アミティーザカプセル24μg

添付文書情報2024年07月改定(第3版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 腫瘍による腸閉塞、ヘルニアによる腸閉塞等腸閉塞が確認されている又は疑われる患者[腸閉塞を悪化させるおそれがある]。
2.2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔8.2、9.5妊婦の項参照〕。
- 効能・効果
- 慢性便秘症<器質的疾患による便秘を除く>。
(効能又は効果に関連する注意)
症候性慢性便秘症患者を対象に本剤の有効性及び安全性を評価する臨床試験は実施していない。
- 用法・用量
- 通常、成人にはルビプロストンとして1回24μgを1日2回、朝食後及び夕食後に経口投与する。なお、症状により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 中等度又は重度の肝機能障害<Child-Pugh分類クラスB又はC>のある患者では、1回24μgを1日1回から開始するなど、慎重に投与すること〔9.3肝機能障害患者の項、16.6.2参照〕。
7.2. 重度腎機能障害のある患者では、患者の状態や症状により1回24μgを1日1回から開始するなど、慎重に投与すること〔9.2腎機能障害患者の項、16.6.1参照〕。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 本剤による治療により継続的な症状の改善が得られた場合、又は副作用が認められた場合には、症状に応じて減量、休薬又は中止を考慮し、本剤を漫然と継続投与することのないよう注意すること。
8.2. 動物実験で胎仔喪失が報告されているので、妊娠する可能性のある女性に投与する場合には妊娠検査を行うなど妊娠中でないことを確認すること(また、本剤の妊娠に及ぼす危険性について患者に十分に説明し、服薬中は避妊させること)。なお、本剤投与中に妊娠が確認された場合又は疑われた場合には、直ちに医師に連絡するよう、指導すること〔2.3、9.5妊婦の項参照〕。
9.2.1. 重度腎機能障害のある患者:本剤又は活性代謝物の血中濃度が上昇するおそれがある〔7.2、16.6.1参照〕。
9.3.1. 中等度肝機能障害又は重度肝機能障害のある患者:本剤又は活性代謝物の血中濃度が上昇するおそれがある〔7.1、16.6.2参照〕。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 血液及びリンパ系障害:(1%未満)貧血。
2). 免疫系障害:(1%未満)気道過敏症。
3). 代謝及び栄養障害:(頻度不明)食欲減退。
4). 神経系障害:(1~5%未満)頭痛、(1%未満)浮動性めまい、体位性めまい、感覚鈍麻、傾眠、失神。
5). 耳及び迷路障害:(1%未満)回転性めまい。
6). 心臓障害:(1~5%未満)動悸、(1%未満)頻脈。
7). 血管障害:(1%未満)ほてり、(頻度不明)低血圧。
8). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1~5%未満)呼吸困難、(頻度不明)咳嗽。
9). 胃腸障害:(5%以上)下痢(30%)、悪心(23%)、腹痛(6%)、(1~5%未満)腹部不快感、腹部膨満、嘔吐、(1%未満)消化不良、排便回数増加、出血性胃炎、痔核、逆流性食道炎、心窩部不快感、痔出血。
10). 皮膚及び皮下組織障害:(1%未満)湿疹、紅斑、(頻度不明)発疹。
11). 筋骨格系及び結合組織障害:(1%未満)背部痛、筋骨格硬直、四肢不快感。
12). 全身障害及び局所様態:(5%以上)胸部不快感(5%)、(1%未満)胸痛、不快感、異常感(気分不良)、倦怠感、浮腫、口渇。
13). 臨床検査:(1%未満)血中ビリルビン増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、血中ブドウ糖増加、血中トリグリセリド増加、血中尿素増加、血中γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、尿中ブドウ糖陽性、ヘモグロビン減少、体重増加、白血球数増加、血中リン増加、(頻度不明)血圧低下。
- 高齢者
- 一般に生理機能が低下している。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと([3H]で標識した本剤を用いた動物実験(ラット)で、放射能の胎仔への移行が認められており、また、動物実験(モルモット)で胎仔喪失が報告されている)〔2.3、8.2参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること([3H]で標識した本剤を用いた動物実験(ラット)で、放射能の乳汁中への移行が報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
