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ソグルーヤ皮下注5mg

販売名
ソグルーヤ皮下注5mg
薬価
5mg1.5mL1キット 26238.00円
製造メーカー
ノボ ノルディスク ファーマ

添付文書情報2023年06月改定(第3版)

商品情報

薬効分類名
脳下垂体前葉ホルモン製剤
一般名
ソマプシタン(遺伝子組換え)キット
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 悪性腫瘍のある患者[成長ホルモンが細胞増殖作用を有するため]。
2.3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
効能・効果
1). 成人成長ホルモン分泌不全症<重症に限る>。
2). 骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈成人成長ホルモン分泌不全症〉本剤の適用は、成人成長ホルモン分泌不全症と診断された患者のうち、重症の基準に該当する患者に限定すること。診断及び重症の基準は、最新の「厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 成人成長ホルモン分泌不全症の診断と治療の手引き」の病型分類を参照すること。
5.2. 〈成長ホルモン分泌不全性低身長症〉本剤の適用は、成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断された患者に限定すること。診断にあたっては、最新の「厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 成長ホルモン分泌不全性低身長症の診断と治療の手引き」を参照すること。
用法・用量
〈成人成長ホルモン分泌不全症〉
通常、ソマプシタン(遺伝子組換え)として1.5mgを開始用量とし、週1回、皮下注射する。なお、開始用量は患者の状態に応じて適宜増減する。その後は、患者の臨床症状及び血清インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度等の検査所見に応じて適宜増減するが、最高用量は8.0mgとする。
〈成長ホルモン分泌不全性低身長症〉
通常、ソマプシタン(遺伝子組換え)として0.16mg/kgを、週1回、皮下注射する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉本剤は週1回投与する薬剤であり、同一曜日に投与させること。
7.2. 〈効能共通〉投与を忘れた場合は、あらかじめ定めた投与日から3日以内であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与し、投与日から3日を超えていれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。なお、週1回投与の定めた曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも4日間以上間隔を空けること。
7.3. 〈成人成長ホルモン分泌不全症〉開始用量は、患者の年齢、性別、合併症等の患者の状態に応じて適宜増減すること。通常は1.5mgから投与を開始するが、成人成長ホルモン分泌不全症で60歳超の患者では1.0mgを目安に投与を開始、成人成長ホルモン分泌不全症で経口エストロゲン服用中の女性患者では2.0mgを目安に投与を開始すること。成人成長ホルモン分泌不全症で中等度肝機能障害患者では、低用量から投与を開始する等、慎重に投与すること〔9.3.2、9.8高齢者の項、10.2参照〕。
7.4. 〈成人成長ホルモン分泌不全症〉投与量は、臨床症状及び血清IGF-1濃度により調整し、投与開始後、2~4週間に1回を目安に投与量の調整を行い、増量する場合は1回あたり0.5mg~1.5mgを目安とし、その後も定期的に血清IGF-1濃度を測定し、血清IGF-1濃度が基準範囲上限を超えないようにする(副作用の発現や血清IGF-1濃度が基準範囲上限を超えた場合は、投与量の減量、一時的な投与中止等、適切な処置を行うこと)〔8.5、8.7、17.1.1、17.1.2参照〕。
7.5. 〈成人成長ホルモン分泌不全症〉加齢に伴い生理的な成長ホルモンの分泌量や血清IGF-1濃度が低下することが知られているので、本剤投与による症状の改善が認められなくなる、かつ本剤を投与しなくても血清IGF-1濃度が基準範囲内にある場合は、投与中止を考慮すること。
