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レスピア静注・経口液60mg

販売名
レスピア静注・経口液60mg
薬価
60mg3mL1瓶 825.00円
製造メーカー
ノーベルファーマ

添付文書情報2021年09月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
カフェイン系製剤
一般名
無水カフェイン注射液
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患児又はメチルキサンチン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患児。
2.2. 壊死性腸炎のある患児又はその疑いのある患児[壊死性腸炎が悪化又は発症するおそれがある]〔11.1.1参照〕。
効能・効果
早産・低出生体重児における原発性無呼吸(未熟児無呼吸発作)。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤は、原発性無呼吸に対する治療薬であるので、本剤投与前に二次性無呼吸の除外診断を行うこと。二次性無呼吸を呈する患児には、原疾患に応じ適切な処置を行うこと。
用法・用量
初回投与:通常、カフェインクエン酸塩として20mg/kg(本剤1mL/kg)を30分かけて静脈内投与する。
維持投与:初回投与から24時間後以降に、通常、カフェインクエン酸塩として5mg/kg(本剤0.25mL/kg)を1日1回、10分かけて静脈内投与、又は経口投与する。なお、症状に応じて、10mg/kg(本剤0.5mL/kg)まで増量できる。
(用法及び用量に関連する注意)
早産・低出生体重児では、カフェインのクリアランスは、体重、生後日齢により影響することが報告されているので、臨床症状に応じて投与量を調節することが望ましい。
肝機能障害患者
8.1. 本剤以外のメチルキサンチン系薬剤との同時投与を避けること(カフェイン及び他のメチルキサンチン系薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがある)〔9.1.3、10.2参照〕。
8.2. メチルキサンチン系薬剤から本剤の治療への切り替えにより、メチルキサンチン系薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがあるので注意すること〔10.2参照〕。
8.3. 外国で血中カフェイン濃度が50mg/Lを超えると重篤な副作用が発現したという報告がある。副作用の発現が疑われる場合、特定の背景を有する患者に投与する場合等には、血中カフェイン濃度の測定を考慮すること〔9.1.1-9.1.4、9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者、13.過量投与の項参照〕。
9.1.1. 心血管疾患のある患児:心拍数及び心拍出量が増加し症状を悪化させるおそれがある〔8.3参照〕。
9.1.2. 出産前にカフェインを日常的又は大量に摂取している母親から生まれた患児及びメチルキサンチン系薬剤を投与されている母親から生まれた患児(テオフィリン、アミノフィリン、カフェインを投与されている母親から生まれた患児):カフェインを含むメチルキサンチン系薬剤は胎盤を通過し、胎児に移行する〔8.3、10.2参照〕。
9.1.3. メチルキサンチン系薬剤を投与されている授乳婦から授乳されている患児(テオフィリン、アミノフィリン、カフェインを投与されている授乳婦から授乳されている患児):カフェインを含むメチルキサンチン系薬剤は乳汁に移行する〔8.1、8.3、10.2参照〕。
9.1.4. 痙攣を合併している患児、てんかん様症状を合併している患児等:カフェインの過量投与時に痙攣等があらわれたとの報告がある〔8.3、13.1、13.2参照〕。
腎機能障害のある患児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない〔8.3参照〕。
肝機能障害のある患児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない〔8.3参照〕。
相互作用
早産・低出生体重児では、肝薬物代謝酵素系が未発達のため、カフェインの大部分は未変化体で排泄される。しかし、生後、肝薬物代謝酵素系が急速に発達するため、肝薬物代謝酵素に影響を与える薬剤との併用においては、相互作用が生じるおそれがある〔16.4、16.5参照〕。
次に小児・成人で報告されているカフェインの相互作用を示すので、他剤による治療中に本剤を併用する場合、あるいは本剤による治療中に他の薬剤を併用する場合には、患児の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。
10.2. 併用注意:1). 他のメチルキサンチン系薬剤(テオフィリン、アミノフィリン水和物)〔8.1、8.2、9.1.2、9.1.3参照〕[カフェイン及びテオフィリンのクリアランスを減少させ血中濃度を増加させる(カフェインと他のメチルキサンチン系薬剤(テオフィリン等)との間に相互変換が生じる)]。
2). 交感神経刺激剤(β刺激剤)(イソプレナリン塩酸塩、クレンブテロール塩酸塩、ツロブテロール塩酸塩、テルブタリン硫酸塩、プロカテロール塩酸塩水和物等)[低カリウム血症、心・血管症状<頻脈・不整脈等>等のβ刺激剤の副作用症状を増強させることがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(心刺激作用をともに有しており、β刺激剤の作用を増強するためと考えられる。低カリウム血症の増強についての機序は不明である)]。
