グラアルファ配合点眼液

添付文書情報2024年06月改定(第3版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児〔9.7.2参照〕。
- 効能・効果
- 次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分な場合:緑内障、高眼圧症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 単剤での治療を優先すること。
5.2. 急性閉塞隅角緑内障に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外に手術療法等を考慮すること。
- 用法・用量
- 1回1滴、1日2回点眼する。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 8.1. 全身的に吸収されるため、α2-作動剤全身投与時と同様の副作用(眠気、めまい、徐脈、低血圧等)があらわれることがあるので、留意すること。
8.2. 眠気、めまい、霧視等を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事する場合は注意させること。
8.3. 本剤の投与により血管新生等を伴う角膜混濁があらわれることがあるので、患者を定期的に診察し、十分観察すること。また、充血、視力低下、霧視等の自覚症状があらわれた場合には、直ちに受診するよう患者に十分指導すること〔11.1.1参照〕。
9.1.1. 脳血管障害、起立性低血圧のある患者:血圧低下により、症状が悪化するおそれがある。
9.1.2. 心血管系疾患のある患者:血圧及び脈拍数の変動により、症状が悪化するおそれがある。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). 降圧剤[降圧作用を増強する可能性がある(相加的に降圧作用が増強されると考えられる)]。
2). 中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体、オピオイド系鎮痛剤、鎮静剤、麻酔剤等)、アルコール[鎮静作用を増強する可能性がある(相加的に鎮静作用が増強されると考えられる)]。
3). モノアミン酸化酵素阻害剤[血圧変動に影響する可能性がある(ノルアドレナリンの代謝及び再取り込みに影響すると考えられる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 角膜混濁(頻度不明)〔8.3参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、(頻度不明)接触性皮膚炎、丘疹、紅斑、じん麻疹。
2). 眼:(5%以上)結膜充血(53.2%)[通常、点眼時に一過性に発現するが、持続する場合には注意すること]、*結膜炎(*アレルギー性結膜炎を含む)、*眼瞼炎(*アレルギー性眼瞼炎を含む)[*:長期投与においてアレルギー性結膜炎・眼瞼炎の発現頻度が高くなる傾向が認められている]、眼刺激、(0.1~5%未満)角膜上皮障害(角膜びらん、点状角膜炎等)、角膜炎、眼そう痒、眼瞼紅斑、眼瞼浮腫、眼瞼下垂、結膜浮腫、結膜濾胞、結膜出血、乾性角結膜炎、眼脂、眼痛、眼異物感、霧視、眼精疲労、眼乾燥、流涙増加、眼異常感、(頻度不明)マイボーム腺梗塞、結膜蒼白、視覚障害、眼瞼障害、麦粒腫、虹彩炎、白内障、硝子体剥離、硝子体浮遊物、視野欠損、視力低下、縮瞳、眼灼熱感、羞明、眼圧上昇。
3). 循環器:(0.1~5%未満)低血圧、高血圧、動悸、(頻度不明)徐脈、頻脈。
4). 呼吸器:(0.1~5%未満)咳嗽、(頻度不明)鼻刺激感、呼吸困難、気管支炎、咽頭炎、鼻炎、副鼻腔炎、鼻乾燥。
5). 精神神経系:(0.1~5%未満)回転性めまい、傾眠、(頻度不明)浮動性めまい、頭痛、耳鳴、不眠症、うつ病、失神。
6). 消化器:(0.1~5%未満)口内乾燥、口渇、味覚異常、(頻度不明)胃腸障害、悪心。
7). 感染症:(頻度不明)インフルエンザ症候群、感冒、呼吸器感染。
8). その他:(0.1~5%未満)無力症、(頻度不明)疣贅、貧血、血中ビリルビン増加、血中ブドウ糖増加、血中トリグリセリド増加、血中尿酸増加、疲労、高コレステロール血症、気分不良。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(リパスジル塩酸塩水和物、ブリモニジン酒石酸塩共に、動物実験(ラット:経口投与)で乳汁中へ移行することが報告されている)。
- 小児等
- 9.7.1. 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児には投与しないこと。外国での市販後において、ブリモニジン酒石酸塩点眼液を投与した乳児に無呼吸、徐脈、昏睡、低血圧、低体温、筋緊張低下、嗜眠、蒼白、呼吸抑制及び傾眠があらわれたとの報告がある〔2.2参照〕。
9.7.3. 外国での臨床試験において、0.2%ブリモニジン酒石酸塩点眼液を1日3回投与した場合、2~7歳の幼児及び小児に高頻度(25~83%)で傾眠が認められている。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意患者に対し次の点に注意するよう指導すること。
・ 薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・ 患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
・ 他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
・ 本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物はソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるので、ソフトコンタクトレンズを装用している場合は点眼前にレンズを外し点眼後少なくとも5分以上間隔をあけてから再装用すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報リパスジル塩酸塩水和物の臨床試験において、角膜厚減少<可逆性>する傾向が認められた。リパスジル塩酸塩水和物投与による角膜厚の減少は可逆性であった。
