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ランタスXR注ソロスター

販売名
ランタスXR注ソロスター
薬価
450単位1キット 1910.00円
製造メーカー
サノフィ

添付文書情報2021年10月改定(第3版)

商品情報

薬効分類名
すい臓ホルモン剤
一般名
インスリン グラルギン(遺伝子組換え)キット
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 低血糖症状を呈している患者〔11.1.1参照〕。
2.2. 本剤の成分又は他のインスリン グラルギン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
インスリン療法が適応となる糖尿病。
(効能又は効果に関連する注意)
2型糖尿病においては、急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。
用法・用量
通常、成人では、初期は1日1回4~20単位を皮下注射するが、ときに他のインスリン製剤を併用することがある。注射時刻は毎日一定とする。投与量は、患者の症状及び検査所見に応じて増減する。なお、その他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日4~80単位である。
ただし、必要により前記用量を超えて使用することがある。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 適用にあたっては本剤の作用時間、1mLあたりのインスリン含有単位と患者の病状に留意し、その製剤的特徴に適する場合に投与すること。
7.2. 糖尿病性昏睡、急性感染症、手術等緊急の場合は、本剤のみで処置することは適当でなく、速効型インスリン製剤を使用すること。
7.3. 他の基礎インスリン製剤から本剤に変更する場合、次を参考に本剤の投与を開始し、その後の患者の状態に応じて用量を増減するなど、本剤の作用特性を考慮の上慎重に行うこと〔8.5、16.1.1、16.1.2参照〕。
7.3.1. インスリン グラルギン100単位/mL製剤から本剤に変更する場合:通常初期用量は、前治療のインスリン グラルギン100単位/mL製剤の1日投与量と同単位を目安として投与を開始する。
7.3.2. インスリン グラルギン100単位/mL製剤以外の基礎インスリン製剤から本剤に変更する場合
・ インスリン グラルギン100単位/mL製剤以外の1日1回投与の基礎インスリン製剤から本剤に変更する場合、通常初期用量は、前治療の中間型又は持効型インスリン製剤の1日投与量と同単位を目安として投与を開始する。
・ インスリン グラルギン100単位/mL製剤以外の1日2回投与の基礎インスリン製剤から本剤に変更する場合、通常初期用量は、前治療の中間型又は持効型インスリン製剤の1日投与量の80%を目安として投与を開始する。
7.4. 併用している速効型インスリン製剤、超速効型インスリンアナログ製剤又は他の糖尿病用薬の投与量及び投与スケジュールの調整が必要となることがあるので注意すること。
7.5. インスリン製剤以外の他の糖尿病用薬から本剤に変更する場合又はインスリン製剤以外の他の糖尿病用薬と本剤を併用する場合、投与にあたっては低用量から開始するなど、本剤の作用特性を考慮の上慎重に行うこと〔16.1.1、16.1.2参照〕。
肝機能障害患者
8.1. 本剤の自己注射にあたっては、次の点に留意すること。
・ 本剤の自己注射にあたっては、投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。
・ 本剤の自己注射にあたっては、必ず添付の取扱説明書を読むよう指導すること。
・ 本剤の自己注射にあたっては、すべての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
8.2. 本剤はインスリン グラルギン300単位/mL製剤専用のペン型注入器を使用しているため、単位数を再計算せず、指示された単位数をそのまま設定して投与するよう、患者に十分指導すること。
8.3. 低血糖に関する注意について、その対処法も含め患者及びその家族に十分徹底させること〔9.1.3、11.1.1参照〕。
8.4. 本剤から他の基礎インスリン製剤への切り替え時には、本剤の1日投与量よりも低用量での切り替えを考慮するとともに、本剤から他の基礎インスリン製剤への切り替え時及びその後しばらくの間は血糖モニタリングを慎重に行うこと(本剤とインスリングラルギン100単位/mL製剤では薬物動態が異なる、本剤から他の基礎インスリン製剤への切り替え時に低血糖の発現が増加した)〔11.1.1、16.1.1、16.1.2、17.1.1、17.1.2参照〕。
8.5. インスリン グラルギン100単位/mL製剤又は他の基礎インスリン製剤から本剤への切り替え時に、血糖値上昇がみられることがあるので留意すること〔7.3参照〕。
8.6. ヒトインスリンに対する獲得抗体を有し高用量のインスリンを必要としている患者では、他のインスリン製剤から本剤に変更することによって、本剤の需要量が急激に変化することがあるので、経過を観察しながら慎重に投与すること。
8.7. 急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は糖尿病網膜症増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性神経障害)があらわれることがあるので注意すること。
8.8. 本剤と他のインスリン製剤を取り違えないよう、毎回注射する前に本剤のラベル等を確認するよう患者に十分指導すること。
8.9. 低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること〔11.1.1参照〕。
8.10. 同一箇所への繰り返し投与により、注射箇所に皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれることがあるので、定期的に注射箇所を観察するとともに、次の点を患者に指導すること。
・ 本剤の注射箇所は、少なくとも前回の注射箇所から2~3cm離すこと〔14.2.2参照〕。
・ 注射箇所の腫瘤や硬結が認められた場合には、当該箇所への投与を避けること。
8.11. 皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれた箇所に本剤を投与した場合、本剤の吸収が妨げられ十分な血糖コントロールが得られなくなることがあるので、血糖コントロールの不良が認められた場合には、注射箇所の腫瘤や硬結の有無を確認し、注射箇所の変更とともに投与量の調整を行うなどの適切な処置を行うこと(血糖コントロールの不良に伴い、過度に増量されたインスリン製剤が正常な箇所に投与されたことにより、低血糖に至った例が報告されている)。
9.1.1. 手術、外傷、感染症等の患者:インスリン需要の変動が激しい。
9.1.2. 自律神経障害のある患者:低血糖の自覚症状が明確でないことがある。
9.1.3. 低血糖を起こしやすい次の患者又は状態。
・ 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全。
・ 下痢、嘔吐等の胃腸障害。
・ 飢餓状態、不規則な食事摂取。
