ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルローション0.05%「MYK」
添付文書情報2024年05月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 2.1. 細菌皮膚感染症・真菌皮膚感染症・スピロヘータ皮膚感染症・ウイルス皮膚感染症、及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)[感染症及び動物性皮膚疾患症状を悪化させることがある]。
2.2. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
2.3. 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒が遅れるおそれがあり、また、感染のおそれがある]。
2.4. 潰瘍<ベーチェット病は除く>、第2度深在性以上の熱傷・第2度深在性以上の凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が著しく遅れるおそれがあり、また、感染のおそれがある]。
- 効能・効果
- 湿疹・皮膚炎群(手湿疹、進行性指掌角皮症、脂漏性皮膚炎を含む)、乾癬、虫さされ、薬疹・中毒疹、痒疹群(ストロフルス、じん麻疹様苔癬、結節性痒疹を含む)、紅皮症、紅斑症(多形滲出性紅斑、ダリエ遠心性環状紅斑)、ジベル薔薇色粃糠疹、掌蹠膿疱症、扁平紅色苔癬、慢性円板状エリテマトーデス、肉芽腫症(サルコイドーシス、環状肉芽腫)、特発性色素性紫斑(マヨッキー紫斑、シャンバーク病)、円形脱毛症、肥厚性瘢痕・ケロイド、悪性リンパ腫(菌状息肉症を含む)、アミロイド苔癬、水疱症(天疱瘡群、ジューリング疱疹状皮膚炎・水疱性類天疱瘡)。
(効能又は効果に関連する注意)
皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。
- 用法・用量
- 通常、1日1~数回、適量を患部に塗布する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 8.1. 大量又は長期にわたる広範囲の使用[とくに密封法(ODT)]により、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様な症状があらわれることがある〔9.5妊婦、9.7小児等、9.8高齢者の項、11.1.1参照〕。
8.2. 本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化をみる場合は使用を中止すること。
8.3. 症状改善後は、できるだけ速やかに使用を中止すること。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 眼圧亢進、緑内障、白内障(頻度不明):眼瞼皮膚への使用に際しては、眼圧亢進、緑内障、白内障を起こすおそれがある。大量又は長期にわたる広範囲の使用
、密封法(ODT)により、緑内障、後嚢下白内障等の症状があらわれるおそれがある〔8.1参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 皮膚感染症:(0.1~5%未満)皮膚真菌症(皮膚カンジダ症、皮膚白癬等)、皮膚細菌感染症(伝染性膿痂疹、毛嚢炎・せつ等)、(頻度不明)皮膚ウイルス感染症[密封法(ODT)の場合に起こり易いので、このような症状があらわれた場合には、適切な抗真菌剤、抗菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には本剤の使用を中止すること]。
2). その他の皮膚症状:(0.1~5%未満)ざ瘡(ざ瘡様発疹、ステロイドざ瘡等)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張、ステロイド潮紅等)、(0.1%未満)ステロイド酒さ・口囲皮膚炎(口囲紅斑、顔面全体紅斑、丘疹、毛細血管拡張、痂皮、鱗屑を生じる)、紅斑、紫斑、多毛、皮膚色素脱失、皮膚色素沈着、(頻度不明)魚鱗癬様皮膚変化[特に長期連用に際しては注意し、このような症状があらわれた場合には徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り換えること]、(0.1~5%未満)皮膚刺激感、湿疹(発赤、苔癬化、皮膚腫脹、皮膚糜爛等)、(0.1%未満)接触皮膚炎、皮膚乾燥、皮膚そう痒。
3). 過敏症:(頻度不明)皮膚刺激感、発疹等。
4). 下垂体・副腎皮質系機能:(頻度不明)下垂体・副腎皮質系機能抑制[大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、きたすことがあるので注意すること]。
- 高齢者
- 大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意すること(一般に高齢者では副作用があらわれやすい)〔8.1参照〕。
- 妊婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること(ラット・ウサギに皮下投与した動物実験で催奇形作用が報告されている)〔8.1参照〕。
- 小児等
- 長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害をきたすおそれがある。また、おむつは密封法と同様の作用があるので注意すること〔8.1参照〕。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意患者に化粧下、ひげそり後などに使用することのないよう注意すること。
14.2. 薬剤投与時の注意眼科用として角膜・結膜には使用しないこと。
16.3 分布
