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ジャクスタピッドカプセル5mg

販売名
ジャクスタピッドカプセル5mg
識別コード
A733 5mg
薬価
5mg1カプセル 81160.40円
製造メーカー
レコルダティ・レア・ディジーズ

添付文書情報2024年04月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
その他の高脂血症用剤
一般名
ロミタピドメシル酸塩カプセル
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
本剤投与により、肝機能障害が発現するため、必ず投与前に肝機能検査を行い、投与中においても投与開始から1年間は、増量前もしくは月1回のいずれか早い時期に肝機能検査(少なくともASTとALT)を実施すること(投与開始から2年目以降は少なくとも3ヵ月に1回かつ増量前には必ず肝機能検査を実施すること)。肝機能検査値異常が認められた場合にはその程度及び臨床症状に応じて、減量又は投与中止等適切な処置をとること〔7.1、7.2、8.1、8.4、11.1.1参照〕。
禁忌
2.1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.4生殖能を有する者、9.5妊婦の項参照〕。
2.2. 中等度肝機能障害又は重度肝機能障害のある患者及び血清中トランスアミナーゼ高値が持続している患者〔9.3.1、16.6.1参照〕。
2.3. 中程度CYP3A阻害作用を有する薬剤投与中又は強いCYP3A阻害作用を有する薬剤投与中の患者〔10.1参照〕。
2.4. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
ホモ接合体家族性高コレステロール血症。
(効能又は効果に関連する注意)
他の経口脂質低下薬で効果不十分又は忍容性が不良な場合に本剤投与の要否を検討すること。
用法・用量
通常、成人には、1日1回夕食後2時間以上あけて、ロミタピドとして5mgの経口投与から開始する。忍容性に問題がなく、効果不十分な場合には2週間以上の間隔をあけて10mgに増量する。さらに増量が必要な場合には、4週間以上の間隔で忍容性を確認しながら段階的に20mg、40mgに増量することができる。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤を投与中に血清トランスアミナーゼ高値を認めた場合の用量調節及び肝機能検査の実施時期は次を参考に行うこと〔1.警告の項、8.1、8.4、11.1.1参照〕。
1). AST値が基準値上限の3倍以上かつ5倍未満又はALT値が基準値上限の3倍以上かつ5倍未満:①1週間以内に再検査を実施する、②高値が確認された場合は減量を行い、高値が確認された場合は他の肝機能検査(アルカリホスファターゼ、総ビリルビン、プロトロンビン時間国際標準比[PT-INR]等の測定)を行う、③毎週肝機能検査を実施し、肝機能異常(ビリルビン上昇又はPT-INR延長)を認めた場合、血清トランスアミナーゼ値が基準値上限の5倍を超えた場合、又は血清トランスアミナーゼ値が4週間程度経過後基準値上限の3倍を下回らない場合には休薬する、④血清トランスアミナーゼ値が基準値上限の3倍未満まで回復した後、本剤の投与を再開する場合、減量を検討するとともに肝機能検査をより頻回に実施すること。
2). AST値が基準値上限の5倍以上又はALT値が基準値上限の5倍以上:①投与を中止し、他の肝機能検査(アルカリホスファターゼ、総ビリルビン、PT-INR等の測定)を行う、②血清トランスアミナーゼ値が基準値上限の3倍を下回った場合は、投与の再開を考慮し、再開する場合は、投与中止時の用量よりも低い用量で投与を開始するとともに肝機能検査をより頻回に実施すること。
7.2. 血清トランスアミナーゼ値上昇が肝機能障害の臨床症状(悪心、嘔吐、腹痛、発熱、黄疸、嗜眠、インフルエンザ様症状等)を伴う場合、もしくは基準値上限の2倍以上のビリルビン高値又は活動性肝疾患を伴う場合には、本剤の投与を中止すること〔1.警告の項、8.1、11.1.1参照〕。
7.3. 胃腸障害の発現を抑えるために服用時期(夕食後2時間以上の間隔をあけて服用)を遵守するよう指導すること(臨床試験において食直後に服用したときに胃腸障害の発現割合が高くなる傾向が認められている)〔8.5、11.1.2、16.2.2参照〕。
7.4. 軽度肝機能障害のある患者では、1日20mgを超えて投与しないこと〔9.3.2、11.1.1、16.6.1参照〕。
7.5. 腎機能障害患者では増量間隔の延長や最大用量の減量を考慮し、末期腎不全患者では1日20mgを超えて投与しないこと〔9.2腎機能障害患者の項、16.6.2参照〕。
