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エンタイビオ点滴静注用300mg

販売名
エンタイビオ点滴静注用300mg
薬価
300mg1瓶 279573.00円
製造メーカー
武田薬品

添付文書情報2024年12月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
他に分類されない消化器官用薬
一般名
ベドリズマブ(遺伝子組換え)静注用
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 〈効能共通〉肺炎、敗血症、結核等の重篤な感染症が報告されていること及び本剤は疾病を完治させる薬剤でないことを患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤の投与において、重篤な副作用があらわれることがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師の管理指導のもとで使用し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること〔8.1、8.2、9.1.1-9.1.3、11.1.2参照〕。
1.2. 〈潰瘍性大腸炎〉本剤の治療を行う前に、ステロイド又は免疫調節剤等の使用
を十分勘案すること(また、本剤についての十分な知識と潰瘍性大腸炎治療の経験をもつ医師が使用すること)〔5.1参照〕。
1.3. 〈クローン病〉本剤の治療を行う前に、栄養療法、ステロイド又は免疫調節剤等の使用を十分勘案すること(また、本剤についての十分な知識とクローン病治療の経験をもつ医師が使用すること)〔5.2参照〕。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し重度過敏症の既往歴のある患者〔8.3、11.1.1参照〕。
効能・効果
1). 中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)。
2). 中等症から重症の活動期クローン病の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈潰瘍性大腸炎〉過去の治療において、他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン等)等の適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残り、本剤の投与が適切と判断した場合に投与すること〔1.2、17.1.1、17.1.2参照〕。
5.2. 〈クローン病〉過去の治療において、栄養療法、他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン等)等の適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残り、本剤の投与が適切と判断した場合に投与すること〔1.3、17.1.3、17.1.4参照〕。
用法・用量
通常、成人にはベドリズマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以降8週間隔で点滴静注する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤と他の免疫抑制作用を有する生物製剤の併用について臨床試験は実施していないため、本剤との併用を避けること。
7.2. 本剤を3回投与しても治療反応が得られない場合、治療法を再考すること〔17.1.1、17.1.3参照〕。
合併症・既往歴等のある患者
8.1. 本剤はα4β7インテグリンに結合しリンパ球の遊走を阻害するため、感染症に対する免疫能に影響を及ぼす可能性があるので、本剤の投与に際しては十分な観察を行い、感染症の発現や感染症増悪に注意すること。また、患者に対し、発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに医師に相談するよう指導すること〔1.1、9.1.1-9.1.3、11.1.2参照〕。
8.2. 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、本剤投与中も、胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに医師に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合には本剤を投与しないこと〔1.1、9.1.3、11.1.2参照〕。
8.3. 本剤投与中及び本剤投与終了後2時間以内に発現するアナフィラキシーやInfusion reaction(呼吸困難、気管支痙攣、じん麻疹、潮紅、発疹、血圧変動、心拍数増加等)に十分注意すること。本剤の投与はアナフィラキシーや重度Infusion reactionの発現に備えて緊急時に十分な対応ができる準備を行ったうえで開始し、投与終了後もバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数等)、臨床検査値及び自他覚症状等、患者の状態を十分に観察すること〔2.1、11.1.1参照〕。
8.4. 他のインテグリン拮抗薬であるナタリズマブで進行性多巣性白質脳症<PML>の発現が報告されているため、ナタリズマブを過去に投与された患者に本剤を投与する際はPMLの発現に十分注意すること。また、ナタリズマブ投与中の患者では、本剤との併用を避けること〔11.1.3参照〕。
9.1.1. 感染症の患者又は感染症が疑われる患者:十分に観察すること(本剤は免疫反応を減弱する作用を有し、正常な免疫応答に影響を与える可能性がある)〔1.1、8.1、11.1.2参照〕。
9.1.2. 重度の感染症患者:結核、敗血症、サイトメガロウイルス感染、リステリア症及び日和見感染等の重度感染症患者については、感染症がコントロールされるまで本剤の投与を開始しないこと〔1.1、8.1、11.1.2参照〕。
9.1.3. 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者。
(1). 結核の既感染者では、結核を活動化させるおそれがある。
