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ロスーゼット配合錠HD

販売名
ロスーゼット配合錠HD
識別コード
850
薬価
1錠 75.30円
製造メーカー
オルガノン

添付文書情報2024年06月改定(第7版)

商品情報

薬効分類名
その他の高脂血症用剤
一般名
エゼチミブ・ロスバスタチンカルシウム配合剤(2)錠
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 重篤な肝機能障害のある患者及び肝機能低下していると考えられる次のような患者(急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸)〔9.3.1、9.3.3、16.6.2参照〕。
2.3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦〔9.5妊婦、9.6授乳婦の項参照〕。
2.4. シクロスポリン投与中の患者〔10.1、16.7.2参照〕。
効能・効果
高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤を高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症の治療の第一選択薬として用いないこと。
5.2. 適用の前に十分な検査を実施し、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
5.3. ホモ接合体性家族性高コレステロール血症については、LDLアフェレーシス等の非薬物療法の補助として、あるいはそれらの治療法が実施不能な場合に本剤の適用を考慮すること。
用法・用量
通常、成人には1日1回1錠(エゼチミブ/ロスバスタチンとして10mg/5mg)を食後に経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 次のエゼチミブとロスバスタチンカルシウムの用法及び用量を踏まえ、患者毎に本剤の適用を考慮すること。
エゼチミブ
通常、成人にはエゼチミブとして1回10mgを1日1回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
ロスバスタチンカルシウム
通常、成人にはロスバスタチンとして1日1回2.5mgより投与を開始するが、早期にLDLコレステロール値を低下させる必要がある場合には5mgより投与を開始してもよい。なお、年齢・症状により適宜増減し、投与開始後あるいは増量後、4週以降にLDLコレステロール値の低下が不十分な場合には、漸次10mgまで増量できる。10mgを投与してもLDLコレステロール値の低下が十分でない、家族性高コレステロール血症患者などの重症患者に限り、さらに増量できるが、1日最大20mgまでとする。
7.3. 原則として、エゼチミブ10mg及びロスバスタチン5mgを併用している場合、あるいはロスバスタチン5mg又はエゼチミブ/ロスバスタチン10mg/2.5mgを使用し効果不十分な場合に、本剤HD(エゼチミブ/ロスバスタチン10mg/5mg)の適用を検討すること。
7.4. クレアチニンクリアランスが30mL/min/1.73㎡未満の患者にロスバスタチンカルシウムを投与する場合には、ロスバスタチンとして2.5mgより投与を開始し、1日最大投与量はロスバスタチンとして5mgとする〔9.2.1、9.2.2、16.6.1参照〕。
7.5. 特にロスバスタチンとして20mg投与時においては腎機能に影響があらわれるおそれがあるので、本剤にロスバスタチンを追加した場合等、ロスバスタチンとして20mg投与開始後12週までの間は原則、月に1回、それ以降は定期的(半年に1回等)に腎機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと〔9.2.1、9.2.2、16.6.1参照〕。
肝機能障害患者
8.1. 本剤は、エゼチミブ10mgとロスバスタチンとして5mgとの配合剤であり、エゼチミブとロスバスタチン双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること〔11.副作用の項参照〕。
8.2. あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や、高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮すること。
8.3. 投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。
8.4. ロスバスタチン単剤投与から本剤への切り替え時に肝機能検査を行うこと。また、ロスバスタチンの増量後12週までの間は原則、月に1回、それ以降は定期的(半年に1回等)に肝機能検査を行うこと〔11.1.6参照〕。
8.5. 血小板減少があらわれることがあるので、血液検査等の観察を十分に行うこと〔11.1.7参照〕。
8.6. 甲状腺機能低下症、閉塞性胆のう胆道疾患、慢性腎不全、膵炎等の疾患の合併、血清脂質に悪影響を与える薬剤の服用等の二次的要因により高脂血症を呈している場合は、原疾患の治療、薬剤の切り替え等を可能な限り実施した上で本剤での治療を考慮すること。
8.7. エゼチミブとフィブラート系薬剤併用に関しては、使用経験が限られているため、併用する場合は、胆石症などの副作用の発現に注意すること(フィブラート系薬剤では胆汁へのコレステロール排泄を増加させ、胆石形成がみられることがあり、エゼチミブはイヌで胆のう胆汁中のコレステロール濃度の上昇が報告されている)〔15.1.1、15.2参照〕。
9.1.1. 糖尿病患者:エゼチミブでは空腹時血糖の上昇が報告されている。
