アンジュ21錠

添付文書情報2021年06月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏性素因のある女性。
2.2. エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)、子宮頸癌及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある]〔8.8-8.10参照〕。
2.3. 診断の確定していない異常性器出血のある患者[性器癌の疑いがあり、出血が性器癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある]〔8.8、8.10参照〕。
2.4. 血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患又はその既往歴のある患者[血液凝固能が亢進され、これらの症状が増悪することがある]〔11.1.1参照〕。
2.5. 35歳以上で1日15本以上の喫煙者[心筋梗塞等の心血管系障害が発生しやすくなるとの報告がある]〔8.6、9.1.1、9.1.5、11.1.1参照〕。
2.6. 前兆を伴う片頭痛(閃輝暗点を伴う片頭痛、星型閃光を伴う片頭痛等)の患者[前兆を伴う片頭痛の患者は前兆を伴わない患者に比べ脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告がある]〔11.1.1参照〕。
2.7. 肺高血圧症を合併する心臓弁膜症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者[血栓症等の心血管系障害が発生しやすくなるとの報告がある]〔9.1.9、11.1.1参照〕。
2.8. 血管病変を伴う糖尿病患者(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症等)[血栓症等の心血管系障害が発生しやすくなるとの報告がある]〔11.1.1参照〕。
2.9. 血栓性素因のある女性[血栓症等の心血管系障害が発生しやすくなるとの報告がある]〔11.1.1参照〕。
2.10. 抗リン脂質抗体症候群の患者[血栓症等の心血管系障害が発生しやすくなるとの報告がある]〔11.1.1参照〕。
2.11. 手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内及び長期間安静状態の患者[血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがある]〔8.5、11.1.1参照〕。
2.12. 重篤な肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。
2.13. 肝腫瘍のある患者[症状が増悪することがある]。
2.14. 脂質代謝異常のある患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある(また、脂質代謝に影響を及ぼす可能性があるため、症状が増悪することがある)]〔11.1.1参照〕。
2.15. 高血圧<軽度高血圧を除く>のある患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある(また、症状が増悪することがある)]〔9.1.10、11.1.1参照〕。
2.16. 耳硬化症の患者[症状が増悪することがある]。
2.17. 妊娠中に黄疸、妊娠中に持続性そう痒症又は妊娠ヘルペスの既往歴のある患者[症状が再発するおそれがある]。
2.18. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.4.1、9.4.3、9.5.1参照〕。
2.19. 授乳婦〔9.6授乳婦の項参照〕。
2.20. 骨成長が終了していない可能性がある女性[骨端早期閉鎖を来すおそれがある]。
- 効能・効果
- 避妊。
(効能又は効果に関連する注意)
経口避妊剤使用開始1年間ののみ忘れを含めた一般的使用における失敗率は9%との報告がある〔17.3参照〕。
- 用法・用量
- 1周期目は1日1錠を毎日一定の時刻に赤褐色錠から開始し、指定された順番に従い21日間連続経口投与し、7日間休薬する。
2周期目は、1周期服用開始29日目より1周期目と同様に赤褐色錠から1日1錠を21日間連続投与し、7日間休薬する。
3周期目以降は2周期目と同様に投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 毎日一定の時刻に服用させること。
7.2. 服用開始日
経口避妊剤を初めて服用させる場合、月経第1日目から服用を開始させ、服用開始日が月経第1日目から遅れた場合、のみはじめの最初の1週間は他の避妊法を併用させること。
7.3. 本剤の投与にあたってはのみ忘れ等がないよう服用方法を十分指導すること。万一のみ忘れがあった場合、翌日までに気づいたならば直ちにのみ忘れた錠剤を服用し、その日の錠剤も通常どおりに服用させる。
2日以上連続してのみ忘れがあった場合は服用を中止させ、次の月経を待ち投与を再開させること。なお、のみ忘れにより妊娠する可能性が高くなるので、その周期は他の避妊法を使用させること。
7.4. 他の経口避妊剤から本剤に切り替える場合
7.4.1. 21錠タイプの経口避妊剤から切り替える場合:前に服用していた薬剤をすべて服用し7日間の休薬の後、続けて本剤の服用を開始させる(服用開始が遅れた場合、妊娠の可能性がある)。
