カデチア配合錠HD「テバ」

添付文書情報2024年08月改定(第4版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分あるいは他のチアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 無尿の患者又は血液透析中の患者[ヒドロクロロチアジドの効果が期待できない]〔9.2.1参照〕。
2.3. 急性腎不全の患者〔9.2.2参照〕。
2.4. 体液中のナトリウム減少・体液中のカリウム減少が明らかな患者[ヒドロクロロチアジドは低ナトリウム血症、低カリウム血症等の電解質失調を悪化させるおそれがある]〔11.1.5参照〕。
2.5. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.6. アリスキレンフマル酸塩投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)〔10.1参照〕。
2.7. デスモプレシン酢酸塩水和物投与中<男性における夜間多尿による夜間頻尿>の患者〔10.1参照〕。
- 効能・効果
- 高血圧症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
5.2. 原則として、カンデサルタン シレキセチル4mgで効果不十分な場合にカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド4mg/6.25mgの投与を検討、カンデサルタン シレキセチル8mg、又はカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド4mg/6.25mgで効果不十分な場合にカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド8mg/6.25mgの投与を検討すること〔8.1参照〕。
- 用法・用量
- 成人には1日1回1錠(カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして8mg/6.25mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
- 生殖能を有する者
- 8.1. 本剤は、カンデサルタン シレキセチル8mgとヒドロクロロチアジド6.25mgとの配合剤であり、カンデサルタン シレキセチルとヒドロクロロチアジド双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること〔5.2参照〕。
8.2. ヒドロクロロチアジドは低カリウム血症あるいは高尿酸血症を発現させるおそれがあるので、定期的に血清カリウム値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行うこと。
8.3. ヒドロクロロチアジドの利尿効果は急激にあらわれることがあるので、電解質失調、脱水に十分注意すること。
8.4. 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
8.5. 手術前24時間は投与しないことが望ましい(アンジオテンシン2受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン-アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こす可能性がある)。
8.6. 夜間の休息が特に必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。
9.1.1. 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること(カンデサルタン シレキセチルは腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能悪化させるおそれがある)。
9.1.2. 高カリウム血症の患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること(カンデサルタン シレキセチルは高カリウム血症を増悪させるおそれがある)。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。
9.1.3. 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者:ヒドロクロロチアジドにより高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、糖尿病の悪化や顕性化のおそれがある。
9.1.4. 重篤な冠動脈硬化症又は重篤な脳動脈硬化症のある患者:ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
9.1.5. 下痢、嘔吐のある患者:ヒドロクロロチアジドにより電解質失調を起こすおそれがある。
9.1.6. 高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者:ヒドロクロロチアジドは血清カルシウムを上昇させるおそれがある。
9.1.7. 減塩療法中の患者:ヒドロクロロチアジドにより低ナトリウム血症を起こすおそれがある。また、厳重な減塩療法中の患者では、本剤の成分であるカンデサルタンシレキセチルの用量を少量より開始し、増量する場合は血圧、腎機能及び患者の状態を十分に観察しながら行うこと(カンデサルタン シレキセチルの投与により、まれに血圧が急激に低下し、ショック、失神、一過性意識消失や腎機能低下を起こすおそれがある)〔11.1.2、11.1.5参照〕。
