スレンダム軟膏1%

添付文書情報2023年07月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. ケトプロフェン<外皮用剤>に対して過敏症、チアプロフェン酸に対して過敏症、フェノフィブラートに対して過敏症及びオキシベンゾンに対して過敏症の既往歴のある患者[これら製剤との交叉感作性により、本剤の使用によって過敏症を誘発するおそれがある]。
- 効能・効果
- 急性湿疹、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、慢性湿疹、皮脂欠乏性湿疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎、帯状疱疹。
- 用法・用量
- 〈急性湿疹、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、慢性湿疹、皮脂欠乏性湿疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎〉
6.1. 本品の適量を1日数回患部に塗布する。
〈帯状疱疹〉
6.2. 本品の適量を1日1~2回患部に塗布又は貼布する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 本剤の長期使用により過敏症状があらわれる可能性がある。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
皮膚:(0.1~5%未満)皮膚刺激感、発赤、皮膚そう痒、皮膚腫脹、紅斑、丘疹、落屑、接触皮膚炎、(0.1%未満)光線過敏症。
- 妊婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。
- 小児等
- 低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 大量又は広範囲の使用は避けること。
14.1.2. 眼科用に使用しないこと。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報外国では経口投与において側腹部痛(急激な尿酸排泄による尿酸結石)が報告されており、日本及び外国で経口剤は発売されていない。
16.1 血中濃度
スプロフェン軟膏を20g(スプロフェンとして200mg)健康成人(5名)の背部皮膚にODT法により8時間塗布したときの、血清のスプロフェン及びその代謝産物を定量した。スプロフェンは、塗布後約9.0時間で最高血中濃度(約0.21μg/mL)に達し、生物学的半減期は約3.1時間であった。血中代謝産物は、スプロフェンとその抱合体及び2‐[p‐(α‐ハイドロキシ‐2‐テニル)フェニル]プロピオン酸であり、スプロフェンの濃度が最も高かった。
16.5 排泄
16.5.1 尿中排泄
スプロフェン軟膏を20g(スプロフェンとして200mg)健康成人(5名)の背部皮膚にODT法により8時間塗布したときの、尿中のスプロフェン及びその代謝産物を定量した。尿中にはスプロフェンとその代謝産物及びそれぞれの抱合体が排泄され、これらの総量は塗布後24時間までで塗布量の6.2%であった。
スプロフェン軟膏をラット正常皮膚に8時間密封塗布した結果、スプロフェンは代謝されることなく塗布部位の皮膚に分布した。ラット損傷皮膚に塗布した場合、正常皮膚に比較し速やかに吸収され、血中濃度、塗布部位皮膚及び各種組織中濃度とも高かった。しかし、正常皮膚、損傷皮膚ともに皮膚内濃度に比較し血中濃度及び各種組織中濃度は著しく低いことが認められた。正常皮膚に塗布したときの尿糞中排泄率は塗布量に対してラットで約23%、モルモットで約11%であった。また連続投与による蓄積性は認められなかった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈急性湿疹、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、帯状疱疹〉
17.1.1 国内臨床試験
湿疹・皮膚炎群197例(急性湿疹・接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎:同一個体内左右比較)ならびに帯状疱疹158例(群間比較)を対象としての有効性及び安全性についてブフェキサマク軟膏(以下、BU群)を対照薬として検討した。湿疹・皮膚炎群における「改善」以上の全般改善度は最終時の14日後において、急性湿疹・接触皮膚炎で本剤群83.8%、BU群87.6%、アトピー性皮膚炎で本剤群76.8%%、BU群72.0%、及び帯状疱疹は最終時の21日後において、本剤群98.4%、BU群97.1%と高い改善率を示し、いずれも有意差はみられなかった。
副作用発現率は、本剤群で3.7%(10/272例)であった。主な副作用は、本剤群で刺激感6例、発赤2例、掻痒感2例、毛嚢炎1例、腫脹感1例であった。
〈皮脂欠乏性湿疹〉
17.1.2 国内臨床試験
皮脂欠乏性湿疹77例を対象に本剤の有効性及び安全性について、その軟膏基材(以下、VE群)を対照薬とする同一個体内左右比較試験を実施した。投与7日後の両群の「改善」以上の全般改善度は有意差が認められ(本剤群:74.0%、VE群:64.9%、p<0.01)、試験終了後(投与14日後)において「改善」以上の全般改善度が本剤群84.4%、VE群76.6%であり、本剤群はVE群より有意な改善効果が認められた(p<0.05)。また、投与14日後の全般改善度の優劣比較においても本剤群が優れる症例30例(39.0%)、VE群が優れる症例14例(18.2%)であり、本剤群が有意に優れていた(p<0.05)。副作用発現率は、本剤で1.3%(1/77例)に刺激感・発赤が認められた。
