デトルシトールカプセル4mg
添付文書情報2024年07月改定(第3版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 尿閉(慢性尿閉に伴う溢流性尿失禁を含む)を有する患者[尿閉が更に悪化するおそれがある]〔8.1、11.1.2参照〕。
2.2. 眼圧が調節できない閉塞隅角緑内障の患者[眼圧の上昇を招き、症状を悪化させるおそれがある]。
2.3. 重篤な心疾患のある患者[抗コリン作用により、症状を増悪させるおそれがある。また、重篤な心疾患のある患者では過量投与にてQT間隔延長がみられている]〔13.1参照〕。
2.4. 麻痺性イレウスのある患者[抗コリン作用により胃腸管の緊張、運動性は抑制され、胃腸管内容物の移動は遅延するため、麻痺性イレウスの患者では、胃腸管内容物の停滞により閉塞状態が強められるおそれがある]。
2.5. 胃アトニー又は腸アトニーのある患者[抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある]。
2.6. 重症筋無力症の患者[抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある]。
2.7. 本剤の成分あるいはフェソテロジンフマル酸塩に対して過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 過活動膀胱と類似した症状を示す尿路感染症、尿路結石、前立腺癌、膀胱癌等の疾患を有する場合は、その治療を行うこと〔8.1-8.3参照〕。
5.2. 前立腺肥大症における過活動膀胱の症状は、前立腺肥大症の治療により消失又は軽減することがあるので、前立腺肥大症の治療を優先すること〔8.2参照〕。
5.3. 認知症で過活動膀胱の自覚症状の把握が困難、認知機能障害で過活動膀胱の自覚症状の把握が困難な患者の場合は、本剤の投与対象とならない。
- 用法・用量
- 通常、成人にはトルテロジン酒石酸塩として4mgを1日1回経口投与する。なお、患者の忍容性に応じて減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
腎障害がある患者、肝障害がある患者、又はマクロライド系抗生物質を併用及びアゾール系抗真菌薬を併用等のチトクロムP450分子種<CYP3A4>阻害薬を併用している患者においては、トルテロジン酒石酸塩として2mgを1日1回経口投与する〔9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者の項、10.2参照〕。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 慢性尿閉に伴う溢流性尿失禁の患者では、過活動膀胱の症状と類似した症状を示すことがあるため、溢流性尿失禁等の症状が疑われた場合には鑑別のため必要に応じて、投与前に尿流動態検査等を実施すること〔2.1、5.1参照〕。
8.2. 尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁等の症状は、尿路感染症、尿路結石、前立腺癌、膀胱癌、前立腺肥大症等の疾患が原因となっている場合もあるので、問診及び尿検査等によりこれらの疾患を出来るだけ特定し、必要に応じて泌尿器科専門的検査を実施すること〔5.1、5.2参照〕。
8.3. 本剤の服用中に尿検査等を適宜実施し、尿路感染症等の併発の有無を確認することが望ましい〔5.1参照〕。
8.4. 眼調節障害(霧視等)、めまい、眠気を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。
8.5. 本剤投与で効果が認められない場合、漫然と使用すべきではない。
9.1.1. 尿閉を発症するおそれのある患者〔11.1.2参照〕。
9.1.2. 排尿困難のある前立腺肥大の患者:排尿困難又は残尿が更に悪化するおそれがある〔11.1.2参照〕。
9.1.3. 胃腸管運動が低下するおそれのある患者:腸管の閉塞を招くおそれがある。
9.1.4. 潰瘍性大腸炎の患者:中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。
9.1.5. 眼圧が調節可能な閉塞隅角緑内障の患者:眼圧の上昇を招き、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.6. 狭心症等の虚血性心疾患のある患者:抗コリン作用により頻脈が生じ、症状を増悪させるおそれがある。
