レグナイト錠300mg

添付文書情報2020年11月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分又はガバペンチンに対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 高度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)〔9.2.1、16.6.1参照〕。
- 効能・効果
- 中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(中等度から高度の特発性下肢静止不能症候群)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)の診断は、国際レストレスレッグス症候群研究グループの診断基準及び重症度スケール(IRLS)に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること(IRLS:International Restless Legs Syndrome Rating Scale)。
5.2. 本剤は、原則、ドパミンアゴニストによる治療で十分な効果が得られない場合、又はオーグメンテーション(症状発現が2時間以上早まる、症状の増悪、他の部位への症状拡大)等によりドパミンアゴニストが使用できない場合に限り投与すること(国内臨床試験において主要評価項目である治療期最終時点におけるIRLS合計スコアの変化量ではプラセボ群との差は認められていない)〔17.2.1参照〕。
- 用法・用量
- 通常、成人にはガバペンチン エナカルビルとして1日1回600mgを夕食後に経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 中等度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min以上60mL/min未満)には1日1回300mgを投与する〔9.2.2、9.8高齢者の項、16.6.1参照〕。
7.2. 軽度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス60mL/min以上90mL/min未満)への投与は1日1回300mgとし、最大用量は1日1回600mgとするが、増量に際しては副作用発現に留意し、患者の状態を十分に観察しながら慎重に行うこと〔9.2.3、9.8高齢者の項、16.6.1参照〕。
- 腎機能障害患者
- 8.1. 本剤の投与により体重増加を来すことがあるので、肥満に注意し、肥満の徴候があらわれた場合は、食事療法、運動療法等の適切な処置を行うこと。特に、投与量の増加、あるいは長期投与に伴い体重増加が認められることがあるため、定期的に体重計測を実施すること。
8.2. 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.3. 本剤の投与により、霧視、眼調節障害等の眼障害が生じる可能性があるので、診察時に、眼障害について問診を行う等注意し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと〔15.2.1参照〕。
8.4. 効果が認められない場合には、漫然と投与しないよう注意すること。
9.2.1. 高度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満):投与しないこと(活性代謝物であるガバペンチンの排泄が遅延し、血漿中濃度が上昇するおそれがある)〔2.2、9.8高齢者の項、16.6.1参照〕。
9.2.2. 中等度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス30mL/min以上60mL/min未満)〔7.1、9.8高齢者の項、16.6.1参照〕。
9.2.3. 軽度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス60mL/min以上90mL/min未満)〔7.2、9.8高齢者の項、16.6.1参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). モルヒネ[ガバペンチンの併用により本剤の活性代謝物であるガバペンチンのCmaxが24%・AUCが44%増加したとの報告があり、本剤併用時にもガバペンチンの血中濃度が上昇するおそれがあるので、傾眠等の中枢神経抑制症状に注意し、必要に応じて本剤又はモルヒネの用量を減量すること(機序は不明だが、モルヒネにより消化管運動が抑制され、本剤の吸収が増加する可能性がある)]。
2). アルコール<服用>[アルコールとの同時服用により本剤の徐放性が失われるおそれがあるため、本剤服用中は飲酒を避けるよう指導すること(in vitroの溶出試験において、アルコール存在下で徐放錠から成分が急速に溶出したとの報告がある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 急性腎障害(頻度不明)。
11.1.2. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)。
11.1.3. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、さらに肝機能障害等の臓器障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。
11.1.4. 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)。
11.1.5. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