生殖能を有する者
8.1. 必ず投与前に肝機能検査を行い、投与中においても投与開始から1年間は、増量前もしくは月1回のいずれか早い時期に肝機能検査(少なくともASTとALT)を実施すること(投与開始から2年目以降は少なくとも3ヵ月に1回かつ増量前には必ず肝機能検査を実施すること)。投与中に肝機能検査値異常が認められた場合にはその程度及び臨床症状に応じて、減量又は投与中止等適切な処置をとること〔1.警告の項、7.1、7.2、8.4、11.1.1参照〕。
8.2. 本剤投与により肝脂肪増加が認められ、脂肪性肝炎や肝臓線維化に至るおそれがあることから、投与中は定期的に超音波検査や血液検査等を行うこと〔11.1.1参照〕。
8.3. 飲酒によって肝脂肪が増加し、肝機能障害を誘発又は悪化させるおそれがあるため、飲酒を控えるよう指導すること。
8.4. 本剤を他の肝機能障害を生じるおそれのある薬剤と併用する場合には慎重に行い、肝機能検査をより頻回に実施することが望ましい〔1.警告の項、7.1、8.1参照〕。
8.5. 本剤投与による胃腸障害を低減するため、本剤服用中は低脂肪食(脂肪由来のカロリーが摂取カロリーの20%未満)を摂取するよう指導すること〔7.3、11.1.2参照〕。
8.6. 本剤投与によって小腸における脂溶性栄養素の吸収が低下するおそれがあるため、本剤服用中は、食事に加えてビタミンE、リノール酸、αリノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)を毎日摂取するよう指導すること〔9.1.1参照〕。
8.7. 本剤投与によりビタミンKの吸収が低下し、出血が発現するおそれがあるため、本剤投与時には、定期的にPT-INRを測定し、出血の発現に注意すること〔9.1.2、10.2参照〕。
9.1.1. 吸収不良をきたしやすい慢性腸疾患又は吸収不良をきたしやすい慢性膵疾患を有する患者:脂溶性栄養素欠乏のリスクが高まるおそれがある〔8.6参照〕。
9.1.2. 出血傾向及び出血傾向素因のある患者:出血の危険性が増大するおそれがある〔8.7、10.2参照〕。
腎機能障害患者:本剤の血中濃度が上昇するおそれがある〔7.5、16.6.2参照〕。
9.3.1. 中等度肝機能障害又は重度肝機能障害のある患者及び血清中トランスアミナーゼ高値が持続している患者:投与しないこと(肝機能障害を増悪させるおそれがあり、また、本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある)〔2.2、16.6.1参照〕。
9.3.2. 軽度肝機能障害のある患者:肝機能障害を増悪させるおそれがあり、また、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある〔7.4、16.6.1参照〕。
本剤の投与に際しては、妊娠する可能性のある女性に対して次について説明及び指導し、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に妊娠検査を行い、妊娠していないことを確認すること〔2.1、9.5妊婦の項参照〕。
・ 妊娠する可能性のある女性に対して、妊娠中に本剤を服用した場合に胎児に影響を及ぼすおそれがあることについて指導すること。
・ 妊娠する可能性のある女性に対して、避妊薬単独での避妊を避ける(なお、本剤を服用中に嘔吐や下痢が発現した場合に経口避妊薬からのホルモン吸収が不完全になるおそれがある)ことについて指導すること。
・ 妊娠する可能性のある女性に対して、妊娠した場合もしくは疑いがある場合には直ちに医師に連絡することについて指導すること。
相互作用
本剤は、主に肝代謝酵素CYP3Aで代謝される。本剤はCYP3A、CYP2C9、P-糖タンパク質(in vitro)阻害作用を有する〔16.4、16.7.1、16.7.2参照〕。
10.1. 併用禁忌:1). 強いCYP3A阻害剤(クラリスロマイシン<クラリス>、インジナビル<クリキシバン>、イトラコナゾール<イトリゾール>、ネルフィナビル<ビラセプト>、サキナビル<インビラーゼ>、テラプレビル<テラビック>、ボリコナゾール<ブイフェンド>、リトナビル含有製剤<ノービア、カレトラ、ヴィキラックス>、コビシスタット含有製剤<スタリビルド>)〔2.3、16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある(これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害される)]。
