プロウペス腟用剤10mg
添付文書情報2023年11月改定(第4版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 1.1. 過強陣痛やそれに伴う胎児機能不全、子宮破裂、頸管裂傷、羊水塞栓等が起こることがある。また、過強陣痛を伴わない胎児機能不全が起こることもある。これらが生じた結果、母体が重篤な転帰や児が重篤な転帰に至った症例が報告されているので、本剤の投与にあたっては次の事項を遵守し慎重に行うこと〔11.1.1、11.1.2参照〕。
1.1.1. 本剤は、分娩監視装置を用いて母体及び胎児の状態を連続モニタリングできる設備を有する医療施設において、分娩の管理についての十分な知識・経験及び本剤の安全性についての十分な知識を持つ医師のもとで使用すること。本剤の使用に先立ち、患者に本剤を用いた頸管熟化の必要性及び危険性を十分説明し、同意を得てから使用を開始すること。
1.1.2. 本剤は子宮頸管熟化不全の患者にのみ使用し、本剤の使用に際しては母体及び胎児の状態を十分に観察した上で慎重に適応を判断すること。また、子宮筋層の切開を伴う手術歴(帝王切開、筋腫核出術等)又は子宮破裂の既往歴のある患者には使用しないこと〔2.2参照〕。
1.1.3. オキシトシン、ジノプロスト(PGF2α)、ジノプロストン<経口剤>(PGE2<経口剤>)と同時併用しないこと。また、本剤投与終了後に分娩誘発・促進のためにオキシトシン、ジノプロスト(PGF2α)、ジノプロストン<経口剤>(PGE2<経口剤>)を使用する場合、1時間以上の間隔をあけ、十分な分娩監視を行い、慎重に投与すること〔2.8、7.4、10.1参照〕。
1.1.4. 本剤投与中は、トイレ歩行時等、医師が必要と認めた場合に一時的に分娩監視装置を外すことを除き分娩監視装置を用いて連続的にモニタリングを行い、異常が認められた場合には、本剤を速やかに除去し、適切な処置を行うこと〔8.重要な基本的注意の項参照〕。
1.2. 本剤の使用にあたっては、添付文書を熟読すること。
- 禁忌
- 2.1. すでに分娩開始している患者[過強陣痛、胎児機能不全を起こすおそれがある]。
2.2. 子宮筋層の切開を伴う手術歴(帝王切開、筋腫核出術等)又は子宮破裂の既往歴のある患者[過強陣痛が生じると不全子宮破裂や子宮破裂のおそれがある]〔1.1.2参照〕。
2.3. 胎児機能不全のある患者[胎児の状態を悪化させるおそれがある]。
2.4. 前置胎盤のある患者[出血により、母体及び胎児への障害を起こすおそれがある]。
2.5. 常位胎盤早期剥離のある患者[母体及び胎児への重篤な障害を起こすおそれがあり、緊急な胎児娩出が要求される]。
2.6. 児頭骨盤不均衡又は胎位異常のある患者[正常な経腟分娩が進行せず、母体及び胎児への障害を起こすおそれがある]。
2.7. 医学的適応での帝王切開の患者[母体及び胎児への障害を起こすおそれがある]。
2.8. オキシトシン投与中、ジノプロスト投与中(PGF2α投与中)又はジノプロストン<経口剤>投与中(PGE2<経口剤>投与中)の患者〔1.1.3、7.4、10.1参照〕。
2.9. 吸湿性頸管拡張材実施中又はメトロイリンテル実施中もしくはプラステロン硫酸エステルナトリウム投与中の患者〔7.4、10.1参照〕。
2.10. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 妊娠37週以降の子宮頸管熟化不全における熟化の促進。
(効能又は効果に関連する注意)
子宮頸管熟化の状態を診断して、慎重に適応を判断すること。
- 用法・用量
- 本剤1個を後腟円蓋に挿入し、最長12時間腟内に留置する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤は添付文書の図のように、後腟円蓋に腟軸に対して本剤の長軸が垂直方向になるように挿入する。
7.2. 本剤投与開始後に次のいずれかに該当する場合は、本剤を速やかに除去すること。
