ミニトロテープ27mg
添付文書情報2024年05月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 2.1. 重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者[血管拡張作用によりさらに血圧を低下させ症状を悪化させるおそれがある]〔9.1.1参照〕。
2.2. 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある]。
2.3. 頭部外傷又は脳出血のある患者[頭蓋内圧を上昇させるおそれがある]。
2.4. 高度貧血のある患者[血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある]。
2.5. 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.6. ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤投与中(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用
を有する薬剤投与中(リオシグアト)の患者〔10.1参照〕。
- 効能・効果
- 狭心症。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤は狭心症の発作緩解を目的とした治療には不適であるので、この目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。
- 用法・用量
- 通常、成人に対し1日1回1枚(ニトログリセリンとして27mg含有)を胸部、腰部、上腕部のいずれかに貼付する。
なお、効果不十分の場合は2枚に増量する。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 8.1. 本剤の投与に際しては、症状及び経過を十分に観察し、狭心症発作が増悪するなど効果が認められない場合には他の療法に切りかえること。
8.2. 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用中の患者で、急に投与を中止したとき症状が悪化した症例が報告されているので、休薬を要する場合には他剤との併用下で徐々に投与量を減じること。また、患者に医師の指示なしに使用を中止しないよう注意すること。
8.3. 過度の血圧低下が起こった場合には、本剤を除去し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等適切な処置を行うこと。
8.4. 起立性低血圧を起こすことがあるので注意すること。
8.5. 本剤投与開始時には他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による頭痛等の副作用を起こすことがあるので、このような場合には鎮痛剤を投与するか、減量又は投与中止するなど適切な処置を行うこと。また、これらの副作用のために注意力、集中力、反射運動能力等の低下が起こることがあるので、このような場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.6. 本剤の貼付により皮膚症状を起こすことがあるので、このような場合には貼付部位を変更し、非ステロイド性抗炎症剤軟膏又はステロイド軟膏等を投与するか、投与中止するなど適切な処置を行うこと。
9.1.1. 低血圧<重篤な低血圧を除く>の患者:血管拡張作用によりさらに血圧を低下させるおそれがある〔2.1参照〕。
9.1.2. 原発性肺高血圧症の患者:心拍出量が低下し、ショックを起こすおそれがある。
9.1.3. 肥大型閉塞性心筋症の患者:心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。
- 相互作用
- 10.1. 併用禁忌:1). ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩<バイアグラ、レバチオ>、バルデナフィル塩酸塩水和物<レビトラ>、タダラフィル<シアリス、アドシルカ、ザルティア>)〔2.6参照〕[降圧作用を増強することがあるので、本剤投与前にホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤を服用していないことを十分確認し、また、本剤投与中及び投与後においてホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤を服用しないよう十分注意すること(本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する)]。
2). グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト<アデムパス>)〔2.6参照〕[降圧作用を増強することがあるので、本剤投与前にグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤を服用していないことを十分確認し、また、本剤投与中及び投与後においてグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤を服用しないよう十分注意すること(本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する)]。
10.2. 併用注意:1). 降圧作用及び血管拡張作用を有する薬物(Ca拮抗剤、ACE阻害剤、β遮断剤、利尿剤、降圧剤、三環系抗うつ剤、メジャートランキライザー)[血圧低下を増強するおそれがある(血圧低下作用を相加的に増強する)]。
2). 他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤[頭痛・血圧低下等の副作用を増強するおそれがある(血管拡張作用を増強する)]。
3). 非ステロイド性抗炎症剤(アスピリン等)[本剤の作用を減弱するおそれがある(プロスタグランジンI2等の合成が阻害され、血管拡張作用を減弱する可能性がある)]。