・ 激しい筋肉運動。
・ 過度のアルコール摂取。
〔8.3、11.1.1参照〕。
9.2.1. 重篤な腎障害のある患者:低血糖を起こすおそれがある〔11.1.1参照〕。
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:低血糖を起こすおそれがある〔11.1.1参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:1). 糖尿病用薬(ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア系薬剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤等)[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(血糖降下作用が増強される)]。
2). モノアミン酸化酵素<MAO>阻害剤[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(インスリン分泌促進、糖新生抑制作用による血糖降下作用を有する)]。
3). 三環系抗うつ剤(ノルトリプチリン塩酸塩等)[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある)]。
4). サリチル酸誘導体(アスピリン、エテンザミド)[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(糖に対するβ細胞の感受性の亢進やインスリン利用率の増加等による血糖降下作用を有し、また、末梢で弱いインスリン様作用を有する)]。
5). 抗腫瘍剤(シクロホスファミド水和物)[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある)]。
6). クマリン系薬剤(ワルファリンカリウム)、クロラムフェニコール[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(機序不明)]。
7). サルファ剤[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられており、腎機能低下、空腹状態遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる)]。
8). シベンゾリンコハク酸塩、ジソピラミド、ピルメノール塩酸塩水和物[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(インスリン分泌作用
を認めたとの報告がある)]。
9). フィブラート系薬剤[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する)]。
10). レセルピン[血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること〔11.1.1参照〕(低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある)]。
11). チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド)、ループ利尿剤(フロセミド)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(カリウム喪失が関与すると考えられており、カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある)]。
12). 副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン、トリアムシノロン)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する)]。
13). ACTH(テトラコサクチド酢酸塩)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加し、糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する)]。
14). アドレナリン[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する)]。
15). グルカゴン、甲状腺ホルモン(レボチロキシンナトリウム水和物、乾燥甲状腺)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する)]。
16). 成長ホルモン(ソマトロピン)[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する)]。
17). 卵胞ホルモン(エチニルエストラジオール、結合型エストロゲン)、経口避妊薬[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(末梢組織でインスリンの作用
に拮抗する)]。
18). ニコチン酸[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす)]。
19). 濃グリセリン[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する)]。
20). イソニアジド[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する)]。
21). ダナゾール[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(インスリン抵抗性を増強するおそれがある)]。
22). フェニトイン[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(インスリン分泌抑制作用を有する)]。
23). ブセレリン酢酸塩[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(機序不明、耐糖能を悪化させることがある)]。
24). フェノチアジン誘導体[血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(機序不明であるが、動物実験(ラット)において、インスリン分泌が低下したとの報告がある)]。
25). 蛋白同化ステロイド(メスタノロン)[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(機序不明)]。
26). ソマトスタチンアナログ製剤(オクトレオチド酢酸塩等)[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある)]。
27). ペンタミジンイセチオン酸塩[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(膵臓のβ細胞に作用し、初期に低血糖、それに引き続いて高血糖を起こすことがある)]。