肝機能障害患者
8.1. 〈効能共通〉成長ホルモンは、インスリン感受性を低下させるため、本剤の投与により血糖値上昇、HbA1c上昇があらわれることがある(定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、異常が認められた場合は、投与量の減量又は一時的な投与中止等、適切な処置を行うこと)〔9.1.1、11.1.2参照〕。
8.2. 〈効能共通〉甲状腺機能低下顕在化又は甲状腺機能低下悪化する可能性があるので、甲状腺機能を定期的に検査すること。必要に応じて、適切な治療を行うこと〔10.2参照〕。
8.3. 〈効能共通〉本剤の投与により良性頭蓋内圧亢進症状悪化又は良性頭蓋内圧亢進症状再発する可能性があるので、患者の状態を十分に観察すること(視覚異常、頭痛、悪心又は嘔吐が認められた場合は、本剤の投与を中止するか、投与量を減量するとともに、視神経乳頭浮腫の有無を確認するために眼底検査の実施を検討すること)。
8.4. 〈効能共通〉本剤の投与中に副腎皮質機能低下し、血清コルチゾール値低下や中枢性副腎皮質機能低下症顕在化(二次性副腎皮質機能低下症顕在化)することがあるので、患者の状態を十分に観察すること〔10.2参照〕。
8.5. 〈効能共通〉本剤と本剤以外のホルモン剤を併用する場合には、併用するホルモン剤が血清IGF-1濃度に影響を及ぼすことがあるので、慎重に血清IGF-1濃度をモニタリングすること〔7.4、10.2参照〕。
8.6. 〈効能共通〉本剤の自己注射にあたっては、次の点に留意すること。
・ 〈効能共通〉本剤の自己注射にあたっては、投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
・ 〈効能共通〉本剤の自己注射にあたっては、全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
・ 〈効能共通〉本剤の自己注射にあたっては、添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導すること。
8.7. 〈成人成長ホルモン分泌不全症〉本剤の投与により浮腫、関節痛等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合は投与量の減量又は投与中止を考慮すること〔7.4参照〕。
8.8. 〈成人成長ホルモン分泌不全症〉本剤の治療は、内分泌専門医もしくはその指導の下で行うこと。
8.9. 〈成長ホルモン分泌不全性低身長症〉本剤の投与中は、血清IGF-1濃度が基準範囲上限を超えないよう、定期的に検査を実施し、必要な場合は投与量の減量を考慮すること。
9.1.1. 糖尿病患者、耐糖能異常のある患者又は糖尿病の危険因子を持つ患者:糖尿病患者では、投与開始前に血糖(血糖値、HbA1c等)及び糖尿病合併症(糖尿病網膜症等)の病勢をコントロールしておき、投与開始後は定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、また、糖尿病合併症(糖尿病網膜症等)を含め、患者の状態を注意深く観察し、必要に応じて、糖尿病用薬の投与量の調整を行うこと(投与開始後に糖尿病症状顕在化又は糖尿病症状悪化が認められた場合は、本剤の投与量の減量又は一時的な投与中止等、適切な処置を行うこと)。
耐糖能異常のある患者又は糖尿病の危険因子を持つ患者(肥満、家族歴に糖尿病を持つ患者等)では、慎重に観察すること(糖尿病が顕在化することがある)〔8.1、10.2、11.1.2参照〕。
9.1.2. 脳腫瘍の既往のある患者:定期的に画像診断を実施し、脳腫瘍の発現や再発の有無を注意深く観察すること(成長ホルモンは、細胞増殖作用を有するため、国内及び海外臨床試験において成長ホルモン投与後に脳腫瘍再発が報告されている)。
9.1.3. 心疾患を有する患者:ときに一過性浮腫があらわれることがある。
成人成長ホルモン分泌不全症で腎機能障害患者では、低用量での治療が望ましい(本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)。重度腎機能障害(eGFRが30mL/min/1.73㎡未満)の患者は有効性及び安全性を指標とした臨床試験では除外されている〔16.6.1参照〕。
