ピートルチュアブル錠250mg

添付文書情報2020年09月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤は、血中リンの排泄を促進する薬剤ではないので、食事療法等によるリン摂取制限を考慮すること。
- 用法・用量
- 通常、成人には、鉄として1回250mgを開始用量とし、1日3回食直前に経口投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日3000mgとする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤投与開始時又は用量変更時には、1~2週間後に血清リン濃度の確認を行うことが望ましい。
7.2. 増量を行う場合は、増量幅を鉄として1日あたりの用量で750mgまでとし、1週間以上の間隔をあけて行うこと。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 本剤は、定期的に血清リン濃度、血清カルシウム濃度及び血清PTH濃度を測定しながら投与すること(血清リン、血清カルシウム及び血清PTH濃度の管理目標値及び測定頻度は、学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること)。低カルシウム血症の発現あるいは低カルシウム血症悪化がみられた場合には、活性型ビタミンD製剤やカルシウム製剤の投与を考慮し、カルシウム受容体作動薬が使用されている場合には、カルシウム受容体作動薬の減量等も考慮すること。また、二次性副甲状腺機能亢進症の発現あるいは二次性副甲状腺機能亢進症悪化がみられた場合には、活性型ビタミンD製剤、カルシウム製剤、カルシウム受容体作動薬の投与あるいは他の適切な治療法を考慮すること。
8.2. 本剤は消化管内で作用する薬剤であるが、本剤の成分である鉄が一部吸収されるため、血清フェリチン等を定期的に測定し、鉄過剰に注意すること。また、ヘモグロビン等を定期的に測定し、特に赤血球造血刺激因子製剤と併用する場合には、過剰造血に注意すること〔9.1.2、9.1.3、16.2参照〕。
9.1.1. 消化性潰瘍、炎症性腸疾患等の胃腸疾患のある患者:病態を悪化させるおそれがある。
9.1.2. 鉄過剰症又は鉄過剰状態である患者:病態を悪化させるおそれがある〔8.2、16.2参照〕。
9.1.3. 他の鉄含有製剤投与中の患者:鉄過剰症を引き起こすおそれがある〔8.2、16.2参照〕。
9.1.4. 発作性夜間血色素尿症の患者:溶血を誘発し病態を悪化させるおそれがある。
9.3.1. C型慢性肝炎等の肝炎患者:病態を悪化させるおそれがある。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). テトラサイクリン系抗生物質<経口>(ドキシサイクリン塩酸塩水和物<経口>等)、甲状腺ホルモン製剤<経口>(レボチロキシンナトリウム水和物<経口>等)[これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので、併用する場合には、これらの薬剤の作用を観察すること(これらの薬剤と結合し、吸収を減少させるおそれがある)]。
2). セフジニル<経口>、抗パーキンソン剤<経口>(ベンセラジド塩酸塩・レボドパ<経口>等)、エルトロンボパグ オラミン<経口>[これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので、併用する場合には、これらの薬剤の作用を観察すること(これらの薬剤では、鉄剤との結合により、吸収が減少するおそれがあるとの報告がある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 胃腸障害:(2%以上)下痢(22.7%)、便秘、(2%未満)嘔吐、悪心、腹痛、腹部不快感、腹部膨満、胃腸炎、排便回数増加。
2). 臨床検査:(2%未満)血清フェリチン増加、AST上昇、ALT上昇、CK上昇、血中鉄増加、ヘモグロビン増加。
3). その他:(2%未満)発疹、そう痒症。
- 高齢者
- 患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意通常の錠剤に比べてやわらかいため、自動分包機には適さない。
14.2. 薬剤交付時の注意14.2.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.2.2. 本剤は口中で噛み砕いて服用すること。
