リアルダ錠1200mg
添付文書情報2023年05月改定(第3版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. サリチル酸塩類に対し過敏症の既往歴のある患者[交叉アレルギーを発現するおそれがある]。
2.3. 重篤な腎障害のある患者〔9.2.1参照〕。
2.4. 重篤な肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。
- 効能・効果
- 潰瘍性大腸炎<重症を除く>。
- 用法・用量
- 通常、成人にはメサラジンとして1日1回2400mgを食後経口投与する。活動期は、通常、成人にはメサラジンとして1日1回4800mgを食後経口投与するが、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 1日4800mgを投与する場合は、投与開始8週間を目安に有効性を評価し、漫然と継続しないこと。
7.2. 本剤をメサラジン注腸剤又は坐剤と併用する場合には、メサラジンとしての総投与量が増加することを考慮し、特に肝機能低下又は腎機能低下している患者並びに高齢者等への投与に際しては適宜減量するなど、十分に注意すること(併用時に異常が認められた場合には、減量又は中止するなどの適切な処置を行うこと)〔9.2.2、9.3.2、9.8高齢者の項参照〕。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 間質性腎炎、ネフローゼ症候群、腎不全が報告されているため、投与中は腎機能を検査するなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.5参照〕。
8.2. 肝機能障害、肝炎、黄疸が報告されているため、投与中はAST、ALT等の肝機能をモニターするなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.6参照〕。
8.3. 再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、白血球減少症、好中球減少症、血小板減少症があらわれることがあるので、投与期間中は血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.1参照〕。
8.4. 膵炎があらわれることがあるので、投与期間中は血清アミラーゼの検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.4参照〕。
8.5. メサラジンにより過敏症状(発熱、腹痛、下痢、好酸球増多等)が発現することがあり、また、潰瘍性大腸炎が悪化することがあるため、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
9.1.1. サラゾスルファピリジンに対し過敏症の既往歴のある患者:腹部痙攣、腹痛、発熱、重症頭痛又は発疹のような急性過敏症の症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
9.2.1. 重篤な腎障害のある患者:投与しないこと(腎障害がさらに悪化するおそれがある)〔2.3参照〕。
9.2.2. 腎機能低下<重篤な腎障害を除く>している患者:排泄が遅延し、副作用
があらわれるおそれがある(中等度から重度の腎障害患者は臨床試験では除外されている)〔7.2参照〕。
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(肝障害がさらに悪化するおそれがある)〔2.4参照〕。
9.3.2. 肝機能低下<重篤な肝障害を除く>している患者:代謝が遅延し、副作用
があらわれるおそれがある(中等度から重度の肝障害患者は臨床試験では除外されている)〔7.2参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:アザチオプリン、メルカプトプリン水和物[骨髄抑制があらわれるおそれがある(メサラジンがチオプリンメチルトランスフェラーゼ活性を抑制するなど、これらの薬剤の代謝を阻害するとの報告がある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、白血球減少症、好中球減少症、血小板減少症(いずれも頻度不明)〔8.3参照〕。
11.1.2. 心膜炎(0.1~1%未満)、心筋炎(頻度不明)、胸膜炎(頻度不明):胸部痛、心電図異常、胸水等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.3. 間質性肺疾患(間質性肺炎、器質化肺炎、胞隔炎、好酸球性肺炎等)(0.1~1%未満):呼吸困難、胸痛、咳嗽があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.4. 膵炎(頻度不明)〔8.4参照〕。