9.3.1. 重度<Child-Pugh 分類クラスC>の肝機能障害患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(重度の肝機能障害患者は臨床試験では除外されている)。
9.3.2. 中等度(Child-Pugh 分類クラスB)の肝機能障害患者:成人成長ホルモン分泌不全症で中等度肝機能障害(成人成長ホルモン分泌不全症でChild-Pugh分類クラスBの肝機能障害)では、通常用量(1.5mg)より低用量から投与を開始する等、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、中等度の肝機能障害患者は有効性及び安全性を指標とした臨床試験では除外されている)〔7.3、16.6.2参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:1). 主にCYP3Aで代謝される薬剤(性ホルモン製剤、抗てんかん薬、シクロスポリン等)[これらの薬剤の血中濃度が低下し作用が減弱することがあるので、これらの薬剤の用量に注意すること(成長ホルモンがCYP3Aにより代謝される化合物のクリアランスを増加させる可能性があるため)]。
2). 糖質コルチコイド:①. 糖質コルチコイド〔8.4参照〕[血清コルチゾール濃度が低下することがあるので、糖質コルチコイドの用量に注意すること(成長ホルモンが11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD-1)を抑制することにより、コルチゾンからコルチゾールへの変換を減少させるため)]。
②. 糖質コルチコイド〔8.4参照〕[成長ホルモンの成長促進作用が抑制されることがある(糖質コルチコイドが成長抑制作用を有するため)]。
3). 経口エストロゲン〔7.3、8.5参照〕[成長ホルモンの作用が抑制されることがあるので、成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)の患者では本剤の増量を検討すること(エストロゲンがIGF-1産生を抑制するため)]。
4). 糖尿病用薬(インスリン製剤、ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤等)〔9.1.1参照〕[本剤投与により、血糖値が上昇することがあるので、定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、これらの薬剤の投与量の調整を行うこと(成長ホルモンがインスリン感受性を低下させるため)]。
5). 甲状腺ホルモン〔8.2参照〕[本剤投与により甲状腺機能低下が顕在化又は悪化することがあるので、甲状腺ホルモンの用量に注意すること(成長ホルモンの投与により、中枢性(二次性)甲状腺機能低下症があらわれることがあるため)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 甲状腺機能亢進症(頻度不明)。
11.1.2. 糖尿病(頻度不明):耐糖能低下があらわれ、糖尿病を発症することがある〔8.1、9.1.1参照〕。
11.1.3. 痙攣(頻度不明)。
11.1.4. ネフローゼ症候群(頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 〈成人成長ホルモン分泌不全症〉①. 〈成人成長ホルモン分泌不全症〉内分泌障害:(頻度不明)副腎皮質機能不全。
②. 〈成人成長ホルモン分泌不全症〉代謝及び栄養障害:(1%未満)高リン酸塩血症、(頻度不明)高血糖。
③. 〈成人成長ホルモン分泌不全症〉神経系障害:(1%以上)頭痛、浮動性めまい、感覚鈍麻、(1%未満)錯感覚、(頻度不明)手根管症候群。
④. 〈成人成長ホルモン分泌不全症〉胃腸障害:(1%未満)下痢。
⑤. 〈成人成長ホルモン分泌不全症〉皮膚及び皮下組織障害:(1%未満)脂肪肥大症。
⑥. 〈成人成長ホルモン分泌不全症〉筋骨格系及び結合組織障害:(1%以上)関節痛。
⑦. 〈成人成長ホルモン分泌不全症〉全身障害及び投与部位状態:(1%以上)疲労、末梢性浮腫、(1%未満)無力症、注射部位反応。
⑧. 〈成人成長ホルモン分泌不全症〉臨床検査:(1%以上)体重増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、(1%未満)グリコヘモグロビン増加。
