.4. 他のアセチルコリンエステラーゼ阻害作用のある同効薬<アルツハイマー型認知症>(ドネペジル等)と併用しないこと。
9.1.1. 心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)を有する患者や電解質異常(低カリウム血症等)のある患者等:徐脈、心ブロック、QT延長等があらわれることがあるので、重篤な不整脈に移行しないよう観察を十分に行うこと〔11.1.1参照〕。
9.1.2. 洞不全症候群、心房内伝導障害及び房室接合部伝導障害等の心疾患のある患者:迷走神経刺激作用により徐脈あるいは不整脈を起こす可能性がある〔11.1.1参照〕。
9.1.3. 消化性潰瘍の既往歴のある患者、消化管閉塞のある患者又は消化管手術直後の患者:胃酸分泌の促進及び消化管運動の促進により症状が悪化する可能性がある〔10.2参照〕。
9.1.4. 下部尿路閉塞のある患者、又は膀胱手術直後の患者:症状が悪化する可能性がある。
9.1.5. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:痙攣発作を誘発する可能性がある(また、アルツハイマー型認知症に伴い、痙攣発作がみられることがある)。
9.1.6. 気管支喘息又は閉塞性肺疾患の既往歴のある患者:気管支平滑筋の収縮及び気管支粘液分泌の亢進により症状が悪化する可能性がある。
9.1.7. 錐体外路障害(パーキンソン病、パーキンソン症候群等)のある患者:線条体のコリン系神経を亢進することにより、症状を誘発又は増悪する可能性がある。
腎機能障害患者:本剤の血中濃度が上昇するおそれがある〔16.6.3参照〕。
9.2.1. 重度腎障害患者(クレアチニンクリアランス9mL/分未満):投与経験がなく、安全性が確立していないため、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
肝機能障害患者:本剤の血中濃度が上昇するおそれがある〔7.2、16.6.2参照〕。
9.3.1. 重度肝障害患者(Child-Pugh分類を肝機能の指標とした重度<C>の肝障害患者):投与経験がなく、安全性が確立していないため、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
- 相互作用
- 本剤は主としてCYP2D6及びCYP3A4により代謝される。
10.2. 併用注意:1). コリン作動薬(アセチルコリン、ベタネコール等)、コリンエステラーゼ阻害剤(ネオスチグミン等)[コリン刺激作用が増強され著しい心拍数の低下等がおこる可能性がある(本剤とこれらの薬剤のコリン作動作用が相加的に増強される)]。
2). スキサメトニウム[麻酔時のスキサメトニウムの筋弛緩作用が増強される可能性がある(本剤が、スキサメトニウムの脱分極性筋弛緩作用を増強する)]。
3). ジゴキシン、β遮断剤(プロプラノロール、アテノロール、カルベジロール等)[著しい心拍数の低下等がおこる可能性がある(伝導抑制作用が相加的に増強される)]。
4). 抗コリン剤(アトロピン、ブチルスコポラミン、トリヘキシフェニジル、ビペリデン等)[相互に作用が減弱する可能性がある(本剤とこれらの薬剤の作用が、相互に拮抗する)]。
5). アミトリプチリン、フルボキサミン、パロキセチン、キニジン等[本剤の血中濃度が上昇し悪心・嘔吐等がおこる可能性がある(これらの薬剤のCYP2D6阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)]。
6). イトラコナゾール、エリスロマイシン等[本剤の血中濃度が上昇し悪心・嘔吐等がおこる可能性がある(これらの薬剤のCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)]。
7). 非ステロイド性消炎鎮痛剤〔9.1.3参照〕[本剤とこれらの薬剤の併用により消化器症状を悪化させる可能性がある(本剤のコリン作動性作用による胃酸分泌の促進及び消化管運動の促進が、これらの薬剤による消化器症状を悪化させる可能性がある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 失神(0.1%)、徐脈(1.1%)、心ブロック(1.3%)、QT延長(0.9%)〔9.1.1、9.1.2参照〕。
11.1.2. 急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明):発熱、紅斑、多数の小膿疱等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.3. 肝炎(頻度不明)。
