シスタドロップス点眼液0.38%

添付文書情報2024年07月改定(第3版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分又はペニシラミンに対し過敏症の既往のある患者。
- 効能・効果
- シスチン症における角膜シスチン結晶の減少。
- 用法・用量
- 通常、1回1滴、1日4回点眼する。なお、症状により適宜回数を減じる。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 8.1. 本剤投与中に角膜障害(点状角膜炎、角膜潰瘍)があらわれることがあるため、異物感、眼痛等の自覚症状が持続する場合には、速やかに主治医に相談するよう患者に指導すること。
8.2. 本剤の点眼後、一過性の霧視が発現することがあるので、症状が消失するまで機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう注意すること。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
眼:(10%以上*)眼痛、角膜障害、眼刺激、睫毛変化、眼充血、眼そう痒症、(頻度不明)眼異常感、霧視、流涙増加、眼部不快感、眼瞼刺激、麦粒腫、眼乾燥、角膜血管新生、眼瞼浮腫、眼脂。
*)発現頻度は承認時の国内臨床試験(6例)で実施された第3相試験の結果に基づいている。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 低出生体重児、新生児、乳児及び2歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意本剤の使用にあたっては、患者及び保護者等に対して、次の点などを患者及び保護者等向けの説明書を用いるなどの方法によって、十分に説明すること。
・ 本剤は澄明で粘稠性のある液であるが、微量の繊維状物質を含むことがある。
・ 開栓前は外箱に入れ冷蔵(2~8℃)保存すること。
・ 開栓の1時間以上前に常温(15~25℃)に置くこと。
・ 開栓後は外箱に入れて、冷所(1~15℃)を避けて常温(15~25℃)で保存すること。
・ 開栓後7日経過した残液は使用しないこと。
・ 本剤の点眼には、点眼用ノズルをバイアルに装着して使用すること。
・ 薬液汚染防止のため、点眼用ノズル装着時にノズルやバイアルの内側に触れないよう、また、点眼時に点眼用ノズルの先端が直接目に触れないように注意すること。
・ 患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
・ 他の点眼剤と併用する場合には、少なくとも10分間以上の間隔をあけて点眼すること。
・ 本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着することがあるので、コンタクトレンズを装用している場合は点眼前にレンズを外し、点眼15分以上経過後に装用すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報本剤の保存剤であるベンザルコニウム塩化物による過敏症が知られている。
16.1 血中濃度
健康成人男性(6例)を対象に、本剤1滴を片眼に単回点眼投与したとき、血漿中システアミン濃度(平均値±標準偏差)は投与前で1.41±0.34ng/mL、投与24時間後で1.52±0.24ng/mLであり、本剤点眼投与による血漿中システアミン濃度の明らかな上昇は認められなかった。
また、本剤を1回1滴、両眼に1日4回(4時間間隔)反復点眼投与したとき、投与8日目の1回目投与後の血漿中システアミンの薬物動態パラメータは次のとおりであった。
血漿中システアミンの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 海外第III相試験(CHOC試験)
角膜にシスチン結晶の沈着が認められるシスチン症患者(31例)を対象に、システアミン塩酸塩点眼液0.10%(以下、CH0.10%群)を対照とした無作為化非遮蔽並行群間比較試験を実施した。本剤又は対照薬を1回1滴1日4回90日間両眼に点眼した結果、主要評価項目であるin vivo共焦点顕微鏡(In‐Vivo Confocal Microscopy、IVCM)合計スコア注1)のベースラインから投与90日目までの変化量(平均値±標準偏差)(評価眼数)は本剤群で-4.60±3.12(20)、CH0.10%群で-0.455±3.38(17)であり、群間で統計学的な有意差が認められた(p<0.0001、Generalized Estimating Equation[GEE]モデル)。