11.1.5. 間質性腎炎、ネフローゼ症候群、腎不全(いずれも頻度不明)〔8.1参照〕。
11.1.6. 肝機能障害、肝炎、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等を伴う肝機能障害、肝炎、黄疸があらわれることがある〔8.2参照〕。
11.1.7. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)。
11.1.8. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV-6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~1%未満)そう痒症、発疹、アレルギー反応、(頻度不明)蕁麻疹、顔面浮腫、血管浮腫。
2). 血液:(0.1~1%未満)貧血、好酸球数増加。
3). 消化器:(1%以上)潰瘍性大腸炎の悪化、アミラーゼ増加、(0.1~1%未満)腹部膨満、腹痛、下痢、血便排泄、(頻度不明)大腸炎、消化不良、鼓腸、悪心、嘔吐。
4). 肝臓:(1%以上)ビリルビン増加、(0.1~1%未満)Al-P増加、ALT増加、AST増加、γ-GTP増加。
5). 腎臓・泌尿器:(1%以上)尿中N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ増加(尿中NAG増加)、(0.1~1%未満)尿中蛋白陽性、尿中血陽性、(頻度不明)クレアチニン増加。
6). その他:(0.1~1%未満)頭痛、発熱、脱毛症、浮動性めまい、傾眠、筋肉痛、CRP増加、(頻度不明)無力症、疲労、関節痛、背部痛、頻脈、ざ瘡、ループス様症候群。
- 高齢者
- 十分観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能(腎機能、肝機能等)が低下している)〔7.2参照〕。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。なお、動物試験において、メサラジンによる催奇形性は認められていない。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(メサラジンでヒト乳汁中へ移行することが報告されており、また、乳児に下痢が起きることが報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 吸湿により溶出性に影響を及ぼすことがあるため、本剤をPTPシートから取り出し一包化調剤することは避けること。
14.1.2. 乳鉢による粉砕は行わないこと。
14.2. 薬剤交付時の注意14.2.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.2.2. 服用直前にPTPシートから錠剤を取り出させること。
14.3. 薬剤投与時の注意本剤は放出制御製剤であることより、かまずに服用すること。
14.4. 薬剤投与後の注意14.4.1. 便中に錠剤が認められることがある。
14.4.2. 尿中のメサラジン又はその代謝物は、排尿後、次亜塩素酸塩を含有する漂白剤と接触することにより変色することがある。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に本剤を絶食単回経口投与(メサラジンとして2,400mg、4,800mg)したときの血漿中未変化体濃度の推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.1.2 反復投与
本剤を1日1回7日間反復経口投与(メサラジンとして2,400mg、4,800mg)したときの血漿中未変化体濃度は、いずれの用量ともに反復経口投与後48時間で定常状態に達した。反復経口投与の最終回投与時の血漿中未変化体濃度の推移は、見かけ上tlagが消失したが単回経口投与時と類似していた。
16.2 吸収
16.2.1 単回投与
健康成人に本剤を絶食単回経口投与(メサラジンとして2,400mg、4,800mg)したとき、未変化体とアセチル体の尿中排泄量の合計から計算したメサラジンの吸収率は22.7%、17.1%であった。
16.2.2 反復投与
健康成人に本剤を1日1回7日間反復経口投与(メサラジンとして2,400mg、4,800mg)したとき、未変化体とアセチル体の尿中排泄量の合計から計算したメサラジンの吸収率は22.6%、15.1%で、絶食単回経口投与と同程度であった。
