テルネリン錠1mg

添付文書情報2024年07月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. フルボキサミン投与中又はシプロフロキサシン投与中の患者〔10.1参照〕。
2.3. 重篤な肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。
- 効能・効果
- 1). 次記疾患による筋緊張状態の改善:頸肩腕症候群、腰痛症。
2). 次記疾患による痙性麻痺:脳血管障害、痙性脊髄麻痺、頸部脊椎症、脳性<小児>麻痺、外傷後遺症(脊髄損傷後遺症、頭部外傷後遺症)、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症。
- 用法・用量
- 〈筋緊張状態の改善〉
通常成人には、チザニジンとして3mgを1日3回に分けて食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈痙性麻痺〉
通常成人には、チザニジンとして1日3mgより投与を始め、効果をみながら1日6~9mgまで漸増し、1日3回に分けて食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 肝機能障害患者
- 反射運動能力の低下、眠気、めまい及び低血圧等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。
腎機能障害患者:腎からの排泄が遅延し、高い血中濃度が持続するとの報告がある〔9.8.1、16.6.1参照〕。
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(本剤は主として肝で代謝され、また、肝機能の悪化が報告されている)〔2.3参照〕。
9.3.2. 肝障害<重篤な肝障害を除く>のある患者:本剤は主として肝で代謝される(また、肝機能の悪化が報告されている)〔11.1.5参照〕。
- 相互作用
- 本剤は主として肝代謝酵素チトクロームP450(CYP)1A2で代謝されるので、肝代謝酵素チトクロームP450<CYP>1A2の活性に影響を与える薬剤を併用する場合には注意すること。特にCYP1A2を阻害する薬剤との併用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。また、CYP1A2を誘導する薬剤との併用により、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
10.1. 併用禁忌:1). フルボキサミン<ルボックス、デプロメール>〔2.2参照〕[フルボキサミンとの併用により、本剤の血中濃度が上昇しAUCが33倍に上昇したとの報告があり、臨床症状として、著しい血圧低下、傾眠、めまい及び精神運動能力の低下等があらわれることがあるので併用しないこと(これらの薬剤がCYP1A2を阻害し、本剤の血中濃度を上昇させると考えられる)]。
2). シプロフロキサシン<シプロキサン等>〔2.2参照〕[シプロフロキサシンとの併用により、本剤の血中濃度が上昇しAUCが10倍に上昇したとの報告があり、臨床症状として、著しい血圧低下、傾眠、めまい及び精神運動能力の低下等があらわれることがあるので併用しないこと(これらの薬剤がCYP1A2を阻害し、本剤の血中濃度を上昇させると考えられる)]。
10.2. 併用注意:1). 降圧剤(降圧利尿剤等)〔11.1.2参照〕[低血圧及び徐脈があらわれることがある(本剤の中枢性α2刺激作用により降圧作用が増強されるため)]。
2). 中枢神経抑制剤、アルコール[眠気等の副作用が増強されるおそれがある(いずれも中枢神経抑制作用を有するため)]。
3). 抗不整脈剤(アミオダロン、メキシレチン、プロパフェノン)、シメチジン、ニューキノロン系抗菌剤<シプロフロキサシンは禁忌>(エノキサシン、ノルフロキサシン)、黄体・卵胞ホルモン剤(経口避妊薬)、チクロピジン[本剤の血中濃度が上昇し副作用が増強されるおそれがある(これらの薬剤がCYP1A2を阻害し、本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある)]。
4). CYP1A2を誘導する薬剤:①. CYP1A2を誘導する薬剤(リファンピシン等)[本剤の血中濃度が低下し本剤の作用が減弱するおそれがある(これらの薬剤がCYP1A2を誘導することにより、本剤の血中濃度が低下し、本剤の治療効果が減弱するおそれがある)、リファンピシンとの併用により本剤の血中濃度が50%低下することがあるため、併用投与の必要がある場合には、慎重に用量調節(増量)を行うこと(これらの薬剤がCYP1A2を誘導することにより、本剤の血中濃度が低下し、本剤の治療効果が減弱するおそれがある)]。