4). アルコール摂取[血圧低下作用を増強するおそれがある(血圧低下作用を相加的に増強する)]。
- 11.2. その他の副作用
1). 循環器:(0.1~5%未満)血圧低下、めまい、(頻度不明)心拍出量低下、顔面潮紅、熱感、動悸。
2). 精神神経系:(5%以上)頭痛、(0.1~5%未満)頭重。
3). 消化器:(0.1~5%未満)嘔気、(頻度不明)嘔吐。
4). 皮膚(貼付部位):(5%以上)発赤、皮膚そう痒感、(0.1~5%未満)発疹。
- 高齢者
- 頭痛、頭重、血圧低下等が発現するおそれがある(本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では一般的に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続する)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. 患者には本剤を内袋(アルミ袋包装)のまま渡し、本剤を使用するときに内袋から取り出すように指示すること。
14.1.2. 自動体外式除細動器(AED)の妨げにならないように貼付部位を考慮するなど、患者、その家族等に指導することが望ましい。
14.2. 薬剤貼付時の注意14.2.1. 皮膚の損傷又は湿疹・皮膚炎等がみられる部位には貼付しないこと。
14.2.2. 貼付部位に、発汗、湿潤、汚染等がみられるときには清潔なタオル等でよくふき取ってから本剤を貼付すること。
14.2.3. 皮膚刺激を避けるため、毎回貼付部位を変えることが望ましい。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 本剤使用中に本剤又は他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し耐薬性を生じ、作用が減弱するおそれがある(なお、労作狭心症に対するコントロールされた外国の臨床試験成績によると、休薬時間を置くことにより、耐薬性が軽減できたとの報告がある)。
15.1.2. 肺疾患で低酸素血症、虚血性心疾患で低酸素血症、脳虚血で低酸素血症がある患者の場合は、本剤の投与により低酸素状態が悪化するおそれがある。
15.1.3. 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤の投与によって、メトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性(20例)の胸部に本剤1枚を24時間貼付した場合、最高血漿中ニトログリセリン濃度(Cmax)は0.441ng/mL、最高血漿中ニトログリセリン濃度到達時間(Tmax)は3.6時間であった。24時間後の血漿中ニトログリセリン濃度は0.163ng/mLであり、剥離30分後(24.5時間後)には測定限界(0.05ng/mL)以下であった。
図16‐1 血漿中ニトログリセリン濃度
表16‐1 薬物速度論的パラメータ
→図表を見る(PDF)
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験(一般臨床試験及び二重盲検試験)
狭心症患者(160例)を対象とした剤形サイズ等変更前製剤の臨床試験における全般改善度の有効率は63.1%(101例/160例)であり、発作回数、速効性硝酸薬消費量、自覚的運動能力、心電図所見等に改善が認められた。また、運動耐容能を指標とした試験において、運動耐容時間の延長及び心電図ST偏位の改善が認められた。なお二重盲検比較試験において有用性が認められた。
18.1 作用機序
ニトロ血管拡張薬は血管平滑筋の弛緩を起こす。低濃度のニトログリセリンは動脈よりも静脈を優先的に拡張させる。この静脈拡張作用の結果、静脈還流の減少により左右心室内容積が減少し、拡張末期圧が低下するが、全身循環の血管抵抗はあまり変化しない。
18.2 ニトログリセリンの心臓、血管系に対する作用
健康成人男性(8例)で、ニトログリセリンの心臓、血管系に対する作用を、Mモード心エコー図及び下大静脈内腔の変化を超音波断層法により検討した。静脈還流量を示す下大静脈Indexは、静脈のコンプライアンスの増大による血液の末梢への再配分が示され、下大静脈内腔は縮小を示した。また、左房径、左室拡張終期径等が減少し、前負荷軽減作用が認められた。これら血行動態諸指標は血漿中ニトログリセリン濃度とよく相関した。
18.3 脈圧低下作用
剤形サイズ等変更前製剤2、4及び8枚/イヌ経皮投与(ニトログリセリンとして54、108及び216mg/イヌ経皮投与)により、用量依存的な脈圧低下作用が認められた。脈圧低下作用は投与後1~24時間持続し、プラセボ投与群に比較し有意な低下であった。同時に測定した血漿中ニトログリセリン濃度も24時間持続した。投与24時間後に本剤を剥離すると血中からニトログリセリンは速やかに消失し、また、脈圧低下作用はプラセボ投与群とほぼ同程度まで回復した。
18.4 心循環機能に対する作用
麻酔開胸犬にニトログリセリンとして5、10及び20mg/kgを経皮投与することにより、左心内圧及び大動脈圧を低下させ、心臓に対する後負荷を軽減するとともに、肺動脈楔入圧を低下させ前負荷をも軽減し、心機能の改善作用が認められた。
18.5 虚血心における心筋内血流分布に対する作用
麻酔開胸犬の左冠状動脈前下行枝起始部に狭窄を加えることにより作成した実験的虚血心に対し、ニトログリセリンの5mg/kgの経皮投与では、虚血の著しい心筋内層側の血流に対し増加作用を示し、心筋内血流分布を改善した。
18.6 実験的に誘発したST・T偏位に対する作用
イヌにおける冠動脈結紮、高コレステロール食飼育ウサギにおける心臓ペーシング負荷、ラットにおけるバソプレシン若しくはアドレナリン投与等により惹起された心電図上のST・T偏位に対し、ニトログリセリンは著明な抑制を示し、心筋における酸素需要バランスの改善作用を示した。また、2週間の連用によってもラットにおけるバソプレシン投与により惹起された心電図上のST/T偏位に対して効果の変化はみられなかった。
- 製造販売会社
- キョーリンリメディオ
- 販売会社
- 杏林製薬
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