14.2.3. 本剤の投与により便が黒色を呈することがある。
14.2.4. 本剤の投与により口内が一時的に着色(茶褐色)することがある。
20.1. アルミピロー開封後は湿気を避けて、PTPシートの状態で保存すること。
20.2. 本剤は噛み砕きやすさを考慮しているため、割れやすい錠剤である。
20.3. 錠剤表面に使用添加剤による白い斑点がみられることがある。
- その他の注意
- 15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. マウスがん原性試験において、500mg/kg/日群の雄で結腸腺癌が、1000mg/kg/日群の雄で結腸腺腫が、それぞれ各1例(各群60例)に認められた。
15.2.2. ラットがん原性試験において、対照群でも認められた甲状腺C細胞腺腫の発生頻度が500mg/kg/日群の雄で増加した。
16.2 吸収
健康成人、保存期慢性腎臓病患者及び血液透析患者24例(各8例)を対象として、59Feで標識した本剤を投与し、鉄吸収を検討した。健康成人では1日目に標識体を1日2000mg投与した後、2~7日目に非標識体を1日2000mg投与し、患者では1~6日目に非標識体を1日2000mg投与した後、7日目に標識体を1日2000mg投与した注)。その結果、21日目における血中への標識体の鉄の取り込み(中央値)は、健康成人では0.43%、保存期慢性腎臓病患者では0.06%、血液透析患者では0.02%であった(外国人データ)。[8.2、9.1.2、9.1.3参照]
16.3 分布
雄ラットに59Fe‐スクロオキシ水酸化鉄をスクロオキシ水酸化鉄として250mg/kg(50mg Fe/kg)単回経口投与したとき、投与後2時間において血液、血漿、血球、胃壁/胃内容物、小腸壁/小腸内容物及び大腸壁/大腸内容物中で、投与後6時間においてそれらに加えて肝臓、脾臓及び骨髄中で放射能が検出された。投与後6時間において合計で投与量の81.2%の放射能が消化管(胃、小腸及び大腸)内容物中に存在し、消化管組織中の放射能は0.44~1.01%であった。また、血液、血漿、血球、肝臓、脾臓及び骨髄中の放射能は投与量の0.02~0.21%であった。投与後24時間における消化管内容物及び消化管組織中放射能は小腸においてそれぞれ投与量の0.06及び0.03%、大腸においてそれぞれ投与量の1.58及び0.08%であり、血液、血球、肝臓、脾臓及び骨髄中で検出された放射能は投与量の0.02~0.41%であった。投与後96時間以降は血液、血球及び肝臓中においてのみ放射能が検出され、投与後168時間における放射能はそれぞれ投与量の0.85、0.62及び0.18%であった。一方、投与後168時間まで前記以外の全ての組織中において放射能は検出されなかった。
16.5 排泄
雌雄ラットに59Fe‐スクロオキシ水酸化鉄をスクロオキシ水酸化鉄として250mg/kg(50mg Fe/kg)単回経口投与し、投与後168時間までの尿及び糞中放射能を測定した。雄及び雌ラットにおいて糞中に排泄された放射能は投与後48時間までにそれぞれ投与量の101.0及び82.8%、投与後168時間までにそれぞれ投与量の102.7及び85.5%であった。一方、雌雄ラットともに投与後168時間まで放射能の尿中排泄は認められなかった。59Fe‐スクロオキシ水酸化鉄を雌雄ラットに単回経口投与したときの主たる排泄経路は糞中であり、放射能は投与後48時間以内にほぼ排泄された。
注)本剤の承認されている用法・用量は「通常、成人には、鉄として1回250mgを開始用量とし、1日3回食直前に経口投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日3000mgとする。」である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相比較臨床試験
高リン血症を有する血液透析中の慢性腎不全患者213例(本剤108例、セベラマー塩酸塩105例)を対象とした比較試験において、本剤を1日750mgから投与開始し、1日3000mgまでの範囲で適宜増減して12週間投与した。その結果、血清リン濃度(平均値±標準偏差)は投与開始時7.78±1.38mg/dLから投与終了時5.01±1.01mg/dLに低下が認められた。本剤の平均1日用量は1205mgであった。また、血清フェリチン濃度(平均値±標準偏差)は、投与開始時92.40±124.25ng/mL及び投与終了時135.48±144.23ng/mLであった。本剤群における副作用発現割合は26.9%(29/108例)であり、高頻度に認められた副作用(発現割合2%以上)は「下痢」21.3%であった。