9.1.7. クラス1A抗不整脈薬投与中(キニジン、プロカインアミド等)又はクラス3抗不整脈薬投与中(アミオダロン、ソタロール等)の患者を含むQT延長症候群患者:必要に応じて心電図を測定することが望ましい(QT間隔の更なる延長がみられるおそれがある)〔17.3.1参照〕。
9.1.8. 甲状腺機能亢進症の患者:頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがある。
9.1.9. 認知症、認知機能障害のある患者:抗コリン作用により、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.10. パーキンソン症状又は脳血管障害のある患者:症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある。
腎機能障害患者:トルテロジン及びDD01(薬理活性を有するトルテロジン水酸化代謝物)の血清中濃度が増加する可能性がある〔7.用法及び用量に関連する注意の項、16.6.1参照〕。
肝機能障害患者:トルテロジン及びDD01の血清中濃度が増加する可能性がある〔7.用法及び用量に関連する注意の項、16.6.2参照〕。
- 相互作用
- 本剤の代謝にはCYP3A4が関与している〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:1). 抗コリン作用を有する薬剤(抗コリン作用を有する抗パーキンソン剤、抗コリン作用を有する消化性潰瘍治療剤等)[口内乾燥、便秘、排尿困難、視力異常等の副作用があらわれるおそれがある(抗コリン作用が増強されるおそれがある)]。
2). CYP3A4阻害薬(マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール、ミコナゾール等)、シクロスポリン、ビンブラスチン等)〔7.用法及び用量に関連する注意の項、16.7.1参照〕[トルテロジン及びDD01の血清中濃度上昇に伴い効果や副作用の増強が予想される(併用薬剤のCYP3A4阻害作用による)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. アナフィラキシー(血管浮腫を含む)(頻度不明)。
11.1.2. 尿閉(0.3%):導尿を実施するなど適切な処置を行うこと〔2.1、9.1.1、9.1.2参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 消化器:(10%以上)口内乾燥(20.8%)、(1~10%未満)便秘、消化不良、腹痛、(1%未満)嘔気、鼓腸放屁、下痢、嘔吐、(頻度不明)腹部不快感、腹部膨満。
2). 精神神経系:(1~10%未満)頭痛、(1%未満)傾眠、めまい、知覚減退、(頻度不明)*幻覚[*:発現した場合はネオスチグミンを投与するなど適切な処置を行うこと]、※健忘[※:本剤を服用した際に一過性記憶喪失等が発現したとの報告があるので、健忘等が発現した場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと]、失見当識。
3). 循環器:(1%未満)心悸亢進、※※頻脈[※※:発現した場合はβ-アドレナリン遮断薬を投与するなど適切な処置を行うこと]、(頻度不明)心電図QT延長。
4). 泌尿器:(1%未満)排尿障害、排尿困難、尿失禁、膀胱違和感。
5). 皮膚:(1%未満)皮膚乾燥、発疹、(頻度不明)皮膚そう痒症。
6). その他:(1~10%未満)眼球乾燥、(1%未満)味覚倒錯、疲労、口渇、鼻炎、末梢浮腫、視力異常、霧視、(頻度不明)潮紅(ほてり、発赤等)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(マウス)において、臨床曝露量を超える高い血清中濃度(AUCで50倍、Cmaxで80倍)において胎仔致死作用と催奇形性を示した)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行の有無は不明であるが、動物実験(マウス)で乳汁中への移行がわずかに認められていることが報告されており、また授乳期投与試験(マウス)で軽度の産仔体重増加抑制が報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
外箱開封後は遮光して保存すること。
16.1 血中濃度
16.1.1 日本人健康成人における薬物動態(徐放性製剤)
