アスタット軟膏1%

添付文書情報2023年07月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 次記の皮膚真菌症の治療。
1). 白癬:足白癬、体部白癬、股部白癬。
2). カンジダ症:カンジダ症の間擦疹、カンジダ症の指間びらん症、カンジダ症の爪囲炎。
3). 癜風。
- 用法・用量
- 1日1回患部に塗布する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
皮膚:(0.1~5%未満)皮膚炎(接触皮膚炎等)、皮膚刺激感、発赤、(0.1%未満)皮膚小水疱、皮膚そう痒感、皮膚亀裂、皮膚乾燥、皮膚腫脹。
- 妊婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤使用時の注意14.1.1. 著しいびらん面には使用しないこと。
14.1.2. 眼科用として角膜・結膜には使用しないこと。
16.1 血中濃度
ラノコナゾール1%クリーム5g又はラノコナゾール1%外用液5mLを健康成人各6例の背部に8時間単回塗布し血漿中未変化体濃度を測定した。その結果、ラノコナゾール1%クリームでは2例で塗布8時間~12時間後に0.35~0.44ng/mL検出したが、それ以外は検出限界(0.3ng/mL)以下であった。ラノコナゾール1%外用液では4例で塗布24時間後に0.38~1.25(平均0.45)ng/mL検出したが、48時間後には全例検出限界以下となった。
また、健康成人6例の背部に、ラノコナゾール1%クリーム5gを1日あたり8時間、7日間反復塗布した結果、7日目の塗布後8時間目に0.31~0.76(平均0.45)ng/mLを検出したが、24時間後には全例検出限界以下となった。
16.2 吸収
健康成人にラノコナゾール1%クリームを単回あるいは7日間反復塗布、また、ラノコナゾール1%外用液を単回塗布した結果、塗布部位からの回収率はいずれも高く、皮膚からの吸収率は低いと考えられた。
16.3 分布
ラノコナゾールを0.01~1.0μg/mLの濃度範囲でヒト血漿に添加したときの蛋白結合率は、いずれの添加濃度でも99%以上であった(in vitro、平衡透析法)。
16.4 代謝
ヒト尿中の代謝物から、ジチオラン環の開裂が代謝経路の一つであると考えられた。
16.5 排泄
健康成人によるラノコナゾール1%クリームの単回及び反復塗布試験時の尿からジチオラン環開裂型の代謝物が検出され、未変化体はほとんど検出されなかった。また、健康成人によるラノコナゾール1%及び2%注)クリームの単回塗布試験時の糞中から未変化体が12例中7例に検出された。その排泄率は投与量の0.27%以下であった。
注)本剤の承認規格は1%クリームである。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈クリーム〉
17.1.1 国内二重盲検比較試験
皮膚真菌症患者を対象に、ラノコナゾール1%クリーム、ビホナゾール1%クリームのいずれかを入浴後又は就寝前に1日1回、足白癬では4週間、その他の疾患では2週間塗布した二重盲検比較試験を実施した。本剤群の有効性評価対象395例の有効率は次のとおりであった。
副作用発現頻度は本剤群で0.9%(4/442例)であった。その内訳は「接触皮膚炎の疑い」、「発赤、びらん、二次感染」、「ジーンと熱い感じ」及び「AST、ALT、BUNの上昇」が各1例であった。
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〈外用液〉
17.1.2 国内第II相臨床試験
皮膚真菌症患者を対象に、ラノコナゾール1%外用液を入浴後又は就寝前に1日1回、足白癬及びカンジダ性爪囲炎では4週間、その他の疾患では2週間塗布した非盲検試験を実施した。有効性評価対象390例の有効率は次のとおりであった。
副作用発現頻度は2.4%(11/465例)であった。その内訳は外用初期の刺激感6例、接触皮膚炎2例、塗布部の発赤とそう痒感1例、病変部の角化の悪化1例及びASTの軽度上昇1例であった。
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〈軟膏〉
17.1.3 国内第III相臨床試験
皮膚真菌症患者を対象に、ラノコナゾール1%軟膏を入浴後又は就寝前に1日1回、足白癬及びカンジダ性爪囲炎では4週間、その他の疾患では2週間塗布した非盲検試験を実施した。有効性評価対象210例の有効率は次のとおりであった。
副作用発現頻度は1.6%(4/245例)であった。その内訳は接触皮膚炎3例及び刺激感1例であった。
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18.1 作用機序
ラノコナゾールは真菌の細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの合成阻害作用により抗真菌作用を示す(in vitro)。
18.2 抗真菌作用
18.2.1 ラノコナゾールは、皮膚糸状菌(Trichophyton属、Microsporum属、Epidermophyton属)、Candida属及びMalassezia属真菌に対して高い抗真菌活性を有する。特に皮膚糸状菌に対するMICはすべて0.04μg/mL以下であり、殺菌活性も低濃度で発現した(in vitro)。
18.2.2 ラノコナゾールは種々の病原性真菌保存株(酵母状真菌、黒色真菌、二形性真菌、Aspergillus属及びPenicillium属)に対し、広い抗真菌スペクトルを示す(in vitro)。
18.2.3 モルモット足白癬モデルに対し、ラノコナゾール1%クリーム、外用液及び軟膏は1日1回、10日間塗布により、完全に菌を陰性化した。また、モルモット体部白癬モデルにおいても1日1回、11~14日間の塗布で同様の作用を示すとともに感染症状の改善が認められた。
18.2.4 モルモット背部にラノコナゾール1%クリームを0.1g前塗布した後、Trichophyton mentagrophytesを接種した実験では、菌接種1~4日前の1回塗布でも感染は成立せず、良好な角質内貯留性を有することが示唆された。
- 製造販売会社
- マルホ
- 販売会社
おくすりのQ&A
自費で接種された、風疹ワクチンが申請により
補助が受けれることになり、母子手帳記載以外に、予診票の控えがいるとのこと
保管中の予診票の控えを渡したら...
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