9.1.8. 交感神経切除後の患者:ヒドロクロロチアジドの降圧作用が増強される。
9.1.9. 低ナトリウム血症の患者:本剤の成分であるカンデサルタン シレキセチルの用量を少量より開始し、増量する場合は血圧、腎機能及び患者の状態を十分に観察しながら行うこと(カンデサルタン シレキセチルの投与により、まれに血圧が急激に低下し、ショック、失神、一過性意識消失や腎機能低下を起こすおそれがある)〔11.1.2参照〕。
9.1.10. 心不全を合併する患者:本剤の成分であるカンデサルタン シレキセチルの用量を少量より開始し、増量する場合は血圧、腎機能及び患者の状態を十分に観察しながら行うこと(カンデサルタン シレキセチルの投与により、まれに血圧が急激に低下し、ショック、失神、一過性意識消失や腎機能低下を起こすおそれがある)〔11.1.2参照〕。
9.1.11. 薬剤過敏症の既往歴のある患者。
9.2.1. 血液透析中の患者:投与しないこと(ヒドロクロロチアジドの効果が期待できない)〔2.2参照〕。
9.2.2. 急性腎不全の患者:投与しないこと(ヒドロクロロチアジドは腎機能を更に悪化させるおそれがある)〔2.3参照〕。
9.2.3. 血清クレアチニン値が2.0mg/dLを超える腎機能障害患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
9.2.4. 腎障害のある患者・ 腎障害のある患者:ヒドロクロロチアジド又はカンデサルタン シレキセチルによる腎血流量の低下あるいは過度の降圧により腎機能が悪化するおそれがある。
・ 腎障害のある患者:定期的に血清クレアチニン値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行うこと(血清クレアチニン値上昇及び血清尿酸値上昇のおそれがある)。
・ 腎障害のある患者:カンデサルタン シレキセチルの用量を少量より開始し、増量する場合は血圧、腎機能及び患者の状態を十分に観察しながら行うこと(カンデサルタンシレキセチルの投与により、まれに血圧が急激に低下し、ショック、失神、一過性意識消失や腎機能低下を起こすおそれがある)〔11.1.2参照〕。
・ 肝機能障害患者:少量から投与を開始するなど慎重に投与すること(カンデサルタンシレキセチルは肝機能を悪化させるおそれがあり、また、活性代謝物カンデサルタンのクリアランスが低下することが推定されている)〔16.1.2参照〕。
・ 肝機能障害患者:ヒドロクロロチアジドは肝性昏睡を起こすおそれがある。
9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシン2受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋形成不全・肺形成不全・腎形成不全、死亡等)が認められた例が報告されているので、本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること〔9.5妊婦の項参照〕。
(1). 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性の場合、本剤投与開始前に妊娠していないことを確認し、本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認すること。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
(2). 妊娠する可能性のある女性:次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明すること。また、投与中も必要に応じ説明すること。
・ 妊娠する可能性のある女性:妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること。
・ 妊娠する可能性のある女性:妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談すること。
・ 妊娠する可能性のある女性:妊娠を計画する場合は、担当医に相談すること。
- 相互作用
- 10.1. 併用禁忌:1). アリスキレンフマル酸塩<ラジレス>(糖尿病患者に使用する場合(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く))〔2.6参照〕[非致死性脳卒中・腎機能障害・高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている(レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
2). デスモプレシン酢酸塩水和物<男性における夜間多尿による夜間頻尿><ミニリンメルト>〔2.7参照〕[低ナトリウム血症が発現するおそれがある(いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある)]。
10.2. 併用注意:1). カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン等)、エプレレノン、カリウム補給剤[血清カリウム値が上昇することがある(カンデサルタン シレキセチルのアルドステロン分泌抑制作用によりカリウム貯留作用が増強することによる<危険因子>特に腎機能障害のある患者)]。