②. CYP1A2を誘導する薬剤(喫煙)[本剤の血中濃度が低下し本剤の作用が減弱するおそれがあり、また、男性喫煙者10本/日超に本剤を投与したことにより本剤のAUC約30%減少したとの報告がある(これらの薬剤がCYP1A2を誘導することにより、本剤の血中濃度が低下し、本剤の治療効果が減弱するおそれがある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明):血圧低下、徐脈、顔面蒼白、冷汗、呼吸困難、意識消失等があらわれることがある。
11.1.2. 急激な血圧低下(頻度不明):投与開始初期に急激な血圧低下があらわれることがあるので、特に高齢者及び降圧剤併用例では注意すること〔9.8.2、10.2参照〕。
11.1.3. 心不全(頻度不明):心拡大、肺水腫等があらわれることがある。
11.1.4. 呼吸障害(頻度不明):喘鳴、喘息発作、呼吸困難等があらわれることがある。
11.1.5. 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):著しいAST上昇、著しいALT上昇等、悪心・嘔吐、食欲不振、全身倦怠感等を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔9.3.2参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 循環器:(0.1~5%未満)血圧低下、(0.1%未満)徐脈、動悸、(頻度不明)失神。
2). 精神神経系:(0.1~5%未満)眠気、頭痛・頭重感、めまい(回転性めまい、浮動性めまい)・ふらつき、(0.1%未満)知覚異常(しびれ感等)、構音障害(ろれつがまわらない等)、不眠、(頻度不明)幻覚、錯乱。
3). 消化器:(0.1~5%未満)口渇、悪心、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢、(0.1%未満)胃もたれ、便秘、口内炎、舌あれ、口中苦味感、流涎。
4). 肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、(0.1%未満)ALP上昇。
5). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、皮膚そう痒感、(0.1%未満)蕁麻疹、紅斑、(頻度不明)血管性浮腫。
6). その他:(0.1~5%未満)脱力感・倦怠感、(0.1%未満)浮腫、尿閉、霧視、(頻度不明)眼瞼下垂。
使用成績調査を含む。
- 高齢者
- 9.8.1. 高い血中濃度が持続するおそれがあるので減量するなど注意すること(本剤は主として腎から排泄され、また、一般に腎機能が低下していることが多い)〔9.2腎機能障害患者の項、16.6.1参照〕。
9.8.2. 血圧低下があらわれることがあるので、特に注意すること〔11.1.2参照〕。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で、大量投与(100mg/kg)により奇形(脳ヘルニア、小眼球)の増加及び10~30mg/kg投与により胎仔重量低下、化骨遅延、出生仔死亡等が報告されている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
20.1. アルカリ性薬剤と配合しないこと(アルカリ性薬剤(アミノフィリン等)との配合により外観が黄色に変化することがある)。
- その他の注意
- 15.2. 非臨床試験に基づく情報動物実験(サル)により精神依存の形成が示唆されたとの報告がある。
16.1 血中濃度
健康成人にテルネリン錠1mgを2錠又は顆粒0.2%を1g(チザニジンとして2mg)それぞれ1回経口投与した場合の血漿中濃度の推移は次のとおりである。
また、薬物動態パラメータから両剤の生物学的同等性が確認された。
→図表を見る(PDF)
チザニジン2mg(テルネリン錠剤2錠又は顆粒剤1g)を1回投与後の血漿中濃度の推移(平均値±S.E.、n=24)
16.4 代謝
チザニジンは吸収後速やかに代謝され、主代謝経路はイミダゾリン環の酸化又は芳香環の酸化とそれに続くグルクロン酸抱合体あるいは硫酸抱合体の形成であった(外国人のデータ)。
16.5 排泄
健康成人に14Cチザニジン5mgを1回経口投与後の総放射能排泄率は尿中53.0%及び糞中23.2%であった(120時間値)。尿、糞中への未変化体の排泄はわずかであった(外国人のデータ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎不全患者における薬物動態
腎不全患者(クレアチニンクリアランス25mL/分以下)及び健康成人(クレアチニンクリアランス90mL/分以上)に本剤4mgを1回経口投与した後の薬物動態を比較したところ、腎不全患者ではAUCは約7倍、最高血中濃度は約2倍であり、血中濃度の上昇が観察された(外国人のデータ)。[9.2、9.8.1参照]
