ギャバロン錠10mg

添付文書情報2023年09月改定(第1版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 次記疾患による痙性麻痺:脳血管障害、脳性<小児>麻痺、痙性脊髄麻痺、脊髄血管障害、頸部脊椎症、後縦靱帯骨化症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、外傷後遺症(脊髄損傷後遺症、頭部外傷後遺症)、術後後遺症(脳腫瘍術後後遺症・脊髄腫瘍術後後遺症を含む)、その他の脳性疾患、その他のミエロパチー。
- 用法・用量
- 〈成人〉
通常、成人には初回量として1日バクロフェン5~15mgを1~3回に分け食後経口投与し、以後患者の症状を観察しながら標準用量に達するまで2~3日毎に1日5~10mgずつ増量する。
標準用量は1日30mgであるが患者の本剤に対する反応には個人差があるため、年齢、症状に応じて適宜増減する。
〈小児〉
小児には、初回量として1日バクロフェン5mgを1~2回に分け食後に経口投与し、以後患者の症状を観察しながら、標準用量に達するまで2~3日毎に1日5mgずつ増量する。なお、症状、体重に応じて適宜増減する。
<標準用量>
4~6歳:1日5~15mgを2~3回に分けて食後に経口投与する。
7~11歳:1日5~20mgを2~3回に分けて食後に経口投与する。
12~15歳:1日5~25mgを2~3回に分けて食後に経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 腎機能低下している患者では、低用量から投与を開始すること。特に透析を必要とするような重篤な腎機能障害を有する患者においては、1日5mgから投与を開始するなど慎重に投与すること〔9.2.1、9.2.2、11.1.1、16.5参照〕。
7.2. 本剤投与中の患者において、バクロフェン髄注による治療を行う場合には、患者の状態を慎重に観察しながら、髄注による治療開始前又は治療開始後の適切な時期に本剤の減量又は漸次中止を試みること(ただし、急激な減量又は中止を避けること)。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 本剤の長期連用中に投与を急に中止すると幻覚、せん妄、錯乱、興奮状態、痙攣発作等が発現したとの報告があるので、投与を中止する場合は、用量を徐々に減量するなど慎重に行うこと。
8.2. 眠気等を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。
9.1.1. てんかん患者及びその既往歴のある患者:症状を誘発するおそれがある〔9.7.1参照〕。
9.1.2. 精神障害のある患者:精神症状が悪化するおそれがある。
9.1.3. 消化性潰瘍のある患者:腹痛等の消化器系の副作用が報告されており、症状が悪化するおそれがある。
9.1.4. 呼吸不全のある患者:本剤の筋弛緩作用により呼吸抑制があらわれるおそれがある。
9.2.1. 透析を必要とするような重篤な腎機能障害を有する患者:過量投与の症状(意識障害、呼吸抑制等)に注意すること〔7.1、11.1.1、13.1、13.2、16.5参照〕。
9.2.2. 腎機能低下のある患者:血中濃度が上昇することがある〔7.1、11.1.1、16.5参照〕。
肝機能障害患者:症状が悪化するおそれがある。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). 降圧薬[降圧作用を増強するおそれがある(相互に作用を増強すると考えられている)]。
2). 中枢神経抑制薬(催眠鎮静薬、抗不安薬、麻酔薬等)、アルコール[中枢神経抑制作用を増強するおそれがある(相互に作用を増強すると考えられている)]。
3). オピオイド系鎮痛剤(モルヒネ等)[低血圧あるいは呼吸困難等の副作用を増強するおそれがある(相互に作用を増強すると考えられている)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 意識障害、呼吸抑制(いずれも頻度不明):意識障害、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状があらわれることがある(特に腎機能障害を有する患者においてあらわれやすいので注意すること)〔7.1、9.2.1、9.2.2、16.5参照〕。
