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ナウゼリン坐剤30

販売名
ナウゼリン坐剤30
薬価
30mg1個 52.80円
製造メーカー
協和キリン

添付文書情報2025年05月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
他に分類されない消化器官用薬
一般名
ドンペリドン坐剤
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 消化管出血、機械的イレウス、消化管穿孔の患者[症状が悪化するおそれがある]。
2.3. プロラクチン分泌性下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の患者[抗ドパミン作用
によりプロラクチン分泌を促す]。
効能・効果
小児:
次記疾患および薬剤投与時の消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、腹痛);1)周期性嘔吐症、乳幼児下痢症、上気道感染症、2)抗悪性腫瘍剤投与時。
用法・用量
小児:
3歳未満の場合、通常ドンペリドンとして1回10mgを1日2~3回直腸内に投与する。
3歳以上の場合、通常ドンペリドンとして1回30mgを1日2~3回直腸内に投与する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
肝機能障害患者
8.1. ショックを起こすことがある〔11.1.1参照〕。
8.2. 間脳の内分泌機能調節異常、錐体外路症状等があらわれることがあるので、本剤の投与に際しては、有効性と安全性を十分考慮のうえ使用すること〔9.7小児等の項、11.1.2参照〕。
8.3. 眠気、めまい・ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に注意させること。
9.1.1. 心疾患のある患者:QT延長があらわれるおそれがある。
腎機能障害患者:副作用が強くあらわれるおそれがある。
肝機能障害患者:副作用が強くあらわれるおそれがある。
相互作用
本剤は主にCYP3A4で代謝される〔16.4.1参照〕。
10.2. 併用注意:1). フェノチアジン系精神神経用剤(プロクロルペラジン、クロルプロマジン、チエチルペラジン等)、ブチロフェノン系製剤(ハロペリドール等)、ラウオルフィアアルカロイド製剤(レセルピン等)[内分泌機能調節異常又は錐体外路症状が発現しやすくなる(フェノチアジン系精神神経用剤、ブチロフェノン系製剤は中枢性の抗ドパミン作用を有し、ラウオルフィアアルカロイド製剤は中枢でカテコールアミンを枯渇させる、一方、本剤は血液-脳関門を通過しにくいが強い抗ドパミン作用を有する)]。
2). ジギタリス製剤(ジゴキシン等)[ジギタリス製剤飽和時の指標となる悪心・嘔吐・食欲不振症状を不顕化することがあるので、ジギタリス製剤の血中濃度のモニターを行う(本剤は制吐作用を有する)]。
3). 抗コリン剤(ブチルスコポラミン臭化物、チキジウム臭化物、チメピジウム臭化物水和物等)[本剤の胃排出作用が減弱することがあるので、症状により一方を減量、中止するか、又は必要に応じて間隔をあけて投与する(抗コリン剤の消化管運動抑制作用が本剤の消化管運動亢進作用と拮抗する)]。
4). CYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、エリスロマイシン等)〔16.7.1、16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が上昇する(強力又は中程度のCYP3A4阻害作用により本剤の代謝が阻害される)。また、エリスロマイシンとの併用においては、QT延長が報告されている(強力又は中程度のCYP3A4阻害作用により本剤の代謝が阻害される)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシー(発疹、発赤、呼吸困難、顔面浮腫、口唇浮腫等)を起こすことがある〔8.1参照〕。
11.1.2. 錐体外路症状(0.1%未満):後屈頸、眼球側方発作、上肢伸展、振戦、筋硬直等の錐体外路症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること(なお、これらの症状が強い場合には、抗パーキンソン剤を投与するなど適切な処置を行うこと)〔8.2、9.7小児等の項参照〕。
11.1.3. 意識障害、痙攣(いずれも頻度不明)〔9.7小児等の項参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 肝臓:(0.1~5%未満)肝機能障害(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇、Al-P上昇、LDH上昇等)。
2). 内分泌:(頻度不明)女性化乳房、プロラクチン上昇、乳汁分泌、乳房膨満感、月経異常。
3). 消化器:(0.1~5%未満)下痢、腹痛、肛門部不快感、悪心、(0.1%未満)腹部不快感、しぶり腹、腹鳴、(頻度不明)便秘、腹部圧迫感、口渇、胸やけ、嘔吐、腹部膨満感、腸痙攣。
4). 循環器:(0.1%未満)心悸亢進、(頻度不明)QT延長。
5). 皮膚:(0.1%未満)発疹、(頻度不明)じん麻疹、皮膚そう痒。
6). その他:(頻度不明)発汗、眠気、動揺感、めまい・ふらつき、口内のあれ。
発現頻度は使用成績調査を含む。
高齢者
減量するなど注意すること(一般に高齢者では生理機能が低下している)〔15.1参照〕。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で臨床用量の約65倍の投与量(体表面積換算)で骨格異常、内臓異常等の催奇形作用が報告されている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討し、投与する場合は大量投与を避けること(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている)〔16.3.4参照〕。
小児等
特に1歳以下の乳児には用量に注意し、3歳以下の乳幼児には7日以上の連用を避けること。また、小児等の脱水状態、小児等の発熱時等では特に投与後の患者の状態に注意すること。小児において錐体外路症状、意識障害、痙攣が発現することがある〔8.2、11.1.2、11.1.3参照〕。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報外国において本剤による重篤な心室性不整脈及び突然死が報告されており、特に高用量を投与中の患者又は高齢の患者で、これらのリスクが増加したとの報告がある〔9.8高齢者の項参照〕。