2). 中程度のCYP3A阻害剤(アプレピタント<イメンド>、アタザナビル<レイアタッツ>、シプロフロキサシン<シプロキサン>、クリゾチニブ<ザーコリ>、ジルチアゼム<ヘルベッサー>、エリスロマイシン<エリスロシン>、フルコナゾール<ジフルカン>、ホスアンプレナビル<レクシヴァ>、イマチニブ<グリベック>、ベラパミル<ワソラン>、ミコナゾール<ゲル剤・注射剤><フロリードゲル経口用、フロリードF注>、トフィソパム<グランダキシン>)〔2.3、16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある(これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害される)]。
10.2. 併用注意:1). 弱いCYP3A阻害剤(アトルバスタチン、シメチジン、シロスタゾール、経口避妊薬、イストラデフィリン等)〔16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤を減量した上で、患者の状態を確認しながら慎重に投与すること(これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害される)]。
2). CYP3A誘導剤(リファンピシン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、モダフィニル等)〔16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、患者の状態を確認しながら慎重に投与すること(これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の代謝が促進される)]。
3). CYP3Aの基質となる薬剤(シンバスタチン、トリアゾラム、ロスバスタチン等)〔16.7.3参照〕[CYP3Aの基質の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤と併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の減量を考慮すること(本剤がCYP3Aを阻害することにより、CYP3Aの基質の代謝が阻害される)]。
4). ワルファリン〔16.7.3参照〕[ワルファリンの血中濃度が上昇しPT-INRが上昇するおそれがあるので、ワルファリンを服用している患者ではPT-INRを定期的に測定し、特に本剤の用量を変更した場合は必ずPT-INRを測定し、PT-INRに応じてワルファリンの用量を調節すること(本剤がCYP2C9を阻害することにより、ワルファリンの代謝が阻害される)]。
5). P-糖タンパク質の基質となる薬剤(コルヒチン、ジゴキシン、フェキソフェナジン等)〔16.7.1参照〕[P-糖タンパク質による消化管からの排泄が阻害され、P-糖タンパク質の基質となる薬剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤と併用
する場合には必要に応じてこれらの薬剤の減量を考慮すること(本剤がP-糖タンパク質を阻害することにより、P-糖タンパク質の基質の排泄が阻害される)]。
6). 陰イオン交換樹脂<服用>(コレスチラミン<服用>等)[本剤の血中濃度が低下するおそれがあるため、本剤と併用する場合は間隔をあけて服用すること(同時に服用
した場合に、本剤の吸収が遅延するおそれがある)]。
7). グレープフルーツジュース[本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、本剤投与中はグレープフルーツジュースの摂取は避けること(グレープフルーツに含まれる成分により、本剤の代謝が阻害される)]。
8). 抗凝固剤(ヘパリン、エドキサバン、ワルファリン等)、血栓溶解剤(ウロキナーゼ、アルテプラーゼ等)、血小板凝集抑制作用を有する薬剤(アスピリン、クロピドグレル等)〔8.7、9.1.2参照〕[出血の危険性を増大させるおそれがあるので、併用する場合には、患者の状態を十分に観察する等注意すること(本剤投与により、ビタミンKの吸収が低下し、これらの薬剤による出血の危険性が増大するおそれがある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 肝炎(頻度不明)、肝機能障害(44.4%):肝炎、AST上昇、ALT上昇があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査等の観察を十分に行うこと〔1.警告の項、7.1、7.2、7.4、8.1、8.2参照〕。