- その他の注意
- 15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. ラットに本剤20、100及び400μg/kg/日投与(体表面積換算で臨床用量の4、20及び81倍)を2年間投与したがん原性試験において、400μg/kg/日を投与した雄ラットで精巣間質細胞腺腫の発生率が有意に増加した。雌ラットでは肝細胞腺腫の用量依存的な発生頻度増加がみられたとの報告がある。
15.2.2. ラットの受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験において、対照群に対し、本剤1000μg/kg/日投与(体表面積換算で臨床用量の約166倍)で有意な着床数減少及び生存胎仔数減少がみられたとの報告がある。
16.1 血中濃度
健康成人に本剤24、48、72μgを単回経口投与したとき、血漿中の未変化体濃度はいずれも定量下限(10pg/mL)未満であった。また、活性代謝物である15‐ヒドロキシ体のCmax及びAUCは次の表のとおりであった。
表 薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
本剤の体内動態に及ぼす食事の影響について72μgの[3H]で標識した本剤を用いて健康成人で検討した。その結果、摂食時及び空腹時ともに血漿中に未変化体はほとんど認められなかった。[3H]で標識した本剤を高脂肪食とともに投与したときの放射能のCmaxは、空腹時投与と比較して55%低下したが、AUC∞には変化が見られなかった(外国人データ)。
16.3 分布
[3H]で標識した本剤をラットに経口投与したとき、消化管、肝、腎組織等へ分布し、投与後48時間ではいずれの組織においても低濃度であった。
16.4 代謝
ヒト及び動物(マウス、ラット、ウサギ、イヌ及びサル)の試験結果から、本剤は15位の還元、α鎖のβ酸化、ω鎖のω酸化によって速やか、かつ広範に代謝を受けることが示された。本剤と同様に薬理作用を有する代謝物(15‐ヒドロキシ体)への代謝はカルボニル還元酵素が関与している可能性が示唆され、また、動物実験から、血液中に未変化体は検出されず、検出されるほとんどが非活性の代謝物であることが示された。マスバランス試験(外国人データ)の結果から、ヒトでは主にM3(15‐ヒドロキシ体)及びM14(19‐カルボキシ‐15‐ヒドロキシ‐2,3,4,5,20‐ペンタノル体)が代謝物として認められた。なお、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験の結果から、CYP2A6を阻害する可能性が示された。
16.5 排泄
健康成人に72μgの[3H]で標識した本剤を単回経口投与したとき、総投与放射能の60.7%が投与後24時間後までに尿中に排泄され、投与後168時間までに62.9%が尿中に、31.9%が便中に排泄され、合わせて94.8%が回収された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
血液透析を必要とする重度の腎機能障害のある患者に対して本剤24μgを単回経口投与し、健康成人と薬物動態パラメータを比較した。その結果、いずれの群ともに血中未変化体濃度は定量下限(10pg/mL)未満であった。また、重度の腎機能障害のある患者ではM3のCmax、及びAUCtは健康成人に比し、それぞれ25%及び12%高かった(外国人データ)。[7.2、9.2参照]
16.6.2 肝機能障害患者
中等度又は重度(Child‐Pugh分類クラスB又はC)の肝機能障害患者に本剤24μgを単回経口投与し、健康成人と薬物動態パラメータを比較した。その結果、未変化体はほとんどの患者において定量下限(10pg/mL)未満であった。また、M3のCmax、AUCtは、健康成人に比し、中等度肝機能障害患者ではそれぞれ66%及び119%、重度肝機能障害患者では、それぞれ183%及び521%高かった(外国人データ)。[7.1、9.3参照]
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)
自発排便回数が平均3回/週未満の状態が6ヵ月以上持続している慢性的な便秘症状を有する患者を対象に、プラセボ又は本剤24μgを1日2回4週間経口投与したとき、主要評価項目である「投与第1週における自発排便回数の観察期からの変化量」は次の表のとおりであり、プラセボ群に対する本剤群の優越性が検証された。また、初回投与開始24時間以内に自発排便があった患者は、プラセボ群30.6%(19/62例)及び本剤群58.1%(36/62例)であり、初回排便までの時間の中央値はプラセボ群約28.8時間及び本剤群約13.1時間であった。
表1 投与第1週における自発排便回数の観察期からの変化量