(2). 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる場合、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として本剤の開始前に適切な抗結核薬を投与すること[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]〔1.1、8.1、8.2、11.1.2参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:生ワクチン[接種した生ワクチンの病原に基づく症状が発現した場合には、適切な処置を行うこと(生ワクチンによる感染症発現の可能性が否定できない)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. Infusion reaction(3.6%):アナフィラキシーやInfusion reaction(呼吸困難、気管支痙攣、じん麻疹、潮紅、発疹、血圧変動、心拍数増加等)があらわれることがある。アナフィラキシーや重度Infusion reactionが認められた場合には、投与を中止し、適切な処置(酸素吸入、昇圧剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤の投与等)を行うとともに、症状が回復するまで患者を十分に観察すること(また、投与を再開する場合には、必要に応じて投与速度を減じて慎重に投与すること)〔2.1、8.3参照〕。
11.1.2. 重篤な感染症(1.4%):肺炎、敗血症、結核、リステリア症、サイトメガロウイルス感染、日和見感染等の重篤な感染症があらわれることがあるので、本剤投与中に重篤な感染症を発現した場合には、感染症がコントロールできるようになるまでは投与を中止すること〔1.1、8.1、8.2、9.1.1-9.1.3参照〕。
11.1.3. 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明):PMLの発現が報告されているので、観察を十分に行い、片麻痺、四肢麻痺、認知機能障害、失語症、視覚障害等のPMLが疑われる症状が認められた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.4参照〕。
11.1.4. 間質性肺疾患(頻度不明):間質性肺疾患(間質性肺炎、好酸球性肺炎等)が報告されているので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常(捻髪音)等があらわれた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施すること(間質性肺疾患が疑われた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(0.1~5%)頭痛。
2). 消化器:(0.1~5%)悪心。
3). 呼吸器:(0.1~5%)口腔咽頭痛、咳嗽。
4). 皮膚:(0.1~5%)発疹、皮膚そう痒症。
5). 筋・骨格系:(0.1~5%)関節痛、背部痛、四肢痛。
6). その他:(0.1~5%)発熱、気管支炎、上気道感染、インフルエンザ、副鼻腔炎、疲労、(0.1%未満)鼻咽頭炎。
高齢者
感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと(一般に生理機能(免疫機能等)が低下していることが多い)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の妊婦に対する有益性が胎児への危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物試験(サル)で妊娠期間中に本剤を投与した母動物の分娩後に乳仔の血清中から本剤が検出された)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトで乳汁中への本剤の移行が報告されているが、本剤の哺乳中の児への影響は不明である)。
小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意本剤の調製は、無菌的操作で行うこと。
14.1.1. 溶解(1). バイアルからフリップオフキャップを取り外し、ゴム栓部をアルコール綿で拭き取る。ゴム栓の中心を通してバイアル内に18~25ゲージ針付きシリンジを挿入し気泡が生じないよう日局注射用水、日局生理食塩液又は日局L-乳酸ナトリウムリンゲル液4.8mLをバイアルの壁面に伝って流れるよう注入する。
(2). バイアルを15秒以上ゆっくりと回転させ、凍結乾燥製剤を溶解する(その際にバイアルを振盪させたり上下に反転させないこと)、気泡を消散させるために、バイアルを約20分間静置する。20分後に溶解が不十分であった場合には、更に回転させた後に10分間静置する。
(3). 溶解した薬液は澄明又は乳白光があり、無色から帯褐黄色であることを確認する(変色や粒子が認められた場合には使用しないこと)。
(4). 溶解後は速やかに希釈すること(やむを得ず溶解後速やかに希釈しない場合には、2~8℃で保存し、溶解後8時間以内に希釈すること)。
14.1.2. 希釈(1). 溶解した薬液を抜き取る前にバイアルを静かに3回上下反転させ、確実に混合する。溶解した薬液5mLをバイアルから18~25ゲージ針付きのシリンジで抜き取り、日局生理食塩液100mLで希釈し、バッグを数回上下に反転させ、確実に混合すること。他剤<日局注射用水・生理食塩液・L-乳酸ナトリウムリンゲル液を除く>と混和してはならない。
(2). 本剤は保存剤を含有していないため、希釈後は速やかに使用する(やむを得ず希釈後速やかに投与開始しない場合には、常温保存では凍結乾燥製剤の溶解後12時間以内、又は2~8℃(凍結させない)での保存では凍結乾燥製剤の溶解後24時間以内に投与)。未使用分は廃棄すること。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 本剤は30分以上かけて点滴静脈内投与し、急速投与は行わないこと。
14.2.2. 投与終了時には、ラインを日局生理食塩液30mLでフラッシュすること。
20.1. 本剤は遮光する必要があるため、外箱に入れて保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 国内外臨床試験において、患者数は限られているが本剤に対する抗体産生が報告されている〔17.1.5参照〕。
15.1.2. 外国人健康成人を対象とした海外臨床試験において、本剤を投与した被験者では、経口不活化コレラ毒素ワクチンに対する適応免疫応答減弱が報告されている。

