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フォゼベル錠5mg

販売名
フォゼベル錠5mg
薬価
5mg1錠 234.10円
製造メーカー
協和キリン

添付文書情報2024年12月改定(第3版)

商品情報

薬効分類名
その他の循環器官用薬
一般名
テナパノル塩酸塩錠
禁忌
2.1. 2歳未満の患者〔8.1、9.7.1、11.1.1参照〕。
2.2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.3. 機械的消化管閉塞又はその疑いがある患者〔8.1、11.1.1参照〕。
効能・効果
透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤は血中リンの排泄を促進する薬剤ではないので、食事療法等によるリン摂取制限を考慮すること。
用法・用量
通常、成人にはテナパノルとして1回5mgを開始用量とし、1日2回、朝食及び夕食直前に経口投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1回30mgとする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤投与開始時又は用量変更時には、1~2週間後に血清リン濃度を確認することが望ましい。
7.2. 増量を行う場合には、テナパノルとして1回5、10、20、30mgの順に1段階ずつとし、1週間以上の間隔をあけて行うこと。
7.3. 休薬した場合、再開時の投与量は、休薬前の投与量と同量あるいは1段階減量した投与量とすること。
7.4. 血液透析中に排便を催すことが懸念される患者には、透析直前での投与を控え、朝夕以外の食直前に投与してもよい。
合併症・既往歴等のある患者
8.1. 下痢が高頻度に認められている(下痢に伴う口渇や手足のしびれ、強い倦怠感、血圧低下等があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう患者に指導すること)。また、下痢に伴う口渇や手足のしびれ、強い倦怠感、血圧低下等の症状が認められた場合には、本剤の休薬又は投与の中止を検討し、脱水の是正等の適切な処置を行うこと〔2.1、2.3、9.7.1、9.8高齢者の項、11.1.1、13.1参照〕。
8.2. 定期的に血清リン濃度、血清カルシウム濃度及び血清PTH濃度を測定しながら投与すること(血清リン、血清カルシウム及び血清PTH濃度の管理目標値及び測定頻度は、学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること)。
9.1.1. 炎症性腸疾患又は下痢型過敏性腸症候群の患者:病態を悪化させる可能性がある。
相互作用
10.2. 併用注意:エナラプリル〔16.7.1参照〕[健康成人において、エナラプリル及びその活性代謝物の血中濃度の低下が報告されている(健康成人において本剤とエナラプリル併用時に、エナラプリル及びその活性代謝物のCmax及びAUCが減少し、本剤がOATP2B1を阻害することにより、エナラプリルの吸収を低下させ、血中濃度が低下する可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重度の下痢(0.5%):重度下痢が発現し、脱水に至るおそれがある〔2.1、2.3、8.1、9.7.1、9.8高齢者の項、13.1参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(5%以上)下痢(61.3%)、(1~5%未満)軟便、(1%未満)悪心、排便回数増加、腹部膨満、嘔吐、腹痛。
2). 代謝:(1%未満)低リン血症。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下しており、下痢による脱水症状を起こしやすいとされている)〔8.1、11.1.1参照〕。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤の動物実験(ウサギ)において、母動物の体重減少又は排泄物関連の変化に起因すると考えられる二次的な胎仔体重低値が認められ、また、本剤の代謝物の動物実験(ラット)において臨床最大用量での代謝物の曝露量の3000倍以上の曝露条件下で胎仔形態異常及び胎仔形態変異が認められている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤の乳汁中への移行は不明であり、動物実験(マウス)において出生仔体重低値等が認められている)。
小児等
9.7.1. 2歳未満の小児には投与しないこと(下痢及び重度脱水があらわれるおそれがあり、動物実験(幼若ラット(離乳前))において下痢に関連する死亡が認められている)〔2.1、8.1、11.1.1参照〕。
9.7.2. 2歳以上の小児には投与しないことが望ましい(動物実験(幼若ラット(離乳後))では、成熟ラットに比べて、本剤による下痢に対する忍容性が低い可能性が報告されている)。なお、20歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
開封後は、光と湿気を避けて保存すること。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与(健康成人)
健康成人に、本剤168mg注1)を絶食下単回経口投与したとき(6例)、並びに本剤14、28、56注1)及び84mg注1)を1日2回反復経口投与したとき(各12例)、ほぼすべての時点の血漿中テナパノル濃度は定量下限(テナパノル塩酸塩として0.5ng/mL)未満であった。
16.1.2 反復投与(血液透析患者)
血液透析施行中の末期腎不全患者(45例)に、本剤(1回42mg注1)を開始用量として1回投与量を28、14、4.7mg注1)で1段階ずつ漸減可能)を1日2回反復経口投与したとき、ほぼすべての時点の血漿中テナパノル濃度は定量下限(テナパノル塩酸塩として0.5ng/mL)未満であった(外国人データ)。