→図表を見る(PDF)
本剤群の副作用発現頻度は41.9%(26例中62例)であった。主な副作用は、悪心、下痢各14.5%(9/62例)、腹痛、腹部不快感、胸部不快感各3.2%(2/62例)等であった。
17.1.2 国内第III相試験(長期投与試験)
自発排便回数が平均3回/週未満の状態が6ヵ月以上持続している慢性的な便秘症状を有する患者209例を対象に本剤24μgを1日2回48週間経口投与したとき、7日あたりの自発排便回数の推移(平均値)は添付文書の図のとおりであった。なお、本試験では有害事象により45.0%(94/209例)が減量し、16.3%(34/209例)が休薬した。
図 自発排便回数の推移(平均値)
副作用発現頻度は73.2%(209例中153例)であった。主な副作用は、下痢37.3%(78/209例)、悪心27.3%(57/209例)、胸部不快感7.2%(15/209例)、腹痛5.3%(11/209例)、嘔吐4.8%(10/209例)、腹部不快感4.3%(9/209例)、頭痛、腹部膨満各3.3%(7/209例)等であった。
17.1.3 海外第III相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)
非がん性疼痛にオピオイドを使用中で、自発排便回数が平均3回/週未満であり、自発排便の25%以上で硬い/非常に硬い便、残便感、自発排便時のいきみが中等度から極めて重度の一つ以上が該当する患者を対象に、プラセボ又は本剤24μgを1日2回12週間経口投与したとき、主要評価項目である「1週間あたりの自然排便回数1回以上増加、かつ9週間以上で1週間あたり3回以上の自然排便がある被験者」は本剤群27.1%(58/214例)、プラセボ群18.9%(41/217例)であり、プラセボ群に対する本剤群の優越性が検証された。
本剤群の副作用発現頻度は28.3%(219例中62例)であった。主な副作用は、下痢9.6%(21/219例)、悪心8.2%(18/219例)、腹痛5.5%(12/219例)等であった。
17.3 その他
17.3.1 国内第III相試験(自発排便回数の変化量に基づく同等性の確認)
自発排便回数が平均3回/週未満の状態が6ヵ月以上持続している慢性便秘症の患者を対象に、12μg(試験製剤)群は1回12μgカプセルを2カプセルずつ、24μg(標準製剤)群は1回24μgカプセルを1カプセルずつ、1日2回朝夕食後に7日間投与した。主要評価項目である投与第1週における自発排便回数の観察期からの変化量は次の表のとおりであり、95%信頼区間は事前に設定した同等性マージンの範囲内であった。
表2 投与第1週における自発排便回数の観察期からの変化量
→図表を見る(PDF)
副作用発現頻度は27.4%(135例中37例)であった。主な副作用は、悪心12.6%(17/135例)、下痢11.9%(16/135例)、腹部不快感2.2%(3/135例)等であった。
18.1 作用機序
ルビプロストンは、小腸上皮頂端膜(腸管内腔側)に存在するClC‐2クロライドチャネルを活性化し、腸管内への水分分泌を促進して便を軟らかくすることにより、腸管内の輸送を高めて排便を促進する。また、その作用は腸管局所にて発現し、吸収された後速やかに代謝される。
18.2 クロライドイオンチャネルに対する作用
ClC‐2クロライドイオンチャネルを発現するヒト腸管上皮由来T84細胞株の単層培養標本において、頂端膜側のCl-輸送を促進し、短絡電流を濃度依存的に増加させた。
18.3 小腸内輸送改善作用
モルヒネ誘発腸管内輸送能低下マウスモデルにおいて、1μg/kg以上の投与量で小腸におけるグラファイトマーカーの通過時間を短縮した。
18.4 腸液分泌促進作用
ラットにおいて、本剤0.5μg/kg及び1μg/kgで小腸内液量が増加した。また、3H2Oを静脈内投与したラットにおいて、本剤10μg/kgで小腸内腸液中の放射能が増加したことから、粘膜側への水分移行が亢進したことが示唆された。
18.5 血清中電解質濃度に対する作用
ラットにて腸液分泌を十分に促進する投与量において、血清中のNa+、K+、Cl-濃度には影響が認められなかった。
- 一包可:条件付可
無包装状態試験:無包装・25℃75%RH条件→含量の低下や類縁物質の増加がみられたが、含量は、保存30日まで、規格の範囲内であった。
- 分割:条件付可
- 粉砕:条件付可
- 製造販売会社
- ヴィアトリス製薬
- 販売会社
おくすりのQ&A
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以前まで、フェロミア処方すると自動的にコメントもついてきたのですが、最近からコメントがつかなくなり、レセプト請求の際にエラーがでます。コメント算定お願いし...
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