11.1.6. アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシー(血管性浮腫、呼吸困難等)があらわれることがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 血液及びリンパ系障害:(1%未満)好酸球数増加、血小板数増加。
2). 心臓障害:(1%未満)動悸。
3). 耳及び迷路障害:(1~5%未満)回転性めまい。
4). 眼障害:(1%未満)霧視。
5). 胃腸障害:(1~5%未満)悪心、口内乾燥、下痢、便秘、(1%未満)鼓腸、消化不良、腹部不快感、嘔吐、上腹部痛、腹痛、胃食道逆流性疾患。
6). 全身障害及び投与局所様態:(1~5%未満)疲労、易刺激性、体重増加、(1%未満)異常感、酩酊感、末梢性浮腫、倦怠感、無力症、体重減少。
7). 肝胆道系障害:(1%未満)ALT上昇、γ-GTP上昇、AST上昇。
8). 代謝及び栄養障害:(1~5%未満)CK上昇、(1%未満)食欲亢進、尿酸上昇。
9). 筋骨格系及び結合組織障害:(1%未満)四肢痛、筋肉痛、筋痙縮、関節痛、背部痛。
10). 神経系障害:(5%以上)傾眠(19.3%)、浮動性めまい(13.0%)、(1~5%未満)頭痛、鎮静、平衡障害、(1%未満)注意力障害、錯感覚、振戦、嗜眠、味覚異常、構語障害、運動失調。
11). 精神障害:(1~5%未満)失見当識、うつ病、不眠症、不安、リビドー減退、(1%未満)異常な夢。
12). 腎及び尿路障害:(1%未満)BUN上昇。
13). 皮膚及び皮下組織障害:(1%未満)発疹、皮膚そう痒症。
14). 血管障害:(1%未満)高血圧。
- 高齢者
- クレアチニンクリアランス値を参考に投与量を調節するなど慎重に投与すること(腎機能が低下していることが多い)〔7.1、7.2、9.2.1-9.2.3参照〕。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(妊娠ラットで胎盤及び胎仔へ移行することが報告されており、さらに、妊娠ラット及び妊娠ウサギに投与した際に母動物体重減少等がみられ、非妊娠動物に投与した場合と比較して毒性増強する可能性が報告されており、また、早産あるいは流産(ウサギ)、胎仔低体重(ラット及びウサギ)、新生仔生存率低下及び新生仔低体重(ラット)が認められている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意PTP包装から取り出し無包装状態で高温・多湿下の条件に放置すると、品質の低下が認められるため、分包しないこと。
14.2. 薬剤交付時の注意14.2.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.2.2. 本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用するよう指導すること(割ったり、砕いたり、すりつぶしたりして服用すると、本剤の徐放性が失われるおそれがある)。
20.1. 本品は熱により黄変することがあるので、高温での保存を避け、涼しい場所で保存すること。
20.2. 本品はアルミ袋と乾燥剤により品質保持をはかっているので、内袋開封後は乾燥剤が封入された専用の保管袋で高温・湿気を避けて保存し、なるべく速やかに使用すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 海外で実施された本剤の活性代謝物であるガバペンチンを含む複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6-3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている*。
15.1.2. 臨床試験において、本剤の依存性の可能性は評価されていない。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. 非臨床薬物動態試験において、本薬はラットの眼球に投与後24時間以上にわたって分布したが、投与後72時間に眼球から消失することが確認された。また、マウス3カ月間、ラット6カ月間及びサル9カ月間反復投与毒性試験において眼球の変化は認められなかった。眼に関する副作用の発現率は、12週間投与の国内臨床試験ではプラセボ群3.4%に対し、本剤600mg/日群では認められず、900mg/日群で1.7%、1200mg/日群で1.8%、長期投与では3.3%であり、12週間投与の海外臨床試験では、プラセボ群で認められなかったのに対し、本剤600mg/日群で0.6%、1200mg/日群で4.1%、1800mg/日群で2.6%、2400mg/日群で8.9%、長期投与では1.4%であった※〔8.3参照〕。
15.2.2. ラットのがん原性試験(2年間強制経口投与)において発がん性が認められている。5000mg/kg/day(本剤の1日臨床用量600mgにおけるヒト全身曝露量の90倍相当)の用量で膵臓腺房細胞腫瘍(膵臓腺房細胞腺腫あるいは膵臓腺房細胞腺癌)の発生が雌雄ともに増加し、その数は雌よりも雄に多かった。2000mg/kg/day(本剤の1日臨床用量600mgにおけるヒト全身曝露量の40倍相当)の用量では雄においてこの膵臓腺房細胞腫瘍が増加していた。500mg/kg/day(本剤の1日臨床用量600mgにおけるヒト全身曝露量の10倍相当)では影響は認められなかった。マウスでは雌雄ともに発がん性は認められなかった。本剤の活性代謝物であるガバペンチンでも雄ラットに2000mg/kg/day(本剤の1日臨床用量600mgにおけるヒト全身曝露量の40倍相当)を投与した際に同様の膵臓腺房細胞腫瘍の発生が報告されている。1000mg/kg/day(本剤の1日臨床用量600mgにおけるヒト全身曝露量の30倍相当)ではこの腫瘍の増加は報告されていない。
*)本剤の承認された効能又は効果は「中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)」である。
