キシロカインゼリー2%

添付文書情報2023年09月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 表面麻酔。
- 用法・用量
- リドカイン塩酸塩として、尿道麻酔には通常成人では男子は200~300mg、女子は60~100mgを使用する。気管内挿管には適当量を使用する。
なお、年齢、麻酔領域、部位、組織、体質により適宜増減する。
- 肝機能障害患者
- 8.1. まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合に直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておくこと。
8.2. 本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次の点に留意すること。
8.2.1. 患者の全身状態の観察を十分に行うこと。
8.2.2. 麻酔部位に応じ、できるだけ必要最少量とすること。特に他のリドカイン製剤と併用する場合には、総リドカイン量を考慮し過量投与とならないよう注意すること。
8.2.3. 気道内表面麻酔の場合には、吸収が速いので、できるだけ少量を使用すること。
8.2.4. 外傷、びらん、潰瘍又は炎症部位への投与は吸収が速いので注意すること〔13.過量投与の項参照〕。
8.2.5. 前投薬や術中に投与した鎮静薬、鎮痛薬等による呼吸抑制が発現することがあるので、鎮静薬、鎮痛薬等を使用する際は少量より投与し、必要に応じて追加投与することが望ましい(なお、高齢者、小児、全身状態不良な患者、肥満者、呼吸器疾患を有する患者では特に注意し、異常が認められた際には、適切な処置を行うこと)〔9.1.1、9.7小児等、9.8高齢者の項参照〕。
8.3. 本剤の投与により、誤嚥・口腔内咬傷の危険性を増加させるおそれがあるので注意すること。
9.1.1. 全身状態不良な患者:生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある〔8.2.5参照〕。
9.1.2. 心刺激伝導障害のある患者:症状を悪化させることがある。
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:中毒症状が発現しやすくなる。
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:中毒症状が発現しやすくなる。
- 相互作用
- 本剤は、主として肝代謝酵素CYP1A2及びCYP3A4で代謝される。
10.2. 併用注意:クラス3抗不整脈剤(アミオダロン等)[心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと(作用が増強することが考えられる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明):徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告がある。
11.1.2. 意識障害、振戦、痙攣(いずれも頻度不明):意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔13.過量投与の項参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 中枢神経:(頻度不明)眠気、不安、興奮、霧視、眩暈等[このような症状があらわれた場合は、ショックあるいは中毒へ移行することがある]。
2). 消化器:(頻度不明)悪心・嘔吐等[このような症状があらわれた場合は、ショックあるいは中毒へ移行することがある]。
3). 過敏症:(頻度不明)蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫等。
- 高齢者
- 患者の全身状態の観察を十分に行う等、慎重に投与すること(一般に生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下している)〔8.2.5参照〕。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 幼児<特に3歳以下>には、低用量から投与を開始する等、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(麻酔効果の把握が困難なため高用量又は頻回投与されやすく、中毒を起こすことがある)〔8.2.5参照〕。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤投与後の注意本剤は金属を侵す性質があるので、長時間金属器具(匙等)に接触させないことが望ましい(なお、金属器具を使用した場合は、使用後十分に水洗すること)。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 本剤の投与により、気管内挿管後の咽頭痛、嗄声等の発現を増加させたとの報告がある。
15.1.2. ポルフィリン症の患者に投与した場合、急性腹症、四肢麻痺、意識障害等の急性症状を誘発するおそれがある。
16.1 血中濃度
患者に2%リドカイン液(リドカイン塩酸塩約25mg)を気管内挿管時に使用したとき、吸収は速く、血中濃度は15分後に0.1~0.2μg/mLの最高濃度に達した(外国人データ)。
16.2 吸収
消化管からの吸収率は高いが、吸収後に肝臓で代謝されるために血中濃度の上昇への寄与は少ない。
16.3 分布
リドカイン2μg/mLの血漿蛋白結合率は約65%で、α1‐酸性糖蛋白及びアルブミンと結合する。血液/血漿中濃度比は約0.8であることから、血球への分布は少ないと考えられる。妊婦にリドカイン塩酸塩を硬膜外投与注1)したとき、臍帯静脈血液中濃度と母体血漿中濃度の比は0.5~0.7で、胎盤を通過する。
16.4 代謝
リドカインは、主として肝臓でN‐脱エチル体monoethyl glycinexylidide(MEGX)に代謝された後、glycinexylidide(GX),2,6‐xylidineに代謝され、投与量の約70%が4‐hydroxy‐2,6‐xylidineとして尿中に排泄される。
16.5 排泄
リドカイン塩酸塩250mgを健康人に経口投与したとき、24時間後までの尿中放射能排泄率は投与量の83.8%、未変化体は投与量の2.8%であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者
高齢者にリドカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後注1)の終末相半減期は140分を示し、若齢者の81分に比べて延長した(外国人データ)。
16.6.2 心不全患者、腎不全患者及び肝機能低下患者
心不全患者及び腎不全患者にリドカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後注1)の消失半減期は、健康人に比べ有意な変動はなく、肝機能低下患者では約3倍に延長した(外国人データ)。
注1)本剤の承認された効能・効果は表面麻酔である。
18.1 作用機序
リドカイン塩酸塩は、神経膜のナトリウムチャネルをブロックし、神経における活動電位の伝導を可逆的に抑制し、知覚神経及び運動神経を遮断する局所麻酔薬である。
- 製造販売会社
- サンドファーマ
- 販売会社
- サンド
おくすりのQ&A
自費で接種された、風疹ワクチンが申請により
補助が受けれることになり、母子手帳記載以外に、予診票の控えがいるとのこと
保管中の予診票の控えを渡したら...
わからないことがあったら、
気軽にすぐ質問しよう!
このコミュニティは、各種法令・通達が実務の現場で実際にはどう運用されているのか情報共有に使われることもあります。解釈に幅があるものや、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性のあることを、唯一の正解であるかのように断言するのはお控えください。「しろぼんねっと」編集部は、投稿者の了承を得ることなく回答や質問を削除する場合があります。