サルタノールインヘラー100μg

添付文書情報2021年02月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 次記疾患の気道閉塞性障害にもとづく諸症状の緩解:1)気管支喘息、2)小児喘息、3)肺気腫、4)急性気管支炎・慢性気管支炎、5)肺結核。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤は喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限ること。
- 用法・用量
- サルブタモールとして通常成人1回200μg(2吸入)、小児1回100μg(1吸入)を吸入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
(用法及び用量に関連する注意)
成人1回2吸入、小児1回1吸入の用法及び用量を守り(本剤は、通常3時間以上効果が持続するので、その間は次の吸入を行わない)、1日4回(原則として、成人8吸入、小児4吸入)までとすること〔8.1-8.3参照〕。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 8.1. 本剤の使用は、患者又は保護者が適正な使用方法について十分に理解しており、過量投与になるおそれのないことが確認されている場合に限ること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、8.2、8.3、13.1、13.2参照〕。
8.2. 過度に使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあり、特に発作発現時の吸入投与の場合には使用が過度になりやすいので、十分に注意すること。患者又は保護者に対し、本剤の過度の使用による危険性を理解させ、7.用法及び用量に関連する注意の項の注意とその他必要と考えられる注意を与えること〔7.用法及び用
量に関連する注意の項、8.1、8.3、13.1、13.2参照〕。
8.3. 投与にあたっては、過度の使用を防止するために、用法及び用量を正しく指導し、経過観察を十分に行うこと。用法及び用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、気道炎症の増悪が疑われ、本剤の効果が認められないままに過度の使用になる可能性があるので、本剤の投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること〔7.用
法及び用量に関連する注意の項、8.1、8.2、13.1、13.2参照〕。
8.4. 発作が重篤で吸入投与の効果が不十分な場合には、可及的速やかに医療機関を受診し治療を受けるよう注意を与えること。
9.1.1. 甲状腺機能亢進症の患者:甲状腺ホルモンの分泌促進により症状を悪化させるおそれがある。
9.1.2. 高血圧の患者:α及びβ1作用により血圧を上昇させるおそれがある。
9.1.3. 心疾患を有する患者:β1作用により症状を悪化させるおそれがある。
9.1.4. 糖尿病の患者:グリコーゲン分解作用により症状を悪化させるおそれがある。
9.1.5. 低酸素血症の患者:血清カリウム値をモニターすることが望ましい(低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある)〔11.1参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). カテコールアミン(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等)[不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等のカテコールアミン併用により、アドレナリン作動性神経刺激の増大が起きる。そのため、不整脈を起こすことがある)]。
2). キサンチン誘導体〔11.1参照〕[低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがあるので、血清カリウム値のモニターを行うこと(キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下を増強することがある)]。
3). ステロイド剤、利尿剤〔11.1参照〕[低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがあるので、血清カリウム値のモニターを行うこと(ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強することが考えられる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重篤な血清カリウム値低下(頻度不明):キサンチン誘導体併用、ステロイド剤併用及び利尿剤併用により血清カリウム値低下増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること〔9.1.5、10.2参照〕。
11.1.2. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹、血管性浮腫、蕁麻疹、血圧低下。
2). 循環器:(0.1~5%未満)心悸亢進、脈拍増加、(0.1%未満)不整脈、血圧変動。
3). 精神神経系:(0.1~5%未満)頭痛、(0.1%未満)振戦、(頻度不明)落ち着きのなさ。