11.1.2. 依存性(頻度不明):本剤により幻覚・錯乱等が発現したという報告があり、精神依存形成につながるおそれがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(5%以上)眠気(9.8%)、(1~5%未満)頭痛・頭重、知覚異常(しびれ等)、鎮静、抑うつ、(1%未満)不眠、痙攣発作、情緒不安定、筋肉痛、意識障害、不随意運動、嚥下力低下、構音障害、舌の運動障害、顔面チック、幻覚、せん妄、酩酊感、耳鳴、視神経調節障害、(頻度不明)歩行障害、痙縮増悪、眼振。
2). 循環器:(1%未満)血圧低下、下肢うっ血、頻脈、(頻度不明)徐脈。
3). 肝臓:(頻度不明)肝障害、AST上昇、ALT上昇。
4). 消化器:(5%以上)悪心、(1~5%未満)食欲不振、嘔吐、胃部不快感、下痢、口渇、(1%未満)便秘、腹痛、腹部膨満感、流涎、空腹感、(頻度不明)胸やけ。
5). 泌尿器・生殖器:(1~5%未満)尿失禁、(1%未満)排尿困難、頻尿、勃起消失。
6). 過敏症:(1%未満)発疹、(頻度不明)蕁麻疹。
7). 全身症状:(5%以上)脱力感、(1~5%未満)ふらつき、めまい、筋力低下、(1%未満)全身倦怠感、(頻度不明)低体温、薬剤離脱症候群。
8). その他:(1%未満)胸部圧迫感、浮腫、発汗、(頻度不明)味覚異常、呼吸困難、血糖値上昇。
- 高齢者
- 低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(生理機能が低下していることが多く、比較的低用量で筋力低下、倦怠感等があらわれることがある)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で胎盤を通過することが報告されており、また、妊娠中に本剤を投与した患者で、新生児に離脱症状が疑われる全身痙攣があらわれたとの報告がある)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中に移行することがある)。
- 小児等
- 9.7.1. 慎重に投与すること。特にてんかんの小児及びてんかんの既往歴のある小児患者ではてんかん発作を誘発するおそれがある〔9.1.1参照〕。
9.7.2. 低出生体重児、新生児、乳児では臨床試験を実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報本剤は錐体外路系疾患(パーキンソン症候群、アテトーシス等)の治療には適当でない。
16.1 血中濃度
健康成人にバクロフェン5mg、10mgを食直後経口投与した場合、投与後3時間で最高血中濃度(それぞれ82.8ng/mL、121.8ng/mL)に達し、また生物学的半減期は5mg投与で4.5時間、10mgで3.6時間であった。
連続経口投与により5日間で5mg/日から30mg/日へ漸増した場合、1~5日では投与量の増加に伴い血中濃度が上昇する傾向を示したが、6日目に一定になる傾向が認められた。
16.4 代謝
本剤は大部分が未変化体として排泄されるが、一部は酸化的脱アミノ化されて4‐hydroxy‐3‐(4‐chlorophenyl)butyric acidになる。
16.5 排泄
健康成人にバクロフェン5mg、10mgを経口投与した場合、尿中排泄率は投与後24時間でそれぞれ投与量の約81%、79%であった。漸増法により連続投与した場合、累積投与量に対して尿中排泄率は1日目80.8%、2日目75.8%であり、3日目以降は62~63%と一定であった。[7.1、9.2.1、9.2.2、11.1.1、13.2参照]
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内一般臨床試験
本剤の臨床用量、臨床効果並びに副作用を調べる目的で一般臨床試験28試験を実施した結果は、次のとおりであった。
(1)成人(16歳以上)
脳血管障害、外傷後遺症等の痙性麻痺患者580例における1日投与量(最終投与量)は5~90mgと幅があったが、25~35mgが多く、全体の60.7%を占めていた注1)。全般改善度注3)は、著明改善及び中等度改善で25.4%(137/540例)、軽度改善を含めると64.6%(349/540例)であった。
副作用及び随伴症状の発現率は38.4%(223/580例)であり、主な症状は眠気9.3%、脱力感6.7%、悪心5.2%等であった。
(2)小児(15歳以下)
脳性小児麻痺等の痙性麻痺患者140例における1日投与量(最終投与量)は試験終了時年齢によるが、5~60mgと幅があり、30mg以下が全体の88.6%を占めていた注2)。全般改善度注3)は、著明改善及び中等度改善では31.4%(44/140例)であり、軽度改善を含めると60.0%(84/140例)であった。
