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アロキシ点滴静注バッグ0.75mg

販売名
アロキシ点滴静注バッグ0.75mg
薬価
0.75mg50mL1袋 8597.00円
製造メーカー
大鵬薬品

添付文書情報2021年05月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
鎮吐剤
一般名
パロノセトロン塩酸塩キット
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状<悪心・嘔吐><遅発期を含む>。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤は強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与の場合に限り使用すること〔17.1.1、17.1.2参照〕。
用法・用量
通常、パロノセトロンとして0.75mgを1日1回静注又は点滴静注する。
ただし、18歳以下の患者には、通常、パロノセトロンとして20μg/kgを1日1回静注又は点滴静注することとし、投与量の上限は1.5mgとする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 抗悪性腫瘍剤投与前に投与を終了すること。
7.2. 本剤の消失半減期は約40時間であり、短期間に反復投与を行うと過度に血中濃度が上昇するおそれがある〔16.1.2参照〕(1週間未満の間隔で本剤をがん患者へ反復投与した経験はないため、短期間での反復投与は避けること)。
7.3. バッグ製剤は静脈内に点滴注射すること。
腎機能障害患者
9.1.1. 消化管障害のある患者:本剤投与後観察を十分に行うこと(消化管運動の低下があらわれることがある)。
9.1.2. 心臓機能障害、循環器系機能障害のある患者:(生理食塩液に関する注意)循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。
腎機能障害患者:(生理食塩液に関する注意)水分、塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシー(そう痒感、発赤、胸部苦悶感、呼吸困難、血圧低下等)があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(1~10%未満)頭痛、(1%未満)めまい、(頻度不明)不安、多幸感、傾眠、不眠症、過眠症、末梢感覚性ニューロパシー、異常感覚。
2). 代謝:(1%未満)糖尿、(頻度不明)食欲不振、食欲減退、高血糖、高カリウム血症、低カリウム血症、電解質変動、低カルシウム血症。
3). 心臓・循環器:(1~10%未満)QT延長、(1%未満)低血圧、(頻度不明)上室性期外収縮、頻脈、徐脈、心筋虚血、洞性頻脈、洞性不整脈、静脈退色、静脈拡張、高血圧。
4). 消化器:(10%以上)便秘(17.6%)、(1%未満)下痢、口内乾燥、上腹部痛、(頻度不明)腹痛、腹部膨満、消化不良。
5). 腎臓・泌尿器:(頻度不明)尿閉。
6). 肝臓:(1~10%未満)高ビリルビン血症、(1%未満)肝機能検査値異常。
7). 皮膚:(1%未満)発疹、(頻度不明)アレルギー性皮膚炎。
8). 呼吸器:(1~10%未満)しゃっくり。
9). 耳:(1%未満)耳鳴、(頻度不明)乗り物酔い。
10). 眼:(頻度不明)眼刺激、弱視。
11). 臨床検査:(1~10%未満)AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、(1%未満)LDH上昇、ALP上昇。
12). その他:(1~10%未満)血管痛、(1%未満)倦怠感、潮紅、静脈炎、(頻度不明)注射部位反応(注射部位疼痛、注射部位紅斑)、発熱、熱感、悪寒、関節痛、インフルエンザ様症状、無力症、疲労。
高齢者
一般に生理機能が低下している。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で胎仔への移行が報告されている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が報告されている)。
小児等
低出生体重児及び新生児を対象とした臨床試験は実施していない〔17.1.2参照〕。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 本剤は、30秒以上かけて緩徐に投与すること。
14.1.2. 注射針はゴム栓の○印にまっすぐ刺すこと(斜めに刺すと注射針が容器頸部を貫通し、液漏れの原因となることがある)。
14.1.3. 容器の液目盛りはおよその目安として使用すること。
14.1.4. 原則として連結管を用いたタンデム方式による投与はできない。
20.2. 製品の品質を保持するため、本剤を包んでいる外袋は使用時まで開封しないこと。
20.3. 外袋から取り出して長期間保存した場合は、光によりわずかに分解することがあるため、外袋から取り出した後は速やかに使用すること。
20.4. 次の場合には使用しないこと。
20.4.1. 外袋が破損している時や内側に液滴が認められる時には使用しないこと。
20.4.2. 内容液が着色又は混濁している時には使用しないこと。

16.1 血中濃度
16.1.1 日本人健康成人に静脈内投与したときのパロノセトロンの薬物動態は3~90μg/kg注)の用量範囲で線形性を示した。
日本人健康成人におけるパロノセトロンの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.1.2 日本人成人患者にシスプラチン及びデキサメタゾンの併用下でパロノセトロンを0.75mgの用量で30秒間かけて静脈内投与したとき、血漿中未変化体濃度はほぼ2相性で消失し、最終相の消失半減期は約40時間であった。
図1 日本人成人患者における静脈内投与後の血漿中パロノセトロン濃度推移(平均値±標準偏差)