4). 消化器:(0.1~5%未満)悪心。
5). 呼吸器:(0.1~5%未満)気道刺激症状、(頻度不明)気管支痙攣。
6). その他:(頻度不明)潮紅、浮腫、筋痙攣。
発現頻度には使用成績調査の結果を含む。
- 高齢者
- 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に、生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(マウス)で催奇形作用が報告されている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 小児等には、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. 吸入前:患者には使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。
14.1.2. 吸入時:用時振盪。
14.1.3. 保管時(1). アダプターは噴霧を良好に保つため、少なくとも週1回以上流水か温湯でよく洗い、十分に乾燥し清潔に保管する(洗浄・乾燥が不十分だと噴霧不良の原因となる)。
(2). ボンベは絶対に濡らさない(噴射口がつまる原因となる)。
薬剤の保管に際して次の事項に注意するよう患者を指導すること。
・ 30℃以上の場所に保管しないこと。
・ ボンベは火中に投入しないこと。
・ 地方自治体により定められたボンベの廃棄処理法に従うこと。
・ ボンベに穴を開けるときは空にしてから開けること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報外国において、ネブライザーによるサルブタモール硫酸塩とイプラトロピウム臭化物水和物<吸入>の併用を行った患者で、吸入液が眼に入った場合に急性閉塞隅角緑内障があらわれたとの報告がある。
16.1 血中濃度
健康成人2例に3H‐サルブタモール100μgを1回吸入投与した結果、1例にのみ血中サルブタモールが検出され、投与1分後に最高値0.67μg/dLを示し、10分後には検出限界以下となった(外国人データ)。
16.3 分布
In vitroでの血漿蛋白結合率は6~8%であった。
16.5 排泄
健康成人2例に3H‐サルブタモール100μgを1回吸入投与した結果、投与後17時間以内に投与量の60~70%が尿中に排泄された(外国人データ)。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験(成人及び小児)
本剤の臨床試験は、二重盲検比較試験を含む15施設、総症例265例について1回あたり100~1500μgの吸入投与注)により実施された。このうちの191例の臨床成績は、気管支喘息75.0%(84/112例)、小児喘息54.2%(32/59例)、肺気腫75.0%(3/4例)、急・慢性気管支炎50.0%(6/12例)、肺結核50.0%(2/4例)であった。
注)本剤の承認用量は、成人で1回200μg(2吸入)、小児で1回100μg(1吸入)である。
18.1 作用機序
サルブタモールは短時間作用性β2刺激剤であり、アデニル酸シクラーゼを活性化し細胞内の環状アデノシン一リン酸を増加させることで、気管支平滑筋を弛緩させる。
18.2 β2受容体選択性
モルモットの摘出気管筋弛緩作用(β2受容体)と、摘出心房筋刺激作用(β1受容体)の強さの比をもってβ2受容体に対する選択指数として算出した結果、サルブタモールはイソプレナリンの288倍、オルシプレナリンの96倍、フェノテロールの2倍のβ2選択性を示した。
18.3 気管支拡張作用
18.3.1 サルブタモールは吸入投与によりモルモットのアセチルコリン誘発気管支痙攣を抑制し、イソプレナリン、オルシプレナリンの吸入投与に比べ、その作用は優れ、かつ持続的である。
18.3.2 喘息患者にアセチルコリン、花粉、ハウスダスト(家塵)、ヒスタミン、β遮断剤で誘発した気管支痙攣(気道閉塞)に対し、サルブタモールの吸入投与により気道抵抗の低下、FEV1の改善が認められる。
18.3.3 喘息患者に、サルブタモール吸入剤200μgとサルブタモール経口剤4mgをクロスオーバー法により投与し、経時的にFEV1を測定した結果、吸入剤の気管支拡張作用の発現時間、効力及び持続時間は経口剤の1/20の用量で優れた効果を示した。
18.3.4 喘息患者に各種吸入剤をクロスオーバー法により投与し、経時的にFEV1変化率を検討した結果、サルブタモールはイソプレナリンと同程度のFEV1増加率を示し、作用持続時間はより長かった。また、オルシプレナリンより高いFEV1増加率を示した。
18.4 抗アレルギー作用(in vitro試験)
ヒト肺切片を用いた実験で、サルブタモールは抗原抗体反応に伴って起こる肥満細胞からのヒスタミン等の遊離を抑制し、その作用はクロモグリク酸より強い。
18.5 心脈管系に対する影響
サルブタモールの吸入投与による循環器系への影響をみるため、喘息患者の脈拍数、収縮期血圧、拡張期血圧について調査した結果、いずれも吸入前後で差は認められなかった。
- 製造販売会社
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以前まで、フェロミア処方すると自動的にコメントもついてきたのですが、最近からコメントがつかなくなり、レセプト請求の際にエラーがでます。コメント算定お願いし...
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