トロキシピド錠100mg「オーハラ」

添付文書情報2024年03月改定(第1版)
商品情報
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- 効能・効果
- 1). 胃潰瘍。
2). 次記疾患の胃粘膜病変(胃粘膜びらん、胃粘膜出血、胃粘膜発赤、胃粘膜浮腫)の改善:急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期。
- 用法・用量
- 通常、成人にはトロキシピドとして1回100mg(錠剤1錠)を1日3回食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):蕁麻疹、呼吸困難、血圧低下等の異常が認められる場合がある。
11.1.2. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 消化器:(0.1~5%未満)便秘、腹部膨満感、胸やけ、嘔気等。
2). 過敏症:(頻度不明)そう痒、発疹等。
3). その他:(0.1~5%未満)頭重感、動悸、全身倦怠感等、(頻度不明)浮腫。
- 高齢者
- 一般に、生理機能が低下していることが多い。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)において乳汁への移行が認められている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
- その他の注意
- 15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. ラット亜急性毒性試験で1000mg/kg/日以上を経口投与したとき、膀胱炎症及び膀胱出血によると考えられる尿潜血が対照群に比較して多いという報告がある。
15.2.2. 動物実験(ラット)でプロラクチン分泌異常に由来すると推定される性周期の乱れが報告されているので、月経異常、乳汁分泌などの観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬又は中止等の適切な処置を行うこと。
16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
〈トロキシピド錠100mg「オーハラ」〉
トロキシピド錠100mg「オーハラ」とアプレース錠100mgを、クロスオーバー法により1錠(トロキシピドとして100mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
血漿中トロキシピド濃度の推移
〈トロキシピド細粒20%「オーハラ」〉
トロキシピド細粒20%「オーハラ」とアプレース細粒20%を、クロスオーバー法により0.5g(トロキシピドとして100mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
血漿中トロキシピド濃度の推移
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、血液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.4 代謝
健康成人にトロキシピド100mgを単回経口投与した結果、尿中排泄物の96%以上は未変化体であり、その他に一種の代謝物(6‐オキソ体)が認められた。
16.5 排泄
健康成人にトロキシピド100mgを単回経口投与した結果、24時間で投与量の約61%、48時間で投与量の約67%が尿中に排泄された。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈胃炎〉
17.1.1 国内プラセボ対照二重盲検比較試験
出血又はびらんを呈する胃炎患者72例を対象に、トロキシピド100mg1日3回(300mg/日)2週間経口投与における胃炎に対する有効性及び安全性を評価する目的で、プラセボを対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験を行った。
全般改善度解析対象集団69例(トロキシピド群36例、プラセボ群33例)における胃炎の改善率はトロキシピド群が80.6%(29/36例)、プラセボ群が60.6%(20/33例)であり、トロキシピド群ではプラセボ群と比較して有意に高かった(p<0.05)。
トロキシピド群では、副作用及び臨床検査値異常例ともに認められなかった。
17.1.2 国内実薬対照二重盲検比較試験
胃炎(急性胃炎又は慢性胃炎の急性胃粘膜変化)患者259例を対象に、トロキシピド100mg1日3回(300mg/日)2週間(未治癒の場合は4週まで可)経口投与における胃炎に対する有用性を評価する目的で、セトラキサート塩酸塩を対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験を行った。
全般改善度解析対象集団233例(トロキシピド群117例、セトラキサート塩酸塩群116例)における胃炎の改善率はトロキシピド群が82.1%(96/117例)、セトラキサート塩酸塩群が75.9%(88/116例)であり、両群間に有意差は認められなかった。
副作用発現頻度はトロキシピド群が0.8%(1/120例)、セトラキサート塩酸塩群が1.6%(2/127例)であった。トロキシピド群で認められた副作用は、下痢0.8%(1/120例)であった。また、臨床検査値異常例は総ビリルビン上昇が1例、尿蛋白陽性が1例、アルカリホスファターゼ上昇が1例であった。
〈胃潰瘍〉
17.1.3 国内実薬対照二重盲検比較試験
胃潰瘍患者321例を対象に、トロキシピド100mg1日3回(300mg/日)12週間経口投与における消化性胃潰瘍に対する有効性及び安全性を評価する目的で、セトラキサート塩酸塩を対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験を行った。
解析対象集団312例(トロキシピド群154例、セトラキサート塩酸塩群158例)における胃潰瘍の改善率はトロキシピド群が68.8%(106/154例)、セトラキサート塩酸塩群が71.5%(113/158例)であり、両群間に有意差は認められなかった。
副作用発現頻度はトロキシピド群が4.5%(7/154例)、セトラキサート塩酸塩群が1.9%(3/158例)であった。トロキシピド群で認められた主な副作用は、便秘1.9%(3/154例)であった。また、個々の臨床検査値異常例の発現頻度について、両群間で有意差は認められなかった。
18.1 作用機序
本剤は作用機序として、胃粘膜の血流増加作用、胃粘膜構成成分の正常化作用、胃粘膜内のプロスタグランジン量増加作用、及び胃粘膜の代謝賦活作用により、胃粘膜の組織修復を促進させる。
18.1.1 胃粘膜血流量増加作用
交叉熱電対法(ウサギ、イヌ)及び水素ガスクリアランス法(ラット、イヌ)において、胃粘膜血流量の増加が認められた。また、臓器反射スペクトル解析法(ラット)で、脱血時の胃粘膜及び酢酸潰瘍辺縁部粘膜の血流量を増加させた。
18.1.2 胃粘膜構成成分正常化作用
ラットの胃粘膜に含まれるムコ多糖体を増加し、また抗炎症薬等又はストレス負荷によるムコ多糖体の減少を抑制して胃粘膜バリヤーを増強した。
18.1.3 胃粘膜内プロスタグランジン量増加作用
ラットの胃粘膜内で細胞保護作用のあるプロスタグランジン量を増加させた。
18.1.4 胃粘膜代謝賦活作用
ラットの胃粘膜酸素消費量を増加させ、ATP含量を増加させることにより、胃粘膜エネルギー代謝を賦活した。特に、血流量が減少している潰瘍辺縁部粘膜で、その作用が強く認められた。
18.2 組織修復促進作用
ラットのクランピング・コルチゾン潰瘍、酢酸潰瘍及びクランピング潰瘍の組織学的検討において、胃粘膜再生と潰瘍底膠原線維発育に調和のとれた修復促進作用を示し、慢性潰瘍の治癒を促進させた。
またラットの酢酸潰瘍において、シメチジンとの併用効果が認められた。
18.3 実験胃炎に対する治療効果
タウロコール酸ナトリウムによって惹起されるラットの実験的慢性(萎縮性)胃炎に対し治療及び予防効果を示した。
18.4 急性胃粘膜病変に対する作用
ラットのアスピリン、0.6mol/L塩酸及びエタノール(99.5)、水浸拘束ストレスによる胃粘膜病変に対し予防効果を示した。
18.5 各種実験潰瘍抑制作用
ラットの水浸拘束ストレス、ストレス・レセルピン、インドメタシン、脱血アスピリン、ヒドロコルチゾン、幽門結紮ストレス潰瘍の発生を各々抑制し、粘膜保護作用を示した。
- 一包可:不明
バラ包装
- 分割:可能
- 粉砕:可能
粉砕後試験:全て変化なし
- 製造販売会社
- 大原薬品
- 販売会社
おくすりのQ&A
自費で接種された、風疹ワクチンが申請により
補助が受けれることになり、母子手帳記載以外に、予診票の控えがいるとのこと
保管中の予診票の控えを渡したら...
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