2). 〈成長ホルモン分泌不全性低身長症〉①. 〈成長ホルモン分泌不全性低身長症〉内分泌障害:(1%未満)甲状腺機能低下症、(頻度不明)副腎皮質機能不全。
②. 〈成長ホルモン分泌不全性低身長症〉代謝及び栄養障害:(1%以上)高血糖。
③. 〈成長ホルモン分泌不全性低身長症〉神経系障害:(1%以上)頭痛。
④. 〈成長ホルモン分泌不全性低身長症〉胃腸障害:(1%以上)嘔吐。
⑤. 〈成長ホルモン分泌不全性低身長症〉筋骨格系及び結合組織障害:(1%以上)四肢痛、関節痛。
⑥. 〈成長ホルモン分泌不全性低身長症〉全身障害及び投与部位状態:(1%以上)疲労、注射部位内出血、注射部位疼痛、注射部位血腫、(頻度不明)末梢性浮腫、注射部位腫脹。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多く、また、成人成長ホルモン分泌不全症患者における成長ホルモン維持用量は加齢に伴い減少することが報告されている)〔7.3参照〕。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(ラットでは、成人成長ホルモン分泌不全症に対する本剤の最大臨床用量における推定曝露量の5倍で胎仔重量高値(5%)、260倍で胎仔長骨短小、胎仔長骨肥厚及び胎仔長骨彎曲及び胎仔肋骨肥厚及び胎仔肋骨彎曲が認められている)〔2.3参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ラットにおいて、最大で血漿中濃度の50%のソマプシタン関連物質が母乳中に認められたが、出生仔動物における血漿中本薬濃度は定量下限未満であり、母動物における血漿中濃度の1/250以下であり、ヒトでの乳汁移行に関するデータ及びヒトの哺乳中の児への影響に関するデータはない)。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 投与時(1). 本剤はJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。本剤はA型専用注射針との適合性の確認をペンニードルで行っている。
(2). 本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を患者に十分指導すること。
(3). 1本の本剤を複数の患者に使用しないこと。
(4). カートリッジにひびが入っている場合又は使用中に液が変色した場合は使用しないこと。
(5). 投与量が1回に設定できる量を超える場合は、複数回に分けて投与を行う(1回の最大設定量は、2mgである)。
14.1.2. 投与部位:上腕・大腿部・腹部・臀部に皮下注射すること。注射箇所は毎回変更し、同一部位に短期間に繰り返し注射しないこと。
14.1.3. その他(1). 他の医薬品と混合しないこと。
(2). 注射後には、注射針は廃棄する(注射針は毎回新しいものを、必ず注射直前に取り付ける)。
凍結を避け冷蔵庫(2~8℃)で保管し、使用開始後は6週間以内に使用する(冷蔵庫で保管ができない場合、使用開始前後にかかわらず一時的に室温で保管できるが、キャップ等で遮光して通算3日間(72時間)まで)とすること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 小児がんの既往を有する患者にヒト成長ホルモンを投与した場合、二次性腫瘍の発現リスクが上昇するとの報告がある。
15.1.2. ヒト成長ホルモンと白血病の因果関係は明らかではないが、ヒト成長ホルモンの投与を受けた患者に白血病があらわれたとの報告があるので、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、白血病を発生しやすい先天異常、悪性腫瘍を発生しやすい先天異常、免疫不全症候群等の基礎疾患のある患者、脳腫瘍などによる放射線治療歴のある患者、抗がん薬投与歴や免疫抑制薬投与歴のある患者、治療開始時の血液像に異常がある患者に投与する場合には、特に患者の状態を観察すること。

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人被験者を対象とした皮下投与
日本人健康成人男性被験者24例に本薬0.02、0.08、0.16及び0.24mg/kgを週1回反復皮下投与したときの投与1週目及び4週目における薬物動態パラメータ及び投与4週目の平均血清中濃度-時間推移を次に示す。投与4週目におけるAUC0-168hの累積率(平均値)は1.3~2.9であった。

