静注用キシロカイン2%

添付文書情報2023年09月改定(第1版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 2.1. 重篤な刺激伝導障害(完全房室ブロック等)のある患者[心停止を起こすおそれがある]〔9.1.1参照〕。
2.2. 本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 期外収縮<心室性>、発作性頻拍<心室性>、急性心筋梗塞時及び手術に伴う心室性不整脈の予防。
期外収縮<上室性>、発作性頻拍<上室性>。
- 用法・用量
- リドカイン塩酸塩として、通常、成人1回50~100mg(1~2mg/kg)を、1~2分間で、緩徐に静脈内注射する。
効果が認められない場合には、5分後に同量を投与する。また、効果の持続を期待する時には10~20分間隔で同量を追加投与してもさしつかえないが、1時間内の基準最高投与量は300mgとする。
本剤の静脈内注射の効果は、通常10~20分で消失する。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 過量投与を避けるため、できるだけ頻回の血圧測定及び心電図の連続監視下で投与すること。
8.2. 高度洞性徐脈、あるいは房室ブロック等の徐拍性不整脈とともに心室性不整脈(期外収縮、頻拍)が認められる場合には、人工ペースメーカーによって心拍数を増加させ、本剤を用いること。
9.1.1. 著明な洞性徐脈<完全房室ブロック等の重篤な刺激伝導障害を除く>、刺激伝導障害<完全房室ブロック等の重篤な刺激伝導障害を除く>のある患者:症状を悪化させるおそれがある〔2.1参照〕。
9.1.2. 循環血液量減少している患者、ショック状態にある患者、あるいは心不全のある患者:心停止を起こすおそれがある。
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:中毒症状が発現しやすくなる。
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:中毒症状が発現しやすくなる。
- 相互作用
- 本剤は、主として肝代謝酵素CYP1A2及びCYP3A4で代謝される。
10.2. 併用注意:1). シメチジン[リドカインの血中濃度が上昇したとの報告がある(シメチジンの肝代謝酵素阻害作用により、リドカインの代謝が抑制されると考えられる)]。
2). メトプロロール、プロプラノロール、ナドロール[リドカインの血中濃度が上昇することがある(これらの薬剤の心拍出量、肝血流量減少作用により、リドカインの代謝が遅延すると考えられる)]。
3). リトナビル、ホスアンプレナビルカルシウム水和物、硫酸アタザナビル[リドカインのAUCが上昇することが予想される(肝代謝酵素に対する競合的阻害作用により、リドカインの代謝が遅延すると考えられる)]。
4). セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[リドカインの代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、リドカイン投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること(肝代謝酵素誘導作用により、リドカインの代謝が促進され、血中濃度が低下すると考えられる)]。
5). クラス3抗不整脈剤(アミオダロン等)[心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと(併用により血中濃度が上昇し、作用が増強することが考えられる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 刺激伝導系抑制、ショック(いずれも頻度不明):ときにPQ間隔延長又はQRS幅増大等の刺激伝導系抑制、あるいは徐脈、血圧低下、ショック、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告がある。
11.1.2. 意識障害、振戦、痙攣(いずれも頻度不明):意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔13.1.1参照〕。
11.1.3. 悪性高熱(頻度不明):まれに原因不明の頻脈・不整脈・血圧変動、急激な体温上昇、筋強直、血液暗赤色化(チアノーゼ)、過呼吸、発汗、アシドーシス、高カリウム血症、ミオグロビン尿(ポートワイン色尿)等を伴う重篤な悪性高熱があらわれることがあるので、本剤を投与中、悪性高熱に伴うこれらの症状を認めた場合は、直ちに投与を中止し、ダントロレンナトリウムの静注、全身冷却、純酸素による過換気、酸塩基平衡の是正等、適切な処置を行うこと(また、本症は腎不全を続発することがあるので、尿量の維持を図ること)。
- 11.2. その他の副作用
1). 中枢神経:(頻度不明)せん妄、めまい、眠気、不安、多幸感、しびれ感等。
2). 消化器:(頻度不明)嘔吐等。