15.2. 非臨床試験に基づく情報リパスジル塩酸塩水和物のウサギ13週間反復点眼投与試験の2.0%リパスジル(2回/日)投与群及びイヌ13週間反復点眼投与試験の4.0%リパスジル(4回/日)投与群において、水晶体前部の縫合線部に混濁を伴った不可逆性の水晶体線維変性像が認められた(水晶体におけるこれらの変化は、リパスジル塩酸塩水和物のRhoキナーゼ阻害作用によりアクチンストレスファイバーの形成阻害が起き、水晶体線維細胞への分化、その後の伸展、遊走が阻害されたため生じた変化であると考えられた)。
16.1 血中濃度
16.1.1 反復点眼
健康成人男性17例に本剤、0.4%リパスジル点眼液又は0.1%ブリモニジン酒石酸塩点眼液を3群3期クロスオーバー法により両眼に1回1滴、1日2回8日間反復点眼したとき、リパスジル未変化体、リパスジルの主代謝物M1(イソキノリン環1位の水酸化体)及びブリモニジン未変化体の薬物動態パラメータは次の表のとおりであった。
表 健康成人男性における反復点眼時の血漿中薬物動態パラメータ(リパスジル未変化体及び代謝物M1)
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表 健康成人男性における反復点眼時の血漿中薬物動態パラメータ(ブリモニジン未変化体)
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16.3 分布
16.3.1 眼組織内移行
雄性有色ウサギの両眼に0.4%リパスジル点眼液、0.1%ブリモニジン酒石酸塩点眼液又は本剤(各50μL)を単回点眼した。
本剤を点眼したときの眼房水中リパスジル濃度は、0.4%リパスジル点眼液を点眼したときと比較してAUC0-tの高値(約1.8倍)が認められた。また、本剤を点眼したときの眼房水中ブリモニジン濃度は、0.1%ブリモニジン酒石酸塩点眼液を点眼したときと比較してCmax及びAUC0-tの低値(約0.2倍及び0.6倍)が認められた。
本剤を点眼したときの虹彩・毛様体中リパスジル濃度は、0.4%リパスジル点眼液を点眼したときと比較してCmaxの高値(約1.8倍)が認められた。また、本剤を点眼したときの虹彩・毛様体中ブリモニジン濃度は、0.1%ブリモニジン酒石酸塩点眼液を点眼したときと比較してCmax及びAUC0-tの低値(約0.4倍及び0.6倍)が認められた。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相リパスジル点眼液対照比較試験
0.4%リパスジル点眼液を4週間以上点眼した後の眼圧が18mmHg以上の原発開放隅角緑内障(広義)又は高眼圧症患者を対象に、0.4%リパスジル点眼液を対照とした無作為化二重遮蔽並行群間比較試験において、本剤又は対照薬を両眼に1回1滴、1日2回8週間点眼した。眼圧の変化量は添付文書の図と次の表のとおりであり、本剤群の対照薬群に対する優越性が検証された。
図 眼圧の推移(点眼2時間後)
表 点眼2時間後の眼圧変化量の比較(mmHg)
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副作用発現頻度は、本剤群で53.4%(55/103例)であった。最も頻度の高かった副作用は結膜充血43.7%(45/103例)であり、結膜充血以外で2件以上発現した副作用は、眼刺激8.7%(9/103例)、眼脂1.9%(2/103例)、傾眠1.9%(2/103例)であった。
17.1.2 国内第III相ブリモニジン点眼液対照比較試験
0.1%ブリモニジン酒石酸塩点眼液を4週間以上点眼した後の眼圧が18mmHg以上の原発開放隅角緑内障(広義)又は高眼圧症患者を対象に、0.1%ブリモニジン酒石酸塩点眼液を対照とした無作為化単遮蔽(評価者遮蔽)並行群間比較試験において、本剤又は対照薬を両眼に1回1滴、1日2回8週間点眼した。眼圧の変化量は添付文書の図と次の表のとおりであり、本剤群の対照薬群に対する優越性が検証された。
また、本剤の眼圧下降効果は、0.4%リパスジル点眼液及び0.1%ブリモニジン酒石酸塩点眼液の併用時と同程度であった。
図 眼圧の推移(点眼2時間後)
表 点眼2時間後の眼圧変化量の比較(mmHg)
→図表を見る(PDF)
副作用発現頻度は、本剤群で55.8%(63/113例)であった。最も頻度の高かった副作用は結膜充血54.0%(61/113例)であり、結膜充血以外で2件以上発現した副作用は、眼刺激5.3%(6/113例)、眼瞼炎1.8%(2/113例)であった。
18.1 作用機序
18.1.1 リパスジル塩酸塩水和物
リパスジルの眼圧下降作用の機序として、Rhoキナーゼ阻害作用に基づく線維柱帯-シュレム管を介する主流出路からの房水流出促進が示唆されている。
(1)リパスジルはRhoキナーゼのアイソフォームであるヒトROCK‐1及びROCK‐2に対して選択的な阻害作用を示した(in vitro)。
(2)ウサギに0.4%リパスジル点眼液を単回点眼したとき、房水流出率は基剤投与群に比べて有意に増加した。一方、ぶどう膜強膜流量及び房水産生量に影響を及ぼさなかった。
18.1.2 ブリモニジン酒石酸塩
ブリモニジンはα2アドレナリン受容体を作動させることで、毛様体上皮での房水産生を抑制し、更に、ぶどう膜強膜流出路からの房水流出を促進し、眼圧下降作用を示すと考えられている。
(1)ブリモニジンはα1アドレナリン受容体よりもα2アドレナリン受容体を選択的に作動させる。
(2)高眼圧症患者の片眼に0.2%ブリモニジン酒石酸塩点眼液を点眼した試験(フルオロフォトメトリー法)において、房水産生の抑制及びぶどう膜強膜流出路からの房水流出の促進が認められた(外国人データ)。
18.2 眼圧下降作用
ウサギの片眼に本剤を単回点眼したとき、眼圧下降作用が認められ、0.4%リパスジル点眼液及び0.1%ブリモニジン酒石酸塩点眼液の併用点眼時と有意な差は認められなかった。
- 製造販売会社
- 興和
- 販売会社
おくすりのQ&A
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補助が受けれることになり、母子手帳記載以外に、予診票の控えがいるとのこと
保管中の予診票の控えを渡したら...
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