ツロブテロールテープ1mg「テイコク」
添付文書情報2023年09月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 次記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解:気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫。
(効能又は効果に関連する注意)
〈気管支喘息〉気管支喘息治療における長期管理の基本は、吸入ステロイド剤等の抗炎症剤の使用であり、気管支喘息において吸入ステロイド剤等により症状の改善が得られない場合、あるいは患者の重症度から吸入ステロイド剤等との併用による治療が適切と判断された場合にのみ、本剤と吸入ステロイド剤等を併用して使用すること。
- 用法・用量
- 通常、成人にはツロブテロールとして2mg、小児にはツロブテロールとして0.5~3歳未満には0.5mg、3~9歳未満には1mg、9歳以上には2mgを1日1回、胸部、背部又は上腕部のいずれかに貼付する。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 8.1. 〈効能共通〉用法・用量通り正しく使用しても効果が認められない場合(目安は1~2週間程度)は、本剤が適当でないと考えられるので、使用を中止すること。なお、小児に使用する場合には、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。
8.2. 〈効能共通〉用法・用量を超えて使用を続けた場合、不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので、用法・用量を超えて使用しないように注意すること。
8.3. 〈気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫〉気管支喘息、慢性気管支炎又は肺気腫治療の長期管理において、本剤の投与期間中に発現する急性発作に対しては、短時間作動型吸入β2刺激薬等の他の適切な薬剤を使用するよう患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えること。
また、気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫で短時間作動型吸入β2刺激薬等の使用量の増加や効果が十分でなくなってきた場合には、疾患の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し治療を受けるよう患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えること。
8.4. 〈気管支喘息〉本剤は吸入ステロイド剤等の抗炎症剤の代替薬ではないため、患者が本剤の使用により気管支喘息の症状改善を感じた場合であっても、医師の指示なく吸入ステロイド剤等を減量又は中止し、本剤を単独で用いることのないよう、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えること。
8.5. 〈気管支喘息〉短時間作動型吸入β2刺激薬等急性発作を緩和するための薬剤の使用量が増加したり効果が十分でなくなってきた場合には、生命を脅かす可能性があるので、吸入ステロイド剤等の増量等の抗炎症療法の強化を行うこと。
9.1.1. 甲状腺機能亢進症の患者:症状が増悪するおそれがある。
9.1.2. 高血圧症の患者:血圧が上昇することがある。
9.1.3. 心疾患のある患者:心悸亢進、不整脈等があらわれることがある〔10.2参照〕。
9.1.4. 糖尿病の患者:糖代謝が亢進し、血中グルコースが増加するおそれがある。
9.1.5. アトピー性皮膚炎の患者:貼付部位にそう痒感、発赤等があらわれやすい。
9.1.6. 低酸素血症の患者:血清カリウム値をモニターすることが望ましい(低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある)〔10.2、11.1.2参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). カテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプロテレノール等)〔9.1.3参照〕[不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある(本剤及びカテコールアミン製剤はともに交感神経刺激作用を持つ)]。
2). キサンチン誘導体(テオフィリン、アミノフィリン水和物、ジプロフィリン等)〔9.1.3、9.1.6、11.1.2参照〕[低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある(本剤及びキサンチン誘導体はともに細胞内へのカリウム移行作用を持つ)]。
3). ステロイド剤(プレドニゾロン、ベタメタゾン、ヒドロコルチゾン等)〔9.1.3、9.1.6、11.1.2参照〕、利尿剤(トリクロルメチアジド、フロセミド、アセタゾラミド等)〔9.1.3、9.1.6、11.1.2参照〕[低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある(ステロイド剤及び利尿剤は尿中へのカリウム排泄を増加させる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. アナフィラキシー(頻度不明):呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2. 重篤な血清カリウム値低下(頻度不明):キサンチン誘導体併用、ステロイド剤併用及び利尿剤併用により血清カリウム値低下増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること〔9.1.6、10.2参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1%未満)発疹、そう痒症、(頻度不明)蕁麻疹。
