アプリンジン塩酸塩カプセル20mg「NP」

添付文書情報2023年11月改定(第1版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 2.1. 重篤な刺激伝導障害(完全房室ブロック等)のある患者[刺激伝導障害を増悪させるおそれがある]〔11.1.1参照〕。
2.2. 重篤なうっ血性心不全の患者[心筋収縮力低下により、心不全を悪化させるおそれがある]。
2.3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
- 効能・効果
- 次記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合:頻脈性不整脈。
- 用法・用量
- 通常、成人にはアプリンジン塩酸塩として、1日40mgより投与を始め、効果が不十分な場合は60mgまで増量し、1日2~3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
(用法及び用量に関連する注意)
1日用量60mgを超えて投与する場合、副作用発現の可能性が増大するので注意すること。本剤は非線形の薬物動態を示すため、増量の際は注意すること〔16.1.1参照〕。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 本剤の投与中に、無顆粒球症、顆粒球減少あるいは白血球減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うこと(なお、無顆粒球症による死亡例が報告されている)〔11.1.2参照〕。
8.2. 本剤の投与に際しては、頻回に患者の状態を観察し、心電図、脈拍、血圧、心胸比を定期的に調べること(PQ延長、QRS幅増大、QT延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること)〔9.1.1-9.1.3、9.1.6、9.8高齢者の項、11.1.1参照〕。
8.3. 本剤の投与中に、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇等、肝・胆道系酵素値上昇及び総ビリルビン上昇があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと(特に投与初期においては2週間に1回肝機能検査を行うことが望ましい)〔11.1.4参照〕。
8.4. 本剤の投与中に、手指振戦、めまい、ふらつき等の精神神経系症状が発現し、増悪する傾向がある場合には、直ちに減量又は投与を中止すること(精神神経系の症状は用量依存的に発現しやすい)。また、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
9.1.1. うっ血性心不全<重篤なうっ血性心不全を除く>の患者又は基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者:開始後1~2週間は入院させ、また、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること(心室頻拍、心室細動等が発現するおそれが高い。うっ血性心不全<重篤なうっ血性心不全を除く>の患者においては心筋収縮力低下により、心不全を悪化させるおそれがある)〔8.2、11.1.1参照〕。
9.1.2. 軽度刺激伝導障害(不完全房室ブロック、脚ブロック等)のある患者:刺激伝導障害を増悪させるおそれがある〔8.2、11.1.1参照〕。
9.1.3. 著明な洞性徐脈の患者:徐脈を助長させるおそれがある〔8.2、11.1.1参照〕。
9.1.4. パーキンソン症候群の患者:パーキンソン様症状を増悪させるおそれがある。
9.1.5. 血清カリウム低下のある患者:QT延長、催不整脈(Torsadesde pointes等)などを発現させるおそれがある〔11.1.1参照〕。
9.1.6. 他の抗不整脈薬投与中の患者:少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること(併用時の有効性、安全性は確立していない)〔8.2参照〕。
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:腎機能障害を増悪させるおそれがある。
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:肝機能障害を増悪させるおそれがあり、また、アプリンジンは肝代謝型の薬剤であるため、肝機能障害のある患者では血中アプリンジン濃度が上昇するおそれがある。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). ジソピラミド、キニジン硫酸塩水和物、メキシレチン塩酸塩[動物実験において作用増強の報告があることから、刺激伝導障害<房室ブロック・脚ブロック等>を起こすおそれがあるので、慎重に投与すること(心筋の最大脱分極速度を抑制することから、本剤並びに併用薬剤の刺激伝導系の抑制作用を相加的又は相乗的に増強すると考えられる)]。
2). ジルチアゼム塩酸塩[両剤の血中濃度が上昇したとの報告があるので、併用する場合には両剤共減量する等、慎重に投与すること(肝臓の同一薬物代謝酵素に影響を及ぼし合い、両剤の血中濃度を上昇させる)]。
3). アミオダロン塩酸塩[アプリンジンの血中濃度が上昇するとの海外報告があるため、併用する場合には慎重に投与すること(機序不明)]。
4). 局所麻酔剤(メピバカイン塩酸塩)[両剤の中枢神経系及び心臓に対する副作用