2). 利尿剤(フロセミド、トリクロルメチアジド等)〔11.1.2参照〕[利尿剤で治療を受けている患者に本剤を初めて投与する場合、降圧作用が増強するおそれがあるので、少量から開始するなど慎重に投与すること(利尿剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、カンデサルタン シレキセチルが奏効しやすい<危険因子>特に最近利尿剤投与を開始した患者)]。
3). バルビツール酸誘導体[起立性低血圧が増強することがある(併用薬剤の中枢抑制作用と本剤の降圧作用による)]。
4). あへんアルカロイド系麻薬[起立性低血圧が増強することがある(あへんアルカロイドの大量投与で血圧下降があらわれることが報告されている)]。
5). アルコール[起立性低血圧が増強することがある(血管拡張作用を有するアルコールとの併用により降圧作用が増強する可能性がある)]。
6). 昇圧アミン(ノルアドレナリン、アドレナリン)[昇圧アミンの作用が減弱することがあるので、手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること(チアジド系薬剤は昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることが報告されている)]。
7). ツボクラリン及びその類似作用物質(ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物、パンクロニウム臭化物)[ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用が増強することがあるので、手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること(ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、併用薬剤の神経・筋遮断作用が増強すると考えられている)]。
8). 降圧作用を有する他の薬剤(β-遮断剤、ニトログリセリン等)[降圧作用が増強するおそれがあるので、降圧剤の用量調節等に注意すること(作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する)]。
9). アリスキレンフマル酸塩[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある(レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)。eGFRが60mL/min/1.73㎡未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること(レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
10). アンジオテンシン変換酵素阻害剤[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある(レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある)]。
11). ジギタリス剤(ジゴキシン、ジギトキシン)[ジギタリスの心臓に対する作用
が増強し不整脈等が起こることがあるので、血清カリウム値に十分注意すること(ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、多量のジギタリスが心筋Na-KATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる(マグネシウム低下も同様の作用
を示す))]。
12). 乳酸ナトリウム[チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス・低カリウム血症が増強することがある(ヒドロクロロチアジドによるカリウム排泄作用により低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされることがあり、アルカリ化剤である乳酸ナトリウムの併用はこの状態をさらに増強させる)]。
13). 炭酸リチウム[リチウム中毒が報告されている(腎尿細管におけるリチウムの再吸収が促進される)]。
14). 糖質副腎皮質ホルモン剤、ACTH[低カリウム血症が発現することがある(ヒドロクロロチアジド及び併用薬剤ともカリウム排泄作用を持つ)]。
15). グリチルリチン製剤[血清カリウム値の低下があらわれやすくなる(併用薬剤は低カリウム血症を主徴とした偽アルドステロン症を引き起こすことがあり、ヒドロクロロチアジドとの併用により、低カリウム血症を増強させる可能性がある)]。
16). 糖尿病用剤(SU剤、インスリン)[糖尿病用剤の作用が著しく減弱することがある(機序は明確ではないが、ヒドロクロロチアジドによるカリウム喪失により、膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている)]。
17). コレスチラミン<経口>[チアジド系薬剤の作用が減弱することがある(併用
薬剤の吸着作用によりチアジド系薬剤の吸収が阻害されることがある)]。
18). 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs):①. 非ステロイド性消炎鎮痛剤<NSAIDs>(インドメタシン等)[降圧作用が減弱することがある(非ステロイド性消炎鎮痛剤はプロスタグランジンの合成を阻害することから、血管拡張抑制等をきたし、降圧作用を減弱させる可能性があると考えられている)]。
