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ベストロン点眼用0.5%

販売名
ベストロン点眼用0.5%
薬価
5mg1mL(溶解後の液として) 54.80円
製造メーカー
千寿製薬

添付文書情報2022年11月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
眼科用抗生物質製剤
一般名
セフメノキシム塩酸塩液
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法。
用法・用量
本剤を添付の溶解液で1mL当たりセフメノキシム塩酸塩として5mg(力価)の濃度に溶解し、通常1回1~2滴を1日4回点眼する。
なお、症状により適宜回数を増減する。
ただし、症状に改善がみられない場合は漫然と長期間の連続投与を行わないこと。
(用法及び用量に関連する注意)
4週間の投与を目安とし、その後の継続投与については漫然と投与しないよう、慎重に行うこと。
合併症・既往歴等のある患者
8.1. 本剤の投与にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2. ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと〔9.1.1-9.1.3参照〕。
9.1.1. セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者:治療上やむを得ない場合と判断される場合を除き投与しないこと(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)〔8.2参照〕。
9.1.2. ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者〔8.2参照〕。
9.1.3. 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者:アレルギー素因が遺伝し、アレルギー症状を起こすおそれがある〔8.2参照〕。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明):不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹、蕁麻疹。
2). 眼:(1~5%未満)眼刺激感、(0.1~1%未満)眼そう痒感、(頻度不明)眼瞼炎、眼瞼発赤・眼瞼腫脹、結膜充血。
小児等
低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意患者に対し次の点に注意するよう指導すること。
・ 粉末を溶解するときは、溶解液瓶の白い大キャップをとりはずし、粉末瓶にしっかり差し込み、よく振って溶解すること。
・ 点眼のとき、ピンクの小キャップだけをとりはずし、点眼すること。
・ 薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・ 患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
・ 他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
・ 溶解後は、冷所に保存し、7日以内に使用すること。

16.1 血中濃度
健康成人(10例)に1%セフメノキシム点眼液を1回2滴、1日5回注)14日間点眼したとき、最終投与後1時間の血清中にセフメノキシムは検出されなかった。
注)本剤の承認された用法及び用量は濃度0.5%で、「通常、1回1~2滴を1日4回点眼する。なお、症状により適宜回数を増減する。」である。
16.3 分布
ウサギに1%セフメノキシム点眼液を1回1滴、5分間隔で5回点眼投与したとき、結膜中濃度は初回投与後30分に最高値を示し、その後経時的に低下した。角膜では初回投与後1時間と2時間で同程度の濃度を示し、その後経時的に低下した。外眼筋、前部強膜、後部強膜では初回投与後1時間に最高値を示した。投与2時間以降の濃度は角膜とほぼ同様であった。房水では、初回投与後2時間に最高値を示し、その後経時的に低下した。
図 ウサギに点眼投与後の眼組織中濃度