7.4.2. 28錠タイプの経口避妊剤から切り替える場合:前に服用していた薬剤をすべて服用後、続けて本剤の服用を開始させる(服用開始が遅れた場合、妊娠の可能性がある)。
- 生殖能を有する者
- 8.1. 本剤の服用により、年齢、喫煙、肥満、家族歴等のリスク因子の有無にかかわらず血栓症があらわれることがあるので、次のような症状があらわれた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと(緊急対応を要する血栓症の主な症状:下肢の急激な疼痛・下肢の急激な腫脹、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢脱力・四肢麻痺、構語障害、急性視力障害等)。
本剤服用者に対しても、緊急対応を要する血栓症の主な症状(下肢の急激な疼痛・腫脹、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢の脱力・麻痺、構語障害、急性視力障害等)があらわれた場合は、直ちに服用を中止し、救急医療機関を受診するよう説明すること〔11.1.1参照〕。
8.2. 本剤の服用中に、血栓症が疑われる症状があらわれた場合は、投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔11.1.1参照〕(血栓症が疑われる症状:下肢疼痛・下肢腫脹・下肢しびれ・下肢発赤・下肢熱感、頭痛、嘔気・嘔吐等)。
8.3. 血栓症のリスクが高まる状態(体を動かせない状態、顕著な血圧上昇、脱水等)が認められる場合は、投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔11.1.1参照〕。
8.4. 本剤服用者には、投与開始時及び継続時に次について説明すること〔11.1.1参照〕。
・ 血栓症は生命に関わる経過をたどることがあること。
・ 血栓症が疑われる症状があらわれた場合や、血栓症のリスクが高まる状態になった場合は、症状・状態が軽度であっても直ちに服用を中止し医師等に相談すること。
・ 血栓症を疑って他の医療機関を受診する際は、本剤の使用を医師に告知し、本剤による血栓症を念頭においた診察を受けられるようにすること。
8.5. 本剤服用中にやむを得ず手術が必要と判断される場合には、血栓症の予防に十分配慮すること〔2.11、11.1.1参照〕。
8.6. 年齢及び喫煙量により心血管系の重篤な副作用の危険性が増大するとの報告があるので、本剤服用者には禁煙するよう指導すること〔2.5、9.1.1、9.1.5、11.1.1参照〕。
8.7. 本剤の投与にあたっては服用者の病歴調査及び検診が必要である。この検診には、血圧測定、乳房・腹部の検査及び臨床検査が含まれる。また、投与中は6カ月毎の検診を行うこと。
8.8. 本剤投与開始前及び投与中は、1年に1回以上、子宮・卵巣を中心とした骨盤内臓器の検査を行うこと。投与開始前及び投与中は、1年に1回、子宮頸部の細胞診の実施を考慮すること〔2.2、2.3、9.1.2参照〕。
8.9. 乳癌の検査は、服用者に自己検診を行うよう指導すること〔2.2、9.1.3、9.1.4参照〕。
8.10. 服用中に不正性器出血が発現した場合、通常は投与継続中に消失するが、長期間持続する場合は、腟細胞診等の検査で悪性疾患によるものではないことを確認の上、投与すること〔2.2、2.3参照〕。
9.1.1. 40歳以上<1日15本以上の喫煙者には投与しない>の女性:一般に心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなる年代であるため、これを助長するおそれがある〔2.5、8.6、11.1.1参照〕。
9.1.2. 子宮筋腫のある患者:子宮筋腫の発育を促進するおそれがある〔8.8参照〕。
9.1.3. 乳癌の既往歴のある女性:乳癌が再発するおそれがある〔8.9参照〕。
9.1.4. 乳癌の家族歴又は乳房結節のある女性:定期的に乳房検診を行うなど慎重に投与すること(エストロゲン投与と乳癌発生との因果関係についてその関連性を示唆する報告もある)〔8.9参照〕。
9.1.5. 喫煙<35歳以上で1日15本以上の喫煙者には投与しない>者:心筋梗塞等の心血管系障害が発生しやすくなるとの報告がある〔2.5、8.6、11.1.1参照〕。
9.1.6. 肥満の女性:血栓症等の心血管系障害が発生しやすくなるとの報告がある〔11.1.1参照〕。
9.1.7. 血栓症の家族歴を持つ女性:血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある〔11.1.1参照〕。
9.1.8. 前兆を伴わない片頭痛の患者:脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告がある〔11.1.1参照〕。
9.1.9. 心臓弁膜症<肺高血圧症又は心房細動合併・亜急性細菌性心内膜炎既往は禁忌>の患者:血栓症等の心血管系障害が発生しやすくなるとの報告がある〔2.7、11.1.1参照〕。
9.1.10. 軽度高血圧(妊娠中の高血圧の既往も含む)のある患者:血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある(また、症状が増悪することがある)〔2.15、11.1.1参照〕。
9.1.11. 耐糖能の低下している女性(糖尿病患者及び耐糖能異常の女性):十分コントロールを行いながら投与すること(耐糖能が低下することがある)。
9.1.12. ポルフィリン症の患者:症状が増悪することがある。
9.1.13. 心疾患又はその既往歴のある患者:ナトリウム貯留又は体液貯留により症状が増悪することがある。