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈筋緊張状態の改善〉
17.1.1 国内一般臨床試験
頸肩腕部および腰背部の筋緊張性疼痛疾患患者387例を対象に本剤(錠剤)を2週間投与した結果、本剤の最終全般改善度は、「中等度改善」以上が55.8%、「軽度改善」以上が80.0%であった。
副作用発現率は、26例(6.7%)であった。主な副作用は、眠気8例(2.1%)、胃部不快感6例(1.6%)、めまい・ふらつき3例(0.8%)、発疹・発赤3例(0.8%)であった。
17.1.2 国内一般臨床試験
頸肩腕部および腰背部の筋緊張性疼痛疾患患者45例を対象に本剤1日3包(顆粒1包0.5g中にチザニジンとして1mg含有)を1日3回2週間経口投与した結果、本剤の有効率は44.4%、やや有効以上を含めると77.8%であった。副作用発現率は、2例(4.4%)であり、その内訳は胃重感、眠気がそれぞれ1例であった。
17.1.3 国内二重盲検試験
頸肩腕部および腰背部の筋緊張性疼痛疾患患者386例(本剤投与群193例、トルベリゾン投与群193例)を対象として、本剤1mg3錠とトルベリゾンのプラセボ錠6錠を併用して1日3回2週間経口投与した二重盲検比較試験の結果、全般改善度は、1週後では「中等度改善」以上で39.4%、「軽度改善」以上で70.6%であった。2週後では、「中等度改善」以上で57.9%、「軽度改善」以上で83.6%であり、両群間に有意差は認められなかったが、1週後に比べ2週後の改善率が高く、特に著明改善例が増加しており、本疾患に対しての有用性が高い薬剤であることが示された。
副作用発現率は、22例(11.9%)であった。主な副作用は、眠気10例(5.4%)、脱力感5例(2.7%)、悪心3例(1.6%)、下痢3例(1.6%)等であった。
〈痙性麻痺〉
17.1.4 国内一般臨床試験
種々の脳性、脊髄性疾患に起因する痙性麻痺患者405例を対象に本剤を8週間以上投与した結果、本剤の最終全般改善度は、「中等度改善」以上の改善率が32.1%、「軽度改善」以上が76.3%であった。
副作用発現率は、64例(20.7%)であった。主な副作用は、眠気33例(8.1%)、口喝17例(4.2%)、脱力感15例(3.7%)、倦怠感11例(2.7%)等であった。
17.1.5 国内一般臨床試験
脳性・脊髄性痙性麻痺患者36例を対象に本剤1日3包~9包(顆粒1包0.5g中にチザニジンとして1mg含有)を1日3回6週間経口投与した結果、本剤の有効率は37.1%であった。副作用発現率は、2例(5.6%)であり、その内訳は口喝、右上肢の重い感じがそれぞれ1例であった。
17.1.6 国内二重盲検試験
脳性・脊髄性痙性麻痺患者226例(本剤投与群113例、トルベリゾン投与群113例)を対象として、本剤1mg錠とトルベリゾンのプラセボ錠を併用して1日3回4週間経口投与した二重盲検比較試験の結果、最終全般改善度は、「中等度改善」以上で19.1%、「軽度改善」以上で66.4%と対照薬との間に有意差はみられなかった。有用度は、「有用」以上で18.2%、「やや有用」以上で62.7%であり本剤が優れる傾向を示した。
副作用発現率は、22例(20.0%)であった。主な副作用は、口喝8例(7.3%)、眠気7例(6.4%)、めまい・ふらつき4例(3.6%)、悪心3例(2.7%)等であった。
18.1 作用機序
チザニジンは中枢性のアドレナリンα2作動効果を有し、脊髄及び脊髄上位中枢に作用して、固縮緩解作用、脊髄反射抑制作用等の筋緊張緩和作用を有する。
18.2 行動薬理学的検討
一般行動(サル)、斜面法(マウス)及び回転円筒法(マウス)等における行動観察により本剤の筋弛緩作用が認められる。
18.3 実験的固縮緩解作用
骨格筋の異常緊張モデルである貧血性除脳固縮(α‐固縮)及び上丘・下丘間除脳固縮(γ‐固縮)を緩解する(ラット)。
18.4 脊髄反射抑制作用
脊髄後根刺激による多シナプス反射電位を抑制するが、単シナプス反射電位を抑制する作用は弱い(ラット、ネコ)。
また、多シナプス反射の一つである脚の交差性伸展反射を抑制する(ヒヨコ)。
18.5 γ‐運動ニューロンに対する抑制
筋紡錘を直接に抑制しないが、脊髄からのγ‐運動ニューロンを抑制して二次的に筋紡錘の感度を低下する(ラット)。
18.6 抗侵害受容作用
侵害刺激に対する脊髄後角ニューロンの興奮を抑制するが、非侵害刺激に対する反応は抑制しない(ネコ)。
- 一包可:条件付可
アルカリ性薬剤と配合しない。アルカリ性薬剤(アミノフィリン等)との配合により外観が黄色に変化することがある。
- 分割:条件付可
- 粉砕:条件付可
- 製造販売会社
- サンファーマ
- 販売会社
おくすりのQ&A
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