28). β-遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、ピンドロール、セリプロロール塩酸塩等)[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制し、また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性があり、また、インスリン感受性は薬剤により増強あるいは減弱することが報告されている)]。
29). 炭酸リチウム[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(機序不明、インスリン分泌が減少したとの報告、逆に低血糖が発現したとの報告がある)]。
30). クロニジン[血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがあるので、併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(機序不明、血糖値が低下したとの報告、逆に血糖値を上昇させたとの報告があり、また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 低血糖(2.1%):脱力感、倦怠感、高度空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。低血糖が無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。
長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与中あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。
低血糖症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取する等、適切な処置を行うこと。
α-グルコシダーゼ阻害剤との併用時に低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。低血糖症状が認められ経口摂取が不可能な場合は、ブドウ糖の静脈内投与やグルカゴンの筋肉内投与等、適切な処置を行うこと。
低血糖は臨床的に回復した場合にも、再発することがあるので継続的に観察すること〔2.1、8.3、8.4、8.9、9.1.3、9.2.1、9.3.1、9.8高齢者の項、10.2参照〕。
11.1.2. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):全身性皮膚反応、血管神経性浮腫、気管支痙攣、低血圧等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(1%未満)全身性そう痒症、(頻度不明)蕁麻疹、発疹、そう痒感。
2). 肝臓:(1%未満)脂肪肝、(頻度不明)肝機能異常(AST上昇、ALT上昇等)。
3). 精神神経系:(1%未満)不眠症、感覚鈍麻。
4). 眼:(1%未満)硝子体出血、(頻度不明)糖尿病網膜症の顕在化又は糖尿病網膜症増悪。
5). 注射部位:(1%未満)注射部位反応、腫脹、出血、(頻度不明)発赤、蕁麻疹、炎症、疼痛、そう痒感、浮腫、硬結、リポジストロフィー(皮下脂肪萎縮・皮下脂肪肥厚等)、皮膚アミロイドーシス。
6). その他:(頻度不明)ナトリウム貯留、浮腫。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(生理機能が低下していることが多く、低血糖が起こりやすい)〔11.1.1参照〕。
授乳婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるよう指導すること。妊娠中、周産期等にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること(通常インスリン需要量は、妊娠初期は減少し、中期及び後期は増加する)。
用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること(インスリンの需要量が変化しやすい)。
小児等
定期的に検査を行うなどして投与すること(成長及び活動性に応じてインスリンの需要量が変化する)〔17.2.1参照〕。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤投与前の注意14.1.1. 本剤はJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。
14.1.2. 本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を患者に十分指導すること。
14.1.3. 注射針は毎回新しいものを、必ず注射直前に取り付ける(針を付けたままにすると、液漏れや針詰まりにより正常に注射できないおそれがあり、また、薬剤の濃度変化や感染症の原因となることがある)。
14.1.4. 本剤は他のインスリン製剤との混合により、濁りが生じたり、本剤の作用時間や効果が変化する可能性があるので、本剤のカートリッジにインスリン製剤を補充したり、他のインスリン製剤と混合しないこと。
14.1.5. 本剤のカートリッジの内壁に付着物がみられたり、液中に塊や薄片がみられた場合、又は液が変色した場合は使用しないこと。
14.1.6. 本剤のカートリッジにひびが入っている場合は使用しないこと。
14.1.7. 本剤のカートリッジを取り外して使用しない(また、シリンジを用いてカートリッジから薬液を抜き取らない)、過少投与や過量投与となるおそれがある。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 1本を複数の患者に使用しないこと。
14.2.2. 皮下注射は、上腕部、大腿部、腹部、腰部等に行うが、同一部位内で投与する場合は前回の注射箇所より2~3cm離して注射すること〔8.10参照〕。
14.2.3. 静脈内に投与しないこと。皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖を起こすことがあるので注意すること。
20.1. 外箱開封後は遮光して保存すること。
20.2. 使用開始後は本剤を冷蔵庫に保存せず、遮光保存すること。
20.3. 使用開始後6週間を超えたものは使用しないこと。使用時の安定性試験(25±2℃)に基づく。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. インスリン製剤又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖を起こしやすいとの報告がある。
15.1.2. インスリン製剤とピオグリタゾンを併用した場合、浮腫が多く報告されているので、併用する場合には、浮腫及び心不全の徴候を十分観察しながら投与すること。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人の1型糖尿病患者男女18例に本剤(0.4又は0.6単位/kg注))及びランタス注(0.4単位/kg)を単回皮下投与した(3期クロスオーバー、正常血糖クランプ試験)。本剤投与後、血清中インスリン グラルギン濃度及び血糖降下作用の指標であるグルコース注入率(GIR)は、それぞれ添付文書の図のとおりであった。[7.3、7.5、8.4参照]
単回皮下投与36時間の血清中インスリン グラルギン濃度推移[平均値(標準偏差)]