9.1.2. 横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある次の患者[1)甲状腺機能低下症の患者、2)遺伝性筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者、3)薬剤性筋障害の既往歴のある患者、4)アルコール中毒患者]:ロスバスタチンでは横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。
9.1.3. 重症筋無力症又はその既往歴のある患者:重症筋無力症(眼筋型、全身型)が悪化又は再発することがある〔11.1.10参照〕。
9.2.1. 重度腎障害のある患者:ロスバスタチンの血中濃度が高くなるおそれがある〔7.4、7.5、16.6.1参照〕。
9.2.2. 腎障害又はその既往歴のある患者:ロスバスタチンの横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能悪化があらわれることがある〔7.4、7.5、16.6.1参照〕。
9.2.3. 腎機能検査値異常のある患者:本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。腎機能検査値異常のある患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいので、やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状<筋肉痛・脱力感>の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること〔10.2参照〕。
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者及び肝機能低下していると考えられる次のような患者(急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸):投与しないこと(これらの患者では、ロスバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがあり、また、ロスバスタチンは主に肝臓に分布して作用するので、肝障害を悪化させるおそれがある)〔2.2、16.6.2参照〕。
9.3.2. 中等度肝機能障害のある患者:投与しないことが望ましい(エゼチミブの血漿中濃度が上昇するおそれがある)〔16.6.2参照〕。
9.3.3. 肝障害又はその既往歴のある患者:エゼチミブでは肝機能障害の程度に応じて血漿中薬物濃度の上昇が認められ、ロスバスタチンは主に肝臓に分布して作用するので、肝障害又はその既往歴のある患者では、肝障害を悪化させるおそれがある。特に、Child-Pughスコアが8~9の患者では、ロスバスタチンの血漿中濃度が他に比べて高かったとの報告がある〔2.2、16.6.2参照〕。
相互作用
ロスバスタチンは、OATP1B1及びBCRPの基質である。
10.1. 併用禁忌:シクロスポリン<サンディミュン、ネオーラル>〔2.4、16.7.2参照〕[シクロスポリンを投与されている心臓移植患者にロスバスタチンを併用したとき、シクロスポリンの血中濃度に影響はなかったが、ロスバスタチンAUC0-24hrが健康成人単独反復投与時に比べ約7倍上昇したとの報告がある(シクロスポリンがOATP1B1及びBCRP等の機能を阻害する可能性がある)]。
10.2. 併用注意:1). フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)〔9.2.3参照〕[フェノフィブラートとロスバスタチンの併用においては、いずれの薬剤の血中濃度にも影響はみられていないが、一般に、HMG-CoA還元酵素阻害剤との併用で、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある(フィブラート系薬剤、ロスバスタチン共に横紋筋融解症の報告がある<危険因子>腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者)]。
2). ニコチン酸、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール等)、マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン等)[一般に、HMG-CoA還元酵素阻害剤との併用で、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある(<危険因子>腎機能障害のある患者)]。
3). クマリン系抗凝固剤(ワルファリン等)[エゼチミブとの併用によりプロトロンビン時間国際標準比<INR>の上昇がみられ、また、ロスバスタチンとの併用により抗凝血作用が増強することがあるとの報告があるので、本剤を併用する場合は、本剤の投与開始時及び用量変更時にも頻回にINR値等を確認し、必要に応じてワルファリンの用量を調節する等、注意深く投与すること(<機序>不明)]。
4). 制酸剤<PPI・H2ブロッカー以外>(水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウム)〔16.7.2参照〕[ロスバスタチンとの併用によりロスバスタチンの血中濃度が約50%に低下することが報告されており、ロスバスタチン投与後2時間経過後に制酸剤を投与した場合には、ロスバスタチンの血中濃度は非併用時の約80%であったとの報告がある(<機序>不明)]。
5). ロピナビル・リトナビル、アタザナビル/リトナビル、ダルナビル/リトナビル、グレカプレビル・ピブレンタスビル[ロスバスタチンとロピナビル・リトナビルを併用