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与時の薬物動態
日本人潰瘍性大腸炎患者に、本剤300mgを0、2及び6週(1、15及び43日目)に点滴静注した時のベドリズマブの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは次記のとおりであった。
日本人潰瘍性大腸炎患者における本剤反復投与時のベドリズマブの血清中濃度推移(算術平均値±標準偏差)

日本人潰瘍性大腸炎患者における本剤反復投与時のベドリズマブの血清中濃度推移(算術平均値)

日本人潰瘍性大腸炎患者における本剤反復投与時のベドリズマブの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.1.2 反復投与時の血清中トラフ濃度
(1)中等症から重症の日本人潰瘍性大腸炎患者に本剤300mgを0週、2週、6週に点滴静注し、以降8週間隔で点滴静注した時の14、22及び30週のベドリズマブの血清中トラフ濃度を次に示す。
日本人潰瘍性大腸炎患者における本剤反復投与時のベドリズマブの血清中トラフ濃度
→図表を見る(PDF)

(2)中等症から重症の活動期日本人クローン病患者に本剤300mgを0週、2週、6週に点滴静注し、以降8週間隔で点滴静注した時の14、22及び30週のベドリズマブの血清中トラフ濃度を次に示す。
日本人クローン病患者における本剤反復投与時のベドリズマブの血清中トラフ濃度
→図表を見る(PDF)

16.3 分布
健康成人にベドリズマブ450mgを静脈内点滴投与した時注)、脳脊髄液中にベドリズマブは検出されなかった(外国人のデータ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は1回300mgを初回投与後、2週、6週に投与し、以降8週間隔で点滴静注である。
16.5 排泄
ベドリズマブはヒト化IgG1モノクローナル抗体であることから、内因性の免疫グロブリンの消失経路と同じと推察される。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈潰瘍性大腸炎〉
17.1.1 国内第III相臨床試験
(1)導入療法
他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン、6‐メルカプトプリン、抗TNFα製剤のうち少なくとも1剤)で効果不十分な中等症から重症の日本人潰瘍性大腸炎患者を対象とした二重盲検比較試験を実施した。本剤300mg又はプラセボを0週、2週、6週時に点滴静注した。3回投与後、10週時点の改善率は次表のとおりであり、本剤群はプラセボ群に対して統計学的な有意差は認められなかった。[5.1、7.2参照]
二重盲検比較試験 10週時点成績
→図表を見る(PDF)

副作用発現頻度は、本剤群では10.4%(17/164)であった。主な副作用は発熱1.2%(2/164)、倦怠感1.2%(2/164)、紅斑1.2%(2/164)及びそう痒症1.2%(2/164)であった。
(2)維持療法
他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン、6‐メルカプトプリン、抗TNFα製剤のうち少なくとも1剤)で効果不十分な中等症から重症の日本人潰瘍性大腸炎患者を対象とした二重盲検比較試験を実施した。本剤300mgを3回(0週、2週、6週)点滴静注後に改善が認められた患者に、以降8週間隔で本剤300mg又はプラセボを点滴静注した。60週時点の寛解率は次表のとおりであり、本剤群はプラセボ群と比較して統計学的に有意に高い寛解率が認められた。[5.1、7.2参照]
二重盲検比較試験 60週時点成績
→図表を見る(PDF)

副作用発現頻度は、本剤群では9.8%(4/41)であった。
17.1.2 海外第III相臨床試験
(1)導入療法
他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン、6‐メルカプトプリン、抗TNFα製剤のうち少なくとも1剤)で効果不十分な中等症から重症の外国人潰瘍性大腸炎患者を対象とした二重盲検比較試験を実施した。本剤300mg又はプラセボを0週、2週時に点滴静注後、6週時点の改善率は次表のとおりであり、本剤群はプラセボ群と比較して統計学的に有意に高い改善率が認められた。[5.1参照]
二重盲検比較試験 6週時点成績
→図表を見る(PDF)

副作用発現頻度は、本剤群では15.6%(35/225)であった。主な副作用は頭痛3.1%(7/225)、悪心1.8%(4/225)、上気道感染1.3%(3/225)であった。
(2)維持療法
他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン、6‐メルカプトプリン、抗TNFα製剤のうち少なくとも1剤)で効果不十分な中等症から重症の外国人潰瘍性大腸炎患者を対象とした二重盲検比較試験を実施した。本剤300mgを0週、2週時に点滴静注後に改善が認められた患者に、以降8週間隔で本剤300mg又はプラセボを点滴静注した。52週時点の寛解率は次表のとおりであり、本剤群はプラセボ群と比較して統計学的に有意に高い寛解率が認められた。[5.1参照]
二重盲検比較試験 52週時点成績
→図表を見る(PDF)

