ソマゾン注射用10mg
添付文書情報2024年06月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 悪性腫瘍のある患者[本剤が細胞増殖作用を有するため]。
- 効能・効果
- 1). 次記疾患における高血糖、高インスリン血症、黒色表皮腫、多毛の改善:インスリン受容体異常症A型、インスリン受容体異常症B型、脂肪萎縮性糖尿病、妖精症、ラブソン・メンデンホール症候群。
2). 次記疾患における成長障害の改善:成長ホルモン抵抗性の成長ホルモン単独欠損症Type1A、ラロン症候群。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈効能共通〉本剤の適用にあたっては、次の点を踏まえ、患者における本剤の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
・ 関連性は明らかではないが、国内外において、メカセルミンによる治療中又は治療終了後に良性腫瘍及び悪性腫瘍が発生したとの報告があるので、患者における本剤の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
・ SD系ラットに本剤を53週間投与した動物実験において腺癌を含む乳腺腫瘍が発生したとの報告があるので、患者における本剤の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
5.2. 〈インスリン受容体異常症〉急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。
- 用法・用量
- 1). 次記疾患における高血糖、高インスリン血症、黒色表皮腫、多毛の改善:インスリン受容体異常症A型、インスリン受容体異常症B型、脂肪萎縮性糖尿病、妖精症、ラブソン・メンデンホール症候群:通常、1回0.1~0.4mg/kgを1日1~2回食前皮下に注射する。1日1回投与のときは朝食前に、1日2回投与のときは朝食前と夕食前に投与する。
2). 次記疾患における成長障害の改善:成長ホルモン抵抗性の成長ホルモン単独欠損症Type1A、ラロン症候群:通常、1回0.05~0.2mg/kgを1日1~2回食前皮下に注射する。1日1回投与のときは朝食前に、1日2回投与のときは朝食前と夕食前に投与する。
投与量は原則として低用量より開始し、症状及び検査所見に応じて投与量、投与回数を前記の範囲内で適宜増減する。注射に際しては、本剤1バイアルに添付の日本薬局方生理食塩液1mLを加えて溶解する。
(用法及び用量に関連する注意)
本剤の血糖低下作用はほぼ用量依存的であるが、血漿蛋白結合に非線形性(血漿蛋白結合率が血中ソマトメジンC濃度に依存して変化する)が認められるため、本剤の適用にあたっては、次の基準を目安に投与量、投与回数の適宜増減を行う〔16.3参照〕。
7.1. 〈インスリン受容体異常症〉治療開始に先立ち、症例ごとに本剤の低用量(0.1mg/kg)から順次適当量を朝食前に単回皮下投与し、投与後の血糖値、血中インスリン値、血中ソマトメジンC濃度等の検査値の推移及び随伴症状の観察に基づき、治療用量、1日投与回数を設定する(治療投与への移行後は、それらの項目及び臨床症状(成長促進作用から考えられる臨床所見を含む)の定期的観察を行い、投与量、投与回数を適宜増減する)。
7.2. 〈成長ホルモン抵抗性の成長ホルモン単独欠損症Type1A、ラロン症候群〉治療開始に先立ち、症例ごとに本剤の低用量(0.05mg/kg)から順次適当量を朝食前に単回皮下投与し、投与2~4時間後の血中ソマトメジンC濃度が同年代の生理的レベルの上限を著しく越えず、また随伴症状を認めない投与量を治療用量とし、1日投与回数は、単回投与後の血中ソマトメジンC濃度の持続時間から設定する。成長ホルモン抵抗性の成長ホルモン単独欠損症Type1A、ラロン症候群の場合、治療投与への移行後は、血中ソマトメジンC濃度及び血糖値を含む各種臨床所見の定期的観察を行い、治療投与への移行後は、投与量、投与回数を適宜増減する。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 過敏症等の反応を予測するため、使用に際しては十分な問診を行うとともに、あらかじめ本剤によるプリック試験を行うことが望ましい。