高リン血症を伴う血液透析患者に、本剤(1回5、10、30mgの固定用量、又は30mgを開始用量として適宜漸減可能)を1日2回反復経口投与したとき、主要代謝物注2)の血漿中濃度(1週目、4週目及び6週目の平均値)は3.98~4.02ng/mL(5mg、36~42例)、7.77~8.92ng/mL(10mg、31~37例)、15.4~15.9ng/mL(30mg、29~38例)及び17.8~21.1ng/mL(30mg漸減、34~40例)であった。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人(18例)に、本剤14mgを1日2回反復経口投与したとき、尿中ナトリウム及びリン排泄量は、空腹時投与と比較して食直前及び食後投与で低い傾向が認められ、糞便中ナトリウム及びリン排泄量は食直前投与で最も高く、本剤の薬力学的作用(消化管でのナトリウム及びリン吸収阻害作用)は食直前投与で最も高かった(外国人データ)。
16.3 分布
本剤のヒト血漿蛋白結合型分率は99.9%超であった(in vitro)。
16.4 代謝
本剤の主代謝酵素はCYP3A4(寄与率:56.8%)であり、次いでCYP3A5(寄与率:39.8%)である。その他のCYP分子種の寄与率はいずれも3%以下であった(in vitro)。健康成人男性(8例)に、14C‐テナパノル塩酸塩15.2mgを単回経口投与したとき、投与後24時間までの血漿中では、CYP3Aにより生成される主要代謝物注2)の割合は16%であり、未変化体は検出されなかった(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人男性(8例)に、14C‐テナパノル塩酸塩15.2mgを単回経口投与したとき、投与後240時間までの放射能の尿及び糞便中排泄率は、それぞれ投与量の8.99%及び79.3%であった。投与後144時間までの尿中には未変化体は検出されず、主要代謝物注2)は1.49%認められた。投与後144時間までの未変化体の糞便中排泄率は投与量の65.3%であり、血漿中で認められた主要代謝物は糞便中で検出されなかった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
肝機能正常成人(10例)及び中等度肝機能障害患者(10例)に、本剤100mg注1)を単回経口投与した。血漿中テナパノルは、肝機能正常成人及び中等度肝機能障害患者において、それぞれ3/10例(濃度:0.523~1.09ng/mL)及び6/10例(濃度:0.509~3.41ng/mL)で検出された。また、中等度肝機能障害患者では、肝機能正常成人と比較して主要代謝物注2)のCmax及びAUC0-∞は、それぞれ0.672倍及び0.730倍であった(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 エナラプリル(OATP2B1基質薬)
健康成人(25例)に、本剤30mgを1日2回反復経口投与し、エナラプリル20mgを併用で単回経口投与したとき、エナラプリル単回単独投与時に対する本剤併用投与時のエナラプリルのAUC0-t、AUC0-∞及びCmaxの幾何最小二乗平均値の比はそれぞれ36.15%、38.92%及び30.95%であった。エナラプリラト(活性代謝物)のAUC0-t、AUC0-∞及びCmaxの幾何最小二乗平均値の比はそれぞれ47.90%、49.65%及び32.11%であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 その他の薬剤
健康成人(18例)に、オメプラゾール(胃内pHを上昇させる薬剤)20mgを1日2回反復経口投与し、テナパノル遊離塩基注3)56mg注1)を併用で反復経口投与したとき、オメプラゾール併用時では、オメプラゾール非併用時と比較して、薬力学的指標である糞便中ナトリウム排泄量は低下し、薬力学的作用(消化管でのナトリウム吸収阻害作用)が減弱することが示唆された(外国人データ)。
健康成人(14例)に、イトラコナゾール(CYP3A阻害薬)200mgを反復経口投与し、本剤50mg注1)を併用で単回経口投与したとき、本剤単回単独投与時と同様に、テナパノルの全身曝露はほとんど認められなかった。また、主要代謝物注2)のCmax及びAUC0-∞は、イトラコナゾールを併用投与したとき、本剤単独投与時と比較して、それぞれ53.4%及び58.4%であった(外国人データ)。
健康成人(16例)に、炭酸セベラマー(リン吸着薬)800mgを反復経口投与し、本剤14mgを併用で反復経口投与したとき、炭酸セベラマー併用による糞便中ナトリウム及びリン排泄量に影響は認められなかった(外国人データ)。
健康成人(28例)に、本剤50mg注1)を1日2回反復経口投与したところ、ミダゾラム(CYP3A基質薬)及びセファドロキシル(PEPT1基質薬)のCmax及びAUC0-∞は併用有無で同程度であった(外国人データ)。また、健康成人に、本剤30mgを1日2回反復経口投与したところ、ジゴキシン(P‐gp基質薬、25例)及びワルファリン(CYP2C9基質薬、14例)のCmax及びAUCは併用有無で同程度であった(外国人データ)。
注1)本剤の承認用量は1回5~30mgである。
注2)主要代謝物は薬理活性を有しない。
注3)本剤の有効成分はテナパノル塩酸塩である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相単剤投与試験(血液透析施行中の高リン血症患者)
血液透析施行中の高リン血症患者(プラセボ群82例、本剤群82例)に、プラセボ又は本剤(1回5mgを開始用量として1回投与量を5、10、20、30mgで1段階ずつ増減)を1日2回8週間経口投与した。投与後8週時点の血清リン濃度の投与開始前からの変化量(最小二乗平均値(95%信頼区間))は、プラセボ群0.05mg/dL(-0.25、0.36mg/dL)、本剤群-1.89mg/dL(-2.19、-1.60mg/dL)であった。プラセボ群と本剤群との変化量の差(本剤群-プラセボ群)は、-1.95mg/dL(-2.37、-1.53mg/dL)であり、本剤群はプラセボ群に比べて血清リン濃度が有意に低下した(p<0.0001:ベースライン値を共変量としたMMRM)。投与期間中の血清リン濃度の推移は添付文書の図のとおりであった。
血清リン濃度の推移(平均値±標準偏差)