②. 非ステロイド性消炎鎮痛剤<NSAIDs>(インドメタシン等)[腎障害のある患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある(非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられている)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 血管浮腫(頻度不明):顔面腫脹、口唇腫脹、舌腫脹、咽頭腫脹・喉頭腫脹等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがある。
11.1.2. ショック、失神、意識消失(頻度不明):冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと〔9.1.7、9.1.9、9.1.10、9.2.4、10.2参照〕。
11.1.3. 急性腎障害(頻度不明)。
11.1.4. 高カリウム血症(頻度不明)。
11.1.5. 低ナトリウム血症(頻度不明):倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある(高齢者であらわれやすい)〔2.4、9.1.7参照〕。
11.1.6. 肝機能障害、黄疸(頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等の肝機能障害があらわれることがある。
11.1.7. 無顆粒球症(頻度不明)。
11.1.8. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.9. 間質性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.10. 低血糖(頻度不明):脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止すること(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)。
11.1.11. 再生不良性貧血、溶血性貧血(頻度不明):定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
11.1.12. 壊死性血管炎(頻度不明)。
11.1.13. 肺水腫、急性呼吸窮迫症候群(頻度不明):肺水腫があらわれることがある。また、ヒドロクロロチアジド服用後、数分から数時間以内に急性呼吸窮迫症候群が発現したとの報告がある。
11.1.14. 全身性エリテマトーデス悪化(頻度不明)。
11.1.15. アナフィラキシー(頻度不明)。
11.1.16. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)。
11.1.17. 間質性腎炎(頻度不明)。
11.1.18. 急性近視、閉塞隅角緑内障(頻度不明):急性近視(霧視、視力低下等を含む)、閉塞隅角緑内障があらわれることがあるので、急激な視力の低下や眼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、速やかに眼科医の診察を受けるよう、患者に指導すること。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、光線過敏症、(頻度不明)そう痒、湿疹、蕁麻疹、呼吸困難、顔面紅潮。
2). 循環器:(0.1~5%未満)*めまい、動悸、ほてり、期外収縮、(頻度不明)起立性低血圧、心房細動、*ふらつき、*立ちくらみ[*:このような場合には減量、休薬するなど適切な処置を行うこと]。
3). 精神神経系:(0.1~5%未満)頭痛、(頻度不明)頭重感、不眠、眠気、舌のしびれ感、四肢のしびれ感、知覚異常。
4). 代謝異常:(5%以上)血中尿酸上昇、(0.1~5%未満)血中カリウム上昇、血清脂質上昇、総コレステロール上昇、高血糖症、(頻度不明)低カリウム血症、低マグネシウム血症、低クロール性アルカローシス、血清カルシウム上昇等の電解質失調、血清総タンパク減少。
5). 消化器:(0.1~5%未満)悪心、口内炎、味覚異常、便秘、口渇、(頻度不明)腹部不快感、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、心窩部痛、下痢、腹部疝痛、膵炎、唾液腺炎。
6). 肝臓:(0.1~5%未満)ALT上昇、LDH上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、(頻度不明)AST上昇。
7). 皮膚:(頻度不明)皮膚エリテマトーデス。
8). 血液:(0.1~5%未満)白血球増多、貧血、(頻度不明)白血球減少、好酸球増多、血小板減少、紫斑。
9). 腎臓:(0.1~5%未満)BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿。
10). その他:(0.1~5%未満)倦怠感、頻尿、浮腫、咳、血中CK上昇、CRP上昇、勃起不全、視力異常(霧視等)、(頻度不明)鼻出血、脱力感、腰背部痛、筋肉痛、筋痙攣、高カルシウム血症を伴う副甲状腺障害、鼻閉、黄視症、耳鳴、関節痛。
- 高齢者
- 高齢者:次の点に注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
・ 高齢者:一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)。