3). 過敏症:(頻度不明)蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫等。
- 高齢者
- 本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多いため血中濃度が高くなりすぎるので、振戦、痙攣等の中毒症状を起こすおそれがある。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト乳汁中への移行が報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意本剤中のリドカインは塩酸塩であり、アルカリ性注射液(炭酸水素ナトリウム注射液等)との配合により、リドカインが析出するので配合しないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意静脈内1回投与のみに使用すること。
14.3. 薬剤投与後の注意アンプルを開封後、直ちに使用し、残液は廃棄すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 本剤の投与により、新生児にメトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。
15.1.2. ポルフィリン症の患者に投与した場合、急性腹症、四肢麻痺、意識障害等の急性症状を誘発するおそれがある。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回静脈内投与
健康人にリドカイン塩酸塩25注1)、75、100mgを静脈内注入したとき、血清中濃度は注入直後に最高濃度を示し、いずれも約2時間の半減期で減少した(外国人データ)。生物学的パラメーターを次表に示す。
→図表を見る(PDF)
16.1.2 単回点滴静脈内投与
患者にリドカイン塩酸塩1mg/kgを静注後、2~3mg/分の速度で点滴静注注1)したとき、血中濃度は注入終了時に2.0~6.5μg/mLの最大値を示し、約90分の半減期で減少した(外国人データ)。
16.3 分布
リドカイン2μg/mLの血漿蛋白結合率は約65%で、α1‐酸性糖蛋白及びアルブミンと結合する。血液/血漿中濃度比は約0.8であることから、血球への分布は少ないと考えられる。妊婦にリドカイン塩酸塩を硬膜外投与注1)したとき、臍帯静脈血液中濃度と母体血漿中濃度の比は0.5~0.7で、胎盤を通過する。
16.4 代謝
リドカインは、主として肝臓でN‐脱エチル体monoethyl glycinexylidide(MEGX)に代謝された後、glycinexylidide(GX)、2,6‐xylidineに代謝され、投与量の約70%が4‐hydroxy‐2,6‐xylidineとして尿中に排泄される。
16.5 排泄
リドカイン塩酸塩250mgを健康人に経口投与注1)したとき、24時間後までの尿中放射能排泄率は投与量の83.8%、未変化体は投与量の2.8%であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者
高齢者にリドカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後の終末相半減期は140分を示し、若齢者の81分に比べて延長した(外国人データ)。
16.6.2 心不全患者、腎不全患者及び肝機能低下患者
心不全患者及び腎不全患者にリドカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後の消失半減期は、健康人に比べ有意な変動はなく、肝機能低下患者では約3倍に延長した(外国人データ)。
注1)本剤の承認された用法・用量は、通常、成人1回50~100mg(1~2mg/kg)を、1~2分間で、緩徐に静脈内注射である。
18.1 作用機序
リドカインは、心臓の神経膜のナトリウムチャネルを遮断することにより、活動電位の立ち上がり速度の減少、心房・心室の伝導性低下・ナトリウムチャネル不活性化回復遅延を来し、相対不応期を延長させる。
18.2 抗不整脈作用
リドカインは、冠動脈結紮、ジギタリス投与、アドレナリン投与、機械的刺激等により生じた不整脈に対し、それぞれ強い抑制作用を示す。また、麻酔犬による電気刺激実験において、心室細動発現閾値を上昇させる。
18.3 その他の循環器系作用
リドカインは、イヌの血圧、心収縮力、心拍数、冠血流量等に対し、2mg/kg以下の静脈内投与では無作用又はやや増強作用を示す。
- 製造販売会社
- サンドファーマ
- 販売会社
- サンド
おくすりのQ&A
当該製品の添付文書では、効能又は効果として、『次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症』と記載されています。...
添付文書内の「有効性安全性」の正確な意味を教えてください。どのような条件ならば有効性があるとするのか、安全性があるというのかをその基準を教えて欲しいのです
わからないことがあったら、
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