したときロスバスタチンのAUCが約2倍・Cmaxが約5倍上昇(併用薬剤がOATP1B1及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)、アタザナビル及びリトナビル両剤とロスバスタチンを併用したときロスバスタチンのAUCが約3倍・Cmaxが7倍上昇(併用薬剤がOATP1B1及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)、ダルナビル及びリトナビル両剤とロスバスタチンを併用したときロスバスタチンのAUCが約1.5倍・Cmaxが約2.4倍上昇したとの報告がある(併用薬剤がOATP1B1及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)。またロスバスタチンとグレカプレビル・ピブレンタスビル<承認用量外の用量>を併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約2.2倍・Cmaxが約5.6倍上昇したとの報告がある(併用薬剤がOATP1B1及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。
6). ダクラタスビル、アスナプレビル、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル[ロスバスタチンとダクラタスビル、アスナプレビル、又はダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル<承認用量外の用量>を併用したとき、ロスバスタチンの血中濃度が上昇したとの報告がある(ダクラタスビル、ベクラブビルがOATP1B1、1B3及びBCRPの機能を阻害する可能性があり、また、アスナプレビルがOATP1B1、1B3の機能を阻害する可能性がある)]。
7). グラゾプレビル/エルバスビル[ロスバスタチンとグラゾプレビル<承認用量外の用量>及びエルバスビルを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約2.3倍・Cmaxが約5.5倍上昇した(併用薬剤がBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。
8). ソホスブビル・ベルパタスビル[ロスバスタチンとベルパタスビルを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約2.7倍・Cmaxが約2.6倍上昇したとの報告がある(ベルパタスビルがOATP1B1、1B3及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。
9). ダロルタミド[ロスバスタチンとダロルタミドを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが5.2倍・Cmaxが5.0倍上昇したとの報告がある(ダロルタミドがOATP1B1、1B3及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。
10). レゴラフェニブ[ロスバスタチンとレゴラフェニブを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが3.8倍・Cmaxが4.6倍上昇したとの報告がある(レゴラフェニブがBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。
11). カプマチニブ塩酸塩水和物[ロスバスタチンとカプマチニブ塩酸塩水和物を併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約2.1倍・Cmaxが約3.0倍上昇したとの報告がある(カプマチニブ塩酸塩がBCRPの機能を阻害することにより、ロスバスタチンの血中濃度が増加する可能性がある)]。
12). バダデュスタット[ロスバスタチンとバダデュスタットを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約2.5倍・Cmaxが約2.7倍上昇したとの報告がある(バダデュスタットがBCRPの機能を阻害することにより、ロスバスタチンの血中濃度が増加する可能性がある)]。
13). フェブキソスタット[ロスバスタチンとフェブキソスタットを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約1.9倍・Cmaxが約2.1倍上昇したとの報告がある(フェブキソスタットがBCRPの機能を阻害することにより、ロスバスタチンの血中濃度が増加する可能性がある)]。
14). エルトロンボパグ[ロスバスタチンとエルトロンボパグを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが約1.6倍上昇したとの報告がある(エルトロンボパグがOATP1B1及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。
15). ホスタマチニブナトリウム水和物[ロスバスタチンとホスタマチニブナトリウム水和物を併用したとき、ロスバスタチンのAUCが1.96倍・Cmaxが1.88倍上昇したとの報告がある(ホスタマチニブナトリウム水和物がBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。