健康成人男女にトルテロジン酒石酸塩4mgを含有する徐放性製剤を24時間毎に反復投与した時のトルテロジン及びDD01の薬物動態パラメータを表に示す。トルテロジン酒石酸塩2、4及び6mg注)を徐放性製剤として24時間毎に反復投与した時のトルテロジンの最高血清中濃度(Cmax)の平均値は1.12、1.30及び2.87μg/L、血清中濃度曲線下面積(AUC)の平均値は13.0、14.8及び26.7μg・h/L、DD01のCmaxの平均値は0.76、1.68及び3.34μg/L、AUCの平均値は8.77、19.2及び34.8μg・h/Lであり、投与量に伴って増加した。2、4及び6mgを24時間毎に反復投与した時のトルテロジン及びDD01の血清中濃度推移を添付文書の図に示す。
注)本剤の承認用量は1日4mgまでである。
日本人健康成人男女に4mgトルテロジン徐放性製剤反復投与時のトルテロジン及びDD01の薬物動態パラメータ(n=12、平均値±標準偏差)
→図表を見る(PDF)
日本人健康成人男女にトルテロジン酒石酸塩2、4及び6mgを徐放性製剤として1日1回5日間反復経口投与した後のトルテロジンの平均血清中濃度推移(n=12、平均値±標準偏差)
<トルテロジン>
注)本剤の承認用量は1日4mgまでである。
日本人健康成人男女にトルテロジン酒石酸塩2、4及び6mgを徐放性製剤として1日1回5日間反復経口投与した後のDD01の平均血清中濃度推移(n=12、平均値±標準偏差)
<DD01>
注)本剤の承認用量は1日4mgまでである。
16.1.2 徐放性製剤と非徐放性製剤との比較
健康成人にて、トルテロジン及びDD01の非結合型血清中濃度(非結合型活性体:薬理活性に寄与する)の合計において、徐放性製剤(4mg、1日1回)投与後のAUCはトルテロジン非徐放性製剤(2mg、1日2回投与)投与後と同等であった(外国人データ)。
16.2 吸収
16.2.1 健康成人にトルテロジン酒石酸塩非徐放性製剤1~4mgを単回経口投与した際に、CmaxとAUCは投与量に比例した(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
徐放性製剤の薬物動態は食事により影響されなかった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 トルテロジンの主な結合蛋白はα1‐酸性糖蛋白質であり、トルテロジン及びDD01のヒト血清中における非結合率はそれぞれ3.7±0.13%及び36±4.0%であった。トルテロジン濃度の全血対血清の比率はトルテロジンで0.6、DD01で0.8であった。トルテロジンの分布容積は、1.28mgを静脈内投与した際に、113Lであった(外国人データ)。
16.3.2 組織内分布
雌雄マウスに14C‐トルテロジンを4mg/kgにて単回経口投与した後、胆嚢、膀胱、肝臓及び腎臓において高濃度の放射能が認められたが、中枢神経系(脳及び脊髄)及び骨格筋においては低かった。有色マウスを用いた試験では眼球においてメラニンとの結合が認められた。
16.4 代謝
トルテロジンはCYP2D6によりフェニル基5位のメチル基が酸化され、DD01を生成する。トルテロジン及びDD01はCYP3A4により脱アルキル化される。その後、酸化又は脱アルキル化により代謝される。トルテロジン酸及びN‐脱アルキルトルテロジン酸の尿中回収率はそれぞれ、51±14%及び29±6%であった。PM(CYP2D6活性が欠損又は低い者)における主代謝経路はCYP3A4によるN‐脱アルキル化であると考えられている。
CYP2D6のPMにおいてDD01はほとんど血清中に検出されず、トルテロジンの血清中濃度はEM(CYP2D6活性の正常な者)と比較し高値を示す。DD01はトルテロジンと同程度の薬理活性を持つと考えられるため、トルテロジンとDD01の非結合型血清中濃度の合計(非結合型活性体濃度)が本薬の薬理活性に寄与すると推定される。トルテロジンとDD01の蛋白結合率の違いより、非結合型活性体の主たる構成成分はEMではDD01、PMではトルテロジンである。徐放性製剤及び非徐放性製剤を投与した際のPMにおける非結合型のトルテロジンのAUCはEMにおける非結合型のトルテロジンとDD01のAUCの和と同様であった(外国人データ)。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人に14C‐トルテロジン5mg注)を単回経口投与後、尿中及び糞中にそれぞれ77%及び17%の放射能が回収された。尿中には、投与量の1%未満(PMにおいては1.7%)及び7.2%がそれぞれトルテロジン及びDD01として回収された(外国人データ)。
注)本剤の承認用量は1日4mgまでである。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者