11.1.2. 胃腸障害(100%):重度下痢等、胃腸障害があらわれることがある〔7.3、8.5参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 胃腸障害:(10%以上※)腹部不快感、腹部膨満、腹痛、上腹部痛、下痢、消化不良、放屁、悪心、嘔吐、(5~10%未満※)便秘、便意切迫、胃炎、胃腸音異常、胃食道逆流性疾患、直腸しぶり、(5%未満※)下腹部痛、空気嚥下、おくび、軟便、胃拡張、胃障害、痔出血、(頻度不明*)腹部圧痛、便通不規則、口乾燥、嚥下障害、便失禁、変色糞、胃腸障害、胃腸痛、血便、過敏性腸症候群、直腸出血。
2). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(5%未満※)疲労、倦怠感、(頻度不明*)無力症、胸痛、悪寒、異常感、歩行困難、空腹、インフルエンザ様疾患、疼痛、末梢腫脹、発熱。
3). 肝胆道系障害:(5~10%未満※)脂肪肝、(頻度不明*)肝腫大。
4). 感染症及び寄生虫症:(5~10%未満※)胃腸炎、(頻度不明*)気管支炎、ウイルス性胃腸炎、感染、インフルエンザ、鼻咽頭炎、肺炎、副鼻腔炎、上気道感染症、尿路感染、ウイルス性感染。
5). 臨床検査:(10%以上※)体重減少、ALT増加、(5~10%未満※)AST増加、肝機能検査異常、(5%未満※)ALP増加、カリウム減少、INR異常、トランスアミナーゼ上昇、(頻度不明*)血中ビリルビン上昇、血中コレステロール増加、血中CK上昇、血中ブドウ糖減少、血中ブドウ糖上昇、血圧上昇、血中トリグリセライド上昇、血中尿素増加、ヘモグロビン減少、心拍数増加、肝酵素上昇、高比重リポ蛋白減少、体重増加。
6). 代謝及び栄養障害:(5~10%未満※)食欲減退、(頻度不明*)脱水、体重変動。
7). 神経系障害:(5~10%未満※)頭痛、(5%未満※)めまい、片頭痛、(頻度不明*)平衡障害、脳血管障害、味覚障害、嗜眠、意識消失、錯感覚、痙攣発作、傾眠。
8). 皮膚及び皮下組織障害:(5%未満※)薬疹、斑状出血、湿疹、丘疹、アレルギー性皮膚そう痒症、発疹、紅斑性皮疹、(頻度不明*)脱毛症、紅斑、毛髪異常成長、多汗症、皮膚そう痒症、蕁麻疹。
9). 血液及びリンパ系障害:(5%未満※)鉄欠乏性貧血、(頻度不明*)貧血、血液疾患、内出血発生増加傾向、リンパ節症。
10). 筋骨格系及び結合組織障害:(5%未満※)筋肉痛、(頻度不明*)関節痛、背部痛、関節硬直、筋萎縮、筋攣縮、筋力低下、筋骨格系胸痛、筋骨格系不快感、筋骨格痛、筋骨格硬直、四肢痛。
11). 心臓障害:(頻度不明*)狭心症、冠動脈狭窄、心筋梗塞、心筋虚血、動悸。
12). 耳および迷路障害:(頻度不明*)耳鳴。
13). 免疫系障害:(頻度不明*)過敏症。
14). 精神障害:(頻度不明*)異常な夢、怒り、不安、うつ病、初期不眠症、不眠症。
15). 腎および尿路障害:(頻度不明*)頻尿。
16). 呼吸器、胸郭および縦隔障害:(頻度不明*)咳嗽、呼吸困難、鼻出血、口腔咽頭痛、鼻漏、咽喉刺激感。
17). 血管障害:(頻度不明*)潮紅、ほてり、高血圧、低血圧、血栓症。
*)海外の自発報告のみで認められている副作用については、頻度不明とした。
※)国内第3相試験及び海外第3相試験より算出した。
高齢者
一般に、生理機能が低下していることが多い。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(ラット、フェレット)で催奇形性(臍ヘルニア、内臓奇形、四肢奇形、骨格異常等)が認められており、このときのラットの曝露量は臨床曝露量(AUC0-24換算)と同等以下であった)〔2.1、9.4生殖能を有する者の項参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(母乳中への移行は不明である)。
小児等
9.7.1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 幼若ラットを用いた反復毒性試験において、性成熟遅延(包皮分離遅延や膣開口遅延)及び運動機能低下(後肢握力低下)が認められている。
取扱い上の注意
20.1. 開封後は、キャップを閉め、高温、多湿を避け保管すること。
20.2. 無包装状態での安定性を確認していないため、気密容器以外に分包しないこと。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報マウスを用いたがん原性試験において、臨床曝露量と同等以下の曝露量(AUC0-24換算)から肝臓腺腫及び小腸腺腫、肝臓癌腫及び小腸癌腫又はそれらの肝臓混合腫瘍及び小腸混合腫瘍の増加が認められた。また、ラットを用いたがん原性試験では、臨床曝露量と同等の曝露量(AUC0-24換算)において雄で膵腺房細胞腺腫、多発性膵臓腺腫及び空腸癌腫が認められた。