(1). 30分間にわたり規則的で明らかな痛みを伴う3分間隔の子宮収縮(本剤を速やかに除去すること)。
(2). 新たな破水(本剤を速やかに除去すること)。
(3). 本剤投与開始後に人工破膜を行うときは、本剤を速やかに除去すること。
(4). 過強陣痛やその徴候の発現(本剤を速やかに除去すること)〔11.1.1参照〕。
(5). 胎児機能不全やその徴候の発現(本剤を速やかに除去すること)〔11.1.2参照〕。
(6). 悪心、嘔吐、低血圧等の全身性副作用の発現(本剤を速やかに除去すること)。
7.3. 本剤投与開始12時間以降もジノプロストンが持続的に放出されるため、本剤投与開始から12時間後には、子宮頸管熟化の有無にかかわらず除去すること。
7.4. 本剤除去後にオキシトシン又はプロスタグランジン製剤あるいは吸湿性頸管拡張材、メトロイリンテル又はプラステロン硫酸エステルナトリウムを使用する場合は、少なくとも1時間以上間隔をあけること〔1.1.3、2.8、2.9、10.1参照〕。
7.5. 1回の分娩において、本剤を2個以上使用しないこと。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 過強陣痛やそれに伴う胎児機能不全、子宮破裂、頸管裂傷、羊水塞栓等が起こることがある。また、過強陣痛を伴わない胎児機能不全が起こることもある。これらが生じた結果、母体の生命を脅かす状態や児の生命を脅かす状態に至ることがあるので、本剤を用いた子宮頸管熟化にあたっては、母体及び胎児の状態を十分に監視するため、分娩監視装置を用
いた連続的なモニタリングの実施に加えて、定期的にバイタルサインのモニターを行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお、分娩監視装置を用いた連続的なモニタリング中であっても、トイレ歩行時等、医師が必要と認めた場合に短時間のモニタリングの一時中断は可能であるが、長時間のモニタリングの中断は行わないこと〔1.1.4、11.1.1、11.1.2参照〕。
9.1.1. 前期破水のある患者:腟内の羊水の曝露状況に応じて本剤投与の適否及び本剤除去の要否を慎重に判断すること(子宮からの羊水流出により、腟内のpHが上昇している患者では、本剤からのPGE2放出速度が上昇するおそれがある)。
9.1.2. 過強陣痛の既往歴のある患者:過強陣痛が生じるおそれがある〔11.1.1参照〕。
9.1.3. 緑内障又はその既往歴のある患者:緑内障が悪化もしくは再発するおそれがある(動物実験(ウサギ)で眼圧上昇が報告されている)。
9.1.4. 喘息又はその既往歴のある患者:喘息が悪化もしくは再発するおそれがある(気管支を収縮させるとの報告がある)。
9.1.5. 多胎妊娠の患者:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(子宮が脆弱になっていることがあり、強い子宮収縮を生じると子宮破裂のおそれがあり、臨床試験は実施していない)。
9.1.6. 正期産を4回以上経験している患者:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(子宮が脆弱になっていることがあり、強い子宮収縮を生じると子宮破裂のおそれがあり、臨床試験は実施していない)。
- 相互作用
- 10.1. 併用禁忌:1). オキシトシン、ジノプロスト(PGF2α)、ジノプロストン(PGE2):①. オキシトシン<アトニン-O注>、ジノプロスト(PGF2α)<プロスタルモン・F注射液>、ジノプロストン<経口剤>(PGE2<経口剤>)<プロスタグランジンE2錠>〔1.1.3、2.8、7.4、11.1.1参照〕[同時併用することにより過強陣痛を起こしやすい(子宮収縮が発現するおそれがあるため、子宮収縮作用を持つ薬剤を併用することにより子宮収縮作用を増強する)]。