<投与4週目の平均血清中本薬濃度-時間推移>
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16.1.2 成人成長ホルモン分泌不全症患者を対象とした皮下投与
成人成長ホルモン分泌不全症患者22例に本薬0.02、0.04、0.08及び0.12mg/kgを週1回反復皮下投与したときの投与4週目における薬物動態パラメータを次に示す。本薬の曝露量は、本薬投与後1~2週間で定常状態に達したと考えられた。投与4週目におけるAUC0-168hの累積率(平均値)は1.0~2.0であった。また、成人成長ホルモン分泌不全症患者8例aにノルディトロピン(平均用量:0.004mg/kg)を1日1回反復皮下投与したときの投与22日目におけるAUC0-24h(幾何平均値)は17ng・h/mL、Cmax(幾何平均値)は1.5ng/mL、tmax(中央値)は2.8時間、終末相における半減期(幾何平均値)は6.8時間であった(外国人データ)。
a:終末相における半減期は7例。
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16.1.3 成長ホルモン分泌不全性低身長症患者を対象とした皮下投与
成長ホルモン分泌不全性低身長症患者24例(年齢範囲:6~11歳)に本薬0.02、0.04、0.08及び0.16mg/kgを単回皮下投与したときの薬物動態パラメータを次に示す。また、成長ホルモン分泌不全性低身長症患者8例aにノルディトロピン0.03mg/kgを1日1回7日間反復皮下投与したときの投与後1日目におけるAUC0-24h(幾何平均値)は108ng・h/mL、Cmax(幾何平均値)は10.6ng/mL、tmax(中央値)は4.0時間、終末相における半減期(幾何平均値)は4.9時間であった(外国人データ)。
a:終末相における半減期は6例。
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16.3 分布
本薬の血漿タンパクに対するin vitro結合率は99%超であった。
成人成長ホルモン分泌不全症患者330例から得られた血清中本薬濃度に基づく母集団薬物動態解析及び成長ホルモン分泌不全性低身長症患者210例から得られた血清中本薬濃度に基づく母集団薬物動態解析の結果、分布容積(V/F)は成人成長ホルモン分泌不全症患者で14.6L、成長ホルモン分泌不全性低身長症患者で1.7Lと推定された。
16.4 代謝
健康成人男性被験者7例に放射能標識した本薬を単回皮下投与したとき、本薬は排泄前に広範に代謝され、尿及び糞中に未変化体は確認されず、代謝物が尿中に81%、糞中に13%確認された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者
腎機能障害の程度の異なる被験者〔糸球体濾過量(GFR)の測定値に基づいて分類〕における本薬0.08mg/kgを週1回反復皮下投与したときの定常状態(投与3回目)での薬物動態を、腎機能が正常な被験者(GFR90mL/min以上)と比較検討した結果を次に示す。また、腎機能が正常な被験者に対するIGF‐IのAUC0-168hの比の推定値は、それぞれ1.14(軽度)、1.35(中等度)、1.40(重度)及び1.24(血液透析を必要とする被験者)であった(外国人データ)。[9.2参照]
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16.6.2 肝機能障害者
肝機能障害の程度の異なる被験者(Child‐Pugh scoresに基づいて分類)における本薬0.08mg/kgを週1回反復皮下投与したときの定常状態(投与3回目)での薬物動態を、肝機能が正常な被験者と比較検討した結果を次に示す。また、肝機能が正常な被験者に対するIGF‐IのAUC0-168hの比の推定値は、0.85(軽度)及び0.75(中等度)であった(外国人データ)。[9.3参照]
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16.8 その他
16.8.1 成人成長ホルモン分泌不全症患者を対象とした皮下投与