が増強される可能性が報告されているので、併用する場合には慎重に投与すること(両剤の抗不整脈作用及び局所麻酔作用が、併用により相加することが考えられる)]。
5). ベラパミル塩酸塩[アプリンジンの血中濃度が上昇するとの報告があるので、併用する場合には慎重に投与すること(ベラパミルによるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用による)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 催不整脈(頻度不明):心室頻拍(Torsades de pointesを含む)等があらわれることがある〔2.1、8.2、9.1.1-9.1.3、9.1.5参照〕。
11.1.2. 無顆粒球症(頻度不明):無顆粒球症(初期症状:発熱、咽頭痛、全身倦怠感等)があらわれることがある〔8.1参照〕。
11.1.3. 間質性肺炎(頻度不明):間質性肺炎(初期症状:咳嗽、息切れ、呼吸困難、発熱等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、胸部X線等の検査を行い、副腎皮質ホルモン剤等の投与など適切な処置を行うこと。
11.1.4. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある〔8.3参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 肝臓:(0.5~5%未満)AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇、(頻度不明)肝炎、胆汁うっ滞性肝炎。
2). 血液:(0.5~5%未満)白血球減少、(0.5%未満)貧血、顆粒球減少、(頻度不明)好酸球増多、血小板減少。
3). 循環器:(0.5%未満)徐脈、前胸部痛、PQ延長・QRS延長・QTc延長、血圧低下、(頻度不明)動悸、房室ブロック、洞停止、心不全。
4). 精神神経系:(0.5~5%未満)振戦、めまい・ふらつき、(0.5%未満)眠気、足のもつれ、しびれ感、不眠、抑うつ症状、頭がボーとする、沈みこむ感じ、(頻度不明)幻覚、言語障害。
5). 視覚器:(0.5%未満)視力異常、緑視、複視。
6). 消化器:(0.5~5%未満)悪心・嘔気、食欲不振、口渇、嘔吐、(0.5%未満)消化不良、下痢、便秘、腹痛。
7). 過敏症:(0.5~5%未満)発疹、(0.5%未満)そう痒感。
8). 腎臓:(0.5%未満)排尿障害、(頻度不明)腎機能異常。
9). その他:(0.5~5%未満)発熱、(0.5%未満)倦怠感、頭痛、頭重感、抗核抗体陽性化、(頻度不明)CK上昇、発汗。
- 高齢者
- 入院させて開始することが望ましく、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること(肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい)〔8.2参照〕。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと(動物実験で、母体の一般状態悪化による二次的影響と考えられるが、経口投与(ラット)による胎仔発育抑制、静脈内投与(ウサギ)による生存胎仔数減少及び胎仔死亡数増加がみられている)〔2.3参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物(ラット)の乳汁中への移行が報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.1.2. 小児の手の届かない所に保管するよう指導すること。
アルミピロー開封後は、遮光して保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報本剤の静脈内投与により失神、痙攣があらわれたとの報告がある。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人及び不整脈患者に経口投与した場合、消化管からの吸収は良好で投与後2~4時間で最高血漿中濃度に達する。
血漿中濃度の半減期は投与量に依存して延長し、投与量と血漿中濃度は非直線関係を示す。
アプリンジン塩酸塩カプセルを単回投与後の投与量と血漿中濃度曲線下面積(AUC0~24)、最高血漿中濃度(Cmax)との関係は添付文書の図のとおりで、アプリンジン塩酸塩は非線形の薬物動態を示すため、投与量と最高血漿中濃度(Cmax)、曲線下面積(AUC)は比例しない。投与量の増加に伴い、半減期(T1/2β)は延長し、予想以上の血漿中濃度上昇が見られることがある。[7.参照]
16.1.2 反復投与
不整脈患者に反復経口投与した場合、血漿中濃度は7~14日でほぼ定常状態に達し、その後の消失半減期は約50時間である。
16.1.3 有効血中濃度
0.25~1.25μg/mL
16.1.4 生物学的同等性試験
〈アプリンジン塩酸塩カプセル10mg「NP」〉
アプリンジン塩酸塩カプセル10mg「NP」とアスペノンカプセル10のそれぞれ4カプセル(アプリンジン塩酸塩として40mg)を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食時に単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC0→24hr、Cmax)の平均値の差の95%信頼区間は±20%の範囲にあり、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
血漿中アプリンジン塩酸塩濃度推移