16.2.3 食事の影響
健康成人に本剤を単回経口投与(メサラジンとして2,400mg、4,800mg)したときの血漿中未変化体及びアセチル体の濃度推移、尿中排泄率及び吸収率に、食事による著しい影響は認められなかった。
16.3 分布
16.3.1 分布容積
健康成人に本剤を絶食単回経口投与(メサラジンとして2,400mg、4,800mg)したときのみかけの分布容積(Vz/F)は、1,735L、1,072Lであった。
16.3.2 血漿蛋白結合率
メサラジンのヒト血漿蛋白結合率は42.9%、アセチル体のヒト血漿蛋白結合率は78.2%あるいは83%であった(in vitro、外国人データ)。
16.4 代謝
メサラジンは、主に消化管粘膜のN‐アセチルトランスフェラーゼ(NAT)によりアセチル体(N‐アセチルメサラジン)に速やかに代謝される。なお、ヒトにおいて、メサラジンは大部分がNAT1によりアセチル化されることから、CYPを介した他の薬物との相互作用が生じる可能性は低いと考えられた。
16.5 排泄
16.5.1 単回投与
健康成人に本剤を絶食単回経口投与(メサラジンとして2,400mg、4,800mg)したとき、投与後72時間までの未変化体の尿中排泄率は投与量の0.753%、1.14%、アセチル体の尿中排泄率は22.0%、15.9%であった。
16.5.2 反復投与
健康成人に本剤を1日1回7日間反復経口投与(メサラジンとして2,400mg、4,800mg)したとき、絶食時と食後で合計排泄量は同程度であった。
16.7 薬物相互作用
一般的な4種の抗菌剤(アモキシシリン、シプロフロキサシン、メトロニダゾール、スルファメトキサゾール)の薬物動態に対する本剤の影響を検討した結果、薬物相互作用は認められなかった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相臨床試験(活動期の潰瘍性大腸炎患者)
軽症~中等症の活動期の潰瘍性大腸炎患者を対象として、本剤1日1回4錠(メサラジンとして4,800mg)、pH依存型メサラジン放出調節製剤1日3回9錠(メサラジンとして3,600mg)を投与した二重盲検群間比較試験(投与期間8週間)において、本剤の活動期の潰瘍性大腸炎に対する有用性が認められた。
副作用発現頻度は、本剤投与群で26.4%(37/140例)であった。主な副作用は、尿中NAG増加及び血中ビリルビン増加各5.0%(7/140例)、アミラーゼ増加2.1%(3/140例)であった。
活動期の潰瘍性大腸炎患者に対する効果(投与期間:8週間)
→図表を見る(PDF)
17.1.2 国内第III相臨床試験(寛解期の潰瘍性大腸炎患者)
寛解期の潰瘍性大腸炎患者を対象として、本剤1日1回2錠(メサラジンとして2,400mg)、時間依存型メサラジン放出調節製剤1日3回9錠(メサラジンとして2,250mg)を投与した二重盲検群間比較試験(投与期間48週間)において、本剤の寛解期の潰瘍性大腸炎に対する有用性が認められた。
副作用発現頻度は、本剤投与群で17.0%(17/100例)であった。主な副作用は、潰瘍性大腸炎4.0%(4/100例)、尿中NAG増加及び腹部膨満各2.0%(2/100例)であった。
寛解期の潰瘍性大腸炎患者に対する効果(投与期間:48週間)
→図表を見る(PDF)
18.1 作用機序
メサラジンは、活性酸素種産生の抑制、活性酸素種による組織/細胞傷害の抑制、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPAR‐γ)活性化、核内因子κB(NF‐κB)活性化の抑制、アラキドン酸代謝物産生の抑制及びホスホリパーゼD活性化を示し、これらの作用機序により有効性を示すと考えられている。
18.2 潰瘍性大腸炎モデルに対する有効性
メサラジンは、カラゲニン誘発潰瘍性大腸炎モデル(モルモット)、酢酸誘発潰瘍性大腸炎モデル(ラット)及び2,4,6‐トリニトロベンゼンスルホン酸誘発潰瘍性大腸炎モデル(ラット)において潰瘍発生率あるいは損傷スコアを低下させる。
- 一包可:不可
吸湿により溶出性に影響を及ぼすことがあるため、本剤をPTPシートから取り出し一包化調剤することは避ける。@服用直前にPTPシートから錠剤を取り出させる。
- 分割:不可
- 粉砕:不可
吸湿により溶出性に影響を及ぼすことがあるため、本剤をPTPシートから取り出し一包化調剤することは避ける。乳鉢による粉砕は行わない。@服用直前にPTPシートから錠剤を取り出させる。@放出制御製剤であることより、かまずに服用する。
- 製造販売会社
- 持田製薬
- 販売会社
おくすりのQ&A
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