9.1.14. てんかん患者:症状が増悪することがある。
9.1.15. テタニーのある患者:症状が増悪することがある。
9.2.1. 腎疾患又はその既往歴のある患者:ナトリウム貯留又は体液貯留により症状が増悪することがある。
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:投与しないこと(代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある)〔2.12参照〕。
9.3.2. 肝障害<重篤な肝障害を除く>のある患者:代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。
9.4.1. 生殖能を有する者:本剤投与に際しては、問診、内診、基礎体温の測定、免疫学的妊娠診断等により、妊娠していないことを十分に確認すること〔2.18、9.5.1参照〕。
9.4.2. 生殖能を有する者:服用中に激しい下痢、嘔吐が続いた場合には本剤の吸収不良を来すことがあり、その場合には妊娠する可能性が高くなるので、その周期は他の避妊法を併用させること。
9.4.3. 生殖能を有する者:服用中に消退出血が2周期連続して発来しなかった場合、投与継続に先だって妊娠していないことを確認すること〔2.18、9.5.1参照〕。
9.4.4. 生殖能を有する者:本剤の服用を中止して妊娠を希望する場合には、月経周期が回復するまで避妊させることが望ましい。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). 副腎皮質ホルモン(プレドニゾロン等)、三環系抗うつ剤(イミプラミン等)、セレギリン塩酸塩、シクロスポリン、オメプラゾール[これらの薬剤の作用が増強するおそれがある(本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制すると考えられる)]。
2). テオフィリン、チザニジン塩酸塩[これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある(本剤がこれらの薬剤の代謝酵素(CYP1A2)を阻害すると考えられる)]。
3). リファンピシン、バルビツール酸系製剤(フェノバルビタール等)、ヒダントイン系製剤(フェニトインナトリウム等)、カルバマゼピン、ボセンタン、モダフィニル、トピラマート[本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある(これらの薬剤は薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる)]。
4). テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン等)、ペニシリン系抗生物質(アンピシリン水和物等)[本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある(これらの薬剤は腸内細菌叢を変化させ、本剤の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる)]。
5). テルビナフィン塩酸塩[黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤との併用で月経異常があらわれたとの報告がある(機序不明)]。
6). Gn-RH誘導体(ブセレリン酢酸塩等)[これらの薬剤の作用を減弱するおそれがある(これらの薬剤は性ホルモンの分泌を低下することにより薬効を示すため、性ホルモンである本剤の投与によってこれらの薬剤の効果を減弱する可能性が考えられる)]。
7). 血糖降下剤(インスリン製剤、スルフォニル尿素系製剤、スルフォンアミド系製剤、ビグアナイド系製剤等)[血糖降下剤の作用が減弱するおそれがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察し、血糖降下剤の用量を調節するなど注意する(本剤は耐糖能を低下させ、血糖降下剤の作用を減弱させると考えられる)]。
8). ラモトリギン、モルヒネ、サリチル酸[これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある(本剤はこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進すると考えられる)]。
9). HIVプロテアーゼ阻害剤、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤:①. HIVプロテアーゼ阻害剤(ネルフィナビルメシル酸塩、リトナビル、ダルナビル、ロピナビル・リトナビル配合剤等)、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(ネビラピン)[本剤の作用が減弱するおそれがある(エチニルエストラジオールのAUCが減少する)]。
②. HIVプロテアーゼ阻害剤(ホスアンプレナビル(リトナビル併用時))[本剤の作用が減弱するおそれがある(エチニルエストラジオールのAUCが減少する)]。
10). HIVプロテアーゼ阻害剤(アタザナビル)[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある(アタザナビルは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる)]。