②. オキシトシン<アトニン-O注>、ジノプロスト(PGF2α)<プロスタルモン・F注射液>、ジノプロストン<経口剤>(PGE2<経口剤>)<プロスタグランジンE2錠>〔1.1.3、2.8、7.4、11.1.1参照〕[本剤投与終了後に分娩誘発・促進のためにこれらの薬剤を使用する場合、過強陣痛を起こしやすいので1時間以上の間隔をあけ、十分な分娩監視を行い、慎重に投与すること(子宮収縮が発現するおそれがあるため、子宮収縮作用を持つ薬剤を併用することにより子宮収縮作用を増強する)]。
2). 吸湿性頸管拡張材、メトロイリンテル、プラステロン硫酸エステルナトリウム:①. 吸湿性頸管拡張材<ラミナリア桿、ダイラパンS、ラミセル>、メトロイリンテル<ミニメトロ、ネオメトロ>、プラステロン硫酸エステルナトリウム<レボスパ>〔2.9、7.4、11.1.1参照〕[同時併用することにより過強陣痛を起こすおそれがある(子宮収縮が発現するおそれがあるため、子宮収縮を促すおそれのある処置を併用することにより子宮収縮作用を増強するおそれがある)]。
②. 吸湿性頸管拡張材<ラミナリア桿、ダイラパンS、ラミセル>、メトロイリンテル<ミニメトロ、ネオメトロ>、プラステロン硫酸エステルナトリウム<レボスパ>〔2.9、7.4、11.1.1参照〕[本剤投与終了後にこれらを使用する場合、過強陣痛を起こすおそれがあるので1時間以上の間隔をあけ、十分な分娩監視を行い、慎重に使用すること(子宮収縮が発現するおそれがあるため、子宮収縮を促すおそれのある処置を併用
することにより子宮収縮作用を増強するおそれがある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤を速やかに除去するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 過強陣痛(頻度不明):過強陣痛に伴い、胎児機能不全、子宮破裂、頸管裂傷、羊水塞栓等があらわれることがある〔1.1、7.2、8.重要な基本的注意の項、9.1.2、10.1、11.1.2参照〕。
11.1.2. 胎児機能不全(0.8%):胎児機能不全(胎児心拍障害等)があらわれることがあり、また、胎児機能不全に伴い、羊水中胎便、代謝性アシドーシス、アプガースコア低値等があらわれることがある〔1.1、7.2、8.重要な基本的注意の項、11.1.1参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 免疫性障害:(頻度不明)過敏症。
2). 神経系障害:(頻度不明)頭痛。
3). 血管障害:(1%未満)血圧上昇、(頻度不明)低血圧。
4). 胃腸障害:(1%未満)悪心、(頻度不明)腹痛、嘔吐、下痢。
5). 皮膚及び皮下組織障害:(頻度不明)皮膚そう痒症。
6). 妊娠、産褥及び周産期の状態:(頻度不明)分娩後出血、臨床的絨毛膜羊膜炎、子宮弛緩。
7). 生殖系及び乳房障害:(頻度不明)外陰腟灼熱感、性器浮腫(陰唇部浮腫)。
8). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(1~5%未満)発熱。
9). 新生児:(頻度不明)新生児呼吸窮迫関連症状。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 本剤は投与直前に冷凍庫から取り出すこと。
14.1.2. 本剤は投与直前にアルミラミネート袋から取り出すこと(アルミラミネート袋から取り出す際は、取り出し用紐・ネットの損傷を避けるため、はさみ等の鋭利なものは使用しないこと)。
14.1.3. 担体をネットから取り出して腟内に挿入しないこと。
14.1.4. 本剤の挿入に際して、腟から指を引き抜く際には、あやまって取り出し用紐を引っ張らないよう注意すること。
14.2. 薬剤投与中の注意14.2.1. 取り出し用紐は腟外に出し、速やかに除去できるようにしておく。
14.2.2. 本剤投与開始後は横になった状態で、少なくとも30分間安静にさせる。
14.2.3. 本剤が腟内から脱出した場合は、再挿入しないこと。
16.1 血中濃度
