ロキソニンパップ100mg
添付文書情報2023年03月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発することがある]〔9.1.1参照〕。
- 効能・効果
- 次記疾患並びに症状の消炎・鎮痛:変形性関節症、筋肉痛、外傷後の腫脹・外傷後の疼痛。
- 用法・用量
- 1日1回、患部に貼付する。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 8.1. 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
8.2. 慢性疾患(変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には薬物療法以外の療法も考慮すること。
9.1.1. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>の患者:病態を悪化させることがある〔2.2参照〕。
9.1.2. 皮膚感染症のある患者:感染による炎症に対して用いる場合には適切な抗菌剤又は抗真菌剤を併用し、観察を十分行い慎重に使用すること(皮膚の感染症を不顕性化するおそれがある)。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明):ショック、アナフィラキシー(血圧低下、蕁麻疹、喉頭浮腫、呼吸困難等)があらわれることがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(1~3%未満)皮膚そう痒、紅斑、接触性皮膚炎、皮疹、(頻度不明)皮下出血、皮膚刺激、皮膚色素沈着、皮膚水疱、皮膚腫脹。
2). 消化器:(0.5~1%未満)胃不快感、(0.5%未満)上腹部痛、下痢・軟便。
3). 肝臓:(0.5~1%未満)AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇。
4). その他:(頻度不明)浮腫。
- 高齢者
- 65歳以上の高齢者に使用する場合は、貼付部の皮膚の状態に注意すること(ロキソプロフェンナトリウム水和物パップ剤100mg及びテープ剤50mg・100mgの製造販売後調査の結果、65歳以上の高齢者での副作用の発現率(3.7%、1738例中65例)は、65歳未満(1.7%、1300例中22例)と比較して有意に高い(主な副作用が貼付部皮膚症状であった))。
- 妊婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。他の非ステロイド性消炎鎮痛剤の外皮用剤を妊娠後期の女性に使用し、胎児動脈管収縮が起きたとの報告がある。また、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 損傷皮膚及び粘膜に使用しないこと。
14.1.2. 湿疹又は発疹の部位に使用しないこと。
内袋開封後はチャックを閉めて保存すること。
16.1 血中濃度
16.1.1 血漿中濃度
健康な成人男性14例の背部に本剤2枚を1日1回、5日間反復投与したところ、ロキソプロフェン及びtrans‐OH体(活性代謝物)は投与開始後速やかに血漿中に検出され、投与期間とともに緩やかに増加し、投与後4日~5日目に経口剤投与時と比較し低い濃度で定常状態となり、投与終了後は定量限界未満へと速やかに消失した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物パップ剤100mg(2枚)5日間反復投与時の血漿中濃度
→図表を見る(PDF)
16.3 分布
16.3.1 組織移行性
本剤3.5cm2(14C‐ロキソプロフェンを含む)をラット背部皮膚に24時間貼付したとき、投与部位直下の骨格筋中放射能濃度は非投与部骨格筋濃度の3.6~24倍高く、trans‐OH体(活性代謝物)の生成が確認された。
16.5 排泄
16.5.1 尿中排泄
健康な成人男性14例の背部に本剤2枚を1日1回、5日間反復投与したところ、ロキソプロフェン、trans‐OH体(活性代謝物)及びcis‐OH体の1日尿中排泄量は投与開始24時間以降ほぼ一定で、投与開始から投与終了後48時間までの総累積排泄率は2.67%であった。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 薬物代謝酵素
