ロペラミド塩酸塩細粒小児用0.05%「NIG」
添付文書情報2023年07月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な感染性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長を来すおそれがある]。
2.2. 抗生物質の投与に伴う偽膜性大腸炎の患者[症状の悪化、治療期間の延長を来すおそれがある]。
2.3. 低出生体重児、新生児及び6ヵ月未満の乳児[外国で、過量投与により、呼吸抑制、全身性痙攣、昏睡等の重篤な副作用の報告がある]。
2.4. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 急性下痢症。
- 用法・用量
- ロペラミド塩酸塩として、通常、小児に1日0.02~0.04mg/kgを2~3回に分割経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 止瀉剤による治療は下痢の対症療法であるので、脱水症状がみられる場合、特に脱水症状の小児では、輸液等適切な水・電解質の補給に留意すること。
8.2. 本薬の薬理作用上、便秘、腹部膨満が発現することがあるので、用量に留意し、便の性状が回復次第速やかに投与を中止すること。
8.3. 眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
9.1.1. 感染性下痢の患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(治療期間の延長を来すおそれがある)。
9.1.2. 潰瘍性大腸炎の患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(中毒性巨大結腸を起こすおそれがある)。
9.3.1. 重度肝機能障害患者:本剤の代謝及び排泄が遅延するおそれがある。
- 相互作用
- 本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4及びCYP2C8で代謝されることから、CYP3A4を阻害する薬剤又はCYP2C8を阻害する薬剤と併用した際、本剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇する可能性がある。また、本剤はP糖蛋白の基質である。
10.2. 併用注意:1). ケイ酸アルミニウム<経口>、タンニン酸アルブミン<経口>[本剤の効果が減弱するおそれがあるので、投与間隔をあけるなど注意すること(これらの薬剤により、本剤が吸着されることが考えられる)]。
2). リトナビル、キニジン〔16.7.1、16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が上昇することがある(これらの薬剤のP糖蛋白に対する阻害作用により、本剤の排出が阻害されると考えられる)]。
3). イトラコナゾール〔16.7.3参照〕[本剤の血中濃度が上昇することがある(イトラコナゾールのCYP3A4及びP糖蛋白に対する阻害作用により、本剤の代謝及び排出が阻害されると考えられる)]。
4). デスモプレシン<経口>〔16.7.4参照〕[デスモプレシンの血中濃度が上昇することがある(本剤の消化管運動抑制作用により、デスモプレシンの消化管吸収が増加すると考えられる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. イレウス(0.1%未満)、巨大結腸(頻度不明):消化器症状とともにイレウス、巨大結腸があらわれることがある〔11.2参照〕。
11.1.2. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(0.1%未満)。
11.1.3. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)血管浮腫。
2). 中枢神経系:(0.1%未満)傾眠傾向、鎮静、筋緊張低下、(頻度不明)頭痛、意識レベル低下、筋緊張亢進、意識消失、昏迷、協調運動異常。
3). 肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、(頻度不明)γ-GTP上昇。
4). *消化器:(0.1~5%未満)腹部膨満、(0.1%未満)嘔吐、食欲不振、腹痛、口内不快感、味覚変調、(頻度不明)腹部不快感、悪心、消化不良、便秘、鼓腸。
5). 皮膚:(0.1~5%未満)発疹、(0.1%未満)蕁麻疹、多形紅斑、(頻度不明)皮膚そう痒感、水疱性皮膚炎。
6). 泌尿器:(頻度不明)尿閉。
7). その他:(0.1%未満)めまい、体温低下、発熱、発汗、倦怠感、散瞳、(頻度不明)口渇、眠気、疲労、縮瞳。
発現頻度は使用成績調査を含む。
*)〔11.1.1参照〕。
- 高齢者
- 用量に留意するなど、注意して投与すること(一般に高齢者では生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳を避けさせること(ヒトで母乳中に移行することが報告されている)。
- 小児等
- 9.7.1. 長期連用での安全性が確立していないので、できるだけ短期の投与にとどめること。
9.7.2. 6ヵ月以上2歳未満の乳幼児:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(外国で、過量投与により、中枢神経系障害、呼吸抑制、腸管壊死に至る麻痺性イレウスを起こしたとの報告がある)。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報乱用、誤用、又は故意により過量投与した患者において、休薬後に薬物離脱症候群の症例が認められたとの報告があるので、観察を十分に行い、用量に注意すること。
15.2. 非臨床試験に基づく情報動物実験において、大量投与で薬物依存性が認められているので、観察を十分に行い、用
量及び使用期間に注意すること。
16.7 薬物相互作用
健康成人を対象とした薬物相互作用の検討結果を次に示す(外国人データ)。
16.7.1 リトナビル
ロペラミド塩酸塩16mg注)とリトナビル200mg1日2回を経口併用投与したとき、ロペラミドのCmaxとAUCがそれぞれ83%及び121%増加した。[10.2参照]
16.7.2 キニジン
ロペラミド塩酸塩16mg注)とキニジン600mgを経口併用投与したとき、ロペラミドのAUCが148%増加した。[10.2参照]
16.7.3 イトラコナゾール
ロペラミド塩酸塩4mg注)とイトラコナゾール100mgを経口併用投与したとき、ロペラミドのCmaxとAUCがそれぞれ185%及び281%増加した。[10.2参照]
16.7.4 デスモプレシン
ロペラミド塩酸塩4mg注)とデスモプレシン400μgを経口併用投与したとき、デスモプレシンのCmaxとAUCがそれぞれ130%及び210%増加した。[10.2参照]
注)本剤の承認された用法及び用量は、1日0.02~0.04mg/kgである。
18.1 作用機序
ロペラミド塩酸塩は腸管壁へ直接作用し、腸管の壁内神経叢及び神経末端におけるアセチルコリンの放出を抑制し、腸の蠕動運動を抑制することにより止瀉作用を示す。
18.2 止瀉作用
ロペラミド塩酸塩はラットのヒマシ油誘発下痢(ED50:0.50mg/kg、p.o.)及びマウスのPGE1誘発下痢(ED50:2.4mg/kg、p.o.)に対して著明な抑制作用を示し、その作用はモルヒネ塩酸塩水和物、アトロピン硫酸塩水和物、メペンゾラート臭化物及びタンニン酸ベルベリンより強力であった。また、瞳孔径に対する作用の比較により、腸管系に対する選択性が認められた。
18.3 腸収縮抑制作用
18.3.1 生体位小腸に対する作用
ロペラミド塩酸塩(0.1mg/kg、i.v.)はモルモット生体位小腸におけるアセチルコリン誘発及びPGE1誘発収縮に対し、著明な抑制作用を示した。
18.3.2 摘出回腸に対する作用
ロペラミド塩酸塩はモルモット摘出回腸におけるアセチルコリン、ヒスタミン、セロトニン、ニコチン及びBaCl2誘発収縮を著明に抑制し、その作用はモルヒネより強力であった(in vitro)。
18.4 小腸輸送能に対する作用
ロペラミド塩酸塩はマウスの小腸輸送能を著明に抑制し、その作用はモルヒネ塩酸塩水和物、アトロピン硫酸塩水和物、メペンゾラート臭化物及びタンニン酸ベルベリンより強力であった。
- 一包可:不明
バラ包装
- 分割:可能
- 粉砕:可能
- 製造販売会社
- 日医工岐阜工場
- 販売会社
- 武田薬品 日医工
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