16). ロキサデュスタット[ロスバスタチンとロキサデュスタットを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが2.93倍・Cmaxが4.47倍上昇したとの報告がある(ロキサデュスタットがOATP1B1及びBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。
17). タファミジス[ロスバスタチンとタファミジスを併用したとき、ロスバスタチンのAUCが1.97倍・Cmaxが1.86倍上昇したとの報告がある(タファミジスがBCRPの機能を阻害する可能性がある)]。
18). 陰イオン交換樹脂<経口>(コレスチミド<経口>、コレスチラミン<経口>等)〔16.7.1参照〕[エゼチミブとの併用によりエゼチミブの血中濃度の低下がみられたため、本剤は陰イオン交換樹脂の投与前2時間あるいは投与後4時間以上の間隔をあけて投与すること(<機序>エゼチミブが陰イオン交換樹脂と結合し、吸収が遅延あるいは減少する可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔8.1参照〕。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 過敏症(頻度不明):アナフィラキシー、血管浮腫、発疹を含む過敏症状があらわれたとの報告がある。
11.1.2. 多形紅斑(頻度不明)。
11.1.3. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止すること。
11.1.4. ミオパチー(頻度不明):広範な筋肉痛、高度脱力感や著明なCK上昇があらわれた場合には投与を中止すること。
11.1.5. 免疫介在性壊死性ミオパチー(頻度不明):ロスバスタチン投与中に近位筋脱力、CK高値、炎症を伴わない筋線維壊死、抗HMG-CoA還元酵素抗体陽性(抗HMGCR抗体陽性)等を特徴とする免疫介在性壊死性ミオパチーがあらわれ、投与中止後も持続する例が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること(なお、免疫抑制剤投与により改善がみられたとの報告例がある)。
11.1.6. 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):肝炎、AST上昇、ALT上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔8.4参照〕。
11.1.7. 血小板減少(頻度不明)〔8.5参照〕。
11.1.8. 間質性肺炎(頻度不明):長期投与であっても、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.9. 末梢神経障害(頻度不明):四肢感覚鈍麻、しびれ感等の感覚障害、疼痛、あるいは筋力低下等の末梢神経障害があらわれることがある。
11.1.10. 重症筋無力症(頻度不明):重症筋無力症(眼筋型重症筋無力症、全身型重症筋無力症)が発症又は重症筋無力症悪化(眼筋型重症筋無力症悪化、全身型重症筋無力症悪化)することがある〔9.1.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 感染症及び寄生虫症:(頻度不明)結膜炎、口腔ヘルペス、帯状疱疹。
2). 精神障害:(頻度不明)悪夢、睡眠障害、不眠症、抑うつ。
3). 神経系障害:(1%未満)感覚鈍麻、(頻度不明)しびれ、健忘、坐骨神経痛、錯感覚、頭痛、浮動性めまい。
4). 心臓障害:(頻度不明)期外収縮、動悸。
5). 胃腸障害:(1%未満)便秘、(頻度不明)悪心、腹痛、口内炎、口内乾燥、嘔吐、胃炎、胃食道逆流性疾患、膵炎、下痢、鼓腸放屁、消化不良、腹部膨満。
6). 肝胆道系障害:(頻度不明)胆石症、胆嚢炎。
7). 皮膚及び皮下組織障害:(1%未満)発疹、紅斑、(頻度不明)アレルギー性皮膚炎、皮膚そう痒症、湿疹、蕁麻疹、苔癬様皮疹。
8). 筋骨格系及び結合組織障害:(1%未満)背部痛、四肢不快感、(頻度不明)関節痛、筋肉痛、筋力低下、筋痙縮、四肢痛。
9). 腎及び尿路障害:(頻度不明)腎機能障害、*蛋白尿[*:原因不明の蛋白尿が持続する場合にはロスバスタチンを減量するなど適切な処置を行うこと]。
10). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(頻度不明)胸痛、疼痛、疲労、浮腫(顔面浮腫・四肢浮腫)、無力症。
11). 臨床検査:(1%以上)ALT増加、肝機能検査異常、(1%未満)γ-GTP増加、HbA1c増加、血中CK増加、血中尿酸増加、(頻度不明)AST増加、BUN増加、アミラーゼ増加、血圧上昇、血小板数減少、血中TSH増加、血中クレアチニン増加、血中コルチゾール増加、血中テストステロン減少、血中ビリルビン増加、血中ブドウ糖増加、血中リン増加、白血球数減少。
12). その他:(頻度不明)食欲減退、咳嗽、ほてり、女性化乳房。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(ラットに他のHMG-CoA還元酵素阻害剤を大量投与した場合に胎仔骨格奇形が報告されている。更に、ヒトでは、他のHMG-CoA還元酵素阻害剤で、妊娠3ヵ月までの間に服用したとき、胎児に先天性奇形があらわれたとの報告がある)〔2.3参照〕。
投与しないこと(エゼチミブでは、ヒト母乳中への移行の有無は不明であるが、妊娠後から授乳期まで投与したラットで乳仔への移行が認められており、ロスバスタチンでは、ラットで乳汁中への移行が報告されている)〔2.3参照〕。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