11). 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(エトラビリン)[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある(エトラビリンは本剤の代謝酵素(CYP2C9)を阻害すると考えられる)]。
12). フルコナゾール[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある(フルコナゾールは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる)]。
13). ボリコナゾール[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある(ボリコナゾールは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる)。ボリコナゾールの血中濃度が上昇するおそれがある(本剤がボリコナゾールの代謝酵素(CYP2C19)を阻害すると考えられる)]。
14). アセトアミノフェン[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある(アセトアミノフェンはエチニルエストラジオールの硫酸抱合を阻害すると考えられる)。アセトアミノフェンの血中濃度が低下するおそれがある(本剤が肝におけるアセトアミノフェンのグルクロン酸抱合を促進すると考えられる)]。
15). セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること(この食品は薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 血栓症(四肢血栓症、肺血栓症、心血栓症、脳血栓症、網膜血栓症等)(0.1%未満):下肢の急激な疼痛・下肢の急激な腫脹、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢脱力・四肢麻痺、構語障害、急性視力障害等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔2.4-2.11、2.14、2.15、8.1-8.6、9.1.1、9.1.5-9.1.10参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹。
2). 眼:(頻度不明)網膜血流障害による視力障害。
3). 肝臓:(0.1~5%未満)肝機能異常、(頻度不明)黄疸等。
4). 電解質代謝:(0.1~5%未満)浮腫、体重増加。
5). 子宮:(0.1~5%未満)不正性器出血(子宮破綻出血、子宮点状出血)、白帯下、下腹部痛、(頻度不明)経血量変化、カンジダ腟炎。
6). 乳房:(0.1~5%未満)乳汁分泌、乳房痛、乳房緊満感、乳房萎縮、乳房腫大。
7). 循環器:(0.1~5%未満)血圧上昇、動悸。
8). 消化器:(5%以上)悪心、嘔吐、(0.1~5%未満)下痢、食欲不振、胃痛、便秘、(頻度不明)口渇、口内炎、腹痛、食欲亢進。
9). 精神神経系:(5%以上)頭痛、(0.1~5%未満)眠気、神経過敏、めまい、(頻度不明)抑うつ。
10). 皮膚:(0.1~5%未満)ざ瘡、(頻度不明)*皮膚色素沈着[*:長時間太陽光を浴びないよう注意すること]。
11). その他:(0.1~5%未満)肩こり、腰痛、倦怠感、(頻度不明)冷感、しびれ、代償性鼻出血、熱感、総コレステロール上昇、トリグリセリド上昇。
- 授乳婦
- 9.5.1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(妊娠が確認された場合には投与を中止すること)〔2.18、9.4.1、9.4.3参照〕。
9.5.2. 卵胞ホルモン剤を妊娠動物(マウス)に投与した場合、仔の成長後腟上皮の悪性変性及び仔の成長後子宮内膜の悪性変性を示唆する結果が報告されている。また、新生仔(マウス)に投与した場合、仔の成長後腟上皮の悪性変性を認めたとの報告がある。
投与しないこと(他の避妊法をすすめるなど適切な指導をすること(母乳の量的質的低下が起こることがあり、また、母乳中への移行、児において黄疸、乳房腫大が報告されている))〔2.19参照〕。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 外国の疫学調査の結果、静脈血栓症のリスクは、経口避妊剤を服用している女性は服用していない女性に比し、3.25~4.0倍高くなるとの報告があり、また、静脈血栓症のリスクは経口避妊剤服用開始の最初の1年間において最も高くなるとの報告がある(さらに、外国での大規模市販後調査の結果、初めて経口避妊剤の服用を開始した時だけでなく、4週間以上の中断後に服用を再開した時又は4週間以上の中断後に別の経口避妊剤へ切り替えた時にも静脈血栓症のリスクが上昇し、そのリスクは服用開始後3カ月間が特に高いとの報告がある)。
15.1.2. 外国での疫学調査の結果、経口避妊剤の服用により乳癌及び子宮頸癌になる可能性が高くなるとの報告がある。
15.1.3. 外国で、経口避妊剤を2年以上服用した場合、良性肝腫瘍が10万人当たり3.4人発生するとの報告がある。また、肝腫瘍の破裂により腹腔内出血を起こす可能性がある。一方、悪性肝腫瘍(肝癌)の発生率は極めて低く、100万人当たり1人に満たない。
15.1.4. 外国で、経口避妊剤の服用により全身性エリテマトーデス悪化(SLE悪化)、アナフィラキシー、溶血性尿毒症症候群(HUS)があらわれたとの報告がある。
