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ペンタサ注腸1g

販売名
ペンタサ注腸1g
薬価
1g1個 363.70円
製造メーカー
杏林製薬

添付文書情報2024年05月改定(第4版)

商品情報

薬効分類名
他に分類されない消化器官用薬
一般名
メサラジン注腸剤
禁忌
2.1. 重篤な腎障害のある患者〔9.2.1参照〕。
2.2. 重篤な肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者〔8.1参照〕。
2.4. サリチル酸エステル類又はサリチル酸塩類に対する過敏症の既往歴のある患者[交叉アレルギーを発現するおそれがある]。
効能・効果
潰瘍性大腸炎<重症を除く>。
(効能又は効果に関連する注意)
脾彎曲部より口側の炎症には効果が期待できない〔16.8参照〕。
用法・用量
通常、成人には1日1個(メサラジンとして1g)を、直腸内注入する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤をメサラジン経口剤と併用する場合には、メサラジンとしての総投与量が増加することを考慮し、特に肝機能低下又は腎機能低下している患者並びに高齢者等への投与に際しては十分に注意すること(併用時に異常が認められた場合には、減量又は中止する等の適切な処置を行うこと)〔9.2.2、9.3.2、9.8高齢者の項参照〕。
肝機能障害患者
8.1. メサラジンにより過敏症状(発熱、腹痛、下痢、好酸球増多等)が発現することがあり、また、潰瘍性大腸炎が悪化することがあるため、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔2.3参照〕。
8.2. メサラジン錠において、間質性腎炎が報告されているため、投与中はクレアチニン等の腎機能をモニターする等、患者の状態を十分に観察すること〔9.2.2、11.1.3参照〕。
8.3. 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少症があらわれることがあるので、投与期間中は血液検査等を行うこと〔11.1.4参照〕。
8.4. メサラジン錠において、肝炎、肝機能障害、黄疸が報告されているため、投与中はAST、ALT等の肝機能をモニターする等、患者の状態を十分に観察すること〔9.3.2、11.1.5参照〕。
8.5. 膵炎があらわれることがあるので、投与期間中は血清アミラーゼの検査等を行うこと〔11.1.6参照〕。
9.1.1. サラゾスルファピリジンに対する過敏症のある患者:メサラジン錠をサラゾスルファピリジンでアレルギー症状がみられた患者に投与したところ、国内の臨床試験で39例中3例(7.7%)、外国において43例中2例(4.7%)に同様のアレルギー症状が認められたため、サラゾスルファピリジンでアレルギー症状がみられた患者に本剤を投与する場合は注意すること。
9.2.1. 重篤な腎障害のある患者:投与しないこと(腎障害がさらに悪化するおそれがある)〔2.1参照〕。
9.2.2. 腎機能低下<重篤な腎障害を除く>している患者:排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがある〔7.1、8.2参照〕。
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(肝障害がさらに悪化するおそれがある)〔2.2参照〕。
9.3.2. 肝機能低下<重篤な肝障害を除く>している患者:代謝が遅延し副作用があらわれるおそれがある〔7.1、8.4参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:1). 利尿剤(フロセミド、スピロノラクトン、トリクロルメチアジド等)、ステロイド剤(プレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン等)[臨床検査値(尿量、尿中ナトリウム、カリウム及び塩素イオン)の変動に注意する(動物実験(ラット)で、メサラジンの大量投与(300mg/kg)により、尿量及び尿中ナトリウム、カリウム及び塩素イオンの排泄増加がみられる)]。
2). アザチオプリン、メルカプトプリン[骨髄抑制があらわれるおそれがある(本剤は、チオプリンメチルトランスフェラーゼ活性を抑制するなど、これらの薬剤の代謝を阻害するとの報告がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 間質性肺疾患(頻度不明):間質性肺疾患(好酸球性肺炎、肺胞炎、肺臓炎、間質性肺炎等)が報告されているので、発熱、咳、呼吸困難、胸部X線異常等があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
11.1.2. 心筋炎、心膜炎、胸膜炎(いずれも頻度不明):胸水、胸部痛、心電図異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.3. 間質性腎炎、ネフローゼ症候群、腎機能低下、急性腎障害(いずれも頻度不明)〔8.2参照〕。
11.1.4. 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少症(いずれも頻度不明)〔8.3参照〕。
11.1.5. 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):肝炎、AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔8.4参照〕。
11.1.6. 膵炎(頻度不明)〔8.5参照〕。
11.1.7. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)。
11.1.8. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV-6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。
11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(1%以上)発疹、丘疹、蕁麻疹、紅斑、(0.01%未満)脱毛、(頻度不明)皮膚そう痒感。
2). 消化器:(1%以上)下痢、腹痛、嘔気、嘔吐、(0.01~1%未満)*血便、*下血[*:国内でペンタサ錠250mg・500mgにおいて認められた副作用]、アミラーゼ上昇、*腹部膨満感、*便秘、*粘液便[*:国内でペンタサ錠250mg・500mgにおいて認められた副作用]、(頻度不明)食欲不振、口内炎、便の変色(便の黒色変色等)。
3). 肝臓:(0.01%未満)AST上昇・ALT上昇・γ-GTP上昇・Al-P上昇・ビリルビン上昇等の肝機能異常。
4). 腎臓:(0.01~1%未満)*尿着色[*:国内でペンタサ錠250mg・500mgにおいて認められた副作用]、(0.01%未満)クレアチニン上昇・尿中NAG上昇・尿中ミクログロブリン上昇・尿蛋白等の腎機能異常。
5). 血液:(0.01%未満)白血球減少、貧血、好酸球増多。
6). その他:(1%以上)頭痛、(0.01~1%未満)*CK上昇[*:国内でペンタサ錠250mg・500mgにおいて認められた副作用]、(0.01%未満)筋肉痛、関節痛、ループス様症候群、(頻度不明)発熱、浮腫、全身倦怠感、めまい、末梢神経障害、肛門部位疼痛、肛門部位のかゆみ、不快感、便意切迫、胸部痛、頚部痛、CRP上昇。
副作用頻度は、国内のペンタサ錠250mg・500mgの臨床成績及び市販後調査結果、又は外国における市販後調査結果(経口剤、注腸剤、坐剤を区別していない)。
高齢者
減量するなど慎重に投与すること(一般に生理機能(腎機能、肝機能等)が低下している)〔7.1参照〕。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。メサラジンの動物実験(ラット)では催奇形性は認められていない。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. 本剤はポリエチレン製の容器に入った液剤で、窒素充填したアルミの袋に入っているので、使用直前に袋から取り出して使用するよう患者に指導すること〔20.取扱い上の注意の項参照〕。
14.1.2. 使用方法(1). アルミ袋から取り出し、容器をよく振る。
(2). 容器のノズル部分を1回転させて、容器を開封する(開封時に容器を強く握りしめると、薬液が飛び出すことがあるので、軽く包み込むように持つ)。
(3). 左側臥位になり、肛門からノズルをゆっくりと挿入する(直腸粘膜を傷つけるおそれがあるので、慎重に挿入する)。
(4). ノズルを挿入後、容器を徐々に握りしめながら、薬液をゆっくりと注入する。
(5). 薬液を注入後、容器を握りしめたままゆっくりとノズルを抜き取る。
14.1.3. メサラジンは光及び酸素の影響で分解されやすいため、アルミ袋を開封したものは保存できない〔20.取扱い上の注意の項参照〕。
14.1.4. 本品は白色~微黄色の懸濁液である。メサラジンは酸化により分解されやすく有色の分解物を生成するため、上澄液が無色~微黄色の範囲を超えて着色したものは使用しないこと。
14.2. 薬剤投与後の注意メサラジン又はその代謝物を含む尿は、次亜塩素酸塩を含有する漂白剤と接触することにより赤褐色に変色することがある。
アルミ袋開封後は、速やかに使用すること〔14.1.1、14.1.3参照〕。