※)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人にはガバペンチン エナカルビルとして1日1回600mgを夕食後に経口投与する」である。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人(各投与量6例)に本剤600、1,200あるいは1,800mgを注)空腹時に単回経口投与したとき、本剤の活性代謝物であるガバペンチンの全血中濃度は投与後4~6時間で最高値に達し、消失半減期は4~6時間であった。ガバペンチンのCmax及びAUCは用量の増加に伴って上昇した。なお、未変化体としては全血中にほとんど存在しなかった。
単回投与時の全血中ガバペンチンの薬物動態パラメータ
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単回投与時の全血中ガバペンチン濃度推移
16.1.2 反復投与
健康成人10例に本剤1,200mgを注)1日1回、食後に5日間反復経口投与したときの最終投与時では、本剤の活性代謝物であるガバペンチンの全血中濃度は投与後5.2時間で最高値に達し、消失半減期は5.6時間であった(外国人データ)。
反復投与時の全血中ガバペンチンの薬物動態パラメータ(外国人データ)
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16.1.3 レストレスレッグス症候群患者
レストレスレッグス症候群患者に本剤600、1,200、1,800あるいは2,400mgを注)1日1回、食後に反復経口投与したときの血漿中ガバペンチン濃度は、投与4週目及び12週目で明らかな変化は認められず、投与後6~9時間の間に最高値を示し、消失半減期は5~7時間であった。ガバペンチンのCmax及びAUCは用量にほぼ比例して上昇した(外国人データ)。
レストレスレッグス症候群患者に1日1回反復経口投与したときの投与12週目における定常状態での血漿中ガバペンチンの薬物動態パラメータ(外国人データ)
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16.2 吸収
16.2.1 吸収率
健康成人6例に本剤1,800mgを注)食後に単回経口投与したときのガバペンチンとしての平均累積尿中排泄率は73%であり、本剤経口投与時の吸収率は良好であると考えられた。
16.2.2 食事の影響
健康成人18例において、食後(高脂肪食)に本剤1,200mgを注)単回経口投与したときのCmax及びAUCは空腹時に比べ約40%上昇した。
空腹時及び食後投与時の血漿中ガバペンチンの薬物動態パラメータ
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16.3 分布
健康成人(各投与量12例)に用量を漸増して本剤1,200あるいは1,800mgを注)1日2回、食後に反復経口投与したときの定常状態でのガバペンチンの全血中濃度に対する血漿中濃度の比は1.09であった。また、ガバペンチンの血漿蛋白との結合率は3%未満と低いことが報告されている。
16.4 代謝
本剤は消化管上皮細胞内あるいは肝臓等に存在しているカルボキシルエステラーゼにより速やかに加水分解され、活性代謝物であるガバペンチンとなる。本剤の未変化体はCYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4のいずれによっても代謝を受けず、また阻害活性を示さなかった(in vitro試験)。本剤の未変化体あるいはガバペンチンは、CYP1A2、CYP2B6及びCYP3A4に対して誘導作用を示さなかった(in vitro試験)。
16.5 排泄
健康成人6例に本剤の14C‐標識体600mgを食後に単回経口投与したとき、投与した総放射能の94.1%が尿中へ、5.2%が糞中へ排泄された。血液及び尿中総放射能の大部分は本剤の活性代謝物であるガバペンチンであり、本剤の主な排泄経路はガバペンチンとしての腎臓からの尿中排泄であると考えられた(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能の異なる被験者(12例)に本剤600mgを食後に単回経口投与したとき、腎機能の低下に伴って血漿中ガバペンチンの消失半減期が延長し、Cmax及びAUCが増加した。また、各被験者の経口クリアランス(CL/F)及び腎クリアランス(CLr)と腎機能の指標であるクレアチニンクリアランス(Ccr)の間には相関関係が認められ、Ccrの低下に伴ってCL/F及びCLrが低下した。[2.2、7.1、7.2、9.2.1-9.2.3参照]
腎機能の異なる被験者に本剤600mgを食後単回経口投与したときの血漿中及び尿中ガバペンチンの薬物動態パラメータ
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16.6.2 血液透析患者
血液透析患者(6例)に本剤600mgを食後に単回経口投与したとき、血漿中ガバペンチン濃度は12時間で最高値に達し、Cmaxは9.47μg/mLであった。3~4時間の血液透析により投与量の44.9%が透析液中に排泄された。透析中の血漿中ガバペンチンの消失半減期は3.7時間、透析クリアランスは167.7mL/minであり、ガバペンチンは血液透析により除去された。[13.2参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ナプロキセン
健康成人10例を対象に、ナプロキセン(1回500mg、1日2回投与)と本剤(1回1,200mg、1日1回食後投与)を注)5日間反復経口投与したとき、本剤はナプロキセンの薬物動態に影響を及ぼさず、またナプロキセンも本剤投与時のガバペンチンの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7.2 シメチジン