11.1.4. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 感染症及び寄生虫症:(1~5%未満)鼻咽頭炎、(1%未満)膀胱炎、尿路感染。
2). 血液及びリンパ系障害:(1~5%未満)貧血。
3). 過敏症:(1%未満)発疹、そう痒症、顔面浮腫、(頻度不明)薬疹、全身性皮疹、蕁麻疹。
4). 代謝及び栄養障害:(5%以上)食欲不振、食欲減退、(1%未満)脱水。
5). 精神障害:(1~5%未満)不眠症、(1%未満)激越、怒り、攻撃性、不安、譫妄、落ち着きのなさ、幻覚、(頻度不明)うつ病、幻視、幻聴。
6). 神経系障害:(1~5%未満)頭痛、浮動性めまい、(1%未満)意識消失、傾眠、痙攣、体位性めまい、振戦、アルツハイマー型認知症の悪化、パーキンソニズム、(頻度不明)嗜眠、味覚異常、過眠症、錯感覚、錐体外路障害。
7). 眼障害:(頻度不明)霧視。
8). 耳及び迷路障害:(頻度不明)耳鳴。
9). 心臓障害:(1~5%未満)心室性期外収縮、(1%未満)上室性期外収縮、心房細動、動悸。
10). 血管障害:(1~5%未満)高血圧、(1%未満)低血圧、(頻度不明)潮紅。
11). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1%未満)咳嗽。
12). 胃腸障害:(5%以上)悪心(14.9%)、嘔吐(12.4%)、下痢、(1~5%未満)腹痛、便秘、上腹部痛、胃不快感、(1%未満)胃炎、腹部膨満、消化不良、胃潰瘍、腸炎、萎縮性胃炎、腹部不快感、レッチング。
13). 肝胆道系障害:(1%未満)肝機能異常。
14). 皮膚及び皮下組織障害:(1%未満)湿疹、皮下出血、多汗症、紅斑。
15). 筋骨格系及び結合組織障害:(1%未満)背部痛、筋力低下、(頻度不明)筋痙縮。
16). 腎及び尿路障害:(1%未満)頻尿、尿失禁、血尿。
17). 全身障害及び投与局所様態:(1~5%未満)倦怠感、異常感、(1%未満)無力症、発熱、胸痛、疲労、歩行障害。
18). 臨床検査:(1~5%未満)体重減少、肝機能検査値異常、CK増加、尿中白血球陽性、血圧上昇、血中ブドウ糖増加、(1%未満)尿中血陽性、血中トリグリセリド増加、尿中赤血球陽性、白血球数増加、血中コレステロール増加、LDH増加、血中カリウム減少、血圧低下、血中尿酸増加、心電図異常、総蛋白減少。
19). 傷害、中毒及び処置合併症:(1~5%未満)転倒・転落。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトにおける乳汁への移行は不明であるが、動物実験(ラット)で乳腺への移行が認められている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.2. 薬剤服用時の注意14.2.1. 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用
可能である(また、水で服用することもできる)。
14.2.2. 本剤は寝たままの状態では、水なしで服用させないこと。
20.1. 小児の手の届かない所に保管すること。
20.2. 高温多湿を避けて保管すること。
20.3. 錠剤表面に斑点が認められることがあるが、使用色素によるものであり、品質に影響はない。
16.1 血中濃度
16.1.1 日本人単回投与試験
〈錠〉
健康成人に4mg及び8mg錠を単回経口投与(空腹時)したとき、血漿中未変化体濃度は投与後速やかに上昇し、投与後1.0~1.5時間にCmaxに達し、8.0~9.4時間のt1/2で低下した。
健康成人に4mg及び8mg錠を単回経口投与したときの血漿中未変化体の薬物動態パラメータ[平均値±S.D.、N=12]
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健康成人に4mg、8mg及び12mgを1日2回、7日間ごとの漸増法にて反復経口投与したとき、血漿中未変化体濃度はいずれの用量においても投与開始4日目までに定常状態に達した。定常状態におけるtmaxに用量による違いはなく、Cmin,ss、Cmax,ss及びAUCτ,ssは用量に比例して増加した。最終投与時(12mg)のt1/2と単回投与時のt1/2に大きな差異はなかった。
健康成人に4mg、8mg及び12mgを1日2回、7日間ごとの漸増法にて反復経口投与したときの各用量の定常状態(投与7日目)における血漿中未変化体の薬物動態パラメータ[平均値±S.D.、N=8]
