ニカルジピン塩酸塩徐放カプセル40mg「日医工」

添付文書情報2013年10月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 1.頭蓋内出血で止血が完成していないと推定される患者[出血が促進する可能性がある]。
2.脳卒中急性期で頭蓋内圧亢進している患者[頭蓋内圧が高まる恐れがある]。
3.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。
- 効能・効果
- 本態性高血圧症。
- 用法・用量
- 通常成人には、本剤を1回ニカルジピン塩酸塩として20~40mgを1日2回経口投与する。
- 慎重投与
- 1.肝機能障害・腎機能障害のある患者[本剤は肝臓で代謝され、また、一般に重篤な腎機能障害のある患者では、降圧に伴い腎機能が低下する可能性がある]。
2.低血圧症の患者[血圧が更に低下する可能性がある]。
3.緑内障の患者[血管拡張作用により眼圧の上昇を招く恐れがある]。
4.高齢者。
- 重要な基本的注意
- 1.カルシウム拮抗剤の投与を急に中止したとき、症状が悪化した症例が報告されているので、本剤の休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行う。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意する。
2.降圧作用に基づく眩暈等が現れることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させる。
- 相互作用
- 本剤は、主としてCYP3A4で代謝される。
併用注意:1.他の血圧降下剤[血圧降下作用が増強されることがある(両剤の薬理学的な相加作用
等による)]。
2.β-遮断剤(プロプラノロール等)[うっ血性心不全患者では、過度の血圧低下、心機能の低下が現れることがあるので、必要に応じどちらかを減量又は投与を中止する(両剤の薬理学的な相加作用による;1)血圧降下作用の増強、2)陰性変力作用の増強)]。
3.ジゴキシン[ジゴキシンの作用を増強し中毒症状<嘔気・嘔吐・眩暈・徐脈・不整脈等>が現れることがあるので、必要に応じジゴキシンを減量する(本剤が、主に腎でのクリアランスを減少させ、ジゴキシンの血中濃度が上昇する)]。
4.ダントロレンナトリウム水和物[他のカルシウム拮抗剤<ベラパミル等>の動物実験で心室細動、他のカルシウム拮抗剤<ベラパミル等>の動物実験で循環虚脱がみられたとの報告がある(高カリウム血症を来すと考えられる)]。
5.タンドスピロンクエン酸塩[動物実験で血圧降下作用が増強されたとの報告がある(タンドスピロンクエン酸塩は中枢性の血圧降下作用を有し、相加的な降圧作用を示す)]。
6.ニトログリセリン[動物実験で房室ブロックを起こしたとの報告がある(機序不明)]。
7.免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス水和物等)[免疫抑制剤の作用を増強し中毒症状<特に腎機能異常>が現れることがあり、また、本剤の作用を増強し血圧低下・頻脈等が現れることがあるので、必要に応じ免疫抑制剤及び本剤を減量する(本剤あるいは免疫抑制剤によりCYP3A4が阻害され、免疫抑制剤あるいは本剤の血中濃度が上昇する)]。
8.フェニトイン:1).フェニトイン[フェニトインの作用を増強し中毒症状<神経的>が現れることがあるので、必要に応じフェニトインを減量する(本剤の蛋白結合率が高いため、血漿蛋白結合競合により、遊離型フェニトインが上昇する)]。
2).フェニトイン[本剤の作用が減弱されることがあるので、必要に応じ本剤を増量する(CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進される)]。
9.リファンピシン[本剤の作用が減弱されることがあるので、必要に応じ本剤を増量する(CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進される)]。
10.シメチジン[本剤の作用が増強され血圧低下・頻脈等が現れることがあるので、必要に応じ本剤を減量する(これらの薬剤によりCYP3A4が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する)]。
11.HIVプロテアーゼ阻害剤(サキナビル、リトナビル等)[本剤の血中濃度が上昇し本剤の作用が増強される恐れがある(これらの薬剤によりCYP3A4が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する)]。
12.グレープフルーツジュース[本剤の作用が増強される恐れがある(グレープフルーツジュースによりCYP3A4が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する)]。
- 副作用
- 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
- 重大な副作用
- 1.重大な副作用(頻度不明)1).血小板減少:血小板減少が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う。
2).肝機能障害、黄疸:AST上昇(GOT上昇)・ALT上昇(GPT上昇)・γ-GTP上昇等を伴う肝機能障害や黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う。
- 2.その他の副作用(頻度不明)1).肝臓:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇、Al-P上昇、LDH上昇、血清コレステロール上昇[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する]。
2).腎臓:BUN上昇、クレアチニン上昇[観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する]。