3). 抗真菌剤(フルコナゾール、ケトコナゾール、テルビナフィン塩酸塩)、H2-受容体拮抗剤(シメチジン)、キノロン系抗菌剤(ノルフロキサシン、シプロフロキサシン塩酸塩、オフロキサシン等)[カフェインの血中濃度が増加し副作用が発現するおそれがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(これらの薬剤は、肝薬物代謝酵素CYP1A2を阻害し、カフェインのクリアランスを減少させる)]。
4). エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、デフェラシロクス[カフェインの血中濃度が増加し副作用が発現するおそれがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(これらの薬剤は、肝薬物代謝酵素を阻害し、カフェインのクリアランスを減少させる)]。
5). アシクロビル、バラシクロビル塩酸塩[カフェインの血中濃度が増加し副作用が発現するおそれがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(カフェインの血中濃度の上昇によると考えられる)]。
6). グレープフルーツジュース、ナリンゲニン[カフェインの血中濃度が増加しカフェインの作用が増強されるおそれがある(これらの食品等は、肝薬物代謝酵素CYP1A2を阻害し、カフェインのクリアランスを減少させる)]。
7). リファンピシン、フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマゼピン、プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール、ランソプラゾール)[カフェインの効果が減弱することがあり、カフェイン血中濃度が低下するので、適切な処置を行うこと(肝薬物代謝酵素の誘導により、カフェインのクリアランスが増加するため、カフェインの血中濃度が低下すると考えられる)]。
8). 解熱鎮痛消炎剤(ケトプロフェン)[ケトプロフェンの血中濃度が増加し尿量が減少する(ケトプロフェンの溶解度を上昇させ、吸収を亢進する)]。
9). 解熱鎮痛消炎剤(アセトアミノフェン)[これらの薬剤のクリアランスを減少し鎮痛作用等を増強することがある(不明)]。
10). 解熱鎮痛消炎剤(アスピリン<経口>)[これらの薬剤のクリアランスを減少し鎮痛作用等を増強することがある(胃酸分泌を亢進することにより、アスピリンの吸収を増加させることが推察される)]。
11). ベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム、ロラゼパム)[ベンゾジアゼピン系薬剤の血中濃度が減少することがある(不明)]。
12). 鉄剤<経口>[鉄の吸収を減少する(カフェインによる胃酸分泌亢進によるものと推察される)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 壊死性腸炎(2.3%)〔2.2参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹、蕁麻疹、紅斑、薬疹。
2). 精神・神経:(頻度不明)神経過敏(興奮、不機嫌、いらいら感)、振戦、筋攣縮、落ち着きのなさ。
3). 呼吸器:(1~5%未満)肺水腫、(頻度不明)頻呼吸。
4). 循環器:(1~5%未満)高血圧、頻脈、(頻度不明)心拍数増加、心拍出量増加。
5). 消化器:(1~5%未満)胃出血、胃食道逆流、胃残渣増加、(頻度不明)嘔吐、下痢、便秘、腹部膨満。
6). 泌尿器:(頻度不明)尿量増加。
7). 代謝異常:(頻度不明)CK上昇、低血糖、高血糖。
8). 血液:(1~5%未満)貧血、(頻度不明)ヘモグロビン減少。
9). その他:(1~5%未満)注射部位反応、注射部位炎症、低ナトリウム血症、(頻度不明)尿中ナトリウム増加、尿中カルシウム増加。
小児等
在胎週数28週未満<投与時>の早産児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 開封後はできるだけ速やかに使用する。使用後の残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと(本剤は保存剤を含有していない)。
14.1.2. 本剤は必要に応じ、使用直前に生理食塩液、ブドウ糖注射液、注射用水等で、適宜希釈すること(但し、静脈内投与の場合は注射用水で希釈しないこと)、浸透圧が低下するおそれがある。
14.1.3. 本剤は、次の薬剤と配合禁忌である:フロセミド注射液、注射用ピペラシリンナトリウム、注射用バンコマイシン塩酸塩。
14.1.4. 使用時に変色あるいは混濁を生じている場合には使用しないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意静脈内投与又は経口投与すること。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報胎仔期もしくは新生仔期にカフェインを投与されたラットでは、行動異常が認められ、その影響は成熟期まで持続することが報告されている。