2). 循環器:(0.1~5%未満)心悸亢進、(頻度不明)顔面紅潮、不整脈、頻脈。
3). 精神神経系:(0.1~5%未満)振戦、頭痛、不眠、(0.1%未満)全身倦怠感、めまい、興奮、しびれ感、筋痙縮、(頻度不明)熱感、こわばり感。
4). 消化器:(0.1~5%未満)悪心・嘔吐、(0.1%未満)食欲不振、下痢、(頻度不明)胃部不快感。
5). 肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇。
6). 血液:(頻度不明)好酸球数増加。
7). 皮膚:(0.1~5%未満)適用部位そう痒感、適用部位紅斑、接触性皮膚炎、(頻度不明)適用部位疼痛、適用部位変色。
8). その他:(5%以上)CK上昇、(0.1~5%未満)血清カリウム値低下、(0.1%未満)胸痛、浮腫、(頻度不明)口渇、筋肉痛。
発現頻度は使用成績調査を含む。
- 高齢者
- 低用量から使用を開始するなど慎重に使用すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. 貼付前:患者には本剤を内袋のまま渡し、本剤を使用するときに内袋から取り出すように指示すること。
14.1.2. 貼付時(1). 貼付部位の皮膚を拭い、清潔にしてから本剤を貼付すること。
(2). 皮膚刺激を避けるため、毎回貼付部位を変えることが望ましい。
(3). 本剤をはがす可能性がある小児には、手の届かない部位に貼付することが望ましい。
(4). 動物実験(ラット)で損傷皮膚に貼付した場合、血中濃度上昇が認められたので、創傷面に使用しないこと。
16.1 血中濃度
16.1.1 成人
(1)単回経皮投与時
健康成人5例にツロブテロールテープ2mgを24時間単回経皮投与したときの血清中未変化体濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
単回経皮投与時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
(2)反復経皮投与時
健康成人6例にツロブテロールテープ(4mg)を1日1回、計5回反復経皮投与したときの血清中未変化体濃度において、投与直前値とCmaxは、3回目投与時と最終回投与時で同様な値を示した。
注)本剤の承認された成人の1回用量は2mgである。
16.1.2 小児
気管支喘息小児患者6例にツロブテロールテープを年齢4~9歳(体重18.0~26.5kg)には1mg、年齢9~13歳(体重33.0~41.7kg)には2mgを24時間単回経皮投与したときの血清中未変化体濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
単回経皮投与時の薬物動態パラメータ
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16.1.3 生物学的同等性試験
(1)ツロブテロールテープ0.5mg「テイコク」
ツロブテロールテープ0.5mg「テイコク」とホクナリンテープ0.5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1枚(ツロブテロールとして0.5mg)健康成人男子に単回経皮投与(胸部、貼付時間24時間)して血漿中ツロブテロール濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
(なお、通常成人に対する投与量は、ツロブテロールとして1回2mgである)
→図表を見る(PDF)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
(2)ツロブテロールテープ1mg「テイコク」
ツロブテロールテープ1mg「テイコク」とホクナリンテープ1mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1枚(ツロブテロールとして1mg)健康成人男子に単回経皮投与(胸部、貼付時間24時間)して血漿中ツロブテロール濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
(なお、通常成人に対する投与量は、ツロブテロールとして1回2mgである)
→図表を見る(PDF)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
(3)ツロブテロールテープ2mg「テイコク」
ツロブテロールテープ2mg「テイコク」とホクナリンテープ2mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1枚(ツロブテロールとして2mg)健康成人男子に単回経皮投与(胸部、貼付時間24時間)して血漿中ツロブテロール濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
→図表を見る(PDF)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
16.3.1 組織内分布