点眼時の局所有害反応注2)は、本剤群(15例)で100%、CH0.10%群(16例)で68.8%に認められ、本剤群で認められた主な局所有害反応は、眼痛(80.0%)、眼刺激(66.7%)、眼充血(60.0%)、霧視(60.0%)であった。治験薬との関連性を否定できない有害事象(副作用)は、本剤群で13.3%、CH0.10%群で6.3%に認められ、本剤群で認められた副作用は眼刺激、眼痛、流涙増加各1件であった。
注1)角膜7層各層のシスチン結晶の密度スコア(0~4)の合計値(0~28)
注2)治験薬点眼投与後の局所反応のうち、発現時間が1時間を超えたものは有害事象として収集し、1時間以内に消失したものは有害事象とは別に局所有害反応として収集した。
17.1.2 海外第I/IIa試験(OCT‐1試験)
角膜にシスチン結晶の沈着が認められるシスチン症患者(8例)を対象に、単群非遮蔽試験を実施した。本剤を1回1滴1日3~6回30日間両眼に点眼した後、眼科所見に基づき1日当たりの点眼回数を調節しながら60ヵ月間点眼した。主要評価項目であるIVCM合計スコア注1)のベースラインからの変化量(平均値±標準偏差)(評価眼数)は、投与30日目で-1.50±2.45(16)、投与90日目で-3.19±1.80(16)、投与180日目で-2.75±2.29(16)、投与12ヵ月目で-3.25±2.08(16)、投与60ヵ月目で-3.44±2.78(16)であった。1日当たりの点眼回数の中央値は、投与90日目までは4回、投与90日以降60ヵ月目までは3回であった。
点眼時の局所有害反応注2)は全例(8例)に認められ、主な局所有害反応は眼痛(87.5%)、霧視(75.0%)、眼刺激(62.5%)であった。治験薬との関連性を否定できない有害事象(副作用)は2例に3件報告され、角膜血管新生、眼乾燥、麦粒腫各1件であった。
注1)角膜7層各層のシスチン結晶の密度スコア(0~4)の合計値(0~28)
注2)治験薬点眼投与後の局所反応のうち、発現時間が1時間を超えたものは有害事象として収集し、1時間以内に消失したものは有害事象とは別に局所有害反応として収集した。
17.1.3 国内第III相試験
角膜にシスチン結晶の沈着が認められる日本人シスチン症患者(6例)を対象に、単群非遮蔽試験を実施した。本剤を1回1滴1日4回52週間両眼に点眼した結果、主要評価項目であるIVCM合計スコア注1)のベースラインから投与後13~16週における変化量は、算出不可能であった。一部の角膜層におけるシスチン結晶の密度スコアが得られた2例3眼について、上皮表層及び内皮を除く角膜5層のIVCM合計スコアを算出した結果、1例(1眼)では、ベースライン(9.34)と比較して投与後13~16週(8.70)に減少し、1例(2眼)では、ベースライン(右眼:7.70、左眼:8.40)と比較して投与後13~16週(右眼:5.40、左眼:4.00)に減少が認められた。
点眼時の局所有害反応注2)は3例(50.0%)に認められ、主な局所有害反応は、眼痛(33.3%)、眼そう痒症(16.7%)、眼刺激(16.7%)、眼充血(16.7%)であった。治験薬との関連性を否定できない有害事象(副作用)は3例に4件報告され、眼痛、睫毛変化、眼刺激、角膜障害各1件であった。
注1)角膜7層各層のシスチン結晶の密度スコア(0~4)の合計値(0~28)
注2)治験薬点眼投与後の局所反応のうち、発現時間が1時間を超えたものは有害事象として収集し、1時間以内に消失したものは有害事象とは別に局所有害反応として収集した。
18.1 作用機序
システアミンは、ライソゾームに蓄積するシスチンと反応し、システイン‐システアミン混合ジスルフィド及びシステインを生成し(ジスルフィド交換反応)、角膜のシスチン結晶を減少させる。
18.2 細胞内シスチン低減作用
18.2.1 システアミン存在下でシスチン症患者由来の皮膚線維芽細胞を培養した結果、システアミンの非存在下と比較して細胞内遊離シスチン濃度が低下した(in vitro)。
18.2.2 シスチン症モデルマウスであるCtnsヌル(Ctns-/-)マウスに対して、システアミン0.55%溶液を1日4回1ヵ月間点眼した結果、未投与群と比較して角膜のシスチン結晶量の増加が抑制された。
- 製造販売会社
- ヴィアトリス製薬
- 販売会社
おくすりのQ&A
当該製品の添付文書では、効能又は効果として、『次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症』と記載されています。...
添付文書内の「有効性安全性」の正確な意味を教えてください。どのような条件ならば有効性があるとするのか、安全性があるというのかをその基準を教えて欲しいのです
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