導入療法及び維持療法を含めた全期間での副作用発現頻度は、本剤群では30.3%(37/122)であった。主な副作用は鼻咽頭炎4.1%(5/122)、インフルエンザ様疾患3.3%(4/122)、頭痛2.5%(3/122)、上気道感染2.5%(3/122)であった。
〈クローン病〉
17.1.3 国内第III相臨床試験
(1)導入療法
他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン、6‐メルカプトプリン、メトトレキサート、抗TNFα製剤のうち少なくとも1剤)で効果不十分な中等症から重症の日本人クローン病患者を対象とした二重盲検比較試験を実施した。本剤300mg又はプラセボを0週、2週、6週時に点滴静注した。3回投与後、10週時点の改善率は次表のとおりであり、本剤群はプラセボ群に対して統計学的な有意差は認められなかった。[5.2、7.2参照]
二重盲検比較試験 10週時点成績
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副作用発現頻度は、本剤群では12.7%(10/79)であった。
(2)維持療法
他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン、6‐メルカプトプリン、メトトレキサート、抗TNFα製剤のうち少なくとも1剤)で効果不十分な中等症から重症の日本人クローン病患者を対象とした二重盲検比較試験を実施した。本剤300mgを3回(0週、2週、6週)点滴静注後にCDAIスコアがベースラインから70ポイント以上の減少が認められた患者に、以降8週間隔で本剤300mg又はプラセボを点滴静注した。60週時点の寛解率は次表のとおりである。[5.2、7.2参照]
二重盲検比較試験 60週時点成績
→図表を見る(PDF)

副作用発現頻度は、本剤群では16.7%(2/12)であった。
17.1.4 海外第III相臨床試験
(1)導入療法
他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン、6‐メルカプトプリン、メトトレキサート、抗TNFα製剤のうち少なくとも1剤)で効果不十分な中等症から重症の外国人クローン病患者を対象とした二重盲検比較試験を実施した。本剤300mg又はプラセボを0週、2週時に点滴静注後、6週時点の寛解率及び改善率は次表のとおりである。寛解率において、本剤群はプラセボ群と比較して統計学的に有意に高い寛解率が認められた。改善率において、本剤群はプラセボ群に対して統計学的な有意差は認められなかった。[5.2参照]
二重盲検比較試験 6週時点成績
→図表を見る(PDF)

二重盲検比較試験 6週時点成績
→図表を見る(PDF)

副作用発現頻度は、本剤群では23.2%(51/220)であった。主な副作用は頭痛4.1%(9/220)、悪心2.3%(5/220)、疲労2.3%(5/220)、関節痛2.3%(5/220)であった。
(2)維持療法
他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン、6‐メルカプトプリン、メトトレキサート、抗TNFα製剤のうち少なくとも1剤)で効果不十分な中等症から重症の外国人クローン病患者を対象とした二重盲検比較試験を実施した。本剤300mgを0週、2週時に点滴静注後にCDAIスコアがベースラインから70ポイント以上の減少が認められた患者に以降8週間隔で本剤300mg又はプラセボを点滴静注した。52週時点の寛解率は次表のとおりであり、本剤群はプラセボ群と比較して統計学的に有意に高い寛解率が認められた。[5.2参照]
二重盲検比較試験 52週時点成績
→図表を見る(PDF)

導入療法及び維持療法を含めた全期間での副作用発現頻度は、本剤群では40.9%(63/154)であった。主な副作用は悪心5.8%(9/154)、頭痛3.9%(6/154)、疲労3.2%(5/154)であった。
〈効能共通〉
17.1.5 本剤に対する抗体産生
中等症から重症の日本人潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第III相臨床試験又は中等症から重症の日本人クローン病患者を対象とした国内第III相臨床試験で、本剤300mgを継続的に投与された患者のうち、いずれかの時点で抗体産生が認められた患者の割合は3.0%(8/269)であった。中等症から重症の外国人潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外第III相臨床試験又は中等症から重症の外国人クローン病患者を対象とした海外第III相臨床試験で、本剤300mgを継続的に投与された患者のうち、いずれかの時点で抗体産生が認められた患者の割合は6.0%(86/1427)であった。[15.1.1参照]

18.1 作用機序
α4β7インテグリンはメモリーTリンパ球表面に発現する。α4β7インテグリンは、消化管粘膜の血管内皮細胞表面に発現する粘膜アドレシン細胞接着分子‐1(MAdCAM‐1)に接着することによって消化管粘膜及び腸管関連リンパ系組織へのリンパ球浸潤を媒介する。ベドリズマブはα4β7インテグリンに特異的に結合し、α4β7インテグリンと主に消化管に発現するMAdCAM‐1との結合を阻害する一方で、中枢神経、皮膚等多くの臓器に発現する血管細胞接着分子‐1(VCAM‐1)との結合は阻害しなかった(in vitro)。
18.2 消化管粘膜に対する作用
ベドリズマブのマウス相同抗体であるAct‐1はワタボウシタマリン(慢性大腸炎を自然発症するタマリン類のサル)において消化管粘膜へのリンパ球浸潤を阻害し、潰瘍性大腸炎及びクローン病で見られる消化管粘膜の炎症を低減させた。
18.3 消化管へのリンパ球浸潤の選択的抑制作用
ベドリズマブはカニクイザルにおいて消化管へのリンパ球浸潤を選択的に抑制した。

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