アルミニウム袋開封後は、湿気を避けて保存すること。また、光を避けるため、PTPシートのまま保存し、服用直前にPTPシートから取り出すこと。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 複合型高脂血症患者を対象にした海外の多施設二重盲検プラセボ対照試験(625例が12週間以内、576例が1年以内の投与)において、血清トランスアミナーゼ上昇<基準値上限の3倍を超える連続した上昇>の発現率(曝露期間で調整)は、フェノフィブラート単独群で4.5%、エゼチミブとフェノフィブラート併用群で2.7%であり、同様に、胆のう摘出術の発現率は、フェノフィブラート単独群で0.6%、エゼチミブとフェノフィブラート併用群で1.7%であり、CK上昇(基準値上限の10倍を超える)については、本試験のいずれの群でも認められなかった(また、エゼチミブとフェノフィブラート併用における一般的な有害事象は腹痛であった)。なお、本試験は、頻繁に発現しない有害事象を群間で比較するようにはデザインされていない〔8.7参照〕。
15.1.2. 海外において、ロスバスタチンを含むHMG-CoA還元酵素阻害剤投与中の患者では、糖尿病発症のリスクが高かったとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報イヌでエゼチミブ(0.03mg/kg/日以上)の1ヵ月間投与により、胆のう胆汁コレステロール濃度が約2~3倍増加したとの報告がある。しかし、300mg/kg/日をイヌに12ヵ月間投与しても胆石あるいは肝・胆管系への影響はみられなかった。マウスに2週間投与(5mg/kg/日)しても胆のう胆汁コレステロール濃度への影響はみられなかった〔8.7参照〕。

16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
健康成人男性に、空腹時(117例)注)及び食後(120例)に本剤1錠(エゼチミブ/ロスバスタチンとして10mg/5mg)又は同用量のエゼチミブ(10mg1錠)及びロスバスタチン(5mg1錠)の単剤を併用でクロスオーバー法により経口投与した。空腹時注)及び食後に本剤を投与したときのエゼチミブ、エゼチミブ抱合体及びロスバスタチンの薬物動態パラメータは表1のとおりであり、本剤と同用量のエゼチミブ及びロスバスタチンの単剤併用で、生物学的同等性が認められた。
表1 本剤10mg/5mgを空腹時注)及び食後に単回経口投与した際の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.1.2 投与時間の影響
(1)ロスバスタチン
健康成人21例にロスバスタチン10mg注)をクロスオーバー法で1日1回14日間、午前7時あるいは午後6時に経口投与したところ、血漿中ロスバスタチン濃度推移は両投与時間で同様であり、ロスバスタチンの体内動態は投与時間の影響を受けないと考えられた(外国人データ)。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男性に本剤10mg/5mgを食後又は空腹時注)(投与前に10時間以上かつ投与後4時間まで絶食)に単回経口投与(14例)したとき、空腹時に比べて食後投与でのエゼチミブ(非抱合体)のCmaxは16%、AUC0-lastは15%低下し、ロスバスタチンのCmaxは62%、AUC0-lastは52%低下した。同じ条件でロスバスタチン単剤(市販製剤)5mgを単回経口投与(14例)したとき、Cmaxは67%(空腹時5.36ng/mL、食後1.79ng/mL)、AUC0-lastは56%(空腹時51.0ng・hr/mL、食後22.4ng・hr/mL)低下し、ロスバスタチンの曝露量に及ぼす食事の影響は本剤と類似していた。
表2 ロスバスタチン単剤5mgを空腹時注)及び食後に単回経口投与した際の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.2.2 生物学的利用率
(1)ロスバスタチン
白人健康成人男性10例におけるロスバスタチンの生物学的利用率は20.1%(90%信頼区間:17.2%~23.4%)であった。また、静脈内投与して得られたロスバスタチンの全身クリアランス及び腎クリアランスはそれぞれ48.9及び13.6L/hrであり、ロスバスタチンは主に肝臓による消失を受けると考えられた(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 エゼチミブ
ヒト血漿に添加したときの蛋白結合率は、3H‐エゼチミブ99.5%~99.8%、3H‐エゼチミブ抱合体87.8%~92.0%であった。肝機能障害や腎機能障害による血漿蛋白結合率への影響は認められていない。
16.3.2 ロスバスタチン
ヒト血漿中におけるロスバスタチンの蛋白結合率は88%であり、主結合蛋白はアルブミンであった(外国人データ)。
16.4 代謝
16.4.1 エゼチミブ
エゼチミブは、主に小腸における初回通過効果によって主要活性代謝物であるエゼチミブ抱合体(フェノール性水酸基におけるグルクロン酸抱合体)に代謝される。
健康成人男性(8例)に14C‐エゼチミブカプセル20mg注)を単回経口投与したとき、血漿中の総放射能に占めるエゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体の割合(AUC比)はそれぞれ11%及び82%(合計93%)であった(外国人データ)。
16.4.2 ロスバスタチン
健康成人男性6例に14C‐ロスバスタチン20mg注)を単回経口投与したところ、尿及び糞中に存在する放射能の主成分は未変化体であり、尿糞中の主な代謝物は、N‐脱メチル体及び5S‐ラクトン体であった。
ヒト血漿中にはN‐脱メチル体及び5S‐ラクトン体が検出されたが、HMG‐CoA還元酵素阻害活性体濃度はロスバスタチン濃度と同様の推移を示し、血漿中におけるHMG‐CoA還元酵素阻害活性に対する代謝物の寄与はわずかであると考えられた(外国人データ)。