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〈OD錠〉
健康成人に8mgOD錠(水なしで服用)、8mgOD錠(水で服用)又は8mg錠(水で服用)を単回経口投与(空腹時)したとき、血漿中未変化体濃度は投与後速やかに上昇し、投与後1.0時間でCmaxに達し、6.7~6.9時間のt1/2で低下した。OD錠は水なしで服用又は水で服用した場合のいずれも、錠(水で服用)と生物学的に同等であった。
健康成人に8mgOD錠(水なしで服用)、8mgOD錠(水で服用)又は8mg錠(水で服用)を単回経口投与(空腹時)したときの血漿中未変化体の薬物動態パラメータ[平均値±S.D.、N=21]
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16.1.2 生物学的同等性試験
(1)水で服用
ガランタミンOD錠8mg「JG」とレミニールOD錠8mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ガランタミンとして8mg)健康成人男性に水150mLと共に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
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血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
(2)水なしで服用
ガランタミンOD錠8mg「JG」とレミニールOD錠8mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ガランタミンとして8mg)健康成人男性に水なしで絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
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血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 食事による影響
健康成人に4mg錠を空腹時又は食後に単回経口投与したとき、空腹時投与と比較して食後投与ではtmaxにわずかな遅れがみられたが、Cmax及びAUCに差は認められなかった。
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
ヒト血漿蛋白結合率:ガランタミン17.8%(in vitro、平衡透析法100ng/mL)
16.4 代謝
代謝酵素(チトクロームP450)の分子種:CYP2D6及びCYP3A4
16.5 排泄
健康成人に4mg及び8mg錠を単回経口投与したとき、投与後24時間までに尿中に排泄された未変化体は投与量の約13~15%であった。なお、健康成人に3H-ガランタミン4mgを内用液として単回経口投与したとき、投与後7日までに投与放射能の93.4%が尿中に、3.8%が糞便中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者での成績
健康高齢者に4mg錠を単回経口投与(空腹時)したとき、血漿中未変化体濃度は投与後速やかに上昇し、投与後1.0時間でCmaxに達し、8.7時間のt1/2で低下した。なお、Cmax(34.4±7.8ng/mL)及びAUC∞(296±50.5ng・h/mL)は、健康成人と比較して高値であった。
16.6.2 肝機能障害による影響
中等度の肝機能障害被験者に4mg錠を単回経口投与したとき、正常肝機能被験者及び軽度肝機能障害被験者と比較してCL/Fの低下(約23%)及びt1/2の延長(約30%)が認められた。なお、母集団薬物動態解析の結果、肝障害のある患者での用量調節の必要性が示唆された(外国人データ)。[7.2、9.3参照]
正常肝機能被験者及び種々の程度の肝機能障害被験者に4mg錠を単回経口投与したときの血漿中未変化体の薬物動態パラメータ[平均値±S.D.]
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16.6.3 腎機能障害による影響
中等度及び重度の腎機能障害被験者に8mg錠を単回経口投与したとき、腎機能の低下に伴い、正常腎機能被験者と比較してAUC∞の増加、t1/2の延長、CLRの低下及び尿中排泄率の減少が認められた。なお、tmax及びCmaxに差は認められなかった(外国人データ)。[9.2参照]
正常腎機能被験者及び種々の程度の腎機能障害被験者に8mg錠を単回経口投与したときの血漿中未変化体の薬物動態パラメータ[平均値±S.D.]
