アコファイド錠100mg
添付文書情報2023年08月改定(第3版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対し、過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 機能性ディスペプシアにおける食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 機能性ディスペプシアにおける心窩部疼痛や機能性ディスペプシアにおける灼熱感に対する有効性は確認されていない。
5.2. 上部消化管内視鏡検査等により、胃癌等の悪性疾患を含む器質的疾患を除外すること。
- 用法・用量
- 通常、成人にはアコチアミド塩酸塩水和物として1回100mgを1日3回、食前に経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤を1ヵ月間投与しても症状の改善が認められない場合は本剤の投与中止を考慮すること。
7.2. 症状が持続する場合は器質的疾患の可能性も考慮し、上部消化管内視鏡検査に加え、必要に応じて他の検査の実施を検討すること。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 8.1. 本剤はアセチルコリンエステラーゼ阻害剤であり、アセチルコリンの作用を増強するので、この点に留意して使用すること。
8.2. 継続的に症状が改善した場合には、本剤の投与中止を検討し、長期にわたって漫然と投与しないように注意すること〔17.1.1、17.1.2参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). 抗コリン作用を有する薬剤(アトロピン硫酸塩水和物、ブチルスコポラミン臭化物等)[本剤の作用が減弱する可能性がある(本剤はアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を有するため、抗コリン剤の併用により本剤の作用が抑制される)]。
2). コリン賦活剤やコリンエステラーゼ阻害剤(アセチルコリン塩化物等、ネオスチグミン臭化物等)[本剤及び併用薬共に作用が増強される可能性がある(本剤と共にアセチルコリン受容体刺激作用を有する)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.5%未満)発疹、蕁麻疹。
2). 血液:(0.5~1%未満)白血球数増加。
3). 精神神経系:(0.5%未満)めまい。
4). 消化器:(1%以上)下痢、便秘、(0.5~1%未満)悪心、嘔吐、(0.5%未満)腹痛、(頻度不明)口内炎。
5). 肝臓:(1%以上)ALT増加、AST増加、γ-GTP増加、(0.5~1%未満)血中ビリルビン増加、血中ALP増加。
6). 代謝・内分泌:(1%以上)血中プロラクチン増加、血中トリグリセリド増加。
- 高齢者
- 異常が認められた場合には、休薬するなど適切な処置を行うこと(一般に生理機能(腎機能・肝機能等)が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ラットで乳汁中へ移行することが報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
PTP包装開封後は湿気を避けて保存すること。
- その他の注意
- 15.2. 非臨床試験に基づく情報ラットの24ヵ月間がん原性試験において、子宮内膜腺癌が200mg/kg/日、600mg/kg/日、2000mg/kg/日群でそれぞれ5/50例、8/50例、5/50例に認められ、600mg/kg/日(投与量換算で臨床用量の約100倍)群で有意に増加した。一方、本剤では遺伝毒性やエストロゲン様作用は認められなかった。また、マウスの24ヵ月間がん原性試験では2000mg/kg/日(投与量換算で臨床用量の約330倍)まで、遺伝子改変動物を用いた子宮二段階発がん試験においても2000mg/kg/日で本剤の影響は認められなかった。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性に、本剤1錠(アコチアミド塩酸塩水和物として100mg)を空腹時に単回経口投与したとき、血漿中未変化体濃度推移及び薬物速度論的パラメータは次の通りであった。
単回投与したときの薬物速度論的パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.1.2 反復投与
健康成人男性に、本剤1回1錠(アコチアミド塩酸塩水和物として100mg)を1日3回、9日間(1日目は単回、3~8日目は毎食前、9日目は単回)、食前に反復経口投与したとき、3日目の3回目の投与より血漿中濃度はほぼ定常状態に達した。また、反復投与による薬物動態はほとんど変化しなかった。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男性に、本剤1錠(アコチアミド塩酸塩水和物として100mg)を空腹時、食前又は食後に経口投与したとき、Cmaxは食前投与で最も高く、空腹時投与に比べ62.7%上昇した。また、食後投与のCmaxは食前投与の59.6%であった。AUClastは、食後投与で最も低く、空腹時及び食前投与に比べそれぞれ76.8%及び80.0%に減少した。
