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ルティナス腟錠100mg

販売名
ルティナス腟錠100mg
識別コード
FPI 100
薬価
100mg1錠 361.20円
製造メーカー
フェリング・ファーマ

添付文書情報2023年11月改定(第3版)

商品情報

薬効分類名
プロゲステロン製剤
一般名
プロゲステロン腟錠
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 診断未確定の性器出血のある患者[病因を見のがすおそれがある]。
2.3. 稽留流産又は子宮外妊娠の患者[妊娠維持作用により死亡している胎児の排出が困難になるおそれがある]。
2.4. 重度肝機能障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.5. 乳癌又は生殖器癌の既往歴又は疑いがある患者[症状が悪化するおそれがある]。
2.6. 動脈血栓塞栓症又は静脈血栓塞栓症あるいは重度血栓性静脈炎の患者又は既往歴のある患者〔11.1.1参照〕。
2.7. ポルフィリン症の患者[症状が悪化するおそれがある]。
効能・効果
生殖補助医療における黄体補充。
用法・用量
プロゲステロンとして1回100mgを1日2回又は3回、採卵日(又はホルモン補充周期下での凍結胚移植ではエストロゲン投与により子宮内膜が十分な厚さになった時点)から最長10週間(又は妊娠12週まで)腟内に投与する。
肝機能障害患者
8.1. 投与の中止により、不安、気分変化、発作感受性の増大を引き起こす可能性があるので、投与中止の際には注意するよう患者に十分説明すること。
8.2. 傾眠状態や浮動性めまいを引き起こすことがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分説明すること。
9.1.1. てんかん又はその既往歴のある患者:副腎皮質ホルモン様作用により病態に影響を及ぼすおそれがある。
9.1.2. うつ病又はその既往歴のある患者:注意深く観察し、うつ病症状悪化を認めた場合は投与を中止するなど注意すること(副腎皮質ホルモン様作用により病態に影響を及ぼすおそれがある)。
9.1.3. 片頭痛、喘息又はその既往歴のある患者:病態に影響を及ぼすおそれがある。
9.1.4. 心機能障害のある患者:体液貯留を引き起こすおそれがある。
9.1.5. 糖尿病の患者:糖尿病が悪化するおそれがある。
9.1.6. 35歳以上の喫煙者でアテローム性動脈硬化症の危険因子を有する患者:網膜血管障害の危険性が増加するおそれがある〔11.1.1参照〕。
腎機能障害患者:体液貯留を引き起こすおそれがある。
9.3.1. 重度肝機能障害のある患者:投与しないこと(作用が増強されるおそれがある)〔2.4参照〕。
9.3.2. 中等度以下の肝機能障害のある患者:作用が増強されるおそれがある。
相互作用
10.2. 併用注意:他の腟剤(抗真菌剤<腟剤>など)[本剤の作用が増強又は減弱する可能性がある(本剤からのプロゲステロン放出及び吸収を変化させる可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 血栓症(頻度不明):心筋梗塞、脳血管障害、動脈血栓塞栓症又は静脈血栓塞栓症(静脈血栓塞栓症又は肺塞栓症)、血栓性静脈炎、網膜血栓症があらわれたとの報告がある〔2.6、9.1.6参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 神経系障害:(1~5%未満)頭痛、傾眠、(頻度不明)浮動性めまい、不眠、疲労。
2). 胃腸障害:(1%未満)腹部膨満、下痢、便秘、(頻度不明)腹痛、悪心、嘔吐。
3). 皮膚および皮下組織障害:(頻度不明)蕁麻疹、発疹、皮膚過敏症反応。
4). 生殖系および乳房障害:(1~5%未満)性器出血、(頻度不明)子宮痙攣、外陰腟障害、腟真菌症、乳房障害、陰部そう痒症。
5). その他:(1%未満)肝機能検査異常、(頻度不明)末梢性浮腫。
授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中へ移行することがある)。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. 本剤は腟に適用する製剤のため、内服させないこと。
14.1.2. 本剤を投与するときは、次の手順にて、添付されている専用のアプリケータを用いて腟内に直接挿入するよう指導すること。
(1). アプリケータを包装から取り出す。
(2). アプリケータの先端の装着部に錠剤を確実にはめ込み、落下しないように注意する。
(3). 立位、座位又は仰向けになり、膝を曲げた状態で錠剤とともに、アプリケータをゆっくりと腟内に挿入する。
(4). アプリケータの押し出し棒を押し、錠剤を放出する。
14.1.3. 添付されている専用のアプリケータは、本剤の挿入以外には使用させないこと。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 海外の臨床試験において、本剤の曝露を受けた新生児426例中14例に胎児性形成異常が報告されている(1日2回投与群:新生児203例中7例(3.4%)に口蓋裂、二分脊椎/脊髄髄膜瘤、大動脈弁狭窄、臍ヘルニア、胃腸形成異常、心臓弁膜疾患、先天性心臓欠陥症がみられ、1日3回投与群:新生児223例中7例(3.1%)に食道瘻、発育不全耳/尿道下裂、大動脈弁逆流症/鼻中隔弯曲、手指奇形、口唇裂、水頭症、全前脳胞症/象鼻奇形/多指症がみられた)。
15.1.2. 海外の臨床試験において、自然流産が4.3%、子宮外妊娠が0.6%の患者で報告されている。