16.1 血中濃度
潰瘍性大腸炎患者9例にメサラジン注腸剤100mL(メサラジンとして1g含有)を単回経直腸投与したとき、血漿中未変化体及び代謝物であるN‐アセチルメサラジン(アセチル体)は投与後3時間にそれぞれ0.35μg/mL(中央値、範囲0.1~1.77μg/mL)及び0.55μg/mL(中央値、範囲0.33~1.49μg/mL)の最高血漿中濃度に達した(外国人データ)。
16.3 分布
蛋白結合率はメサラジンで約70%、アセチル体で約88%であった(in vitro)。
16.4 代謝
メサラジンは全身に分布するN‐アセチルトランスフェラーゼによって生体内でアセチル体に代謝される。
16.5 排泄
潰瘍性大腸炎患者9例にメサラジン注腸剤100mL(メサラジンとして1g含有)を単回経直腸投与したときの投与後48時間までの排泄率は、尿中では未変化体は検出せず、アセチル体が35%(中央値、範囲20~79%)であり、糞中では未変化体が26%(中央値、範囲18~43%)、アセチル体が2%(中央値、範囲0.1~6%)であった(外国人データ)。
16.8 その他
99mTcで標識したメサラジン注腸剤1g/100mLを健康成人8名に経直腸投与したときの腸内での最遠到達部位と移行量を調べた。1名では直腸とS状結腸に滞留し、7名では脾彎曲部まで達し、そのうち4名は横行結腸まで到達した(外国人データ)。[5.参照]