16.5 排泄
16.5.1 エゼチミブ
(1)尿・糞中排泄
健康成人男性(8例)に14C‐エゼチミブカプセル20mg注)を単回経口投与したとき、投与後240時間までの放射能排泄率は糞中に78%、尿中に11%であった(外国人データ)。
健康成人男性(各6例)にエゼチミブ10、20注)、40mg注)を単回経口投与したとき、投与後72時間までのエゼチミブ(非抱合体)としての尿中排泄率は0.05%未満であり、尿中総エゼチミブ(非抱合体+抱合体)排泄率は8.7%~11%であった。
(2)胆汁中排泄(腸肝循環)
エゼチミブ抱合体は胆汁中に排泄されたのち、腸内細菌叢による脱抱合をうけ、一部はエゼチミブ(非抱合体)として再吸収される(腸肝循環)。
胆管カニューレを施した雌雄ラットに14C‐エゼチミブを単回経口投与したとき、投与後48時間までに排泄された放射能は、胆汁中に40%~63%、尿中には3%以下であり、未吸収のまま糞中に排泄された放射能は21%~32%であった。採取された胆汁を別ラットの十二指腸内へ投与したとき、投与放射能の54%~81%が再吸収ののち再び胆汁中に排泄された。
16.5.2 ロスバスタチン
健康成人男性6例に14C‐ロスバスタチン20mg注)を単回経口投与したところ、放射能は主に糞中に排泄され(約90%)、尿中放射能排泄率は約10%であった。また、尿及び糞中への未変化体排泄率は、それぞれ投与量の4.9%及び76.8%であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
(1)エゼチミブ
エゼチミブ10mgを重度の慢性腎機能障害患者(8例、クレアチニンクリアランス10~29mL/min)に単回経口投与したとき、健康成人(9例、クレアチニンクリアランス>80mL/min)と比較して血漿中エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体濃度のAUCにそれぞれ約1.6倍及び1.5倍の上昇が認められた(外国人データ)。
(2)ロスバスタチン
重症度の異なる腎機能障害患者にロスバスタチン20mg注)を投与したとき、軽度から中等度の腎機能障害患者では、ロスバスタチンの血漿中濃度に対する影響はほとんど認められなかったが、重度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス<30mL/min/1.73m2)では、健康成人に比べて血漿中濃度が約3倍に上昇した(外国人データ)。[7.4、7.5、9.2.1、9.2.2参照]
16.6.2 肝機能障害患者
(1)エゼチミブ
エゼチミブ10mgを軽度、中等度又は重度の慢性肝機能障害患者(各4例)若しくは健康成人(8例)に単回経口投与したとき、軽度、中等度及び重度の肝機能障害者の血漿中エゼチミブ(非抱合体)のCmaxは、健康成人と比べて、それぞれ1.1倍、3.4倍及び4.2倍、AUCはそれぞれ1.4倍、5.8倍及び4.9倍高く、エゼチミブ抱合体のCmaxは、それぞれ1.4倍、1.8倍及び1.9倍、AUCはそれぞれ1.7倍、3.1倍及び4.0倍高かった。肝機能障害の程度に応じたエゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体の血漿中薬物濃度の上昇が認められた(外国人データ)。[9.3.2、9.3.3参照]
(2)ロスバスタチン
Child‐Pugh A(スコア:5~6)あるいはChild‐Pugh B(スコア:7~9)の肝機能障害患者各6例にロスバスタチン10mg注)を1日1回14日間反復経口投与し、血漿中ロスバスタチン濃度を測定した。肝機能障害患者のCmax及びAUC0-24hrは健康成人のそれぞれ1.5~2.1倍及び1.05~1.2倍であり、特に、Child‐Pughスコアが8~9の患者2例における血漿中濃度は、他に比べて高かった(外国人データ)。[2.2、9.3.1、9.3.3参照]
16.6.3 性差及び加齢の影響
(1)エゼチミブ
エゼチミブ10mgを高齢者(12例、年齢65~75歳)に1日1回10日間経口投与したとき、非高齢対照群(11例、年齢20~24歳)と比較して血漿中エゼチミブ抱合体濃度のAUCに約2.4倍の上昇が認められたが、血漿中エゼチミブ(非抱合体)濃度のAUCに明らかな変化は認められなかった。
(2)ロスバスタチン
男性非高齢者、男性高齢者、女性非高齢者及び女性高齢者(各8例、年齢:非高齢者18~33歳、高齢者65~73歳)にロスバスタチン40mg注)を単回経口投与したところ、男性のCmax及びAUC0-tはそれぞれ女性の82%及び91%であった。また、非高齢者のCmax及びAUC0-tはそれぞれ高齢者の112%及び106%であり、臨床上問題となる性差や加齢の影響はないと考えられた(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 エゼチミブ
(1)チトクロムP450酵素系への影響
健康成人(12例)を対象として、エゼチミブ20mg注)と各種チトクロムP450酵素系の基質となる代表的な指標薬を併用したとき、CYP1A2、CYP2C8/9、CYP2D6及びCYP3A4活性、並びにN‐アセチルトランスフェラーゼ活性への影響は認められなかった(外国人データ)。
(2)フェノフィブラートとの相互作用
成人(8例、LDLコレステロール値≧130mg/dL)を対象として、フェノフィブラート200mg(1日1回)とエゼチミブ10mg(1日1回)を併用したとき、血漿中エゼチミブ抱合体濃度のCmax及びAUCはそれぞれ約1.7倍及び1.5倍上昇したが、臨床上意味のあるものではなかった。フェノフィブラートの薬物動態に及ぼすエゼチミブの影響は認められなかった(外国人データ)。