8.2. 低血糖を起こすことがあるので、注意すること。また、低血糖に関する注意について、患者及びその家族に十分徹底させ、患者自らも対処できるように十分指導すること。
8.3. 低血糖があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等、危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
8.4. 連続投与した場合、本剤に対する抗体が生じることがあるので、抗体の産生により効果の減弱がみられる場合には、投与を中止すること。
8.5. 糖尿病性網膜症の発症・糖尿病性網膜症悪化があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.2参照〕。
9.1.1. 低血糖を起こすおそれのある次の患者又は状態。
・ 下垂体機能不全又は副腎機能不全。
・ 下痢、嘔吐等の胃腸障害。
・ 飢餓状態、不規則な食事摂取。
・ 激しい筋肉運動。
・ 過度のアルコール摂取者。
・ 高齢者。
9.2.1. 重篤な腎機能障害患者:低血糖があらわれるおそれがある。
9.3.1. 重篤な肝機能障害患者:低血糖があらわれるおそれがある。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:糖質コルチコイド(ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン等)[本剤の成長促進作用が抑制されるおそれがあるが、ただし、本剤に関する症例報告はない(機序はあきらかではないが、糖質コルチコイドの投与は小児の発育を抑制するため、本剤の成長促進作用についても糖質コルチコイド投与により抑制される可能性が考えられる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 低血糖:(頻度不明)低血糖症状(脱力感、高度空腹感、発汗、心悸亢進、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、眠気、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)[徐々に進行する低血糖では精神障害、意識障害等が主である場合があるので注意すること]。
2). 過敏症:(頻度不明)嘔気、蒼白、蕁麻疹。
3). 臓器腫大:(頻度不明)下垂体腫大、扁桃腫大、顎下腺腫大、脾臓腫大、腎腫大、卵巣腫大等。
4). 循環器:(頻度不明)肥大型心筋症増悪。
5). 生殖器:(頻度不明)多嚢胞性卵巣。
6). 適用部位障害:(頻度不明)注射部位の発赤、腫脹、疼痛、硬結、熱感。
7). その他:(頻度不明)*糖尿病性網膜症の発症・*糖尿病性網膜症悪化、浮腫、めまい、気分不良、トリグリセリド上昇、リンパ球数減少。
*)〔8.5参照〕。
- 高齢者
- 用量に留意し、定期的に検査を行うなど慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 低出生体重児又は新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意用時、添付の日本薬局方生理食塩液1mLを加えた後、静かに円を描くように回して溶解する(激しく振盪しない)。溶解後はできるだけ速やかに使用すること。
14.2. 薬剤投与時の注意皮下注射にあたっては、注射部位を上腕、大腿、腹部、臀部等広範に求め、順序よく移動し、同一部位に短期間内に繰返し注射しないこと。
外箱開封後は遮光して保存すること。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(1)健康成人(5例)に対照として生理食塩液を皮下投与した場合の血漿中IGF‐I濃度はほぼ一定で、173~197ng/mLの変動を示したが、本剤0.06及び0.12mg/kgを単回皮下投与した場合、投与後3~4時間目に最高血中濃度(それぞれ約400及び480ng/mL)に達した。
〈インスリン受容体異常症〉
(2)インスリン受容体異常症患者(13例)に本剤0.1~0.4mg/kgを単回皮下投与した場合、投与3時間後に最高血漿中濃度(Cmax)に達し、Cmaxは投与量の増加とともに上昇した。
〈成長ホルモン抵抗性の成長ホルモン単独欠損症Type1A〉