16.1 血中濃度
16.1.1 LDL‐C高値の健康成人
LDL‐C高値の日本人健康成人に本剤を10mg、20mg、又は40mgの用量で単回投与し、その7日後から各用量を1日1回14日間反復経口投与したとき、ロミタピドの薬物動態パラメータは表1及び添付文書の図1のとおりであった。
表1:LDL‐C高値の日本人健康成人における薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

図1:LDL‐C高値の日本人健康成人における単回漸増投与時の血漿中濃度(平均(標準偏差))

16.1.2 ホモ接合体家族性高コレステロール血症患者
日本人ホモ接合体家族性高コレステロール血症患者に、本剤を1日1回経口投与(ロミタピドとして5mgを開始用量とし、各被験者の最大耐量に達するまで漸増)したとき、血漿中のロミタピドのトラフ濃度は表2のとおりであった。
表2:本剤を反復漸増投与したときのロミタピドのトラフ濃度
→図表を見る(PDF)

16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
本剤の絶対生物学的利用率は約7%であった(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
食事の影響試験において、ロミタピドのCmax及びAUCは空腹時と比べて高脂肪食後ではそれぞれ77.3%及び57.6%、低脂肪食後ではそれぞれ69.6%及び27.5%増加した(外国人データ)。[7.3参照]
16.3 分布
定常状態における本剤の分布容積の平均値は985~1292Lであった。血漿タンパク結合率は99.8%であった(外国人データ)。
16.4 代謝
本剤は主にCYP3A4により代謝され、主な代謝物はM1(ピペリジニルN‐脱プロピル化体)及びM3(酸化的脱ピペリジニル体)であった。[10.参照]
16.5 排泄
マスバランス試験において、糞便中及び尿中への排泄率の平均はそれぞれ52.9%及び35.1%であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者における薬物動態
軽度又は中等度の肝機能障害患者(それぞれChild‐Pughスコア5~6及び7~9)にロミタピドとして60mg注)を投与したとき、中等度の肝機能障害患者では、健康被験者と比べてロミタピドのAUC0-infが164%、Cmaxが361%高かった。軽度の肝機能障害患者では、健康被験者と比べてAUC0-infが47%、Cmaxが4%高かった(外国人データ)。[2.2、7.4、9.3.1、9.3.2参照]
16.6.2 腎機能障害患者における薬物動態
血液透析を受けている末期腎不全患者にロミタピドとして60mg注)を投与したとき、健康被験者と比べて、血液透析を受けている末期腎不全患者ではロミタピドのAUC0-infが40%、Cmaxが50%高かった(外国人データ)。[7.5、9.2参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験
本剤はP‐糖タンパク質阻害作用を有することが示された。また、M1はCYP1A2の時間依存的阻害作用を有し、M3はCYP2C8の時間依存的阻害作用を有することが示された。[10.、10.2参照]
16.7.2 併用薬がロミタピドの薬物動態に及ぼす影響
併用薬との薬物相互作用試験の結果を表3に示す(外国人データ)。
表3:併用薬がロミタピドの薬物動態に及ぼす影響
→図表を見る(PDF)

16.7.3 併用薬の薬物動態に及ぼす本剤の影響
併用薬との薬物相互作用試験の結果を表4に示す(外国人データ)。
表4:本剤が併用薬の薬物動態に及ぼす影響
→図表を見る(PDF)