・ 高齢者:ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、めまい、失神等を起こすことがある。
・ 高齢者:特に心疾患等で浮腫のある高齢者では、ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
・ 高齢者:ヒドロクロロチアジドによる低ナトリウム血症、低カリウム血症があらわれやすい。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
妊娠中期及び末期にアンジオテンシン2受容体拮抗剤又はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢拘縮、頭蓋顔面変形、肺低形成等があらわれたとの報告がある。
チアジド系薬剤では新生児又は乳児に高ビリルビン血症、血小板減少症等を起こすことがあり、また、利尿効果に基づく血漿量減少、血液濃縮、子宮血流量減少・胎盤血流量減少があらわれることがある〔2.5、9.4.1参照〕。
授乳しないことが望ましい(ラットの周産期及び授乳期にカンデサルタン シレキセチルを強制経口投与すると、10mg/kg/日以上の群で出生仔に水腎症の発生増加が認められており、なお、ラットの妊娠末期のみ、あるいは授乳期のみにカンデサルタン シレキセチルを投与した場合、いずれも300mg/kg/日で出生仔に水腎症の増加が認められている)。
ヒドロクロロチアジドはヒト母乳中に移行することが報告されている。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. ヒドロクロロチアジドの含有量が本剤の承認用量の倍量である12.5mgを用いたカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド配合剤の国内臨床試験において、血中尿酸上昇が146例中16例(11%)に認められている。
15.1.2. 海外で実施された疫学研究において、ヒドロクロロチアジドを投与された患者で、基底細胞癌及び有棘細胞癌のリスクが増加することが報告されている。
16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
本態性高血圧症患者に1日1回カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして8mg/6.25mgを15日間反復投与した時、血中には活性代謝物カンデサルタン、非活性代謝物M‐II及びヒドロクロロチアジドが検出されるが、未変化体であるカンデサルタン シレキセチルはほとんど検出されない。投与1日目及び15日目のカンデサルタン及びヒドロクロロチアジドの血中濃度の推移は添付文書の図のとおりである。
→図表を見る(PDF)
16.1.2 血中カンデサルタン濃度測定値を用いたPopulation Pharmacokinetics(PPK)解析
カンデサルタン シレキセチルを投与した健康成人男子延べ168例、本態性高血圧症及び高齢本態性高血圧症患者延べ30例、腎障害を伴う高血圧症患者18例、肝障害を伴う高血圧症患者8例、計224例から得られた2,886時点の血中カンデサルタン濃度測定値を用いて、性、年齢、体重、肝機能指標(AST、ALT)、腎機能指標(血清クレアチニン、BUN)、血中アルブミン値及び高血圧の有無とカンデサルタンのクリアランス、分布容積、相対的バイオアベイラビリティとの関連性を検討した結果、肝障害患者(AST値>40又はALT値>35)におけるクリアランスが45%低下することが推定されている。[9.3参照]
16.1.3 生物学的同等性試験
〈カデチア配合錠LD「テバ」〉
(1)カデチア配合錠LD「テバ」とエカード配合錠LDをクロスオーバー法により、健康成人男子にそれぞれ1錠(カンデサルタン シレキセチルとして4mg及びヒドロクロロチアジドとして6.25mg)を絶食単回経口投与して血漿中活性代謝物(カンデサルタン)濃度及び血漿中未変化体(ヒドロクロロチアジド)濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
・カンデサルタン
→図表を見る(PDF)
・ヒドロクロロチアジド
→図表を見る(PDF)
〈カデチア配合錠HD「テバ」〉
(2)カデチア配合錠HD「テバ」とエカード配合錠HDをクロスオーバー法により、健康成人男子にそれぞれ1錠(カンデサルタン シレキセチルとして8mg及びヒドロクロロチアジドとして6.25mg)を絶食単回経口投与して血漿中活性代謝物(カンデサルタン)濃度及び血漿中未変化体(ヒドロクロロチアジド)濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
・カンデサルタン
→図表を見る(PDF)
・ヒドロクロロチアジド
→図表を見る(PDF)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
健康成人(12例)にカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして8mg/6.25mgを食後投与した時、絶食下投与と比較してCmaxは活性代謝物カンデサルタンでは上昇し、ヒドロクロロチアジドでは低下したが、AUCは活性代謝物カンデサルタンでは差はなく、ヒドロクロロチアジドでは17.6%の低下であり、臨床的に問題となるものではないと考えられる。
16.3 分布