単回皮下投与36時間の正常血糖クランプ下グルコース注入率推移(体重基準化後の平均値)

16.1.2 反復投与
1型糖尿病患者男女30例に本剤(0.4又は0.6単位/kg注))及びランタス注(0.4単位/kg)を1日1回8日間反復皮下投与(2コホート、2期クロスオーバー、正常血糖クランプ試験)したとき、本剤では3~4日、ランタス注では1~2日で定常状態に到達した。定常状態における本剤投与後の血清中インスリン グラルギン濃度及び血糖降下作用の指標であるグルコース注入率(GIR)は、それぞれ添付文書の図のとおりであり、本剤はランタス注の投与時に比べて投与後24時間の血清中インスリン グラルギン濃度及びGIRがより平坦かつ持続的な推移を示した。
1型糖尿病患者男女50例に本剤0.4単位/kg注)を2つの投与方法(カートリッジ製剤もしくはバイアル製剤)でランダム化クロスオーバー法により1日1回6日間皮下投与した。定常状態における本剤皮下投与後24時間の血清中インスリン グラルギン曝露量(INS‐AUC0-24)の変動係数に基づく被験者内変動は17.4%であった(外国人データ)。[7.3、7.5、8.4参照]
定常状態における投与後36時間の血清中インスリン グラルギン濃度推移[平均値(標準偏差)]

定常状態における投与後36時間の正常血糖クランプ下グルコース注入率推移(体重基準化後の平均値)