日本人健康成人女性10例に本剤1個を12時間腟内に留置したとき、血漿中ジノプロストン濃度は、定量下限(1pg/mL)付近であり、内因性レベルからの上昇はほとんどみられなかった。
12時間留置時の薬物動態パラメータ〔幾何平均値(CV%)〕
→図表を見る(PDF)
12時間留置時の血漿中ジノプロストン濃度推移
16.2 吸収
日本人妊婦を対象とした臨床薬理試験2試験の結果より、本剤からのジノプロストンの放出速度は0.294mg/hと推定された。
16.3 分布
妊娠ラットに3Hで標識したジノプロストンを含有する製剤を12時間腟内投与したとき、胎盤や胎児を含む多くの組織にはわずかな放射能しか認められず、投与部位(腟及び子宮頸管)に高濃度の放射能が認められた。
16.4 代謝
ジノプロストンは、ヒトにおいて脱水素酵素(prostaglandin 15‐OH dehydrogenase)により15位のケト化を受けた後、13位が還元され、PGEmとなる。その後、PGEmがβ酸化やω酸化を受け、ジカルボン酸に代謝される。
16.5 排泄
妊娠ラットに3Hで標識したジノプロストンを含有する製剤を12時間腟内投与したとき、投与後24時間までの尿中及び糞中に投与量の46.1%及び35.6%の放射能がそれぞれ排泄された。雌イヌに3Hで標識したジノプロストンを含有する製剤を8時間腟内投与したとき、投与後7日間までの尿中及び糞中に投与量の65.4%及び13.7%の放射能がそれぞれ排泄された。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内多施設共同非盲検第III相試験
子宮頸管熟化が必要な妊娠末期の妊婦(妊娠37週以上41週未満、ビショップスコアが4点以下)を対象とした多施設共同非盲検試験において、68例の妊婦に対して、本剤1個を後腟円蓋に挿入し、最長12時間腟内に留置した。主要評価項目である、子宮頸管熟化成功(投与後12時間以内にビショップスコアが7点以上又は経腟分娩のいずれかに至った場合)の割合は57.4%(39/68例)であった。また、副作用発現割合は、8.8%(6/68例)であった。認められた副作用は、発熱が2.9%(2/68例)、悪心、血圧上昇、胎児機能不全心拍パターン、胎児頻脈及び胎児心拍数異常が各1.5%(1/68例)であった。
17.1.2 国内多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験
子宮頸管熟化が必要な妊娠末期の妊婦(妊娠41週、ビショップスコアが4点以下)を対象とした多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験において、本剤群57例、プラセボ群56例、合計113例の妊婦に対して、本剤又はプラセボ1個を後腟円蓋に挿入し、最長12時間腟内に留置した。主要評価項目である、子宮頸管熟化成功(投与後12時間以内にビショップスコアが7点以上又は経腟分娩のいずれかに至った場合)の割合は、本剤が47.4%(27/57例)、プラセボが14.3%(8/56例)であったことから、本剤はプラセボに比べ有意に子宮頸管を熟化させることが確認された(p=0.0002)(Fisherの正確検定)。また、副作用発現割合は、本剤群で8.8%(5/57例)であった。認められた副作用は、腹部膨満、妊娠高血圧、子宮収縮異常、子宮出血、胎児一過性徐脈異常、胎児機能不全心拍パターン及び代謝性アシドーシスが各1.8%(1/57例)であった。
18.1 作用機序
作用機序の1つとして、ジノプロストンによるコラゲナーゼ活性の上昇が考えられる。
18.2 子宮頸管熟化作用
妊娠ラットにジノプロストンを0、0.08、0.17、0.34及び0.83mg腟内投与した。投与後に摘出した子宮頸管の湿重量及び水分含量は用量依存的に増加し、0.17mg/匹(約0.7mg/kg)以上の用量で対照群(0mg/匹)に比べて有意な増加を認めた。
- 製造販売会社
- フェリング・ファーマ
- 販売会社
- 富士製薬
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