(3)シクロスポリン製剤との相互作用
クレアチニンクリアランスが50mL/minを超え、かつ、一定用量(75~150mg1日2回)のシクロスポリン製剤を服用中の腎移植患者(8例)にエゼチミブ10mgを単回投与したとき、総エゼチミブ(非抱合体+抱合体)のAUCは健康成人と比較して約3.4倍高値を示した。別の試験で、重度の腎機能障害のため腎移植を行い、シクロスポリン製剤を含む複数の薬剤による治療を受けていた患者(1例、クレアチニンクリアランス:13.2mL/min)にエゼチミブ10mgを単回投与したとき、総エゼチミブ(非抱合体+抱合体)のAUCは健康成人と比較して約12倍高値を示した。健康成人(12例)を対象として、エゼチミブ20mg注)(1日1回8日間)の連投7日目にシクロスポリン製剤100mgを単回経口投与したとき、血液中シクロスポリン濃度のCmax及びAUCはシクロスポリン単独投与と比較してそれぞれ10%及び15%上昇した(外国人データ)。
(4)コレスチラミンによる影響
成人(8例、LDLコレステロール値≧130mg/dL)を対象として、コレスチラミン4g(1日2回)とエゼチミブ10mg(1日1回)を併用したとき、血漿中エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体濃度のAUCはそれぞれ約1/5及び1/2に低下した(外国人データ)。[10.2参照]
(5)その他の薬物動態学的相互作用
薬物相互作用に関する臨床試験で、エゼチミブ10mgとワルファリン、ジゴキシン、経口避妊薬(エチニルエストラジオール、レボノルゲストレル)を併用した結果、これらの薬物動態への影響は認められなかった。シメチジンとエゼチミブ10mgを併用した結果、エゼチミブのバイオアベイラビリティに対する影響は認められなかった。制酸剤(水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムを含有)とエゼチミブ10mgを併用したとき、血漿中エゼチミブ抱合体濃度のCmaxは約30%低下したが、AUCへの影響は認められなかった(外国人データ)。
16.7.2 ロスバスタチン
(1)制酸剤
制酸剤をロスバスタチンと同時併用投与した場合、ロスバスタチンのCmax及びAUC0-tはそれぞれ50%及び46%まで低下したが、ロスバスタチン投与後2時間に制酸剤を投与した場合には、ロスバスタチンのCmax及びAUC0-tはそれぞれ非併用時の84%及び78%であった(外国人データ)。[10.2参照]
(2)シクロスポリン
シクロスポリンを投与されている心臓移植患者にロスバスタチンを併用投与したとき、ロスバスタチンのCmax及びAUC0-24hrは、健康成人に単独で反復投与したときに比べてそれぞれ10.6倍及び7.1倍上昇した(外国人データ)。ロスバスタチンはOATP1B1を介して肝臓に取り込まれ、シクロスポリンはその取り込みを阻害することによって、ロスバスタチンの血漿中濃度を増加させると考えられている。[2.4、10.1参照]
(3)ゲムフィブロジル
ゲムフィブロジル(本邦未承認)とロスバスタチンを併用投与したとき、ロスバスタチンのCmax及びAUC0-tはそれぞれ2.21倍及び1.88倍に増加した(外国人データ)。ロスバスタチンはOATP1B1を介して肝臓に取り込まれ、ゲムフィブロジルはその取り込みを阻害することによって、ロスバスタチンの血漿中濃度を増加させると考えられている。
(4)その他の薬剤
ロスバスタチンの体内動態に及ぼすP450阻害剤の影響を検討するために、フルコナゾール(CYP2C9及びCYP2C19の阻害剤)、ケトコナゾール、イトラコナゾール及びエリスロマイシン(以上CYP3A4及びP糖蛋白の阻害剤)との併用試験を実施したが、明らかな相互作用は認められなかった(外国人データ)。
ワルファリン(CYP2C9及びCYP3A4の基質)あるいはジゴキシンの体内動態に及ぼす影響を検討したが、薬物動態学的相互作用は認められなかった(外国人データ)。
CYP3A4誘導作用の有無を検討するために、経口避妊薬との併用試験を実施したが、エチニルエストラジオールの血漿中濃度に減少はみられず、ロスバスタチンはCYP3A4に対する誘導作用を示さないと考えられた(外国人データ)。
(5)in vitro試験
ヒト遊離肝細胞を用いるin vitro試験においてN‐脱メチル体が生成したが、その代謝速度は非常に緩徐であった。また、N‐脱メチル化に関与する主なP450分子種はCYP2C9及びCYP2C19であった。ロスバスタチン(50μM)によるP450(CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1及びCYP3A4)活性の阻害率は10%以下であった。
注)本剤の承認された用法及び用量は1日1回1錠(エゼチミブ/ロスバスタチンとして10mg/2.5mg又は10mg/5mg)を食後に経口投与である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相二重盲検比較試験
日本人高コレステロール血症患者321例を対象に、エゼチミブ10mg、ロスバスタチン2.5mg、ロスバスタチン5mg、エゼチミブ10mgとロスバスタチン2.5mg併用投与、又はエゼチミブ10mgとロスバスタチン5mg併用投与のいずれかを1日1回12週間投与した結果は次のとおりであった。
ベースラインからのLDLコレステロール変化率において、エゼチミブ10mgとロスバスタチン2.5mg併用投与はエゼチミブ10mg及びロスバスタチン2.5mgの各単剤投与との間、エゼチミブ10mgとロスバスタチン5mg併用投与はエゼチミブ10mg及びロスバスタチン5mgの各単剤投与との間に、有意差が認められた。