16.1 血中濃度
閉経前の健康な外国人女性(白人、ヒスパニック)12例に本剤1錠を1日2回又は1日3回単日投与及び5日間連日投与した。単日投与では、1日2回及び1日3回投与時のCmaxはそれぞれ17.0ng/mL並びに19.8ng/mLであった。連日投与では、本剤投与開始後約1日で定常状態に達し、いずれの投与方法でも投与5日目の血清中プロゲステロン濃度は10ng/mL以上であった。
外国人女性における1日2回単日及び5日間連日投与後の血清中プロゲステロン濃度推移

外国人女性における1日3回単日及び5日間連日投与後の血清中プロゲステロン濃度推移

体外受精・胚移植又は卵細胞質内精子注入法を受ける日本人女性108例に、採卵日翌日から本剤1錠を1日2回又は1日3回腟内に最大10週間投与した。その結果、評価可能な94例における本剤投与5日目の血清中プロゲステロン濃度(平均値±標準偏差)は74.1±48.9ng/mLであった。
16.3 分布
プロゲステロンは血中で主にアルブミン又はコルチコステロイド結合グロブリン(CBG)に結合しており、ヒト血清タンパク結合率は95~98%である(in vitro)。
16.4 代謝
プロゲステロンは50%が肝臓でプレグナンジオールあるいはプレグナノロンに代謝され、グルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体として血液中に存在する。胆汁中へ排泄されたプロゲステロン代謝物の一部は胆汁中で脱抱合を、消化管では還元、脱水酸化、エピマー化を受ける。
16.5 排泄
プロゲステロン代謝物の約50~60%は腎を経由して排泄され、10%は胆汁を経由して排泄される。胆汁中に排泄されたプロゲステロン代謝物の一部は腸肝循環し、一部はそのまま糞中に排泄される。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
体外受精・胚移植又は卵細胞質内精子注入法を受ける日本人女性108例を対象に、採卵日翌日から本剤1錠を1日2回又は1日3回腟内に最大10週間投与した。本剤投与により黄体ホルモンは適切に補充され、胚移植例あたりの継続妊娠率は22.2%(20/90例、1日2回投与時:14.0%(6/43例)、1日3回投与時:29.8%(14/47例))であることが確認された。
本剤を投与された108例において、副作用(臨床検査値異常を含む)が9例(8.3%)に12件認められた。主な副作用は頭痛、傾眠、性器出血各2例(1.9%)であった。

18.1 作用機序
エストロゲンが十分にある状態で、子宮内膜を増殖期から分泌期へと移行させる。子宮内膜の胚受容能を高め、胚移植の後は妊娠を維持するよう作用する。
18.2 子宮腺発達作用
ウサギに、エストラジオール5μg/日を7日間皮下投与後、5日間プロゲステロン50~1000μg/動物/日を投与したところ、プロゲステロンは子宮腺を発達させ、子宮内膜に授精卵が着床しやすい状態にした。
18.3 妊娠継続作用
妊娠8日目のラットの卵巣を切除し、妊娠21日目まで、卵胞ホルモン補充を目的としたエストロン1.0μg/日とともにプロゲステロン0、0.3、1.0、3.0及び5.0mg/日を連日投与した結果、妊娠継続率はそれぞれ0、0、40、60及び100%であったことから、プロゲステロンの妊娠継続作用が示された。
18.4 子宮収縮抑制作用
妊娠37~41週で帝王切開したヒトの子宮を用い、in vitroでプロゲステロンの子宮筋の自動収縮に対する作用を検討したところ、プロゲステロンは濃度依存的に自動収縮力を抑制し、100μMでは82%抑制した。

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