注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人には、1日1回夕食後2時間以上あけて、ロミタピドとして5mgの経口投与から開始する。忍容性に問題がなく、効果不十分な場合には2週間以上の間隔をあけて10mgに増量する。さらに増量が必要な場合には、4週間以上の間隔で忍容性を確認しながら段階的に20mg、40mgに増量することができる。」である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
最大耐量の脂質低下療法(アフェレーシス治療を含む)を受けている日本人のホモ接合体家族性高コレステロール血症の成人患者9例を対象とした56週間の非盲検試験が実施された。1日1回就寝前(夕食後2時間以降)に、ロミタピドとして5mgを開始用量として、各被験者の最大耐量に達するまで、10、20、40及び60mg注)へ漸増(増量間隔は、5mgから10mgで2週間、それ以外は4週間)することとした。試験期間中は、低脂肪食(脂肪由来のカロリーが摂取カロリーの20%未満)を摂取することとし、ビタミンE(400IU)、リノール酸(200mg)、αリノレン酸(ALA)(210mg)、エイコサペンタエン酸(EPA)(110mg)及びドコサヘキサエン酸(DHA)(80mg)を含む栄養補助食品を毎日摂取することとされた。最大耐量の用量分布は、5mgが2例、10mgが1例、20mgが5例及び40mgが1例であった。有効性において主要評価項目であるLDL‐Cのベースラインからの変化率は表1のとおりであった。
安全性において解析対象9例中9例(100%)に副作用が認められたが、重篤な事象は認められなかった。主な副作用は、下痢8例(88.9%)及び肝機能検査異常3例(33.3%)であった。
表1:ベースラインからのLDL‐C変化率(最大の解析対象集団)
→図表を見る(PDF)

17.1.2 海外第III相試験
最大耐量の脂質低下療法(アフェレーシス治療を含む)を受けている外国人のホモ接合体家族性高コレステロール血症の成人患者29例を対象とした78週間の非盲検試験が実施された。ロミタピドとして5mgを開始用量として、1日1回、各被験者の最大耐量に達するまで、4週間間隔で10、20、40及び60mg注)へ漸増することとした(肝機能検査値等の異常が認められず、投与22週時のLDL‐Cが200mg/dL超の場合は80mg注)まで漸増可能とした)。試験期間中は、低脂肪食(脂肪由来のカロリーが摂取カロリーの20%未満)を摂取することとし、ビタミンE(400IU)、リノール酸(200mg)、ALA(220mg)、EPA(110mg)及びDHA(80mg)を含む栄養補助食品を毎日摂取することとされた。最大耐量の用量分布は、5mgが3例、10mgが2例、20mgが6例、40mgが7例、60mgが10例及び80mgが1例であった。
有効性評価期26週間後、52週間を安全性評価期間とし、最大耐量が投与された。
有効性において主要評価項目であるLDL‐Cのベースラインからの変化率は表2のとおりであった。
表2:ベースラインからのLDL‐C変化率(最大の解析対象集団)
→図表を見る(PDF)

安全性において解析対象29例中25例(86.2%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢23例(79.3%)、悪心18例(62.1%)、嘔吐9例(31.0%)、消化不良8例(27.6%)、腹痛7例(24.1%)、腹部不快感及び腹部膨満が各6例(20.7%)であった。
注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人には、1日1回夕食後2時間以上あけて、ロミタピドとして5mgの経口投与から開始する。忍容性に問題がなく、効果不十分な場合には2週間以上の間隔をあけて10mgに増量する。さらに増量が必要な場合には、4週間以上の間隔で忍容性を確認しながら段階的に20mg、40mgに増量することができる。」である。

18.1 作用機序
本剤は、小胞体内腔に存在するミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)に直接結合して脂質転送を阻害することにより、肝臓細胞及び小腸細胞内においてトリグリセリドとアポBを含むリポタンパク質の会合を阻害する。その結果、肝臓細胞でのVLDLや小腸細胞でのカイロミクロンの形成を阻害する。VLDLの形成が阻害されるとVLDLの肝臓からの分泌が低下し、血漿中LDL‐C濃度が低下する。

一包可:条件付可

無包装状態での安定性を確認していないため、気密容器以外に分包しない。

分割:条件付可
粉砕:条件付可
製造販売会社
レコルダティ・レア・ディジーズ
販売会社
 

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