3).血液:顆粒球減少[異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う]。
4).消化器:便秘、腹痛、食欲不振、胸やけ、口渇、下痢、悪心・嘔吐、胃部不快感。
5).循環器:顔面潮紅、動悸、脱力感・倦怠感、のぼせ、立ちくらみ、頻脈、熱感、血圧低下、浮腫。
6).過敏症:発疹、そう痒感、光線過敏症[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。
7).口腔:歯肉肥厚[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。
8).その他:頭痛・頭重、眩暈、耳鳴、眠気、しびれ感、不眠、胸部不快感、流涎、発赤、頻尿、ふらふら感。
- 高齢者への投与
- 高齢者に使用する場合は、低用量から投与を開始し、経過を十分に観察しながら慎重に投与することが望ましい[一般的に高齢者では、過度の降圧は好ましくないとされている]。
- 妊婦・産婦・授乳婦等への投与
- 1.妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与を避ける[動物実験で、妊娠末期に投与すると出生仔低体重、その後の出生仔体重増加抑制もされた]。
2.授乳婦:授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせる[動物実験で乳汁中へ移行することが報告されている]。
- 小児等への投与
- 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
- 取扱い上の注意
- 薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
安定性試験:本品につき加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)を行った結果、ニカルジピン塩酸塩徐放カプセル20mg「日医工」及びニカルジピン塩酸塩徐放カプセル40mg「日医工」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
- その他の注意
- ラットに24カ月経口投与した実験で、45mg/kg/日投与群(臨床用量の約40倍)の雄に甲状腺濾胞の腫瘍が対照群に比し有意に増加したとの報告がある。
1.生物学的同等性試験
1)ニカルジピン塩酸塩徐放カプセル20mg「日医工」
ニカルジピン塩酸塩徐放カプセル20mg「日医工」及び標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ2カプセル(ニカルジピン塩酸塩として40mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
また、それぞれ2カプセルを食後単回経口投与した場合においても、同様に両剤の生物学的同等性が確認された。
<絶食時投与>
→図表を見る(PDF)
<食後投与>
→図表を見る(PDF)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
2)ニカルジピン塩酸塩徐放カプセル40mg「日医工」
ニカルジピン塩酸塩徐放カプセル40mg「日医工」及び標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1カプセル(ニカルジピン塩酸塩として40mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
また、それぞれ1カプセルを食後単回経口投与した場合においても、同様に両剤の生物学的同等性が確認された。
<絶食時投与>
→図表を見る(PDF)
<食後投与>
→図表を見る(PDF)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
2.溶出挙動
ニカルジピン塩酸塩徐放カプセル40mg「日医工」は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められたニカルジピン塩酸塩徐放カプセルの溶出規格に適合していることが確認されている。
ニカルジピン塩酸塩は,ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬である。膜電位依存性L型カルシウムチャネルに特異的に結合し,細胞内へのカルシウムの流入を減少させることにより,冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩させる。非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬(ベラパミルやジルチアゼム)と比較すると,血管選択性が高く,心収縮力や心拍数に対する抑制作用は弱い。
- 一包可:不明
バラ包装
- 分割:可能
- 粉砕:可能
【添】徐放カプセル@【IF】崩壊・懸濁あるいは粉砕を行う場合は、本剤の放出制御の特性が失われるおそれがあります。
- 製造販売会社
- 日医工
- 販売会社
おくすりのQ&A
添付文書内の「有効性安全性」の正確な意味を教えてください。どのような条件ならば有効性があるとするのか、安全性があるというのかをその基準を教えて欲しいのです
入院でブルキンザカプセルを内服予定ですが、高額薬剤としてDPCは出来高になりますでしょうか。2025年4月15日の高額薬剤一覧には載っていなく、診断群分類...
以前まで、フェロミア処方すると自動的にコメントもついてきたのですが、最近からコメントがつかなくなり、レセプト請求の際にエラーがでます。コメント算定お願いし...
わからないことがあったら、
気軽にすぐ質問しよう!
このコミュニティは、各種法令・通達が実務の現場で実際にはどう運用されているのか情報共有に使われることもあります。解釈に幅があるものや、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性のあることを、唯一の正解であるかのように断言するのはお控えください。「しろぼんねっと」編集部は、投稿者の了承を得ることなく回答や質問を削除する場合があります。