成人成長ホルモン分泌不全症患者22例に本薬0.02、0.04、0.08及び0.12mg/kgを週1回反復皮下投与したときの投与4週目における薬力学パラメータを次に示す。また、成人成長ホルモン分泌不全症患者8例にノルディトロピン(平均用量:0.004mg/kg)を1日1回反復皮下投与したときの投与4週目におけるIGF‐IのAUC0-168h(幾何平均値)は28502ng・h/mL、IGF‐IのCmax(幾何平均値)は191.4ng/mL、IGF‐Iのtmax(中央値)は83.9時間であった(外国人データ)。
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16.8.2 成長ホルモン分泌不全性低身長症患者を対象とした皮下投与
成長ホルモン分泌不全性低身長症患者24例(年齢範囲:6~11歳)に本薬0.02、0.04、0.08及び0.16mg/kgを単回皮下投与したときの薬力学パラメータを次に示す。また、成長ホルモン分泌不全性低身長症患者8例にノルディトロピン0.03mg/kgを1日1回7日間反復皮下投与したときの投与後1日目におけるIGF‐IのAUC0-24h(幾何平均値)は34989ng・h/mL、IGF‐IのCmax(幾何平均値)は244.8ng/mL、IGF‐Iのtmax(中央値)は95.1時間であった(外国人データ)。
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17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈成人成長ホルモン分泌不全症〉
17.1.1 国際共同第III相試験
(1)主要試験期間
ヒト成長ホルモン製剤で未治療の重症成人成長ホルモン分泌不全症患者300例を対象として35週間(1週間の後観察期間を含む)のプラセボ対照(二重盲検)及び実薬対照(非盲検)試験を実施した〔本剤週1回投与群120例(日本人18例)、プラセボ週1回投与群61例(日本人10例)及びノルディトロピン1日1回投与群119例(日本人18例)〕。本剤及びノルディトロピンの開始用量は次のとおりとした。投与開始後8週間は用量調整期間とされ、IGF‐I SDスコアの目標値(-0.5超1.75以下)に従って、用量調整する日の前の投与(ノルディトロピンは用量調整する日の1週間前の投与)から3日後に測定したIGF‐I値に基づき、本剤は0.1~8.0mg、ノルディトロピンは0.05~1.1mg(日本人は0.05~1.0mg)の範囲で2週毎に投与量が調整された。
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主要評価項目〔躯幹部体脂肪率(%)のベースラインから投与後34週までの変化量(DXAにより測定)〕は次のとおりであり、本剤週1回投与のプラセボに対する優越性が検証された〔群差(本剤群-プラセボ群)の両側95%信頼区間の上限が0未満〕。
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投与後34週における体組成に関連するパラメータ及びIGF‐I SDスコアは次のとおりである。
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本剤週1回投与群の安全性プロファイルは、ノルディトロピン1日1回投与群と同様であり、特別な安全性の懸念はみられなかった。プラセボ週1回投与群の副作用の発現頻度は本剤週1回投与群及びノルディトロピン1日1回投与群と比較して低かった。本剤週1回投与群において高頻度(3%以上)で報告された副作用は、頭痛(5.0%、6/120例)及び関節痛(3.3%、4/120例)であった。
(2)延長期間
35週間の主要試験期間を完了した重度成人成長ホルモン分泌不全症患者272例が、53週間(全投与期間:86週)の延長期間(非盲検)に移行した。プラセボ週1回投与群の被験者は本剤週1回投与群に移行し、ノルディトロピン1日1回投与群の被験者は本剤週1回投与群又はノルディトロピン1日1回投与群のいずれかに再度無作為割り付けされた。本剤週1回投与群の被験者は、延長期間でも本剤の投与を継続した〔本剤週1回投与継続群114例(日本人18例)、ノルディトロピン1日1回投与継続群52例(日本人9例)、プラセボ週1回投与から本剤週1回投与移行群55例(日本人10例)及びノルディトロピン1日1回投与から本剤週1回投与移行群51例(日本人8例)〕。本剤及びノルディトロピンの開始用量及び用量調整方法は主要試験期間と同様であった。投与後87週までにおける躯幹部体脂肪率(%)及びIGF‐I SDスコアは次のとおりである。