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 ステロイド注腸剤との比較試験(海外第III相試験)
デンマークの7施設で活動期の軽~中等症の潰瘍性大腸炎患者を対象に、プレドニゾロン注腸剤との二重盲検比較試験(解析症例114例)が実施された。メサラジン注腸剤の用量は1g/100mL、プレドニゾロン注腸剤は25mg/100mLで1日1回、4週間投与した。
(1)有効性
臨床判定及びS状結腸鏡判定を総合した概括判定において、寛解又は改善率はメサラジン群77%、プレドニゾロン群72%であり、両薬剤間の有効性は同等であった。
(2)安全性
本臨床試験に参加した123例において、メサラジン群13例(21.3%)、プレドニゾロン群6例(9.7%)に副作用が報告されたが、この差異は統計学的に有意ではなかった。メサラジン群で発現した副作用では腹部膨満及び仙痛が各3例(4.9%)と高頻度であった。
17.1.2 用量(濃度)比較試験(海外第II相試験)
アメリカの18施設で活動期の軽~中等症の潰瘍性大腸炎患者を対象に、プラセボ対照の二重盲検比較試験(解析症例計287例)が実施された。メサラジン注腸剤の用量は1、2、4g/100mL注)で、1日1回、8週間投与した。
(1)有効性
・医師による概括判定
改善効果を認めた患者がプラセボ群では27%であったのに対し、1g/100mL群では67%、2g/100mL群では65%、4g/100mL群では75%であり、いずれの用量でもプラセボに対し有意に高い治療効果を示した。しかし、メサラジン注腸剤群間での有意な差は認められなかった。
・内視鏡スコア
プラセボ群では1.8ポイントの改善であったのに対し、1g/100mL群では5.8ポイント、2g/100mL群では5.9ポイント、4g/100mL群では6.4ポイントの改善といずれも有意な改善効果を示した。しかし、メサラジン注腸剤群間には有意な差は認められなかった。
(2)安全性
副作用がプラセボ群で10%に見られたのに対し、メサラジン注腸剤群では14%であり、用量依存的な変動も認められなかった。
注)本剤の承認用量は1日1個(メサラジンとして1g)である。

18.1 作用機序
本剤の主な作用機序として活性酸素消去作用、ロイコトリエンB4(LTB4)生合成抑制作用、ホスホリパーゼD活性化作用、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPAR‐γ)活性化作用、核内因子κB(NF‐κB)活性化抑制作用、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用、血小板活性化因子(PAF)生合成抑制作用、インターロイキン‐1β(IL‐1β)産生抑制作用が考えられている。
18.2 活性酸素に対する作用
in vitroにおいてフリーラジカル(DPPHL)還元作用、過酸化水素消去作用、次亜塩素酸イオン消去作用、過酸化脂質抑制作用(in vitro、in vivo)が認められた。
18.3 LTB4に対する作用
ラット好中球でのLTB4生合成を抑制した(in vitro)。
18.4 動物モデルに対する効果
18.4.1 ラットの酢酸誘発潰瘍性大腸炎モデルにおいてメサラジンの注腸投与をしたところ、6.25mg/kgから有意な潰瘍面積の抑制効果が認められた。
18.4.2 ラットのTNBS誘発大腸炎モデルにおいてメサラジンの注腸投与をしたところ、25.0mg/kgで有意な障害抑制効果が認められた。

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