副作用発現頻度は、プラセボ群15.9%(13/82例)、本剤群75.6%(62/82例)であった。主な副作用は、プラセボ群では下痢9.8%(8/82例)、軟便4.9%(4/82例)、本剤群では下痢70.7%(58/82例)、軟便4.9%(4/82例)であった。
17.1.2 国内第III相併用投与試験(リン吸着薬による血清リン濃度の管理が困難な血液透析施行中の高リン血症患者)
リン吸着薬による高リン血症治療中にもかかわらず血清リン濃度が6.1mg/dL以上であった血液透析施行中の高リン血症患者(プラセボ群85例、本剤群84例)に、リン吸着薬に追加してプラセボ又は本剤(1回5mgを開始用量として1回投与量を5、10、20、30mgで1段階ずつ増減)を1日2回8週間経口投与した。投与後8週時点の血清リン濃度の投与開始前からの変化量(最小二乗平均値(95%信頼区間))は、プラセボ群-0.24mg/dL(-0.52、0.04mg/dL)、本剤群-2.00mg/dL(-2.28、-1.72mg/dL)であった。プラセボ群と本剤群との変化量の差(本剤群-プラセボ群)は、-1.76mg/dL(-2.16、-1.37mg/dL)であり、本剤群はプラセボ群に比べて血清リン濃度が有意に低下した(p<0.0001:ベースライン値を共変量としたMMRM)。投与期間中の血清リン濃度の推移は添付文書の図のとおりであった。
血清リン濃度の推移(平均値±標準偏差)

副作用発現頻度は、プラセボ群14.1%(12/85例)、本剤群64.3%(54/84例)であった。主な副作用は、プラセボ群では下痢9.4%(8/85例)、腹部不快感2.4%(2/85例)、本剤群では下痢58.3%(49/84例)、軟便4.8%(4/84例)、悪心2.4%(2/84例)であった。
17.1.3 国内第III相単剤投与試験(腹膜透析施行中の高リン血症患者)
腹膜透析施行中の高リン血症患者(54例)に、本剤(1回5mgを開始用量として1回投与量を5、10、20、30mgで1段階ずつ増減)を1日2回16週間経口投与した。なお、投与開始後8週間を経過した患者に対しては、本剤単剤での血清リン濃度の低下作用が不十分であった場合に限りリン吸着薬の追加投与を可とした。血清リン濃度の投与開始前からの変化量(平均値(95%信頼区間))は、投与開始8週後で-1.18mg/dL(-1.54、-0.81mg/dL)であった。
副作用発現頻度は74.1%(40/54例)であった。主な副作用は下痢70.4%(38/54例)、軟便5.6%(3/54例)であった。
17.1.4 国内第III相長期投与試験(血液透析施行中の高リン血症患者)
リン吸着薬を投与中の血液透析施行中の高リン血症患者(212例)に、リン吸着薬に加えて本剤(1回5mgを開始用量として1回投与量を5、10、20、30mgで1段階ずつ増減)を1日2回52週間経口投与した。リン吸着薬は、血清リン濃度が6.0mg/dL以下かつ投与開始前値の±0.5mg/dLの範囲となるように減量し、可能な限り本剤に切り替えるようにした。血清リン濃度(平均値±標準偏差)は、投与開始前では5.24±0.96mg/dL、投与開始52週後では5.11±1.166mg/dLであった。
副作用発現頻度は63.2%(134/212例)であった。主な副作用は下痢56.6%(120/212例)、軟便4.2%(9/212例)であった。重篤な副作用は大腸炎、出血性胃潰瘍、憩室穿孔各0.5%(1/212例)であった。

18.1 作用機序
テナパノル塩酸塩は、腸管上皮細胞の頂端膜に発現するナトリウムイオン/プロトン交換輸送体3(NHE3)を阻害し、細胞膜におけるナトリウムとプロトンの交換輸送を阻害する。この結果、細胞内のpHが低下し、腸管上皮細胞間隙でのリン透過性が低下することで、腸管からのリン吸収が低下する。これにより、テナパノル塩酸塩は、高リン血症患者の血中リン濃度を低下させる。
18.2 リン吸収抑制作用
ラットにテナパノル塩酸塩を単回経口投与したとき、腸管リン吸収低下の指標となる腸内リン含量の増加及び尿中リン排泄量の減少が認められた。

一包可:不可
分割:不可
粉砕:不明
製造販売会社
協和キリン
販売会社
 

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