ピレンゼピン塩酸塩錠25mg「日医工」

添付文書情報2022年12月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 1). 次記疾患の胃粘膜病変(胃粘膜びらん、胃粘膜出血、胃粘膜発赤、胃粘膜付着粘液)並びに消化器症状の改善:急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期。
2). 胃潰瘍、十二指腸潰瘍。
- 用法・用量
- 通常成人には1回1錠(ピレンゼピン塩酸塩無水物として25mg)を、1日3~4回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 眼の調節障害等を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。
9.1.1. 前立腺肥大のある患者:排尿困難を起こすことがある。
9.1.2. 緑内障の患者:眼圧を上昇させることがある。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 無顆粒球症(頻度不明)。
11.1.2. アナフィラキシー(頻度不明):発疹、蕁麻疹等があらわれることがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 消化器:(0.1~5%未満)口渇、便秘、下痢、悪心・嘔吐、(0.1%未満)歯肉痛、膨満感。
2). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹。
3). 泌尿器:(0.1%未満)排尿困難、残尿感。
4). 肝臓:(0.1%未満)AST上昇、ALT上昇。
5). 循環器:(0.1%未満)心悸亢進。
6). その他:(0.1%未満)頭重感、たちくらみ、脱力感、嗄声、眼のちらつき、眼乾燥感に伴う流涙、眼調節障害。
使用成績調査を含む。
- 高齢者
- 減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物で乳汁への移行が認められている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
開封後は遮光して保存すること。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性3例にピレンゼピン塩酸塩無水物25mgを経口投与した場合、2~4時間で最高血中濃度約32ng/mLに達する。血中濃度の半減期は約13時間である。
16.1.2 生物学的同等性試験
ピレンゼピン塩酸塩錠25mg「日医工」とガストロゼピン錠25mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ピレンゼピン塩酸塩無水物として25mg)を健康成人男子に絶食時単回経口投与して血清中ピレンゼピン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(Cmax、AUC)について分散分析にて統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 吸収率
健康成人男性5例にピレンゼピン塩酸塩無水物25mgを経口投与した場合、服用量の約26%が吸収された(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
健康成人男性20例にピレンゼピン塩酸塩無水物50mgを単回経口投与(空腹時又は食後)した場合、食事により血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が30%低下した(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 組織移行
静脈内投与した場合、消化管内、腎、唾液腺に高濃度に分布し(ラッ卜)、中枢神経系及び胎児内にはほとんど移行せず(ラッ卜、マウス)、乳汁中へは移行した(ラット)。
16.3.2 蛋白結合率
ヒト血漿蛋白との結合率は約12%である(外国人データ)。
16.4 代謝
健康成人にピレンゼピン塩酸塩無水物25mgを経口投与した場合、ほとんど代謝を受けず、血漿、尿及び糞中では大部分が未変化体である(外国人データ)。
16.5 排泄
尿中への排泄率は約10%であり、24時間で大部分が排泄され、連続投与しても蓄積性は認められない。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内二重盲検比較試験
(1)胃潰瘍を対象とした二重盲検比較試験において、ピレンゼピン塩酸塩錠75mg/日を8週または12週間投与により、本剤の有用性が認められた。
→図表を見る(PDF)
副作用発現率は6.7%(8/120例)で、副作用は口渇2.5%(3例)、便秘2.5%(3例)、発疹1.7%(2例)、残尿感0.8%(1例)であった。
(2)十二指腸潰瘍を対象とした二重盲検比較試験において、ピレンゼピン塩酸塩錠100mg/日を8週間投与により、本剤の有用性が認められた。
→図表を見る(PDF)
副作用発現率は3.1%(2/65例)で、副作用は口渇1.5%(1例)、便秘1.5%(1例)であった。
(3)胃炎を対象とした二重盲検比較試験において、ピレンゼピン塩酸塩錠75mg/日を2週間投与により、本剤の有用性が認められた。
→図表を見る(PDF)
副作用発現率は4.2%(6/142例)で、副作用は口渇3.5%(5例)、便秘0.7%(1例)、嗄声0.7%(1例)、脱力感0.7%(1例)、頭重感0.7%(1例)であった。
18.1 作用機序
ムスカリン受容体遮断薬で、アトロピンと同様の副交感神経興奮による反応を抑制することにより様々な作用を現す。
18.2 胃液分泌抑制作用に対する選択性
胃液分泌を選択的かつ著明に抑制し、心臓、唾液腺、眼、膀胱などに対する作用は弱い(ラット、イヌ)。生体の各種ムスカリン受容体(high affinity site、low affinity site)に対し、それぞれ区別して結合できる性質を有するためと考えられている(ラット)。
18.3 胃液分泌抑制作用
カルバコール、ガストリン、ヒスタミン及び肉エキスなどによる胃液、胃酸、ペプシンの分泌亢進を抑制する(ラット、イヌ)。
18.4 抗ガストリン作用
肉エキス投与による血中ガストリン値の上昇を抑制する(イヌ)。
18.5 防御因子増強作用
18.5.1 胃粘膜血流増加作用が認められ(ラット、イヌ)、また、全身拘束ストレス負荷時に見られる胃粘膜微小循環の異常も改善することが認められている(ラット)。
18.5.2 ストレス負荷時、レセルピン投与時の胃粘液産生減少を抑制する(ラット)。
18.6 各種実験潰瘍に対する効果
18.6.1 シェイ、ストレス、レセルピン、アスピリン、インドメタシン、ヒスタミン及びシステアミン等の急性潰瘍に対して抗潰瘍作用を示す(ラット、モルモット、ミニブタ)。
18.6.2 熱灼潰瘍と熱灼‐コーチゾン潰瘍等の慢性潰瘍、さらに抗コリン剤では無効とされている酢酸潰瘍に対しても、治癒促進効果を示す(ラット)。
18.7 実験的急性胃炎に対する効果
塩酸‐タウロコール酸、エタノール投与時の胃粘膜損傷に対して抑制効果を示す(ラット)。
18.8 実験的慢性胃炎に対する効果
タウロコール酸投与時の慢性(萎縮性)胃炎の発症に対して抑制効果を示す(ラット)。
18.9 臨床薬理
18.9.1 胃液分泌抑制作用
健康成人において、基礎及び刺激分泌抑制試験で、胃液、胃酸、ペプシン分泌量の有意な減少及び分泌亢進を抑制する。
18.9.2 抗ガストリン作用
胃潰瘍患者において、試験食負荷による血中ガストリン値の上昇抑制及び空腹時血中ガストリン値を低下させる。
- 一包可:不可
無包装状態試験:判定不明
- 分割:不可
- 粉砕:不明
粉砕後試験:室内散光下条件→含量規格外変化
- 製造販売会社
- 日医工
- 販売会社
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