健康成人12例を対象に、シメチジン(1回400mg、1日4回投与)と本剤(1回1,200mg、1日1回食後投与)を注)反復経口投与したとき、本剤単独投与時と比較してガバペンチンのAUCτは24%増加したが、Cmaxは変化しなかった。また、本剤の投与はシメチジンの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人にはガバペンチン エナカルビルとして1日1回600mgを夕食後に経口投与する。」である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II/III相試験
レストレスレッグス症候群患者469例を対象とした12週間のプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験の結果、主要評価項目である最終観察時のIRLS合計スコアの変化量は、プラセボ群-8.96±7.286、本剤600mg群-11.10±7.921であり、プラセボ群との差とその95%信頼区間は-2.14[-4.097、-0.189]であった。副作用の発現率は、プラセボ群で50.9%(59/116例)、本剤600mg群で56.7%(68/120例)である。5%以上の副作用は、プラセボ群で傾眠16.4%(19/116例)、浮動性めまい6.9%(8/116例)及び頭痛5.2%(6/116例)、本剤600mg群で浮動性めまい25%(30/120例)、傾眠19.2%(23/120例)及び悪心5.0%(6/120例)であった。
17.1.2 海外第III相試験
レストレスレッグス症候群患者322例を対象とした12週間のプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験の結果、主要評価項目である最終評価時のIRLS合計スコアの変化量はプラセボ群-9.8±7.69、本剤600mg群-13.8±8.09であり、プラセボ群と本剤600mg群の対比較において、統計学的な有意差が認められた(p<0.0001、施設及びベースライン値で調整した共分散分析)。また、最終評価時におけるICGIスケールでのレスポンダー率は、プラセボ群で44.8%(43/96例)、600mg群で72.8%(83/114例)、オッズ比とその95%信頼区間は3.322[1.841、5.992]であり、プラセボ群と本剤600mg群の対比較において、統計学的な有意差が認められた(p<0.0001、投与群及びプールした施設を説明変数としたロジスティック回帰モデル)。副作用の発現率は、プラセボ群で41.7%(40/96例)、本剤600mg群で54.8%(63/115例)である。5%以上の副作用は、プラセボ群なし、本剤600mg群で傾眠20.0%(23/115例)、浮動性めまい9.6%(11/115例)及び頭痛9.6%(11/115例)であった。
17.1.3 海外第III相長期投与試験
レストレスレッグス症候群患者を対象として本剤600~1,800mg注)を52週間投与した結果、IRLS合計スコアの推移は次表のとおりであった。
IRLS合計スコアの推移(安全性解析対象集団)
→図表を見る(PDF)
副作用の発現率は、先行試験での本剤未投与群で66.5%(131/197例)、本剤投与群で49.2%(185/376例)である。5%以上の副作用は、本剤未投与群で傾眠26.9%(53/197例)、浮動性めまい19.8%(39/197例)、疲労6.6%(13/197例)、下肢静止不能症候群5.6%(11/197例)及び頭痛5.1%(10/197例)、本剤投与群で傾眠15.7%(59/376例)及び浮動性めまい6.1%(23/376例)であった。
17.2 製造販売後調査等
17.2.1 国内製造販売後臨床試験
レストレスレッグス症候群患者375例を対象とした12週間のプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験の結果、主要評価項目である治療期最終時点におけるIRLS合計スコアの変化量の調整済み平均値とその95%信頼区間は、本剤600mg群で-11.7[-12.6、-10.7]、プラセボ群で-10.5[-11.4、-9.5]であった。その差とその95%信頼区間は-1.2[-2.6、0.2]であり、統計的に有意な差は認められなかった(MMRM解析、p=0.088、有意水準両側0.05)。副作用の発現率は、プラセボ群で19.4%(36/186例)、本剤600mg群で31.7%(60/189例)である。5%以上の副作用は、プラセボ群で傾眠7.0%(13/186例)、本剤600mg群で傾眠13.2%(25/189例)及び浮動性めまい10.1%(19/189例)であった。[5.2参照]
注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人にはガバペンチン エナカルビルとして1日1回600mgを夕食後に経口投与する。」である。
18.1 作用機序
ガバペンチン エナカルビルはプロドラッグであり、体内で速やかに加水分解され、活性代謝物のガバペンチンを生成する。ガバペンチンのレストレスレッグス症候群に対する作用機序の詳細は不明であるが、電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットに結合することにより、前シナプスでカルシウムイオンの流入を抑制して興奮性神経伝達物質の遊離を抑制するという作用機序が寄与しているものと推察される。
- 一包可:不可
PTP包装から取り出し無包装状態で高温・多湿下の条件に放置すると、品質の低下が認められるため、分包しない。
- 分割:不可
- 粉砕:不可
徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用するよう指導する。割ったり、砕いたり、すりつぶしたりして服用すると、本剤の徐放性が失われるおそれがある。@PTP包装から取り出し無包装状態で高温・多湿下の条件に放置すると、品質の低下が認められるため、分包しない。
- 製造販売会社
- アステラス製薬
- 販売会社
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