(3)成長ホルモン単独欠損症Type1A(2例)では投与前値が5~18ng/mLと極めて低かったが、本剤0.05~0.2mg/kgを単回皮下投与したとき、投与後3時間目に83~699ng/mLのピーク値を示した。その後血漿中濃度はゆるやかに減少し投与24時間後の濃度は前値と差がなかった。
〈ラロン症候群〉
(4)ラロン症候群の患者1例も投与前値は4ng/mL以下と低く、本剤0.05~0.15mg/kgの単回皮下投与に対し投与後3時間値は72~205ng/mLであった。
16.1.2 反復投与
(1)健康成人(6例)に本剤0.1mg/kgを1日1回7日間反復皮下投与した場合、投与2日目に定常状態に達した。
〈インスリン受容体異常症〉
(2)インスリン受容体異常症患者(5例)に本剤0.1~0.25mg/kgを1日2回反復皮下投与した場合、投与後7日目までに定常状態に達した。
〈成長ホルモン抵抗性の成長ホルモン単独欠損症Type1A、ラロン症候群〉
(3)成長ホルモン単独欠損症Type1A及びラロン症候群各1例に反復皮下投与したときの血漿中濃度はそれぞれの患者でほぼ一定であり、速やかに定常状態に達していると考えられた。
16.3 分布
内因性ソマトメジンCは血漿中で分子量約150KD及び40KDの蛋白と結合しており、ソマゾン無添加時には遊離型は存在せず、蛋白結合率はほぼ100%であった。ソマゾンを添加すると、40KD分画の結合量はやや増加したが、150KD分画の結合量はほとんど変化せず、結合の飽和が示唆された。一方、遊離型ソマトメジンCの割合はソマゾンの添加量の増加とともに増加し、血漿蛋白結合率はソマゾン1,000及び2,500ng/mL添加時には、それぞれ13.3%、8.2%に低下した。[7.参照]
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈インスリン受容体異常症〉
17.1.1 国内臨床試験
インスリン受容体異常症12例を対象にした国内臨床試験において、血糖値、糖化蛋白及び血中インスリン値等の改善がみられ、臨床的にも、黒色表皮腫、多毛及び皮膚弾性欠如等の他覚所見の改善が認められた。また、イギリスにおけるラブソン・メンデンホール症候群1例に対するソマゾン投与においても、血糖値、血中インスリン値の低下及びケトン体産生の抑制が認められている。
〈成長ホルモン抵抗性の成長ホルモン単独欠損症Type1A、ラロン症候群〉
17.1.2 国内臨床試験
成長ホルモン抵抗性の成長ホルモン単独欠損症Type1A、ラロン症候群3例を対象にした国内臨床試験において、成長ホルモン単独欠損症Type1Aの1例では、成長ホルモンによる治療時の成長率が6.4cm/年であったのが、ソマゾン治療後8.2cm/年となり、ラロン症候群の1例では治療前の成長率3.2cm/年が治療後5.4cm/年といずれも改善が認められた。また、イスラエルにおけるラロン症候群5例に対するソマゾン投与においても、治療前2.8~5.8cm/年であった成長率が治療後8.8~13.6cm/年となり、治療前に比べて1.5~4.9倍(平均3.0倍)の改善が認められている。
17.1.3 抗体産生
国内臨床試験の結果、14例中8例において抗メカセルミン抗体(抗体価:×1~×10)がみられた。一方、大腸菌由来蛋白質(ECP)に対する抗体は検出されなかった。
18.1 作用機序
本剤はインスリン様作用と成長促進作用を有する生体内蛋白であるIGF‐1(ソマトメジンC)と同一蛋白であり、生体内において次に示すような薬理作用を示す。
18.2 グルコース輸送促進作用及び血糖低下作用
18.2.1 ラットの肝、脂肪及び筋肉細胞で、細胞内へのグルコース輸送を促進し、正常及び糖尿病ラットの血糖を低下させる。
18.2.2 インスリンに対して抵抗性を示すインスリン受容体異常症患者の培養皮膚線維芽細胞においても、正常なグルコース輸送促進作用を示す。
18.3 成長促進作用
18.3.1 ヒト軟骨細胞及びウサギ肋軟骨細胞のDNA及びプロテオグリカンの合成を促進し、マウス骨芽細胞様株化細胞のコラーゲン合成及びアルカリフォスファターゼ活性を亢進させる。
18.3.2 下垂体摘除ラットにおいて体重及び骨長増加等の成長促進作用を示す。
18.4 その他
遺伝性肥満ob/obマウスにおいて、成長ホルモンでみられるような耐糖能の低下を示さず、むしろ耐糖能を改善させる。
- 製造販売会社
- オーファンパシフィック
- 販売会社
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