〈急性湿疹、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、慢性湿疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎〉
17.1.3 国内臨床試験
湿疹・皮膚炎群107例(急性湿疹、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、慢性湿疹)、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎42例を対象として本剤の有効性及び安全性を検討した結果、湿疹・皮膚炎における「改善」以上の最終時全般改善度は73.6%、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎では76.2%を示した。
副作用発現率は、湿疹・皮膚炎群で3.8%(4/106例)、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎で4.8%(2/42例)であった。主な副作用は湿疹・皮膚炎群で発赤4例、刺激感3例、皮疹拡大1例であり、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎で灼熱感2例、掻痒1例、腫脹1例、発赤1例等であった。
17.1.4 国内臨床試験
湿疹・皮膚炎群107例(急性湿疹、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、慢性湿疹)および酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎50例を対象として本剤の有効性及び安全性を検討するため、多施設オープン臨床試験を行った結果、湿疹・皮膚炎において、「改善」以上の最終全般改善度は急性湿疹・接触皮膚炎が80.0%、アトピー性皮膚炎が51.4%、慢性湿疹が81.8%、全体では70.4%であった。酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎の「改善」以上の最終全般改善度は77.1%であった。
副作用発現率は、湿疹・皮膚炎で5.7%(6/106例)、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎で6.0%(3/50例)であった。主な副作用は、湿疹・皮膚炎で刺激感5例、発赤5例、腫脹1例、痂皮1例、掻痒感1例であり、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎で発赤2例、刺激感1例であった。
〈帯状疱疹〉
17.1.5 国内臨床試験
帯状疱疹79例を対象に本剤の有効性及び安全性を検討するために、オープン臨床試験を実施した。皮疹、神経症状を考慮した「改善」以上の最終全般改善度は、84.1%であった。
副作用発現頻度は、せつが1.3%(1/78例)にみられたが、薬剤との因果関係は不明であった。
〈アトピー性皮膚炎〉
17.1.6 国内臨床試験
アトピー性皮膚炎97例を対象に本剤の有効性及び安全性を検討する目的で、対照薬ウフェナマート軟膏(以下、UF群)との同一個体内左右比較試験を実施した結果、本剤の全般改善度は、UF群と比較して本剤群が3日後でp<0.01、1週間後でp<0.05で本剤群が有意に優れ、2週間後では、p<0.1で有意差傾向を示し、最終の評価はp<0.05で本剤群が有意に優れていた。「改善」以上の最終全般改善度は、本剤群49.5%、UF群47.3%であった。この結果は全般改善度の優劣比較にも同様の結果が反映され、本剤群はUF群と比較して3日後でp<0.01、1週間後でp<0.1(有意差傾向)と有意に優れ、2週後では有意差はなくなった。
副作用発現率は、本剤群で5.4%(5/93例)であり、主な副作用は、刺激感4例、発赤4例、掻痒2例、浸出液1例であった。
〈アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、急性湿疹〉
17.1.7 国内臨床試験
アトピー性皮膚炎23例、接触皮膚炎7例、急性湿疹21例を対象に本剤の有効性及び安全性を検討した結果、「改善」以上の全般改善度はアトピー性皮膚炎で45.5%、接触皮膚炎で100%、急性湿疹で85.7%であった。
副作用発現率は、1.96%(1/51例)に刺激感及び発赤がみられた。
17.1.8 国内臨床試験
アトピー性皮膚炎6例、接触皮膚炎6例、急性湿疹7例を対象に本剤の有効性及び安全性を検討した結果、「改善」以上の最終全般改善度は63.2%であった。
副作用発現率は、10.5%(2/19例)であった。主な副作用は、刺激感2例、発赤1例であった。
18.1 作用機序
スプロフェンにはプロスタグランジン生合成阻害作用が認められており、これに基づいて種々の抗炎症作用を示すと考えられる。
18.2 抗炎症作用
ラットにおける血管透過性亢進抑制作用、カラゲニン足蹠浮腫抑制作用、肉芽増殖抑制作用、モルモットにおける紫外線紅斑抑制作用等の抗炎症作用が認められた。
18.3 鎮痛作用
ラットの炎症性疼痛に対し、疼痛閾値を上昇させ、著明な鎮痛作用が認められた。
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