表 高コレステロール血症患者を対象とした第III相二重盲検比較試験の結果(LDLコレステロール)
→図表を見る(PDF)

エゼチミブ10mgとロスバスタチン2.5mg併用投与71例中7例(9.9%)、またエゼチミブ10mgとロスバスタチン5mg併用投与72例中3例(4.2%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められた。主な副作用はALT増加で、いずれの群においても2例(2.8%)であった。
17.1.2 国内第III相長期投与試験
エゼチミブ10mg単剤投与又はロスバスタチン2.5mg若しくは5mg単剤投与にてLDLコレステロールの脂質管理目標値注)に達していない日本人高コレステロール血症患者135例(ヘテロ接合体性家族性高コレステロール血症患者36例を含む)を対象に、本剤を1日1回52週間投与した(エゼチミブ10mg又はロスバスタチン2.5mgで治療を受けていた患者にはエゼチミブ10mgとロスバスタチン2.5mgを併用投与、ロスバスタチン5mgで治療を受けていた患者にはエゼチミブ10mgとロスバスタチン5mgを併用投与した)。ベースラインからのLDLコレステロール変化率(52週時)の平均値±標準偏差は、EZ10mg+RS2.5mg投与群で-33.8±15.9%(108例)、EZ10mg+RS5mg投与群で-23.9±10.2%(17例)であった。
EZ10mg+RS2.5mg投与群では114例中3例(2.6%)に副作用が認められ、肝機能検査異常2例(1.8%)及び血中CK増加1例(0.9%)であった。またEZ10mg+RS5mg投与群では21例中1例(4.8%)に肝機能検査異常の副作用が認められた。
注)動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版に基づくLDLコレステロールの脂質管理目標値

18.1 作用機序
本剤は小腸でのコレステロール及び植物ステロールの吸収を選択的に阻害するエゼチミブと、コレステロールの生合成を阻害するロスバスタチンの配合剤である。
18.2 エゼチミブ
18.2.1 作用機序
エゼチミブは食事性及び胆汁性コレステロールの吸収を阻害する。エゼチミブの作用部位は小腸であり、ハムスター等を用いた動物試験において、小腸でのコレステロールの吸収を選択的に阻害し、その結果、肝臓のコレステロール含量を低下させ、血中コレステロールを低下させた。エゼチミブは小腸壁細胞に存在する蛋白質(Niemann‐Pick C1 Like 1)を介してコレステロール及び植物ステロールの吸収を阻害する。このことから、エゼチミブの作用機序は他の高脂血症治療剤(HMG‐CoA還元酵素阻害剤、陰イオン交換樹脂、フィブラート系薬剤、植物ステロール)とは異なる。18例の高コレステロール血症患者を対象とした海外の臨床薬理試験において、エゼチミブは2週間の投与により小腸でのコレステロール吸収をプラセボ群に比し54%阻害した。
エゼチミブは小腸でのコレステロール吸収阻害により肝臓のコレステロール含量を低下させるが、肝臓でのコレステロールの生合成が代償的に亢進する。コレステロールの生合成を抑制するHMG‐CoA還元酵素阻害剤との併用により、血中コレステロールが相補的に低下することが、イヌを用いた試験及び海外の高コレステロール血症患者を対象とした試験において示された。
また、ラット等において、エゼチミブはコレステロール及び植物ステロールの吸収を選択的に阻害するが、脂肪酸、胆汁酸、プロゲステロン、エチニルエストラジオール並びに脂溶性ビタミンA及びDの吸収には影響しなかった。
18.2.2 血中コレステロール低下作用
高脂飼料負荷イヌ及びアカゲザルを用いて、エゼチミブのコレステロール低下作用を検討した。エゼチミブは反復混餌投与により血漿総コレステロールの上昇を抑制した。
18.2.3 粥状動脈硬化病変進展抑制作用
高脂飼料負荷ウサギを含む各種粥状動脈硬化モデルにおいて、エゼチミブは反復混餌投与により、大動脈又は頸動脈の粥状動脈硬化病変の進展を抑制した。
18.3 ロスバスタチン
18.3.1 作用機序
ロスバスタチンは、肝臓内に能動的に取り込まれ、肝臓でのコレステロール生合成系の律速酵素であるHMG‐CoA還元酵素を選択的かつ競合的に阻害し、コレステロール生合成を強力に抑制する。その結果、肝臓内のコレステロール含量が低下し、これを補うためLDL受容体の発現が誘導される。このLDL受容体を介して、コレステロール含有率の高いリポ蛋白であるLDLの肝臓への取り込みが増加し、血中コレステロールが低下する。ロスバスタチンは、肝臓では主として能動輸送系を介して取り込まれ、脂質親和性が比較的低いため、能動輸送系を持たない他の臓器には取り込まれにくく、肝特異的なHMG‐CoA還元酵素阻害剤であると考えられる。
(1)HMG‐CoA還元酵素阻害作用
ロスバスタチンは、ラット及びヒト肝ミクロソーム由来のHMG‐CoA還元酵素及びヒトHMG‐CoA還元酵素の触媒ドメインに対して阻害作用を示した(in vitro)。
(2)肝コレステロール合成阻害作用
ロスバスタチンは、ラット肝細胞のコレステロール合成を用量依存的に阻害した。また、その阻害作用は、他のHMG‐CoA還元酵素阻害剤に比べて長期間持続した。
(3)LDL受容体誘導作用
ロスバスタチンは、ヒト肝臓由来肝細胞のLDL受容体mRNAの発現を誘導し(in vitro)、ラットで肝臓でのLDL受容体発現を増加させた。

一包可:不可

光を避けるため、PTPシートのまま保存し、服用直前にPTPシートから取り出す。

分割:不可
粉砕:不可

光を避けるため、PTPシートのまま保存し、服用直前にPTPシートから取り出す。

製造販売会社
オルガノン
販売会社
 

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