デスモプレシン静注4μg「フェリング」
添付文書情報2024年06月改定(第3版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 次記疾患の自然発生性出血、外傷性出血および抜歯時出血、手術時出血の止血管理:1)軽症血友病A・中等症血友病A(第8因子凝固活性が2%以上の患者)、2)Type1・Type2Aのvon Willebrand病。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤は、血液凝固因子を直接体内へ補充する血液製剤とは異なり、単回投与して体内に生産・貯蔵されている第8因子及びvon Willebrand因子を血中に放出させて止血をもたらすものであるため、したがって、第8因子を全く欠く患者、von Willebrand因子を全く欠く患者及び本剤を投与しても第8因子の明らかな活性増加が期待できない患者、von Willebrand因子の明らかな活性増加が期待できない患者へは使用しないこと。
- 用法・用量
- ・ 通常、デスモプレシン酢酸塩水和物として血友病Aは0.2~0.4μg/kgを、von Willebrand病は0.4μg/kgを生理食塩液約20mLに希釈し、10~20分かけて緩徐に静脈内投与する。
・ 本剤を術前に投与する場合は、予定される外科的処置の30分前に前記と同様の方法で静脈内投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
本剤は短期の止血に用いられるものであり、原則として反復、継続して使用しないこと(やむを得ず24時間以内に反復投与する場合は、反応性が減弱することがあるので、患者の反応性を十分観察すること)。
- 腎機能障害患者
- 8.1. 本剤の投与により軽度の血圧上昇及び心拍数増加を認めることがあるので観察を十分に行うこと。
8.2. 本剤の投与により、頭痛、冷感、嘔気等の水中毒症状を来すことがあるので、次の点に注意すること〔11.1.1参照〕。
・ 血清ナトリウム値をモニターすることが望ましい。
・ 過度の飲水を避け、点滴・輸液による水分摂取にも注意すること。
9.1.1. 高血圧を伴う循環器疾患、高度動脈硬化症、冠動脈血栓症、狭心症の患者:血圧上昇により症状を悪化させるおそれがある。
9.1.2. 下垂体前葉不全を伴う患者:水中毒等が発現しやすい〔11.1.1参照〕。
9.2.1. 慢性腎障害患者:症状が悪化するおそれがある。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). 昇圧剤[血圧が過度に上昇するおそれがある(本剤は弱い血圧上昇作用を有する)]。
2). 三環系抗うつ剤(イミプラミン塩酸塩等)〔11.1.1参照〕[低ナトリウム血症性の痙攣発作の報告があるので、血清ナトリウム、血漿浸透圧等をモニターすること(抗利尿ホルモンを分泌し、水分貯留のリスクを増すことがある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 脳浮腫、昏睡、痙攣等を伴う重篤な水中毒(頻度不明):異常が認められた場合には投与を中止し、高張食塩水の注入、フロセミドの投与等の適切な処置を行うこと〔8.2、9.1.2、10.2参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 代謝:(0.1~5%未満)口渇、低ナトリウム血症、(頻度不明)浮腫。
2). 精神神経系:(5%以上)頭痛、(0.1~5%未満)めまい、(頻度不明)強直性痙攣、眠気。
3). 過敏症:(頻度不明)全身そう痒感、じん麻疹、発疹。
4). 消化器:(0.1~5%未満)嘔気、(頻度不明)腹痛、嘔吐。
5). 循環器:(5%以上)顔面潮紅、熱感、のぼせ、(0.1~5%未満)結膜充血、動悸、徐脈、(頻度不明)顔面蒼白。
6). その他:(0.1~5%未満)乏尿、全身倦怠感、(頻度不明)投与部位の紅斑、腫脹又は灼熱感。
発現頻度は、使用成績調査を含む。
- 高齢者
- 症状を観察しながら慎重に投与すること(生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 9.5.1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.5.2. 妊娠中毒症患者:症状が悪化するおそれがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 低出生体重児、新生児及び乳児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
16.1 血中濃度
外国人中枢性尿崩症患者5例にデスモプレシン酢酸塩水和物(DDAVP)20μgを静脈内投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりである。本剤の静脈内投与による血中動態は二相性を示した。
本剤を静脈内投与したときの血漿中濃度推移
本剤を静脈内投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
投与後1時間以内で作用が発現し、4~6時間持続した(血液凝固因子活性の上昇度を指標)。
16.3 分布
16.3.1 体組織への分布
ラットに3H‐DDAVPを静脈内投与したときの放射能濃度は腎臓>小腸>肝臓>下垂体後葉>下垂体前葉の順であった。
16.3.2 蛋白結合率
ヒト血清蛋白結合率は次のとおりであった(in vitro)。
→図表を見る(PDF)
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内一般臨床試験
血友病A患者54例(中等症19例、軽症35例)及びvon Willebrand病患者20例(Type I 11例、Type IIA 9例)を対象として、0.2μg/kg注)又は0.4μg/kgを静脈内投与したときの概要は次のとおりである。
・重症度あるいは病型別止血効果
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・血友病A中等症例の投与前第VIII因子活性別にみた第VIII因子活性上昇率
→図表を見る(PDF)
・投与量別止血効果と因子活性上昇率
→図表を見る(PDF)
また、副作用発現頻度は40.0%(38/95例)であった。主な副作用は、のぼせ及び熱感各20.0%(19/95例)、顔面潮紅8.4%(8/95例)、頭痛7.4%(7/95例)、結膜充血5.3%(5/95例)であった。
注)本剤のvon Willebrand病に対する承認用量は0.4μg/kgである。
18.1 作用機序
本剤は「生体内」又は「血管内皮細胞」等にプールされている血液凝固第VIII因子及びvon Willebrand因子を遊離放出させると推定されている。
18.2 血液凝固作用
健康成人による用量反応試験(0.1、0.2、0.4μg/kg)では、第VIII因子凝固活性及びvon Willebrand因子活性は用量依存的に増加し、投与30分~1時間後に最大ピークに達した。
また、血友病A患者における第VIII因子凝固活性の増加及びvon Willebrand病患者におけるvon Willebrand因子活性の増加は、健康成人と同様、本剤投与後30分~1時間後に最大ピークに達した。なお、血友病A及びvon Willebrand病患者に本剤を24時間ごと3回反復投与し反応性を検討した結果投与ごとに反応性が低下する例、第2回目以後反応性がなくなった例が確認されている。
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