ラキソベロン内用液0.75%
添付文書情報2022年06月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 〈効能共通〉急性腹症が疑われる患者[腸管蠕動運動の亢進により、症状が増悪するおそれがある]。
2.2. 〈効能共通〉本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
2.3. 〈大腸検査<X線・内視鏡>前処置における腸管内容物の排除〉腸管に閉塞のある患者又はその疑いのある患者[腸管蠕動運動の亢進により腸管の閉塞による症状が増悪し、腸管穿孔に至るおそれがある]。
- 効能・効果
- 1). 各種便秘症。
2). 術後排便補助。
3). 造影剤<硫酸バリウム>投与後の排便促進。
4). 手術前における腸管内容物の排除。
5). 大腸検査<X線>前処置・大腸検査<内視鏡>前処置における腸管内容物の排除。
- 用法・用量
- 〈各種便秘症〉
通常、成人に対して1日1回10~15滴(0.67~1.0mL)を経口投与する。
小児に対しては1日1回、次の基準で経口投与する。
1). 6ヵ月以下:2滴(0.13mL)。
2). 7~12ヵ月:3滴(0.20mL)。
3). 1~3歳:6滴(0.40mL)。
4). 4~6歳:7滴(0.46mL)。
5). 7~15歳:10滴(0.67mL)。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈術後排便補助〉
通常、成人に対して1日1回10~15滴(0.67~1.0mL)を経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈造影剤(硫酸バリウム)投与後の排便促進〉
通常、成人に対して6~15滴(0.40~1.0mL)を経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈手術前における腸管内容物の排除〉
通常、成人に対して14滴(0.93mL)を経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈大腸検査(X線・内視鏡)前処置における腸管内容物の排除〉
通常、成人に対して検査予定時間の10~15時間前に20mLを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 8.1. 〈手術前における腸管内容物の排除〉必要に応じて浣腸を併用すること。
8.2. 〈大腸検査<X線・内視鏡>前処置における腸管内容物の排除〉腸管蠕動運動の亢進により腸管内圧の上昇を来し、虚血性大腸炎を生じることがある。また、大腸検査<X線・内視鏡>前処置における腸管内容物の排除の場合、腸管に狭窄のある患者では、腸閉塞を生じて腸管穿孔に至るおそれがあるので、投与に際しては次の点を留意すること〔11.1.1、11.1.2参照〕。
8.2.1. 〈大腸検査<X線・内視鏡>前処置における腸管内容物の排除〉患者の日常の排便状況を確認し、本剤投与前日あるいは投与前に通常程度の排便があったことを確認してから投与すること。
8.2.2. 〈大腸検査<X線・内視鏡>前処置における腸管内容物の排除〉本剤投与後に腹痛等の異常が認められた場合には、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、適切な処置を行うこと。
8.3. 〈大腸検査(X線・内視鏡)前処置における腸管内容物の排除〉大腸検査(X線・内視鏡)前処置における腸管内容物の排除を自宅で行う際には、副作用があらわれた場合に対応が困難なことがあるので、ひとりでの服用は避けるよう指導すること。
8.4. 〈大腸検査(X線・内視鏡)前処置における腸管内容物の排除〉大腸検査(X線・内視鏡)前処置における腸管内容物の排除の場合、水を十分に摂取させること。
9.1.1. 〈大腸検査<X線・内視鏡>前処置における腸管内容物の排除〉腸管狭窄及び重度便秘の患者:腸管蠕動運動の亢進により虚血性大腸炎又は腸閉塞を生じることがあり、また、腸閉塞を生じた場合には腸管穿孔に至るおそれがある。
9.1.2. 〈大腸検査<X線・内視鏡>前処置における腸管内容物の排除〉腸管憩室のある患者:腸管蠕動運動の亢進により病態が増悪するおそれがある。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 〈大腸検査<X線・内視鏡>前処置における腸管内容物の排除〉腸閉塞、腸管穿孔(いずれも頻度不明):腸管に狭窄のある患者において腸閉塞を生じ、腸管穿孔に至るおそれがあるので、観察を十分に行い、腹痛等の異常が認められた場合には適切な処置を行うこと〔8.2参照〕。
11.1.2. 〈大腸検査<X線・内視鏡>前処置における腸管内容物の排除〉虚血性大腸炎(頻度不明)〔8.2参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 消化器:(0.1~5%未満)腹痛、悪心、嘔吐、腹鳴、腹部膨満感、下痢等、(頻度不明)腹部不快感。
2). 皮膚:(頻度不明)蕁麻疹、発疹等。
3). 肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇等。
4). 精神神経系:(頻度不明)めまい、一過性意識消失[大腸検査前処置に用いた場合、排便や腹痛による血管迷走神経反射に伴い症状があらわれることがある]。
副作用の頻度は承認時までの臨床試験及び使用成績調査を含む。
- 高齢者
- 減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
- 妊婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意眼科用<点眼>として使用しないこと。
16.3 分布
14C‐ピコスルファートナトリウム水和物5mg/kgをラットに経口投与し放射能測定及び全身オートラジオグラフィーを実施した。その結果、大部分が胃腸管部に局在し、わずかが肝臓、腎臓、血液及び肺に分布した。また、繰り返し投与によってもほとんど変化がなかった。
16.4 代謝
ラットに経口投与されたピコスルファートナトリウム水和物は、小腸内で加水分解されず大腸に移行し、大腸細菌叢由来の酵素アリルスルファターゼによりジフェノール体に加水分解される。ジフェノール体の一部は吸収され肝臓でグルクロン酸抱合を受ける。
16.5 排泄
大腸で加水分解を受け生成したジフェノール体の大部分は、そのまま糞便中に排泄される。一部吸収されたジフェノール体は、肝臓でグルクロン酸抱合を受け、尿中に排泄されるか、胆汁とともに再度十二指腸内に分泌され腸管を経由して糞便中に排泄される。
ラットに14C‐ピコスルファートナトリウム水和物5mg/kgを経口投与し、72時間までの尿中、糞便中排泄量を測定した。その結果、体内からの放射能の排泄は、投与後48時間でほとんど終了した。更に72時間では投与量の21%が尿中に、72%が糞便中に排泄された。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
国内延べ81施設で実施された二重盲検試験を含む臨床試験の効果判定症例1,679例における有効率は次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
18.1 作用機序
ピコスルファートナトリウム水和物は、胃、小腸ではほとんど作用せず、大腸細菌叢由来の酵素アリルスルファターゼにより加水分解され、活性型のジフェノール体となる(ラット)。ジフェノール体は、腸管粘膜への次の作用により瀉下作用を示す。
・腸管蠕動運動の亢進作用(ラット)
・水分吸収阻害作用(ラット)
- 一包可:
- 分割:
- 粉砕:
- 製造販売会社
- 帝人ファーマ
- 販売会社
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