16.1 血中濃度
原発性無呼吸の日本人早産児23例[在胎週数(週)31.4±1.7、出生時体重(kg)1.5±0.4(いずれも平均値±標準偏差)]に本剤20mg/kgを静脈内投与し、24時間後から維持投与として5~10mg/kg/日を静脈内又は経口投与した時の血中未変化体濃度は、7.2~29.9mg/Lであり、薬物動態パラメータは次のとおりであった。
薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
→図表を見る(PDF)

16.2 吸収
早産児に本剤を経口投与したときの、最高血中濃度到達時間は、30分~2時間であり、速やかに吸収される。
早産児の経口投与時のバイオアベイラビリティは、約100%と報告があり、国内外の臨床試験成績を用い推定した経口投与時の結果も同様(バイオアベイラビリティ:90%[90%信頼区間:78~101%])であった。
16.3 分布
早産・低出生体重児における報告は確認できていないものの、成人では、カフェインは速やかに吸収された後、全身に分布し、血漿タンパク質結合率は、約35%と報告されている。
早産児の脳脊髄液にも、血中濃度とほぼ同様に分布する。
16.4 代謝
カフェインの代謝は、成人では、肝薬物代謝酵素のCYP1A2、CYP2E1、CYP3A4等により行われるが、主としてCYP1A2により代謝され、テオフィリン、テオブロミン、パラキサンチン等に代謝される。
早産児におけるこれらの肝薬物代謝酵素は未発達であり、本剤20mg/kgを静脈内投与し、24時間後から維持投与として5~10mg/kg/日を静脈内又は経口投与した時、これらの代謝物の血中濃度のほとんどは、定量下限値(0.5mg/L)未満であった。しかしながら、カフェインの代謝は、生後、急速に発達し、生後7~9ヵ月で成人とほぼ同様になる。これに伴い、早産児における消失半減期(約100時間)は、生後29週以降では成人の値(2.5~4.5時間)近くに短縮する。[10.参照]
16.5 排泄
早産児においては、主排泄経路は腎臓であり、大部分が未変化体として尿中に排泄される。[10.参照]

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
原発性無呼吸の日本人早産児23例を対象にした非盲検試験において、本剤20mg/kgを静脈内投与し、24時間後から維持投与として5~10mg/kg/日を静脈内又は経口投与した時、24時間の無呼吸発作抑制率(無呼吸発作回数が初回投与開始前24時間から50%以上減少した患児の割合)は、投与1日目及び2日目とも60.9%であり、3~10日目において43.5~56.5%の範囲内であった。
副作用(臨床検査値異常を含む)発現例数は2例(8.7%)で、副作用は、胃出血1例(4.3%)及び新生児高血圧1例(4.3%)であった。
17.1.2 外国第III相試験
原発性無呼吸の外国人早産児85例を対象にしたプラセボ対照二重盲検試験において、本剤20mg/kgを静脈内投与し、24時間後から維持投与として5mg/kg/日(非盲検期では6mg/kg/日)を静脈内又は経口投与した時、本剤が投与された63例について、副作用(臨床検査値異常を含む)発現例数は10例(15.9%)で、副作用は、壊死性腸炎、胃残渣の増加が各2例(3.2%)、貧血、低ナトリウム症、頻脈、肺水腫、胃食道逆流、注射部位反応、注射部位炎症、薬物濃度増加が各1例(1.6%)であった。

18.1 作用機序
18.1.1 カフェインの呼吸促進作用機序としては、アデノシン受容体結合阻害作用及びホスホジエステラーゼ阻害作用などが考えられている。
18.1.2 カフェインによる呼吸促進作用は、直接的な延髄呼吸中枢興奮作用、間接的なHering‐Breuer呼気誘発反射増強作用及び末梢化学受容体増強作用(血中の酸素濃度、二酸化炭素濃度及びpHに反応する作用)等に基づいていると考えられている。
18.2 呼吸機能改善作用
18.2.1 カフェインは新生児ウサギ、ヒツジ、早産児ヒヒ及び成熟サルの自発呼吸に対し呼吸機能改善作用を示した。
18.2.2 カフェインは新生児ブタ、ラット及び成熟サルの低酸素負荷モデルにおいて呼吸機能改善作用を示した。

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