ロキソプロフェンナトリウム水和物はヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝阻害試験において、1日1枚投与時の最高血漿中濃度の1,000倍以上の濃度(200μM)でもチトクロームP450各分子種(CYP1A1/2、2A6、2B6、2C8/9、2C19、2D6、2E1及び3A4)の基質となる種々薬物の代謝に対して影響を与えなかった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈変形性関節症〉
17.1.1 国内第II相試験
変形性膝関節症患者を対象とした一般臨床試験において、本剤100mgを1日1回又は2回(いずれも1回1枚)、2週間投与した結果、最終全般改善度の改善率(「改善」以上の比率)は、1日1回群80.0%(44/55例)、1日2回群79.7%(47/59例)であった。
副作用は1日1回群で4.7%(3/64例)、1日2回群で6.1%(4/66例)であり、1日1回群の副作用は、紅斑、そう痒症、丘疹、発疹が各1.6%(1/64例)、1日2回群の主な副作用は、紅斑、そう痒症が各3.0%(2/66例)であった。
17.1.2 国内第III相試験
(1)変形性膝関節症患者を対象とした二重盲検試験において、ロキソプロフェンナトリウム錠180mg/日を対照薬として、本剤100mg/日を4週間投与した結果、本剤100mg群の最終全般改善度の改善率(「改善」以上の比率)は77.9%(67/86例)であった。副作用は本剤100mg群で18.8%(16/85例)に認められ、主な副作用は、腹部不快感5.9%(5/85例)、下痢、そう痒症が各3.5%(3/85例)であった。
(2)変形性膝関節症患者を対象とした非盲検・無作為割付試験において、ケトプロフェン貼付剤60mg/日を対照薬として本剤100mg/日を4週間投与した結果、本剤100mg群での最終全般改善度の改善率(「改善」以上の比率)は72.8%(107/147例)であった。副作用は本剤100mg群で10.0%(15/150例)に認められ、主な副作用は、接触皮膚炎、γ‐GTP増加が各2.7%(4/150例)、ALT増加2.0%(3/150例)であった。
(3)変形性膝関節症患者を対象とした一般臨床試験において、本剤100mg/日を12~24週間投与した結果、最終全般改善度の改善率(「改善」以上の比率)は、73.3%(22/30例)であった。副作用は10.0%(3/30例)に認められ、発現した副作用は接触皮膚炎、紅斑、皮下出血、そう痒症、発疹が各3.3%(1/30例)であった。
〈筋肉痛〉
17.1.3 国内第III相試験
(1)筋肉痛患者を対象とした二重盲検試験において、ロキソプロフェンナトリウム錠180mg/日を対照薬として本剤100mg/日を2週間投与した結果、本剤100mg群での最終全般改善度の改善率(「改善」以上の比率)は75.2%(82/109例)であった。副作用は本剤100mg群で9.4%(10/106例)に認められ、主な副作用は、そう痒症3.8%(4/106例)、上腹部痛2.8%(3/106例)であった。
(2)筋肉痛患者を対象とした非盲検・無作為割付試験において、インドメタシン貼付剤140mg/日を対照薬として本剤100mg/日を2週間投与した結果、本剤100mg群での最終全般改善度の改善率(「改善」以上の比率)は85.7%(102/119例)であった。副作用は本剤100mg群で5.0%(6/120例)に認められ、主な副作用は、そう痒症1.7%(2/120例)であった。
〈外傷後の腫脹・疼痛〉
17.1.4 国内第III相試験
外傷後の腫脹・疼痛患者を対象とした二重盲検試験において、ロキソプロフェンナトリウム錠180mg/日を対照薬として本剤100mg/日を7日間投与した結果、本剤100mg群での最終全般改善度の改善率(「改善」以上の比率)は98.1%(101/103例)であった。副作用は本剤100mg群で7.8%(8/102例)に認められ、主な副作用は、そう痒症2.9%(3/102例)であった。
18.1 作用機序
ロキソプロフェンナトリウム水和物は皮膚から吸収された後、活性代謝物trans‐OH体に変換され、急性炎症・慢性炎症、疼痛に対して、優れた抗炎症・鎮痛作用を示す。
18.2 抗炎症作用
ロキソプロフェンナトリウム水和物パップ剤をラットに貼付したとき、カラゲニン浮腫(急性炎症モデル)、アジュバント関節炎(慢性炎症モデル)のいずれに対しても有意な抗炎症作用を示した。
18.3 鎮痛作用
ロキソプロフェンナトリウム水和物パップ剤をラットに貼付したとき、Randall‐Selitto法(炎症足加圧法)において、鎮痛作用を示した。また、ラットのアジュバント慢性関節炎疼痛に鎮痛作用を示した。
- 製造販売会社
- リードケミカル
- 販売会社
- 第一三共
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