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ヒアルロン酸Na0.4眼粘弾剤1%「生化学」

販売名
ヒアルロン酸Na0.4眼粘弾剤1%「生化学」
薬価
1%0.4mL1筒 2722.80円
製造メーカー
生化学

添付文書情報2024年03月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
その他の眼科用剤
一般名
精製ヒアルロン酸ナトリウム液

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効能・効果
白内障手術・眼内レンズ挿入術・全層角膜移植術における手術補助。
用法・用量
1). 白内障手術・眼内レンズ挿入術を連続して施行する場合には、通常0.2~0.75mLを前房内へ注入する。また、眼内レンズのコーティングに約0.1mL使用する。ただし、白内障手術又は眼内レンズ挿入術のみを施行する場合には、次のとおりとする。
①. 白内障手術:通常0.1~0.4mLを前房内へ注入する。
②. 眼内レンズ挿入術:眼内レンズ挿入前に、通常0.1~0.5mLを前房内へ注入する。また、眼内レンズのコーティングに約0.1mL使用する。
2). 全層角膜移植術:移植眼の角膜片を除去後に、通常0.1~0.6mLを前房内へ注入し、移植片角膜を本剤上に浮遊させて縫合を行う。また、提供眼の移植片角膜のコーティングに約0.1mL使用する。
合併症・既往歴等のある患者
8.1. 注意深く、ゆっくりと注入すること。
8.2. 過量に注入しないこと(術後の眼圧上昇の原因となる可能性がある)。
8.3. 超音波乳化吸引術を行う前に吸引灌流を行い、水晶体と本剤との間に灌流液で満たした空間を作ること(空間が不十分なまま超音波乳化吸引を行うとチップの閉塞により、灌流不全となり角膜熱傷を起こすことがある)。
8.4. 特に手術直後は、注意深く眼圧を観察すること(もし眼圧上昇があらわれた場合は適切な処置を行うこと)。
8.5. 手術後、できるだけ洗浄等により本剤を除去することが望ましい。
9.1.1. 本剤の成分に対し過敏症又は蛋白系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 眼:(頻度不明)眼圧上昇、眼炎症反応、嚢胞様黄斑浮腫、角膜浮腫、角膜混濁、前房出血、虹彩新生血管、虹彩後癒着、結膜癒着不全、散瞳、水晶体混濁、浅前房、眼疼痛、霧視、眼のかゆみ。
2). その他:(頻度不明)眼内レンズ表面混濁。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤使用時の注意14.1.1. 本剤は冷所に保存するので、使用に先立って室温に30分以上保つことが望ましい。
14.1.2. 本剤の使用にあたっては、ルアーロック式のカニューレを使用し、カニューレがシリンジに完全に装着したことを確認してから使用すること(装着が完全でないと、使用中にカニューレが外れ重大な事故が起こるおそれがある)。
14.1.3. 本剤の有効成分である精製ヒアルロン酸ナトリウムは、ベンザルコニウム塩化物等の第4級アンモニウム塩及びクロルヘキシジンにより沈殿を生じることがあるので十分注意すること。
14.1.4. 本剤の開封後の使用は1回限りとし、残液は容器とともに廃棄すること。
外箱開封後は遮光して保存すること。

16.8 その他
ウサギの眼球の前房内に投与したヒアルロン酸ナトリウムは、低分子化されることなく48時間後にはほぼ100%が前房隅角から消失する。
血中に移行したヒアルロン酸は主に肝臓で単糖に代謝され、その後糖蛋白質合成に再利用されるものと、二酸化炭素に分解されるものがあると考えられた。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
ヒアルロン酸ナトリウム眼粘弾剤における比較臨床試験の結果は次のとおりである。
17.1.1 国内臨床試験(白内障手術・眼内レンズ挿入術(連続施行))
全国16施設179例につき白内障手術にヒアルロン酸ナトリウム眼粘弾剤を使用しない群を対照として実施された。白内障手術に嚢外摘出術あるいは超音波乳化吸引術を用いたヒアルロン酸ナトリウム眼粘弾剤投与群の有用率はそれぞれ81.4%(35/43例)あるいは95.6%(43/45例)であった。
報告された副作用は、眼内レンズ挿入術の高眼圧0.6%(1/175例)であった。
17.1.2 国内臨床試験(眼内レンズ挿入術)
全国13施設総計293例につき主に空気を対照として実施された。ヒアルロン酸ナトリウム眼粘弾剤投与群の有用率は98.8%(161/163例)であった。
報告された副作用は、眼圧上昇1.6%(3/194例)であった。
17.1.3 国内臨床試験(全層角膜移植術)
全国35施設60例につきリンゲル液を対照として実施された。ヒアルロン酸ナトリウム眼粘弾剤投与群の有用率は90.6%(29/32例)であった。
報告された副作用はなかった。

18.1 作用機序
ヒアルロン酸溶液が持つ高い粘弾性により、前房内の組織を押し広げ、前房深度を維持し、またその粘弾性により手術器具、眼内レンズ等による機械的侵襲から眼内組織を保護する。
18.2 前房深度維持効果
白色ウサギ摘出眼球に1%ヒアルロン酸ナトリウム0.3mLで前房内置換し、角膜の上から50mgあるいは500mgの荷重をかけた時、注入5分後の前房深度は、50mgでは約90%、500mgでは約70%の維持率であった(in vitro)。
18.3 角膜内皮保護効果
1%ヒアルロン酸ナトリウム溶液で被覆した白色ウサギ摘出角膜内皮を眼内レンズの材質であるポリメチルメタクリレート(PMMA)製のチップで荷重をかけた時、傷害された角膜内皮の面積はリン酸緩衝生理食塩水で被覆した場合に比べ小さく、また角膜実質層への水の取り込み量は正常角膜と同程度であった(in vitro)。
18.4 生物学的同等性試験
白色ウサギ摘出眼球及び角膜を用いて本剤と標準製剤(ヒーロン)の前房深度維持能力と角膜内皮保護能力について検討した。摘出眼球に被験物質0.3mLで前房内置換し50mgの荷重をかけた時、注入1、2、3、4、5分後における本剤群と標準製剤群の前房深度の平均値の差は0.4~2.57%であり、分散分析の結果、いずれの時点においても両群間に有意差は認められなかった。
被験物質0.2mLで被覆した摘出角膜内皮をPMMA製のチップで荷重をかけ擦過させた時、本剤群と標準製剤群の傷害部位面積の平均値の差は3%であり、両群間に有意差は認められなかった(Tukeyの多重比較検定)。以上の結果より本剤と標準製剤の作用に有意な差はなく、生物学的同等性が確認された(in vitro)。

製造販売会社
生化学
販売会社
 参天製薬

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