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
In vitro平衡透析法で得られた血漿蛋白結合率は、ヒト血漿で84.21%~85.95%、ヒト血清アルブミンで82.64%~85.10%であり、同程度の結合率を示したため、主要な結合蛋白はアルブミンと考えられた。
16.4 代謝
16.4.1 代謝
健康成人男性6例に、[14C]アコチアミド溶液(600mg/103μCi)を空腹時に経口投与したとき、血漿中の放射能のうち、60.0%が未変化体によるものであった。その他、血漿中には脱イソプロピル体、未変化体のグルクロン酸抱合体及び脱イソプロピル体のグルクロン酸抱合体が認められた(外国人データ)。
16.4.2 代謝酵素
ヒトCYP発現系ミクロソームを用いたin vitro代謝試験により、本剤はCYP2C8、CYP1A1又はCYP3A4によって脱イソプロピル体に代謝されると考えられる。また、ヒトUGT発現系ミクロソームを用いたin vitro代謝試験により、本剤はUGT1A8又はUGT1A9によって未変化体のグルクロン酸抱合体に代謝されると考えられる。
16.5 排泄
健康成人男性6例に、[14C]アコチアミド溶液(600mg/103μCi)を空腹時に経口投与したとき、投与後216時間までに、糞中及び尿中にそれぞれ総放射能として投与量の92.7%及び5.3%が排泄された(外国人データ)。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感を主症状とする機能性ディスペプシア患者注1)を対象に実施した二重盲検比較臨床試験の成績は次のとおりであった。本剤1回1錠(アコチアミド塩酸塩水和物として100mg)を食前に1日3回、4週間経口投与したとき、2つの主要評価項目である「被験者の印象の改善率」及び「3症状(食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感)の消失率」について、プラセボ群に対する優越性が検証された。また、4週間の治療期及び4週間の後観察期の両評価項目の結果の推移は添付文書の図のとおりであった。
注1)RomeIII基準に準じ、同意取得6ヵ月以上前から食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感の症状を1つ以上有し、同意取得3ヵ月以上前より症状が持続している20~64歳の患者
(1)治療期最終調査時点(投与4週又は中止時)における被験者の印象の改善率
→図表を見る(PDF)
(2)治療期最終調査時点(投与4週又は中止時)における3症状(食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感)の消失率
→図表を見る(PDF)
(3)被験者の印象の改善率の推移
→図表を見る(PDF)
(4)3症状(食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感)消失率の推移
→図表を見る(PDF)
副作用発現頻度は、本剤300mg/日投与群16.9%(76/450例)、プラセボ群18.1%(80/442例)であった。主な副作用は、本剤300mg/日投与群で血中プロラクチン増加3.6%(16/450例)、ALT増加1.8%(8/450例)、プラセボ群で血中プロラクチン増加4.8%(21/442例)、下痢2.3%(10/442例)であった。[8.2参照]
17.1.2 国内長期投与試験
食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感を主症状とする機能性ディスペプシア患者注8)を対象に、4週毎の来院時に症状の改善の程度により休薬、再服薬、中止、終了することが可能とされていた長期投与試験において、投与4週時及び24週時の「被験者の印象の改善率」はそれぞれ48.9%(193/395例)及び48.9%(69/141例)であった。24週時まで一度も休薬せずに継続投与された患者は405例中22例であり、本剤の長期投与が必要となる患者は限られていた。なお、症状改善による休薬例は75.1%(304/405例)で、そのうち50.7%(154/304例)で症状の改善が12週間継続し、本剤の投与を終了した。
注8)RomeIII基準に準じ、同意取得6ヵ月以上前から食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感の症状を1つ以上有し、同意取得3ヵ月以上前より症状が持続している20~79歳の患者
副作用の発現頻度は11.5%(47/408例)であった。主な副作用は、便秘、下痢各2.2%(9/408例)、ALT増加1.5%(6/408例)であった。[8.2参照]
18.1 作用機序
アセチルコリンエステラーゼ阻害作用を示した(in vitro)。
18.2 消化管運動亢進作用
イヌの食後期胃前庭部運動の増強作用及びラットの胃前庭部運動の亢進作用を示した。また、イヌ及びラットのクロニジン誘発胃前庭部運動低下の改善作用を示した。
18.3 胃排出遅延改善作用
ラットのクロニジン誘発胃排出遅延の改善作用を示した。
- 一包可:条件付可
PTP包装開封後は湿気を避けて保存する。
- 分割:条件付可
- 粉砕:条件付可
- 製造販売会社
- ゼリア新薬
- 販売会社
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