ピコスルファートナトリウム錠2.5mg「FSK」
添付文書情報2023年12月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 急性腹症が疑われる患者[腸管蠕動運動の亢進により、症状が増悪するおそれがある]。
2.2. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 1). 各種便秘症。
2). 術後排便補助。
3). 造影剤<硫酸バリウム>投与後の排便促進。
- 用法・用量
- 〈各種便秘症〉
通常成人には1日1回2~3錠(ピコスルファートナトリウム水和物として5.0~7.5mg)を経口投与する。
7歳以上の小児には1日1回2錠(ピコスルファートナトリウム水和物として5.0mg)を経口投与する。
〈術後排便補助〉
通常成人には1日1回2~3錠(ピコスルファートナトリウム水和物として5.0~7.5mg)を経口投与する。
〈造影剤(硫酸バリウム)投与後の排便促進〉
通常成人には1回2~3錠(ピコスルファートナトリウム水和物として5.0~7.5mg)を経口投与する。
(ピコスルファートナトリウム水和物としての一般的用量は3.0~7.5mgである)。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 消化器:(0.1~5%未満)腹痛、悪心、嘔吐、腹鳴、腹部膨満感、下痢等、(頻度不明)腹部不快感。
2). 皮膚:(頻度不明)蕁麻疹、発疹等。
3). 肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇等。
副作用の頻度はラキソベロン液承認時(1979年)までの臨床試験及び使用成績調査を含む。
- 高齢者
- 減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
- 妊婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
16.3 分布
14C‐ピコスルファートナトリウム水和物5mg/kgをラットに経口投与し放射能測定及び全身オートラジオグラフィーを実施した。その結果、大部分が胃腸管部に局在し、わずかが肝臓、腎臓、血液及び肺に分布した。また、繰り返し投与によってもほとんど変化がなかった。
16.4 代謝
ラットに経口投与されたピコスルファートナトリウム水和物は、小腸内で加水分解されず大腸に移行し、大腸細菌叢由来の酵素アリルスルファターゼによりジフェノール体に加水分解される。ジフェノール体の一部は吸収され肝臓でグルクロン酸抱合を受ける。
16.5 排泄
大腸で加水分解を受け生成したジフェノール体の大部分は、そのまま糞便中に排泄される。一部吸収されたジフェノール体は、肝臓でグルクロン酸抱合を受け、尿中に排泄されるか、胆汁とともに再度十二指腸内に分泌され腸管を経由して糞便中に排泄される。
ラットに14C‐ピコスルファートナトリウム水和物5mg/kgを経口投与し、72時間までの尿中、糞便中排泄量を測定した。その結果、体内からの放射能の排泄は、投与後48時間でほとんど終了した。更に72時間では投与量の21%が尿中に、72%が糞便中に排泄された。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内一般臨床試験
国内7施設で実施された一般臨床試験の効果判定症例85例における有効率は次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
本試験における安全性評価対象85例において、副作用は認められなかった。また、副作用とされた臨床検査値の変動はなかった。
18.1 作用機序
ピコスルファートナトリウム水和物は、胃、小腸ではほとんど作用せず、大腸細菌叢由来の酵素アリルスルファターゼにより加水分解され、活性型のジフェノール体となる(ラット)。ジフェノール体は、腸管粘膜への次の作用により瀉下作用を示す。
・腸管蠕動運動の亢進作用(ラット)
・水分吸収阻害作用(ラット)
18.2 生物学的同等性試験
雌雄日本ネコ(n=10)にピコスルファートナトリウム錠2.5mg「FSK」及びラキソベロン内用液0.75%を、それぞれ低用量(ピコスルファートナトリウム水和物として10mg/head)及び高用量(ピコスルファートナトリウム水和物として40mg/head)の2段階とり、クロスオーバー法による単回投与を行い、緩下作用を糞便の外観形状のスコア及び糞便中水分率を指標に検討した結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
判定パラメータ
→図表を見る(PDF)
- 一包可:不明
無包装状態試験:規格内変化のみ
- 分割:可能
- 粉砕:可能
乳鉢にて粉砕後薬包紙に分包し、ポリ袋に入れ保存(24℃±2℃、55±20%RH、2週間)では安定であったが、ピコスルファートナトリウム水和物は光により着色しやすいため、粉砕後の保存は十分注意する。
- 製造販売会社
- 伏見製薬所
- 販売会社
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