副作用及び随伴症状の発現率は21.4%(30/140例)であり、主な症状は脱力感5.8%、眠気4.3%、嘔吐2.9%等であった。
17.1.2 国内第III相臨床試験
(1)主に脊髄部位に障害の原因を持つ痙性麻痺患者113例を対象とし、トルペリゾン塩酸塩を対照に二重盲検群間比較試験を実施した。バクロフェンは1、2週に1日5~30mgまで漸増、3、4週に30又は45mg注1)、トルペリゾン塩酸塩は1、2週に1日300mg、3、4週に300又は450mgの経口投与とした。その結果、全般改善度注3)は両群間で同等であり、有用度注4)は、バクロフェン群50.8%(30/59例)、トリペリゾン塩酸塩群40.7%(22/54例)でバクロフェン群が高い傾向であった(U検定、P<0.10)。さらに、痙性麻痺に伴う症状のうち、不随意的筋痙縮、クローヌス、伸張反射の抑制に関する他覚的判定において、バクロフェン群が有意に優れていた(χ2及びU検定、P<0.05)。
バクロフェン群の副作用発現率は44.1%(26/59例)で、主な副作用は眠気、脱力感、悪心等であった。
(2)脳及び脊髄部位に障害のある痙性麻痺患者194例を対象とし、トルペリゾン塩酸塩を対照に二重盲検群間比較試験を実施した。バクロフェンは1、2週に1日5~30mgまで漸増、3、4週に1日30又は40mg注1)、トルペリゾン塩酸塩は1、2週に1日300mg、3、4週に1日300又は400mgの経口投与とした。その結果、最終全般改善度注3)及び有用度注4)は両群間で同等だった。さらに、アキレス腱反射、クローヌスの改善において、バクロフェン群が有意に優れていた(χ2検定、P<0.05)。
バクロフェン群の副作用発現率は43.3%(42/97例)で、主な副作用は脱力感11.6%、眠気6.9%、ふらつき6.9%等であった。
注1)本剤の承認された用法及び用量のうち、成人の1日標準用量は、30mgである。患者の本剤に対する反応には個人差があるため、年齢、症状に応じて適宜増減する。
注2)本剤の承認された用法及び用量のうち、小児の1日標準用量は、4~6歳:5~15mg/7~11歳:5~20mg/12~15歳:5~25mgである。なお、年齢、体重に応じて適宜増減する。
注3)「著明改善、中等度改善、軽度改善、不変、悪化」の5段階評価/17.1.2では「軽度改善」以上で評価
注4)「極めて有用、かなり有用、多少は有用、(特に)有用とは思わない、好ましくない」の5段階評価/「多少は有用」以上で評価
18.1 作用機序
バクロフェンはγ‐アミノ酪酸(GABA)の誘導体で、脊髄の単シナプス及び多シナプス反射の両方を抑制し、γ‐運動ニューロンの活性を低下させる抗痙縮剤である。
18.2 脊髄反射の抑制作用
脊髄の単シナプス反射及び多シナプス反射の両方の反射を抑制し、特に単シナプス反射をより強く抑制することが認められている。これらの反射抑制作用は持続的である(髄腔内投与:ラット、ウサギ、静脈内投与:ラット、ヒヨコ、ネコ、in vitro:カエル)。
18.3 運動ニューロン活性の抑制作用
γ‐運動ニューロン活性を持続的に抑制することが認められている(静脈内投与:ラット、ネコ)。なお、脊髄反射及び運動ニューロンの抑制用量では筋紡錘ならびに神経筋接合部に対する末梢作用は認められていない。
18.4 実験的固縮の抑制作用
上丘-下丘間除脳固縮(γ‐固縮)及び貧血性除脳固縮(α‐固縮)の両方の固縮を用量依存的に抑制することが認められている(髄腔内投与:ラット、静脈内投与:ラット、ネコ)。
18.5 筋電図学的改善作用
遺伝性痙性ラットにおいて筋電図活性を用量依存的に抑制することが認められている(髄腔内投与及び腹腔内投与)。痙性麻痺患者において他動的伸展反射及び誘発筋電図法による検討の結果、クローヌス等の減少及びH波回復曲線の改善作用が認められている(いずれも経口投与)。
18.6 鎮痛作用
圧刺激法等で調べると痛覚閾値を上昇させ、鎮痛作用が認められている(髄腔内投与:ラット、ネコ、サル、腹腔内投与:マウス、ラット)。
- 一包可:不明
バラ包装
- 分割:可能
- 粉砕:可能
- 製造販売会社
- アルフレッサ ファーマ
- 販売会社
おくすりのQ&A
自費で接種された、風疹ワクチンが申請により
補助が受けれることになり、母子手帳記載以外に、予診票の控えがいるとのこと
保管中の予診票の控えを渡したら...
わからないことがあったら、
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