16.1 血中濃度
健康成人6例に本剤30mg及び60mg(各3例)を直腸内に単回投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
直腸内単回投与したときの血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)

直腸内単回投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
外国人健康成人3例にドンペリドン60mgを絶食下単回直腸内投与したときのバイオアベイラビリティは12.4%であった。
16.3 分布
16.3.1 体組織への分布
ラットに14C‐ドンペリドン2.5mg/kgを経口及び静脈内投与したとき、いずれも腸管組織、肝臓、膵臓等に高濃度に分布したが、脳への分布は極めて低かった。また、蓄積性も認められなかった。
16.3.2 血液‐脳関門通過性
ラットに14C‐ドンペリドン2.5mg/kgを経口投与したとき、脳内放射能濃度は投与後0.25~1時間で最高となり、その後定常状態に達した時点では血漿中放射能濃度の約1/5であった。
16.3.3 血液‐胎盤関門通過性
妊娠ラットに14C‐ドンペリドン2.5mg/kgを静脈内又は経口投与したとき、胎盤内放射能濃度は投与1時間後に最高となり、母体血漿中放射能濃度に比べ静脈内投与では2.7倍、経口投与では2倍であった。
16.3.4 母乳中への移行性
授乳ラットに14C‐ドンペリドン2.5mg/kgを静脈内又は経口投与したとき、乳汁中放射能濃度は静脈内投与後30分、経口投与後1~2時間で最高に達した。[9.6参照]
16.3.5 血漿蛋白結合率
ヒト血漿蛋白結合率は次のとおりであった(in vitro、外国人データ)。
→図表を見る(PDF)