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
〈アプリンジン塩酸塩カプセル20mg「NP」〉
アプリンジン塩酸塩カプセル20mg「NP」とアスペノンカプセル20のそれぞれ2カプセル(アプリンジン塩酸塩として40mg)を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食時に単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC0→24hr、Cmax)の平均値の差の95%信頼区間は±20%の範囲にあり、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
血漿中アプリンジン塩酸塩濃度推移
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
16.3.1 血漿タンパク結合率
94~97%(平衡透析法)
16.4 代謝
アプリンジンは主に肝臓で代謝され、健康成人での主要代謝物はアプリンジンのデスエチル体及び水酸化体である。
肝臓の薬物代謝酵素のうち、CYP2D6がアプリンジンの代謝に関与しているとの報告がある(外国人データ)。
代謝物のうちデスエチルアプリンジンには、動物実験(イヌ)においてアプリンジンと同等の抗不整脈作用が認められているが、ヒトの血中には検出されないか、認められてもわずかである。
16.5 排泄
健康成人に3H‐アプリンジンを経口投与した場合、尿中への排泄量は24時間で17.0%、120時間で42.5%である(外国人データ)。
健康成人に経口投与したときの未変化体尿中排泄率(96時間)は1%以下である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
心室性及び上室性期外収縮を認めた患者を対象に、アプリンジン塩酸塩(20mg1日3回)とジソピラミド(100mg1日3回)の有効性及び安全性を比較する多施設二重盲検群間比較試験を実施した。心室性期外収縮の全般改善度(改善以上)はアプリンジン塩酸塩51/82例(62%)、ジソピラミド31/76例(41%)であり、上室性期外収縮ではアプリンジン塩酸塩18/31例(58%)、ジソピラミド12/21例(57%)であった。
副作用(臨床検査値異常を含む)は139例中27例(19.4%)に認められ、主な副作用は悪心・嘔気・嘔吐・気分不快8件、口渇6件等であった。
18.1 作用機序
心筋細胞のNaイオンチャネル抑制作用により、活動電位の最大脱分極速度(Vmax)を抑制し、心筋の興奮性、刺激伝導系を抑制することにより抗不整脈作用をもたらす。
Sicilian Gambit(日本版)による薬剤分類によるとアプリンジン塩酸塩はNaイオンチャネル抑制作用だけでなく、Caイオンチャネル、Kイオンチャネルなどに抑制的な作用をもたらし、心房、心室筋の各活動電位相に影響をもたらし抗不整脈作用を発揮すると考えられている。
18.2 実験的不整脈に対する作用
18.2.1 イヌの冠動脈二段結紮による実験的心筋梗塞時不整脈を、静脈内投与及び経口投与で抑制する。最小有効血漿中濃度は、クラスI群の抗不整脈薬の中で最も低値である。
18.2.2 アドレナリン、ウアバインにより惹起された実験的不整脈を抑制し、その効果はジソピラミド、メキシレチン、リドカイン、プロカインアミドより優れている(イヌ)。
18.3 電気生理学的作用
18.3.1 最大脱分極速度に対する作用
モルモット心室筋の最大脱分極速度(Vmax)を刺激頻度依存性及び膜電位依存性に抑制する。
18.3.2 ナトリウムチャネル遮断作用
モルモットの心室乳頭筋のNaチャネルを活性化状態(AC)よりもむしろ不活性化状態(IC)でより強く抑制する。
18.3.3 有効不応期に対する作用
ウシのプルキンエ線維の有効不応期(ERP)を短縮させるが、ERP/APD比を増大させ、心室筋のERPを延長させる。
18.3.4 ペースメーカー活性に対する作用
ウシのプルキンエ線維の低カリウム、アドレナリンによる自発性拡張期脱分極を抑制する。
18.3.5 心筋興奮伝導に対する作用
ウサギ摘出心臓の心房-ヒス伝導時間(AH時間)及びヒス-心室伝導時間(HV時間)を延長させる。
18.4 臨床電気生理学的作用
不整脈患者42例(14~82歳)にアプリンジン塩酸塩100mgを静脈内投与した場合、洞周期、最大洞自動能回復時間及び洞房伝導時間を変化させず、AH時間、HV時間を延長させ、また、心房筋、房室結節及び心室筋のERPを延長させる。
18.5 心機能に対する作用
心室性不整脈患者9例(15~64歳)にアプリンジン塩酸塩50~75mgを反復投与した場合、心拍数、血圧及び左室駆出率に変化はみられない。
- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
味は苦く、舌を麻痺させる。
- 製造販売会社
- ニプロ
- 販売会社
おくすりのQ&A
当該製品の添付文書では、効能又は効果として、『次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症』と記載されています。...
添付文書内の「有効性安全性」の正確な意味を教えてください。どのような条件ならば有効性があるとするのか、安全性があるというのかをその基準を教えて欲しいのです
入院でブルキンザカプセルを内服予定ですが、高額薬剤としてDPCは出来高になりますでしょうか。2025年4月15日の高額薬剤一覧には載っていなく、診断群分類...
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