15.1.5. 外国で、経口避妊剤の服用による角膜厚の変化等によりコンタクトレンズがうまく調整されないため、視力変化・視野変化、コンタクトレンズ装用時の不快感等がみられたとの報告がある。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人女性に本剤を単回投与したとき、血漿中レボノルゲストレル、エチニルエストラジオールは速やかに吸収され各用量とも1~1.5時間で最高血中濃度に達し、以後2相性の消失パターンを示し減少した。血漿中からの最終相消失半減期はレボノルゲストレルで10~26時間、エチニルエストラジオールで4~8時間であった。レボノルゲストレル/エチニルエストラジオールの配合比率にかかわらず、Cmax、AUCともほぼ用量依存性を示した。
→図表を見る(PDF)
16.1.2 連続投与
健康成人女性に1周期(21日間)連続投与したとき、レボノルゲストレル血漿中濃度は単回投与時より推測した濃度を大きく上回った。これはエチニルエストラジオール投与により誘導された性ホルモン結合性グロブリンによる影響と思われた。エチニルエストラジオール血漿中濃度については連続投与による薬物動態の変化は認められず、単回投与時と同様に推移した。
→図表を見る(PDF)
16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
健康成人女性5例に投与した結果、バイオアベイラビリティは、レボノルゲストレルで89~99%、エチニルエストラジオールで42~45%であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
レボノルゲストレル及びエチニルエストラジオールともに90%以上(外国人データ)。
16.4 代謝
16.4.1 レボノルゲストレル
健康成人女性3例に14C‐レボノルゲストレルを経口投与し、尿中代謝物を検討した結果、主な代謝物はグルクロン酸抱合体であった(外国人データ)。
16.4.2 エチニルエストラジオール
卵巣又は子宮摘除女性13例に3H‐エチニルエストラジオールを経口又は静脈内投与し、尿中代謝物を検討した結果、エチニル化合物及び脱エチニル体が認められた(外国人データ)。
16.5 排泄
16.5.1 レボノルゲストレル
健康成人女性5例に14C‐レボノルゲストレルを経口投与したときの尿中及び糞中累積排泄率は、投与7日後、それぞれ44.8±8.9%、31.6±8.2%(未変化体及び代謝物として)であった(外国人データ)。
16.5.2 エチニルエストラジオール
健康成人女性3例に3H‐エチニルエストラジオールを経口投与したときの尿中累積排泄率は、投与8日後、18.1~45.4%(未変化体及び代謝物として)であった(外国人データ)。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
総投与症例731例、解析対象症例690例9,638周期であった。
有効性評価症例676例(9,375周期)中、妊娠例は2例に認められ、パール指数は0.28であった。
副作用発現頻度は、解析対象690例9,638周期中29.42%(203/690例)で、主な副作用は消化器症状17.54%、子宮・乳房系症状7.83%、頭痛7.83%等であった。
17.3 その他
各種避妊法使用開始1年間の失敗率(妊娠率)は次のとおりである。[5.参照]
→図表を見る(PDF)
18.1 作用機序
下垂体からの黄体形成ホルモン(LH)及び卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌抑制による排卵抑制作用を主作用とし、子宮内膜変化による着床阻害作用、頸管粘液変化による精子通過阻害作用が加味されて避妊効果を発揮する。
18.2 排卵抑制作用
健康成人女性7例に本剤を連続21日間投与し、血漿中LH、FSH濃度を投与開始時及び排卵相当期の前後に測定した。また、血漿中プロゲステロン濃度を投与開始時及び黄体期後期に相当する時期に測定した。その結果、排卵相当期の血漿中LH、FSH濃度は投与開始時と同程度に抑制されており、黄体期後期に相当する時期のプロゲステロン濃度も低値を示したことから、本剤は排卵を抑制することが確認された。
18.3 子宮内膜の性状変化による着床阻害作用
健康成人女性28例に本剤と同一の製剤を連続21日間投与し、投与2~21日目の間に子宮内膜の形態を観察した結果、子宮内膜の形態は正常月経周期と比較し、より早期の分泌期様変化と腺上皮の形成不全を示すなど、受精卵の着床に適さない変化が認められた(外国人データ)。
18.4 子宮頸管粘液の変化による精子通過阻害作用
健康成人女性6例に本剤と同一の製剤を連続21日間投与し、周期各時点における頸管粘液の性状及び粘液中の精子移動速度を非投与例と比較した。その結果、投与例の頸管粘液は密度の高い線維状構造で、非投与例の黄体期の所見に類似していた。また、投与例の精子移動速度は周期を通じて低値であった(外国人データ)。
- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
赤褐色錠6錠、白色錠5錠及び黄色錠10錠からなる21錠の組合せ薬剤である。
- 製造販売会社
- あすか製薬
- 販売会社
- 武田薬品
おくすりのQ&A
自費で接種された、風疹ワクチンが申請により
補助が受けれることになり、母子手帳記載以外に、予診票の控えがいるとのこと
保管中の予診票の控えを渡したら...
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