16.4 代謝
16.4.1 in vitro試験において、本剤の代謝には、肝チトクロームP450(CYP3A4)が約50%関与することが示された。[10.参照]
16.4.2 健康成人3例に本剤60mgを直腸内に単回投与したとき、N‐脱アルキル体及び水酸化体が代謝物として同定された。
16.5 排泄
健康成人6例に本剤30mg又は60mg(各3例)を直腸内に単回投与したとき、投与後24時間までに尿中に投与量の0.3~1%が未変化体として排泄され、そのうち約1/3は投与後4時間までに排泄された。また、60mgを直腸内に単回投与したとき、投与後8時間までに未変化体及び代謝物として投与量の3.8%が尿中へ排泄された。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
外国人健康成人15例に本剤(経口剤、20mg注)、単回投与)とイトラコナゾール(200mg/日、5日間反復投与)を併用投与したとき、本剤のCmax及びAUC0-∞はそれぞれ2.7倍及び3.2倍増加した。[10.2参照]
16.7.2 エリスロマイシン
外国人健康成人32例に本剤(経口剤、10mg/回、1日4回注)、5日間反復投与)とエリスロマイシン(500mg/日、1日3回、5日間反復投与)を併用投与したとき、本剤のCmax及びAUC(AUCτ及びAUC12h,ss)はそれぞれ約142%及び約167%増加した。
同試験において、QT延長が認められ、その最大値(95%信頼区間)は本剤単独投与では7.52ms(0.602-14.435)、エリスロマイシン単独投与では9.19ms(1.678-16.706)、併用投与では14.26ms(8.014-20.505)であった。[10.2参照]
注)本剤(経口剤)の成人における承認された用法・用量は1回10mg、1日3回である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験(成人)
〈胃・十二指腸手術後〉
胃癌、胃潰瘍、十二指腸潰瘍等の消化管術後の消化器不定愁訴をもつ患者(胃全摘例は含まず)214例を対象に、本剤1日60~180mg注1)を7及び14日間、直腸内に投与したとき、有効率は58.4%(125/214例)であった。
副作用発現頻度は3.0%(7/233例)であった。主な副作用は、下痢2.6%(6/233例)であった。
〈抗悪性腫瘍剤投与時〉
抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器系不定愁訴をもつ患者228例を対象に、本剤60mg1日1~3回注1)を1~141日間、直腸内に投与したとき、有効率は66.7%(152/228例)であった。
副作用発現頻度は5.3%(12/228例)であった。主な副作用は、肛門部不快感2.2%(5/228例)、下痢1.8%(4/228例)及び腹部不快感0.9%(2/228例)であった。
注1)本剤の成人における承認用量はドンペリドンとして1回60mgを1日2回である。
17.1.2 国内臨床試験(小児)
各種疾患及び抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器系不定愁訴をもつ患児210例を対象に、本剤1日1~4回(ドンペリドンとして1回10~30mg)注2)を1~8日間、直腸内に投与したとき、総有効率は76.2%(160/210例)であった。疾患別の有効率は、周期性嘔吐症88.6%(31/35例)、上気道感染症79.3%(46/58例)、乳幼児下痢症74.6%(44/59例)及び抗悪性腫瘍剤投与時60.5%(23/38例)であった。
副作用発現頻度は2.4%(5/210例)であった。主な副作用は、腹痛1.9%(4/210例)であった。
注2)本剤の小児における承認用量はドンペリドンとして1回10mg(3才未満)又は30mg(3才以上)を1日2~3回である。

18.1 作用機序
上部消化管並びにCTZ(化学受容器引き金帯)に作用し、抗ドパミン作用により薬効を発現する。
18.2 消化管運動に及ぼす作用
18.2.1 胃運動促進作用
収縮頻度やトーヌスに影響を及ぼさず、胃の律動的な収縮力を長時間(約2時間)増大した(イヌ)。
18.2.2 胃・十二指腸協調運動促進作用
胃の自動運動を増大させると同時に、胃前庭部‐十二指腸協調運動を著明に促進した(モルモット摘出胃)。
18.2.3 胃排出能の正常化作用
各種上部消化管疾患患者を対象とした試験で、胃排出能遅延例(胃潰瘍症例を含む)に対しては促進的に、逆に亢進例に対しては抑制的に作用し、障害されている胃排出能を正常化した。
18.2.4 下部食道括約部圧(LESP)の上昇作用
本剤のLESP上昇作用はガストリンやコリン作動性薬剤に比べて長時間持続した(イヌ、ヒト)。
18.3 選択的な制吐作用
第4脳室底に位置するCTZの刺激を介して誘発される各種薬物(アポモルヒネ、レボドパ、モルヒネ等)による嘔吐を低用量で抑制した(イヌ)。なお、条件回避反応等の中枢神経系に対する作用のED50と制吐作用のED50との間には極めて大きな分離が認められ、選択的な制吐作用を示した。

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