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16.7 薬物相互作用
健康成人を対象とした薬物相互作用の検討結果を示す。(外国人データ)
16.7.1 ガランタミンの薬物動態に対する他剤の影響
(1)パロキセチン併用時の血中濃度
パロキセチン併用(20mg/日反復経口投与)により、ガランタミン16mg/日及び24mg/日投与時の血漿中ガランタミンのCmax,ssはそれぞれ31%及び37%増加、AUCτ,ssはそれぞれ45%及び48%増加した。
16.8 その他
〈ガランタミンOD錠4mg「JG」〉
ガランタミンOD錠4mg「JG」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号 別紙2)」に基づき、ガランタミンOD錠8mg「JG」を標準製剤とした溶出試験の結果、溶出挙動は同等と判定され、生物学的に同等とみなされた。
〈ガランタミンOD錠12mg「JG」〉
ガランタミンOD錠12mg「JG」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号 別紙2)」に基づき、ガランタミンOD錠8mg「JG」を標準製剤とした溶出試験の結果、溶出挙動は同等と判定され、生物学的に同等とみなされた。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
NINCDS-ADRDA注1)の診断基準によりprobable ADと診断され、MMSE注2)スコアが10~22点、ADAS-J cog注3)合計スコアが18点以上の軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症患者を対象とした国内二重盲検比較試験(JPN-3試験(398例)及びJPN-5試験(580例))において、ガランタミン16mg/日(8mg/日を4週間→16mg/日を18又は20週間)、24mg/日(8mg/日を4週間→16mg/日を4週間→24mg/日を14又は16週間)又はプラセボ(22又は24週間)を食後に投与した。主要評価項目は、認知機能を評価するADAS-J cog及び全般臨床評価であるCIBIC plus-J注4)とした。
注1)National Institute of Neurological and Communicative Disorders and Stroke-Alzheimer’s Disease and Related Disorders Association
注2)Mini-Mental State Examination
注3)Alzheimer’s Disease Assessment Scale Japan-cognitive subscale
注4)Clinician’s Interview-Based Impression of Change-plus caregiver input Japan
軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症患者を対象に実施した、国内プラセボ対象比較試験のGAL-JPN-3試験、GAL-JPN-5試験及びGAL-JPN-3試験の被験者を対象とした長期投与時の安全性を検討したGAL-JPN-4試験における安全性評価対象症例744例中431例(57.9%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主なものは、悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、食欲減退、頭痛であった。
17.1.1 国内第III相臨床試験
ADAS-J cogにおいて、16mg/日群はプラセボ群との間に有意差は認められなかったが、24mg/日群はプラセボ群と比較して有意に優れていた。
最終評価時のADAS-J cog
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CIBIC plus-Jにおいて、16mg/日群はプラセボ群と比較して有意に優れていたが、24mg/日群はプラセボ群との間に有意差は認められなかった。
最終評価時のCIBIC plus-J
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17.1.2 国内第III相臨床試験
ADAS-J cogにおいて、16mg/日群及び24mg/日群ともにプラセボ群と比較して有意に優れていた。
最終評価時のADAS-J cog
→図表を見る(PDF)
CIBIC plus-Jにおいて、16mg/日群及び24mg/日群ともにプラセボ群との間に有意差は認められなかった。
最終評価時のCIBIC plus-J
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18.1 作用機序
アルツハイマー型認知症では、脳内コリン機能の低下が認められ記憶障害の原因と考えられている。ガランタミンは、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)を競合的に阻害することで脳内ACh濃度を上昇させ、かつニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に対するAPL作用により脳内コリン機能を増強させる。更に、神経細胞保護作用により神経細胞の機能低下を抑制する。
18.2 薬理作用
18.2.1 AChE阻害作用
AChEを選択的かつ可逆的に競合阻害し、経口投与によりラット脳内アセチルコリン(ACh)濃度を上昇させた。
18.2.2 nAChRに対するアロステリック増強作用
nAChRのACh結合部位とは異なる部位(アロステリック部位)に結合し、AChのnAChRに対する作用を増強させた(アロステリック増強作用:APL作用)。
18.2.3 神経細胞保護作用
アミロイドβによる神経細胞障害に対して細胞保護作用を示した。
18.2.4 記憶障害改善作用
スナネズミ脳虚血モデルにおいて、経口投与により記憶障害に対する改善が認められた。
- 一包可:条件付可
- 分割:条件付可
- 粉砕:条件付可
- 製造販売会社
- 日本ジェネリック
- 販売会社
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