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)〉
17.1.1 国内第III相比較試験‐1(トブラマイシン点眼液との比較)
外眼部感染症患者を対象に、本剤又は0.3%トブラマイシン点眼液を1回2滴、1日4回、14日間点眼した無作為化二重遮蔽並行群間試験において、有効性及び安全性を比較した。その結果、本剤群の臨床効果の有効率注1)は97.6%(122/125例)、0.3%トブラマイシン点眼液群の有効率は97.3%(143/147例)で両群間の臨床効果に統計学的に有意な差はなかった(P>0.05)。疾患別での本剤の有効率は、眼瞼炎100.0%(3/3例)、涙嚢炎92.3%(12/13例)、麦粒腫90.0%(9/10例)、結膜炎100.0%(91/91例)、瞼板腺炎100.0%(6/6例)、角膜炎(角膜潰瘍含む)50.0%(1/2例)であった。
本剤の副作用は147例中5例(3.4%)に認められ、刺激感4例(2.7%)、そう痒感1例(0.7%)であった。
17.1.2 国内第III相比較試験‐2(スルベニシリン点眼液との比較)
外眼部感染症患者を対象に、本剤又は1%スルベニシリン点眼液を1回2滴、1日4回(スルベニシリン点眼液は1日6回)、14日間点眼した無作為化二重遮蔽並行群間試験において、有効性及び安全性を比較した。その結果、本剤群の臨床効果の有効率注2)は90.2%(55/61例)、1%スルベニシリン点眼液群の有効率80.7%(46/57例)であり、両群間の臨床効果に統計学的に有意な差はなかった(P>0.05)。疾患別での本剤の有効率は、涙嚢炎87.5%(7/8例)、麦粒腫80.0%(4/5例)、結膜炎89.2%(33/37例)、角膜炎(角膜潰瘍含む)100.0%(5/5例)、その他の疾患100.0%(6/6例:化膿性霰粒腫3例、眼角部炎2例、眼瞼膿瘍1例)であった。
本剤の副作用は90例中2例(2.2%)に認められ、異物感及び流涙1例、びまん性表層角膜炎1例であった。
17.1.3 国内第III相一般臨床試験
外眼部感染症患者を対象に、本剤を1回1~2滴、1日3~5回注3)(ほとんどが14日以内)点眼した非対照非遮蔽試験において、有効性及び安全性を検討した。その結果、臨床効果の有効率注4)は88.0%(168/191例)であった。疾患別の有効率は、眼瞼炎90.0%(9/10例)、涙嚢炎71.4%(25/35例)、麦粒腫95.7%(22/23例)、結膜炎89.8%(88/98例)、瞼板腺炎100.0%(3/3例)、角膜炎(角膜潰瘍含む)94.7%(18/19例)、その他の疾患100.0%(3/3例:眼球癆2例、人工的無眼球症1例)であった。
副作用は252例中2例(0.8%)に認められ、そう痒感としみるの各1例(0.4%)であった。
〈眼科周術期の無菌化療法〉
17.1.4 国内第III相一般臨床試験
眼部手術予定患者を対象に、本剤を手術前の2日間、1日5回注3)点眼した非対照非遮蔽試験において、有効性及び安全性を検討した。術前無菌化率は86.1%(31/36例)であった。
全例において術後感染症は認められず、副作用もなかった。
注1)症状改善度と細菌学的効果の組み合わせによる評価(著効/有効/無効/悪化)から算出した、著効又は有効と判定された被験者の割合
注2)症状改善度と細菌学的効果の組み合わせによる評価(著効/有効/やや有効/無効/悪化)から算出した、著効又は有効と判定された被験者の割合
注3)本剤の承認された用法及び用量は「通常1回1~2滴を1日4回点眼する。なお、症状により適宜回数を増減する。」である。
注4)病状の経過と起炎菌の消長を考慮した評価(著効/有効/やや有効/無効)から算出した、著効又は有効と判定された被験者の割合

18.1 作用機序
細菌細胞壁の合成阻害である。
18.2 抗菌作用
18.2.1 グラム陰性・グラム陽性の好気性菌及び嫌気性菌に対する抗菌作用
ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、プロテウス属、緑膿菌に抗菌力を示し、その作用は殺菌的である(in vitro)。
18.2.2 眼科臨床分離菌に対する抗菌作用
眼感染症患者から分離した黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ・ラクナータ(モラー・アクセンフェルト菌)、プロテウス属、インフルエンザ菌、緑膿菌に抗菌力を示す(in vitro)。
18.2.3 実験的緑膿菌角膜感染症に対する治療効果
マウスの角膜実質に傷をつけ、これに緑膿菌の臨床分離株(ET‐1081、1082、1111)を接種し、角膜炎の発症を確認(菌接種9~10時間)後に本剤又は対照として生理食塩液を、30分ごとに1回2滴、1日25回、3日間点眼した試験では、本剤点眼群において有意な角膜病変の進行抑制効果が認められた。
18.2.4 実験的黄色ブドウ球菌角膜感染症に対する治療効果
ウサギの角膜実質にトブラマイシン耐性黄色ブドウ球菌を接種し作成した角膜感染症に対し、本剤又は対照として生理食塩液を菌接種直後から開始して1時間ごとに1回1滴、1日10回、7日間点眼した試験では、本剤点眼群において感染症状の抑制効果が認められた。

製造販売会社
千寿製薬
販売会社
武田薬品 

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