ラットに3H‐標識ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏を経皮投与したところ、塗布部の表皮及び真皮中に未変化体が高い割合で存在した(24時間後73%及び79%)。
また、組織内放射能濃度は投与後8時間から24時間に最高値を示し、肝、腎、副腎及び膀胱に高濃度認められた。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルクリームの全国延べ110施設にて実施された比較試験を含む臨床試験において、効果が判定された1,301例(軟膏650例、クリーム651例)の疾患別有効率は、次表のとおりであり軟膏85.4%(555/650)、クリーム83.7%(545/651)であった。
なお1,301例のうち、1,285例(98.8%)が単純塗布であった。
→図表を見る(PDF)
18.1 作用機序
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルは合成副腎皮質ステロイドであり、グルココルチコイド受容体を刺激することにより抗炎症作用を示す。
18.2 血管収縮作用
健常成人男子を対象とした皮膚血管収縮試験において、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏、クリームの血管収縮作用は、ベタメタゾン吉草酸エステルより強く、ベタメタゾンジプロピオン酸エステルと同等またはそれ以上であった。
18.3 抗炎症作用
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル及びその製剤(軟膏、クリーム)は、ラットカラゲニン足浮腫、ラットクロトン油耳浮腫、ラット48時間受動性皮膚アナフィラキシー(PCA)反応等の各種実験炎症モデルに対して明らかな抗炎症作用を示し、その作用は、クロベタゾールプロピオン酸エステルに劣るものの、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ベタメタゾン吉草酸エステル及びベクロメタゾンプロピオン酸エステルとほぼ同等であった。
18.4 抗炎症作用と全身作用の分離
ラットろ紙及びクロトン油肉芽腫形成試験において、30%肉芽腫形成抑制用量と30%胸腺萎縮用量から求めたベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルの抗炎症作用と全身作用の分離度は、クロベタゾールプロピオン酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ベタメタゾン吉草酸エステル及びベクロメタゾンプロピオン酸エステルのいずれよりも大きかった。
18.5 生物学的同等性試験
18.5.1 皮膚血管収縮作用
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏0.05%「MYK」及びアンテベート軟膏0.05%を健康成人男子20名の左右上背部に4時間密封塗布し、除去後経時的に皮膚蒼白度の判定を行い比較検討した。その結果、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏0.05%「MYK」は著明な皮膚血管収縮能を示し、アンテベート軟膏0.05%との比較においても有意差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
また、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルクリーム0.05%「MYK」及び、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルローション0.05%「MYK」も同様の著明な皮膚血管収縮能を示し、アンテベートクリーム0.05%及び、アンテベートローション0.05%との比較においても有意差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
18.5.2 抗炎症作用
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏0.05%「MYK」とアンテベート軟膏0.05%の効力比較試験(ラットクロトン油耳浮腫抑制試験、ラットカラゲニン足浮腫抑制試験、ラット血管透過性抑制試験、ラット肉芽増殖抑制試験)を実施し、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏0.05%「MYK」は著明な抗炎症作用を示し、アンテベート軟膏0.05%との比較においても有意差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
また、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルクリーム0.05%「MYK」も同様の著明な抗炎症作用を示し、アンテベートクリーム0.05%との比較においても有意差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルローション0.05%「MYK」とアンテベートローション0.05%の効力比較試験(ラットクロトン油耳浮腫抑制試験、ラットカラゲニン足浮腫抑制試験、ラット肉芽増殖抑制試験)を実施し、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルローション0.05%「MYK」は著明な抗炎症作用を示し、アンテベートローション0.05%との比較においても有意差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
18.5.3 抗炎症作用と全身作用の分離
ラット肉芽増殖抑制試験において、副腎及び胸腺萎縮作用はほとんど認められなかった。
- 製造販売会社
- 前田薬品
- 販売会社
- 日医工
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