日本人成人患者におけるパロノセトロンの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.1.3 18歳以下の日本人患者にデキサメタゾンの併用下でパロノセトロンを20μg/kgの用量で約30秒かけて静脈内投与したとき、薬物動態に年齢層間で顕著な違いはみられなかった。
年齢層別のパロノセトロンの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.1.4 外国人健康成人にパロノセトロン0.25mg注)を15分間かけて点滴静注したとき、同用量を30秒間かけて静注したときと比べて、Cmaxは約60%に低下したが、AUC0-infは同等であった。
図2 外国人健康成人に0.25mgの用量で点滴静注又は静注したときの血漿中パロノセトロン濃度推移(平均値±標準偏差)

外国人健康成人に0.25mgの用量で点滴静注又は静注したときのパロノセトロンの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.1.5 外国人健康成人にパロノセトロン0.25mg注)を3日間連日で静脈内投与したとき、投与3日目のAUC0-24hrは投与初日に比べて約2.1倍上昇した。
16.1.6 外国の臨床試験において、パロノセトロン0.75mgを静脈内投与したとき、軽度、中等度の腎機能障害では薬物動態への明らかな影響は認められなかったが、重度の腎機能障害者では腎機能正常者に比べAUC0-infが1.3倍程度増加した。また、パロノセトロン0.75mgを静脈内投与したとき、肝機能障害はパロノセトロンのAUCに顕著な影響を及ぼさなかった。
16.3 分布
パロノセトロンの血漿蛋白結合率は約62%であった(in vitro)。
有色ラットにおいてパロノセトロン又は代謝物のメラニン含有組織(眼球・皮膚有色部)への高い親和性が認められた。
16.4 代謝
外国の臨床試験において、投与されたパロノセトロンの50%程度は代謝を受け、主代謝物としてN‐オキシド体と6‐S‐ヒドロキシ体を生成した。これらの代謝物の5‐HT3受容体拮抗作用はパロノセトロンの1%未満であった。この代謝には主にCYP2D6が関与しており、一部はCYP3A4及びCYP1A2も関与していることが示された。外国人健康成人においてCYP2D6活性が欠損又は低い者(PM)と正常な者(EM)との間でパロノセトロンの薬物動態に顕著な違いは見られなかった。
16.5 排泄
外国人健康成人に10μg/kg注)の14C標識パロノセトロンを静脈内投与したとき、投与後144時間までに投与放射能の約80%が尿中に排泄され、未変化体としての尿中排泄率は約40%であった。また、全身クリアランス160mL/hr/kgに対し、腎クリアランスは66.5mL/hr/kgであった。
注)パロノセトロンの承認用量は0.75mgである。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(成人)
高度催吐性抗悪性腫瘍剤投与に起因する急性及び遅発性の消化器症状(悪心・嘔吐)に対する本剤0.75mg単回静脈内投与の有効性について塩酸グラニセトロン40μg/kg単回静脈内投与を対照として比較した。
→図表を見る(PDF)

本剤の副作用発現率は30.5%(170/557例)であった。主な副作用は便秘17.4%(97/557例)、ALT増加4.3%(24/557例)、頭痛3.2%(18/557例)、AST増加2.9%(16/557例)、心電図QT補正間隔延長2.7%(15/557例)、血管障害2.3%(13/557例)であった。
17.1.2 国内第III相試験(生後28日以上18歳以下)
高度又は中等度催吐性抗悪性腫瘍剤投与に起因する消化器症状(悪心・嘔吐)に対する本剤20μg/kg(上限1.5mg)※1単回静脈内投与又は点滴静脈内投与の有効性は次のとおりである。
→図表を見る(PDF)

※1:催吐性抗悪性腫瘍剤投与前に、パロノセトロン20μg/kgを単回静脈内投与又は点滴静脈内投与した。全例にデキサメタゾンが3日間併用投与された。
本剤の副作用発現率は3.4%(2/58例)であった。その内訳はAST上昇1.7%(1/58例)、ALT上昇1.7%(1/58例)、γ‐GTP上昇1.7%(1/58例)、急性膵炎1.7%(1/58例)であった。

18.1 作用機序
5‐HT3受容体において選択的な拮抗作用を示す。
18.2 各種受容体との親和性
ヒト5‐HT3受容体に対するパロノセトロンのpKi値は10.01であった(in vitro)。
18.3 制吐作用
18.3.1 パロノセトロン0.01mg/kgを静脈内投与すると、ダカルバジン、アクチノマイシンD又はメクロレタミン投与により誘発されたイヌの嘔吐を抑制した。また、イヌのシスプラチン誘発性嘔吐を抑制した。その最小有効用量は、0.001mg/kgであった。
18.3.2 シスプラチンが誘発するフェレットの嘔吐を、0.001mg/kgから有意に抑制し、0.003mg/kg以上の静脈内投与においてほぼ完全に抑制した。

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