17.1.2 国内第III相長期投与試験
高リン血症を有する血液透析中の慢性腎不全患者161例を対象に、本剤を1日750mgから投与開始し、1日3000mgまでの範囲で適宜増減して52週間投与した。その結果、血清リン濃度は、投与開始時5.46±1.06mg/dLに対して投与終了時5.00±1.17mg/dLであり、低下が維持された。本剤の平均1日用量は1141mgであった。また、血清フェリチン濃度は投与開始時71.07±83.29ng/mL、投与28週時152.68±102.23ng/mL、投与52週時179.30±129.07ng/mL及び投与終了時172.89±145.99ng/mLであった。副作用発現割合は32.9%(53/161例)であった。高頻度に認められた副作用(発現割合2%以上)は、「下痢」22.4%及び「便秘」2.5%であった。
17.1.3 国内第III相炭酸カルシウム併用試験
高リン血症を有する血液透析中の慢性腎不全患者35例を対象に、本剤を1日750mgから投与開始し、1日3000mgまでの範囲で適宜増減して、炭酸カルシウム製剤と12週間併用投与した。その結果、血清リン濃度は、投与開始時5.01±0.63mg/dLに対して投与終了時4.89±1.14mg/dLであり、炭酸カルシウム製剤との併用投与においても低下が維持された。本剤の平均1日用量は780mgであった。また、血清フェリチン濃度は投与開始時104.68±102.14ng/mL及び投与終了時120.17±127.45ng/mLであった。副作用発現割合は31.4%(11/35例)であった。2例以上に認められた副作用は、「下痢」11例であった。
17.1.4 国内第III相腹膜透析患者対象試験
高リン血症を有する腹膜透析中の慢性腎不全患者44例を対象に、本剤を1日750mgから投与開始し、1日3000mgまでの範囲で適宜増減して12週間投与した。その結果、血清リン濃度は投与開始時7.38±0.90mg/dLから投与終了時5.34±0.89mg/dLに低下が認められた。投与12週までの本剤の平均1日用量は1169mgであった。このうち23例を対象に28週まで継続投与した結果、投与終了時の血清リン濃度は4.92±0.95mg/dLであり、低下が維持された。また、血清フェリチン濃度は投与開始時99.36±82.67ng/mL、投与28週時269.04±113.30ng/mL及び投与終了時273.91±113.13ng/mLであった。副作用発現割合は40.9%(18/44例)であった。高頻度に認められた副作用(2例以上に発現)は、「下痢」9例、「便秘」、「ALT増加」及び「AST増加」各2例であった。
18.1 作用機序
スクロオキシ水酸化鉄は、消化管内でリン酸と結合し、消化管からのリン吸収を抑制することにより、血清リン濃度低下作用を示す。
18.2 薬理作用
18.2.1 in vitroにおけるリン吸着能
標準リン酸溶液を用いたリン吸着能の確認試験において、スクロオキシ水酸化鉄はpH3.0、5.5及び8.0のいずれのpHにおいてもリン吸着能を示した。
18.2.2 血清リン濃度及びカルシウム・リン積低下作用
アデニン誘発進行性腎不全ラットにおいて、スクロオキシ水酸化鉄は1.5及び5%の混餌投与により血清リン濃度及びカルシウム・リン積を有意に低下させた。
18.2.3 血管石灰化抑制作用
アデニン誘発進行性腎不全ラットにおいて、スクロオキシ水酸化鉄の5%の混餌投与により大動脈石灰化の病理組織学的スコアが改善し、石灰化の程度の軽減及び頻度の低下が認められた。
18.2.4 二次性副甲状腺機能亢進症改善作用
アデニン誘発進行性腎不全ラットにおいて、スクロオキシ水酸化鉄は5%の混餌投与により血清PTH濃度を有意に低下させた。
18.2.5 骨代謝異常抑制作用
アデニン誘発進行性腎不全ラットにおいて、スクロオキシ水酸化鉄の5%の混餌投与により大腿骨の類骨量、線維量及び空隙面積率が有意に低下し、骨組織の類骨形成、線維化及び多孔の抑制が認められた。
- 一包可:不可
アルミピロー開封後は湿気を避けて、PTPシートの状態で保存する。@通常の錠剤に比べてやわらかいため、自動分包機には適さない。
- 分割:不可
- 粉砕:不可
アルミピロー開封後は湿気を避けて、PTPシートの状態で保存する。
- 製造販売会社
- キッセイ薬品
- 販売会社
おくすりのQ&A
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