注)本剤の承認用量は、1日1回4~20単位を皮下注射、及びその他のインスリン製剤の併用投与量を含めた維持量は、1日4~80単位である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第3相試験
(1)1型糖尿病試験成績:Basal‐Bolus療法
1型糖尿病試験(夜投与:夕食直前から就寝前、26週間)は本剤群(122例)、ランタス群(121例)を対象に行われた。
試験期間中、本剤及びランタス注の投与量は、朝食前空腹時の自己血糖測定値に基づいて調節した。本剤はランタス注と比べ、HbA1cの変化量において非劣性であることが検証された(非劣性限界値:0.4%)。基礎インスリン投与量はランタス群に比べ本剤群で増加した。追加インスリン投与量は本剤群に比べランタス群で増加した。投与期間全体(26週間)での低血糖(血糖値70mg/dL以下又は他者の介助を必要とした低血糖、血糖値54mg/dL未満又は他者の介助を必要とした低血糖)の患者あたりの年間発現件数は、夜間(0:00~5:59)において本剤群で少なかった。本剤投与終了後に体重の増加は認められなかった。有害事象、抗体産生において、群間に注目すべき差は認められなかった。
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本試験をさらに26週間延長して、長期安全性を検討した試験では、血糖コントロールが52週まで維持され、本剤投与後に予期しない安全性上の問題は認められなかった。本剤から他の基礎インスリン製剤へ切り替えた患者における後観察期間(4週間)での低血糖の患者あたりの月間発現件数は本剤群で多く、基礎インスリン投与量が減少した。
副作用の発現率(52週間)は、本剤群4.1%(5/122例)であり、低血糖性意識消失4.1%(5/122例)、低血糖性痙攣0.8%(1/122例)及び偶発的過量投与0.8%(1/122例)であった。[8.4参照]
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(2)2型糖尿病試験成績:経口血糖降下薬と基礎インスリンの併用療法
2型糖尿病試験(夜投与:夕食直前から就寝前、26週間)は本剤群(121例)、ランタス群(120例)を対象に行われた。
試験期間中、本剤及びランタス注の投与量は、朝食前空腹時の自己血糖測定値に基づいて調節した。本剤はランタス注と比べ、HbA1cの変化量において、非劣性であることが検証された(非劣性限界値:0.4%)。基礎インスリン投与量はランタス群に比べ本剤群で増加した。投与期間全体(26週間)での低血糖(血糖値70mg/dL以下又は他者の介助を必要とした低血糖)の患者あたりの年間発現件数は、本剤群で少なかった。この傾向は夜間低血糖(0:00~5:59に発現した低血糖)において顕著に認められた。本剤投与終了後に体重の増加は認められなかった。有害事象、抗体産生において、群間に注目すべき差は認められなかった。
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本試験をさらに26週間延長して、長期安全性を検討した試験では、血糖コントロールが52週まで維持され、本剤投与後に予期しない安全性上の問題は認められなかった。本剤から他の基礎インスリン製剤へ切り替えた患者における後観察期間(4週間)での低血糖の患者あたりの月間発現件数は本剤群で多く、基礎インスリン投与量が減少した。副作用の発現率(52週間)は、本剤群5.0%(6/120例)であり、重篤な低血糖症、不眠症、硝子体出血、全身性そう痒症、注射部位出血及び注射部位腫脹が各0.8%(1/120例)であった。[8.4参照]
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17.1.2 国際共同第3相試験
(1)1型糖尿病試験成績:Basal‐Bolus療法
1型糖尿病試験(朝投与:朝食前から昼食前又は夜投与:夕食直前から就寝前、26週間)は本剤群(274例:朝投与136例、夜投与138例)、ランタス群(275例:朝投与137例、夜投与138例)を対象に行われた。このうち日本人は本剤群24例(朝投与11例、夜投与13例)、ランタス群22例(朝投与11例、夜投与11例)であった。試験期間中、本剤及びランタス注の投与量は、朝食前空腹時の自己血糖測定値に基づいて調節した。本剤はランタス注と比べ、HbA1cの変化量において、非劣性であることが検証された(調整平均の群間差[95%信頼区間]:0.04[-0.098;0.185]、非劣性限界値:0.4%)。基礎インスリン投与量はランタス群に比べ本剤群で増加した。投与期間全体(26週間)での低血糖(血糖値70mg/dL以下であった低血糖又は他者の介助を必要とした低血糖)の発現例数は、両群で同程度であった。有害事象において、群間(本剤群全体及びランタス群全体、本剤朝投与群及び夜投与群、本剤朝投与群及びランタス朝投与群、本剤夜投与群及びランタス夜投与群)に注目すべき差は認められなかった。副作用の発現率は、本剤群8.4%(23/274例)であり、主な副作用は、重篤な低血糖症2.6%(7/274例)、体重増加1.1%(3/274例)であった。抗体産生において、本剤群全体及びランタス群全体で注目すべき差は認められなかった。[8.4参照]
(2)2型糖尿病試験成績:経口血糖降下薬と基礎インスリンの併用療法
2型糖尿病試験(インスリン未治療例対象、夜投与:夕食直前から就寝前、26週間)は本剤群(439例)、ランタス群(439例)を対象に行われた。このうち日本人は本剤群25例、ランタス群25例であった。試験期間中、本剤及びランタス注の投与量は、朝食前空腹時の自己血糖測定値に基づいて調節した。本剤はランタス注と比べ、HbA1cの変化量において、非劣性であることが検証された(調整平均の群間差[95%信頼区間]:0.04[-0.090;0.174]、非劣性限界値:0.4%)。基礎インスリン投与量はランタス群に比べ本剤群で増加した。投与期間全体(26週間)での低血糖(血糖値70mg/dL以下であった低血糖又は他者の介助を必要とした低血糖)の発現例数は、本剤群で少なかった。この傾向は夜間低血糖(0:00~5:59に発現した低血糖)において顕著に認められた。有害事象、抗体産生において、群間に注目すべき差は認められなかった。副作用の発現率は、本剤群7.6%(33/435例)であり、主な副作用は、食欲亢進、注射部位疼痛が各0.9%(4/435例)、体重増加、頭痛、注射部位内出血及び末梢性浮腫が各0.7%(3/435例)であった。[8.4参照]
17.2 製造販売後調査等
17.2.1 国際共同小児1型糖尿病試験
6~17歳の小児1型糖尿病試験(1日1回、26週間)は本剤群(233例)、ランタス群(230例)を対象に行われた。このうち日本人は本剤群9例、ランタス群6例であった。本剤及びランタス注の投与量は、朝食前空腹時の自己血糖測定値に基づいて調節した。26週時のHbA1cの変化量において、本剤はランタス注と比べ、非劣性であることが検証された(非劣性限界値:0.3%)。
→図表を見る(PDF)