[14C]カンデサルタンをヒトの血清、4%ヒト血清アルブミン溶液に添加した時の蛋白結合率は、ともに99%以上である(in vitro)。
ヒドロクロロチアジドのヒト血清蛋白結合率は20.8~24.0%である(in vitro)。
16.4 代謝
カンデサルタン シレキセチルはカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物カンデサルタンに代謝され、さらに一部がCYP2C9により非活性代謝物M‐IIに代謝されるが、本態性高血圧症患者にカンデサルタン シレキセチルを投与したときのM‐IIの血中濃度及び尿中排泄率はカンデサルタンの血中濃度及び尿中排泄率に比べ低く、CYP2C9の遺伝的多型によるカンデサルタンの血中濃度への影響は少ないと考えられる。
また、カンデサルタンはCYP1A1、1A2、2A6、2B6、2C8、2C9‐Arg、2C19、2D6、2E1、3A4の代謝活性を阻害しない(in vitro)。
16.5 排泄
本態性高血圧症患者10例に1日1回カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして8mg/6.25mgを15日間反復投与した時、尿中には未変化体であるカンデサルタン シレキセチルは検出されず、活性代謝物カンデサルタン、非活性代謝物M‐II及びヒドロクロロチアジドが排泄される。投与24時間までの尿中カンデサルタン+M‐II及びヒドロクロロチアジド未変化体の累積尿中排泄率はカンデサルタン+M‐IIが投与1日目12.3%、15日目15.8%、ヒドロクロロチアジド未変化体が投与1日目71.1%、15日目80.4%である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
本態性高血圧症患者を対象に、1日1回カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして8mg/6.25mg、4mg/6.25mg、8mg/0mg又は0mg/6.25mgを8週間投与した二重盲検比較試験の結果は次表のとおりである。
トラフ時坐位拡張期血圧変化量については、8mg/6.25mg群は8mg/0mg群に比べ有意な差が認められている。トラフ時坐位収縮期血圧変化量については、8mg/6.25mg群及び4mg/6.25mg群ともに8mg/0mg群に比べ有意な差が認められている。
→図表を見る(PDF)
副作用発現率は、8mg/6.25mg群で18.2%(27/148例)、4mg/6.25mg群で16.9%(25/148例)、8mg/0mg群で14.2%(21/148例)、0mg/6.25mg群で20.3%(15/74例)であり、投与群間に有意な差はなかった(χ2検定)。
17.1.2 国内第III相試験(長期投与試験)
本態性高血圧症患者152例を対象に、1日1回カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして4mg/6.25mg又は8mg/6.25mgを52週間投与した臨床試験の結果は次表のとおりである。
→図表を見る(PDF)
副作用発現率は25.0%(38/152例)であり、その主なものは血中尿酸増加6.6%(10例)、高尿酸血症3.3%(5例)、頻尿2.6%(4例)であった。副作用発現率は、投与期間を通して大きな違いはみられなかった。
18.1 作用機序
〈カンデサルタン シレキセチル〉
18.1.1 カンデサルタン シレキセチルの降圧作用は、生体内で吸収過程において速やかに加水分解され活性代謝物カンデサルタンとなり、主に血管平滑筋のアンジオテンシンIIタイプ1(AT1)受容体においてアンジオテンシンIIと拮抗し、その強力な血管収縮作用を抑制することによって生ずる末梢血管抵抗の低下による。さらに、AT1受容体を介した副腎でのアルドステロン遊離に対する抑制作用も降圧作用に一部関与していると考えられる(in vitro、in vivo(ラット))。
〈ヒドロクロロチアジド〉
18.1.2 ヒドロクロロチアジドの降圧作用機序は明らかではない。投与初期には細胞外液量及び心拍出量を減少させる。しかし、長期投与時の持続的な降圧効果は血管抵抗の低下によるものであり、細胞外液量は幾分か減少したままではあるが、心拍出量は治療開始前値に戻る。僅かではあるが細胞外液量の減少を伴う体内Na+量減少、血管平滑筋細胞内Na+濃度減少により二次的に細胞内Ca2+濃度が低下し、血管収縮ホルモンに対する血管平滑筋細胞の反応性が減弱し、末梢血管抵抗が減少することによる機序が考えられる。
18.2 カンデサルタン シレキセチルとヒドロクロロチアジドとの併用による降圧作用
高血圧自然発症ラットにおいて、カンデサルタン シレキセチルとヒドロクロロチアジドとの併用により、カンデサルタン シレキセチルの降圧作用の増強が認められている。また、カンデサルタン シレキセチルによるヒドロクロロチアジドの利尿作用への影響は認められていない。
18.3 レニン‐アンジオテンシン系に及ぼす影響
高血圧症患者74例(本態性高血圧症56例、腎障害を伴う高血圧症患者18例)を対象に、カンデサルタン シレキセチル1日1回1~12mgの反復投与試験の結果、血漿レニン活性、血漿アンジオテンシンI濃度及び血漿アンジオテンシンII濃度の上昇がみられている。
- 一包可:不明
バラ包装
- 分割:可能
- 粉砕:可能
粉砕後試験:光条件→ヒドロクロロチアジド含量規格外変化
- 製造販売会社
- 武田テバファーマ
- 販売会社
- 武田薬品
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