成熟及び幼若ラットに14C‐ツロブテロールテープ10mg/kgを24時間経皮投与したとき、肝臓、腎臓、消化管等の大部分の組織で血液よりも高い放射能分布が認められた。また、標的部位と考えられる気管及び肺への移行が確認された。各組織からの消失は血液中濃度推移と同様であった。さらに、組織内濃度推移は成熟及び幼若でほぼ同様であった。
16.3.2 血漿蛋白結合率
血漿タンパク結合率は28%である。
16.4 代謝
健康成人にツロブテロールテープ(4mg)を24時間単回経皮投与したとき、尿中にはツロブテロール、3‐hydroxy体、4‐hydroxy体及び5‐hydroxy体とそれらの抱合体及び4‐hydroxy‐5‐methoxy体の抱合体が主に排泄された。この中でツロブテロールの排泄率が最も大きかった。
注)本剤の承認された成人の1回用量は2mgである。
16.5 排泄
健康成人にツロブテロールテープ2mgを24時間単回経皮投与したときの尿中排泄率は使用後3日間まででツロブテロールが5%であった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈気管支喘息〉
17.1.1 国内後期第II相試験
(1)成人
気管支喘息患者189例を対象としたツロブテロールテープ2mg/日貼付群、3mg/日貼付群及びツロブテロール錠(2mg/日)服用群の3群による二重盲検比較試験における投与4週後の最終全般改善度について、「中等度改善」以上を示した有効率はそれぞれ55.1%、51.9%、33.3%であり、「軽度改善」以上を示した有効率はそれぞれ83.7%、78.8%、66.7%であった。
副作用発現率は、2mg/日貼付群16.1%(10/62例)、3mg/日貼付群20.0%(13/65例)、ツロブテロール錠(2mg/日)服用群19.7%(12/61例)であった。ツロブテロールテープ貼付群で発現した事象は、2mg/日貼付群で振戦4.8%(3/62例)、頭痛、しびれ感がそれぞれ1.6%(1/62例)、かぶれ4.8%(3/62例)、そう痒感3.2%(2/62例)、3mg/日貼付群で動悸、振戦がそれぞれ4.6%(3/65例)、頭痛、こむら返り、倦怠感、不眠、吐き気、下痢、発疹はそれぞれ1.5%(1/65例)、そう痒感7.7%(5/65例)、かぶれ4.6%(3/65例)、発赤1.5%(1/65例)であった。
注)本剤の承認された成人の1回用量は2mgである。
17.1.2 国内第III相比較試験
(1)成人
気管支喘息患者171例を対象としたツロブテロールテープ2mg/日貼付群並びにプロカテロール塩酸塩水和物製剤(50μg/回、1日2回)服用群の2群による二重盲検比較試験における投与4週後の最終全般改善度について、「中等度改善」以上を示した有効率はそれぞれ52.1%、32.5%であり、「軽度改善」以上を示した有効率はそれぞれ69.9%、66.2%であった。
副作用発現率は、ツロブテロールテープ貼付群で9.6%(8/83例)であった。発現した事象は、動悸、振戦がそれぞれ2.4%(2/83例)、倦怠感、悪心、吐き気がそれぞれ1.2%(1/83例)、そう痒感、かぶれがそれぞれ2.4%(2/83例)であった。
(2)小児
小児気管支喘息患者165例を対象としたツロブテロールテープ0.5mg、1mg若しくは2mg/日貼付群並びにツロブテロール塩酸塩ドライシロップ製剤(0.25mg、0.5mg若しくは1.0mg/回、1日2回)服用群の2群による二重盲検比較試験における投与2週後の最終全般改善度について、「中等度改善」以上を示した有効率はツロブテロールテープ貼付群72.9%、ツロブテロール塩酸塩ドライシロップ製剤投与群69.1%であり、「軽度改善」以上を示した有効率はツロブテロールテープ貼付群90.0%、ツロブテロール塩酸塩ドライシロップ製剤投与群88.2%であった。
副作用発現率は、ツロブテロールテープ貼付群で7.5%(6/80例)であった。発現した事象は、そう痒感5.0%(4/80例)、発赤、かぶれがそれぞれ2.5%(2/80例)であった。
注)本剤の承認された小児の1回用量は0.5~3歳未満には0.5mg、3~9歳未満には1mg、9歳以上には2mgである。
18.1 作用機序
気管支平滑筋のβ2受容体に作用し、β2受容体と密接に関係のある酵素adenyl cyclaseを賦活化する。それにより細胞内のATPがcyclic AMPに変化し、気管支拡張作用を示す。
18.2 肺機能改善作用
18.2.1 成人
気管支喘息患者(成人)にツロブテロールテープ2mgを就寝前に4週間経皮投与した試験において、起床時及び就寝前のPEF値は使用前に比べ有意な上昇を示し、肺機能改善効果が認められた。
18.2.2 小児
気管支喘息小児患者(年齢6ヵ月~15歳)にツロブテロールテープ0.5mg、1mg又は2mgを就寝前に2週間経皮投与した試験において、起床時及び就寝前のPEF値は使用前に比べ有意な上昇を示し、肺機能改善効果が認められた。
18.3 気管支拡張作用
イヌ及びモルモットにツロブテロールテープを経皮投与するとヒスタミンによる気道狭窄が持続的に抑制された。
18.4 気管筋に対する作用選択性
イヌにツロブテロールテープを経皮投与すると心拍数に影響することなく気道狭窄抑制作用を示した。また、ツロブテロールは気管筋弛緩作用及び心房興奮作用を示すが、その気管筋に対する作用選択性(β2受容体に対する選択性)はイソプロテレノール、サルブタモール、プロカテロール、フェノテロールに比し高いことが認められた(in vitro)。
18.5 気管繊毛運動促進作用及び鎮咳作用
ツロブテロール塩酸塩は気管繊毛運動促進作用(ハト)及び鎮咳作用(イヌ)を示した。
- 製造販売会社
- 帝國製薬
- 販売会社
- 日本ジェネリック
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