すべての低血糖を発現した患者の割合は、本剤群とランタス群で同程度であった[本剤群:228/233例(97.9%)、ランタス群:224/228例(98.2%)]。夜間低血糖(0:00~5:59に発現した低血糖)においても同様であった。重症低血糖注5)を発現した患者の割合は、ランタス群に比べて本剤群で少なかった[本剤群:14/233例(6.0%)、ランタス群:20/228例(8.8%)]。また、ケトーシスを伴う高血糖においても本剤群で少なかった[本剤群:15/233例(6.4%)、ランタス群:27/228例(11.8%)]。
→図表を見る(PDF)

注5)国際小児・思春期糖尿病学会(ISPAD)2009の定義による
有害事象、抗体産生について、群間に注目すべき差は認められなかった。
本試験をさらに26週間延長して、長期安全性を検討した試験では、ランタスと同様の血糖コントロール効果があることが確認され、本剤投与後に予期しない安全性上の問題は認められなかった。副作用の発現率(52週間)は、本剤群で7.7%(18/233例)であり、主な副作用は、注射部位疼痛2.1%(5/233例)及び低血糖性意識消失、低血糖性痙攣、偶発的過量投与が各1.3%(3/233例)であった。[9.7参照]

18.1 作用機序
インスリン グラルギンは中性のpH領域で低い溶解性を示すように設計されたヒトインスリンアナログである。
インスリン グラルギンの注射剤である本剤は約pH4の無色澄明な溶液であるが、皮下に投与すると直ちに生理的pHにより微細な沈殿物を形成する。皮下に滞留したこの沈殿物からインスリン グラルギンが緩徐に溶解し、皮下から血中に移行する。
本剤はインスリン グラルギンの濃度を高くして注射液量を少なくすることで、皮下に形成される無晶性沈殿物の単位量当たりの表面積が小さくなり、投与部位からのインスリン グラルギンの吸収がより緩やかになるため、インスリン グラルギン100単位/mL製剤よりも平坦で持続的な薬物動態及び薬力学プロファイルとなって、24時間にわたり安定した血糖降下作用を示すと考えられる。
インスリン及びインスリン グラルギンを含むその誘導体の主要な活性は、グルコース代謝の調節にある。インスリン及びその誘導体は、末梢におけるグルコースの取り込み、特に骨格筋及び脂肪による取り込みを促進し、また肝におけるグルコース産生を阻害することによって血糖値を降下させる。更に、蛋白分解を阻害し、蛋白合成を促進するとともに、脂肪細胞における脂肪分解を阻害する。

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