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本剤週1回投与継続群の安全性プロファイルは、ノルディトロピン1日1回投与継続群と同様であり、特別な安全性の懸念はみられなかった。本剤週1回投与継続群において高頻度(3%以上)で報告された副作用は、頭痛(5.0%、6/120例)、末梢性浮腫(4.2%、5/120例)及び関節痛(3.3%、4/120例)であった。[7.4参照]
17.1.2 国内第III相試験
ヒト成長ホルモン製剤で治療中の日本人重症成人成長ホルモン分泌不全症患者62例を対象として53週間(1週間の後観察期間を含む)の非盲検、実薬対照試験を実施した(本剤週1回投与群46例及びノルディトロピン1日1回投与群16例)。本剤及びノルディトロピンの開始用量は17.1.1国際共同第III相試験と同様である。投与開始後20週間は用量調整期間とされ、IGF‐I SDスコアの目標値(0超2以下)に従って、用量調整する日の前の投与(ノルディトロピンは用量調整する日の1週間前の投与)から3日後に測定したIGF‐I値に基づき、本剤は0.1~8.0mg、ノルディトロピンは0.05~1.0mgの範囲で4週毎に投与量が調整された。投与後52週における脂肪組織パラメータ(CTスキャンにより測定)及びIGF‐I SDスコアは次のとおりである。
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本剤週1回投与群の安全性プロファイルは、ノルディトロピン1日1回投与群と同様であり、特別な安全性の懸念はみられなかった。本剤週1回投与群において高頻度(3%以上)で報告された副作用は、上咽頭炎(4.3%、2/46例)及び関節痛(4.3%、2/46例)であった。[7.4参照]
〈成長ホルモン分泌不全性低身長症〉
17.1.3 国際共同第III相試験
ヒト成長ホルモン製剤で未治療の成長ホルモン分泌不全性低身長症患者200例(年齢範囲:2.5~11歳、平均年齢:6.4歳)を対象として52週間の実薬対照(非盲検)試験を実施した〔本剤0.16mg/kg週1回投与群132例(日本人19例)及びノルディトロピン0.034mg/kg1日1回投与a群68例(日本人11例)〕。
52週間の主要試験期間を完了した患者199例が、52週間の安全性延長期間に移行した(全投与期間:104週)。ノルディトロピン0.034mg/kg1日1回投与群の被験者は、本剤0.16mg/kg週1回投与に切り替え、本剤0.16mg/kg週1回投与群の被験者は、本剤の投与を継続した〔本剤週1回投与継続群131例(日本人19例)及びノルディトロピン1日1回投与から本剤週1回投与移行群68例(日本人11例)〕。
a:ノルディトロピンの承認用法・用量は、1週間に体重kgあたり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.175mgである。
主要評価項目〔52週の年間成長速度(cm/年)〕は次のとおりであり、本剤のノルディトロピンに対する非劣性が検証された(非劣性マージン:-1.8cm/年)。投与後52週及び104週の身長に関する評価項目及びIGF‐I SDスコアの結果は次のとおりである。
→図表を見る(PDF)

本剤群の安全性プロファイルは、ノルディトロピン群と同様であり、特別な安全性の懸念はみられなかった。52週間の投与期間で本剤群において高頻度(3%以上)で報告された副作用は、頭痛(3.8%、5/132例)であった。104週間の投与期間で本剤継続群において高頻度(3%以上)で報告された副作用は、頭痛(4.5%、6/132例)及び四肢痛(3.8%、5/132例)であった。

18.1 作用機序
主に肝臓に働き、IGF‐I分泌を促進する。また、脂肪、筋肉、骨組織の成長ホルモン受容体を介して標的細胞に直接作用し、脂肪組織を減少させ、筋肉や骨組織の成長を刺激する。内因性アルブミンとの結合により、本薬の排出が遅延し、in vivoでの消失半減期(t1/2)が延長するため、その作用が持続化する。
18.2 体組成改善・身体成長促進作用
成長ホルモン分泌不全症に対しては、体組成(体脂肪量の減少、除脂肪体重の増加)及び代謝作用を正常化する。また、成長ホルモン欠損下垂体摘出ラットに本薬を週1回投与した結果、体重の増加、血中IGF‐I濃度の増加、除脂肪体重の増加、骨成長の促進、体脂肪量の減少等が認められた。

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