腎機能障害者[糸球体ろ過速度(イヌリンクリアランス)が30mL/min以下]にトルテロジン酒石酸塩2mgを単回経口投与した時のトルテロジン及びDD01の血清中濃度は、健康成人に比べて2~3倍高値を示し、代謝物(N‐脱アルキルトルテロジン、トルテロジン酸、N‐脱アルキルトルテロジン酸、N‐脱アルキルDD01)の曝露量は10~30倍高値を示した(外国人データ)(非徐放性製剤)。[9.2参照]
16.6.2 肝機能障害者
肝機能障害者(Child‐Pugh分類でA又はB)にトルテロジン酒石酸塩2mgを単回経口投与した際の半減期(7.8時間)は健康成人(2~4時間)に比べて延長した。経口投与時のクリアランスは健康成人に比べて低値を示した(肝硬変患者1.0±1.7L/h/kg、健康成人5.7±3.8L/h/kg)(外国人データ)(非徐放性製剤)。[9.3参照]
16.6.3 高齢者
健康高齢者(64~80歳)とそれ以外の健康成人(40歳以下)にトルテロジン酒石酸塩2mgを1日2回反復経口投与した際のトルテロジン及びDD01の血清中濃度推移は類似していた(外国人データ)(非徐放性製剤)。
16.6.4 性差
健康成人男性及び健康成人女性にトルテロジン酒石酸塩2mgを単回経口投与した後、トルテロジン及びDD01のAUCの平均値は男女それぞれトルテロジンにて6.7及び7.8μg・h/L、DD01にて10及び11μg・h/Lであり、類似していた(外国人データ)(非徐放性製剤)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ケトコナゾール(CYP3A4阻害薬)
PMにおいて1日200mgのケトコナゾール(錠剤及び注射剤は国内未承認)を単回及び反復経口投与した際、それぞれトルテロジン(1日2mg投与)のCmax及びAUCは、2及び2.2~2.5倍の値を示した。CYP3A4阻害薬[アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール、ミコナゾール等)、マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)、シクロスポリン、ビンブラスチン等]との併用ではトルテロジンの血清中濃度の上昇が予想される(外国人データ)(非徐放性製剤)。[10.2参照]
16.7.2 フルオキセチン(CYP2D6阻害薬)
1日20mgのフルオキセチン(国内未承認)を反復経口投与にて併用した際、トルテロジン(1日4mg投与)の代謝は阻害され、EM(CYP2D6活性が正常な者)においてトルテロジンのAUCは4.8倍上昇し、PMの薬物動態に類似した。DD01のCmax及びAUCは、それぞれ約50%及び約20%減少した。EMにおけるトルテロジン及びDD01の非結合型のAUCの上昇率は25%程度であった(外国人データ)(非徐放性製剤)。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際第III相試験
尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を主訴とする日本人及び韓国人の過活動膀胱患者を対象に1日4mg投与した二重盲検比較試験の結果、試験全体及び日本人の結果のいずれも、尿失禁回数/週の変化率、1日排尿回数、1回自排尿量の評価項目においてプラセボとの間に統計的な有意差が認められた。
排尿記録評価項目の変化(平均値±標準偏差)(日本人・韓国人併合データ)
→図表を見る(PDF)
排尿記録評価項目の変化(平均値±標準偏差)(日本人データ)
→図表を見る(PDF)
日本人の過活動膀胱患者を対象に実施したKing’s健康質問票(QOL:生活の質)スコアにおいては「排尿の問題の生活への影響」(p=0.0205)、「仕事・家事の制限」(p=0.0382)、「身体的活動の制限」(p=0.0048)、「社会的活動の制限」(p=0.0093)、「個人的な人間関係」(p=0.0278)、「睡眠・活力(エネルギー)」(p=0.0316)、「重症度(対処)の評価」(p=0.0053)及び「症状の重症度」(p=0.0005)において投与後プラセボに対して有意な改善を示した。
本剤を投与された日本人114例において、副作用の発現率は55.3%であった。最も多く認められた副作用は、口内乾燥(36.0%)であった。その他多く認められた副作用は、便秘(10.5%)、腹痛(4.4%)、消化不良(3.5%)、口渇(3.5%)、及び視力異常(3.5%)であった。
17.1.2 国内長期投与試験
尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を主訴とする日本人の過活動膀胱患者188例を対象に1日4mg投与で長期投与試験を行った。1年間の投与を行った145例における有効性を検討した結果、投与前からの尿失禁回数/週の変化率は-77.2%、1日排尿回数は2.6回の減少、1回自排尿量は22.8mLの増加がそれぞれ認められ、有効性は本試験期間を通して維持された。また、King’s健康質問票スコアにおいては「心の問題」と「全般的な健康状態に対する印象」を含め、全項目で改善が認められた。
排尿記録評価項目の変化(n=145、平均値±標準偏差)
→図表を見る(PDF)
本剤を投与された日本人188例において、副作用の発現率は54.3%であった。最も多く認められた副作用は、口内乾燥(30.9%)であった。その他多く認められた副作用は、便秘(5.9%)、頭痛(2.7%)、消化不良(2.7%)、及び排尿障害(2.7%)であった。
17.3 その他
17.3.1 QT間隔に対する影響
健康成人男女被験者(年齢18~55歳、性別及びCYP2D6の遺伝子型(EM・PM)の比率はほぼ均等)48例を対象に、トルテロジン非徐放性製剤4mg/日(2mg、1日2回)、8mg/日(4mg、1日2回)注)、モキシフロキサシン400mg/日及びプラセボを二重盲検クロスオーバー法により4日間反復投与し、投与4日目の定常状態において12時間(tmax時含む)にわたってQT間隔の測定を行った。非徐放性製剤8mg/日(4mg、1日2回)におけるQT間隔への影響は、非徐放性製剤4mg/日(2mg、1日2回)よりも大きかった。PMにおけるトルテロジン投与後のQT間隔の増加はEMより大きい傾向がみられた。なお、心拍数増加の平均は、トルテロジン非徐放性製剤4mg/日(2mg、1日2回)で2.0拍/分、8mg/日(4mg、1日2回)で6.3拍/分、モキシフロキサシン400mg/日で0.5拍/分であった(外国人データ)。[9.1.7、13.1参照]
注)非徐放性製剤は国内未承認であり、8mgは海外承認用量の2倍に相当する。非徐放性製剤8mg(4mg、1日2回)投与時のトルテロジン、DD01の最高血清中濃度は、徐放性製剤における国内承認用量4mg(4mg、1日1回)投与時のトルテロジン、DD01の最高血清中濃度のそれぞれ約3倍に相当する。
定常状態におけるQTc間隔のベースラインからの変化(プラセボとの差)の平均値(信頼区間)
→図表を見る(PDF)
18.1 作用機序
トルテロジン及びDD01は、ヒト及びモルモットのムスカリン受容体に対してKi値が2.7~4.5nMとほぼ同程度の高い親和性を示した。ムスカリン受容体を介した膀胱収縮に対するトルテロジンのIC50値は14nMであったのに対し、その他の各種受容体に対しては、アドレナリンα受容体を介した門脈収縮、ヒスタミン受容体を介した回腸収縮、又は、カルシウム流入による膀胱収縮に対するIC50値がそれぞれ2800nM、380nM、又は、6500nMと抗ムスカリン作用と比較して高濃度でのみ認められた。DD01のこれらその他の受容体に対する作用はトルテロジンより弱かった。また、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に発現させた5種のヒトムスカリン受容体サブタイプ(M1‐M5)に対するKi値はトルテロジンで3.0~5.0nM、DD01で2.0~2.9nMとほぼ同程度の親和性を示し、ムスカリン受容体サブタイプに対する選択性は認められなかった。以上のことから、トルテロジン及びDD01の膀胱収縮抑制作用はムスカリン受容体に対する拮抗作用によると考えられた(in vitro)。
18.2 膀胱収縮に対する作用
18.2.1 生体位膀胱収縮
トルテロジン及びDD01は、麻酔ネコにおいてカルバコール又はアセチルコリンによる膀胱収縮を用量依存的に抑制した。一方、電気刺激による唾液分泌の抑制はより高用量で認められたことから、唾液腺より膀胱筋に対する組織選択性が高いと考えられる。
18.2.2 摘出膀胱収縮
トルテロジン及びDD01はモルモット、ラット及びヒト摘出膀胱のカルバコールによる収縮を濃度依存的かつ競合的に抑制し、KB値はトルテロジンで2.0~4.0nM、DD01で0.84~3.1nMであった。また、トルテロジン及びDD01はヒト摘出膀胱における電気刺激による収縮も0.01~1μMで濃度依存的に抑制した。
- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
徐放性
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- ヴィアトリス製薬
- 販売会社
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