ボンアルファ軟膏2μg/g
添付文書情報2024年06月改定(第3版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 乾癬、魚鱗癬、掌蹠膿疱症、掌蹠角化症、毛孔性紅色粃糠疹。
- 用法・用量
- 通常1日2回適量を患部に塗布する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 本剤は活性型ビタミンD3製剤であり、類薬(活性型ビタミンD3外用剤)との併用又は大量投与により血清カルシウム値上昇する可能性があり、また、高カルシウム血症に伴い、腎機能低下する可能性があるので、類薬との併用又は大量投与に際しては、血清カルシウムや尿中カルシウム及び腎機能(クレアチニン、BUN等)に注意し、観察を十分に行うこと〔10.2参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:ビタミンD及びビタミンD誘導体(アルファカルシドール、カルシトリオール、カルシポトリオール、マキサカルシトール等)〔8.重要な基本的注意の項参照〕[血清カルシウム値が上昇する可能性があるので、その場合には直ちに本剤及び併用薬の使用を中止し、経過を観察すること(相加作用)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(0.1~5%未満)頭痛。
2). 皮膚:(0.1~5%未満)皮膚ヒリヒリ感、発赤、接触皮膚炎、皮膚そう痒、皮膚刺激感、(0.1%未満)皮膚腫脹。
3). 肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、ALP上昇。
4). その他:(0.1~5%未満)白血球増多、血清リン低下、尿たん白陽性。
- 高齢者
- 使用が過度にならないよう注意すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物試験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている)。
- 小児等
- 低出生体重児、新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. 使用時:眼科用として角膜・結膜に使用しないこと。
16.1 血中濃度
〈軟膏〉
健康成人男子及び乾癬患者に、軟膏をタカルシトールとして20μg~80μg単回あるいは40μg~80μg/日を7日間経皮投与したとき、健康成人男子における未変化体の血清中濃度は、12例中3例で26~33pg/mLを示し、乾癬患者(n=17)においては、全例検出限界(25pg/mL)以下であった。
〈クリーム〉
健康成人男子に、クリームをタカルシトールとして40μg単回(n=3)又は1日2回(n=3)、あるいは80μg/日を7日間(n=5)経皮投与したとき、未変化体の血清中濃度はすべて検出限界(25pg/mL)以下であった。
〈ローション〉
健康成人男子に、ローションをタカルシトールとして40μg単回(n=6)、あるいは80μg/日を5日間(n=6)経皮投与したとき、未変化体の血清中濃度はすべて定量限界(15pg/mL)未満であった。
16.2 吸収
〈軟膏、クリーム〉
ヘアレスマウスに主薬を3H標識した軟膏及びクリームを経皮投与(24時間塗布)したとき、両剤の血漿中放射能濃度推移は同様であると考えられた。塗布後24時間以降の血漿中放射能濃度の見かけの半減期は、軟膏で1.34日、クリームで1.18日であった。
〈軟膏、ローション〉
ヘアレスマウスに主薬を3H標識した軟膏及びローションを経皮投与(24時間塗布)したとき、ローション塗布群の血漿中放射能濃度は軟膏塗布群に比して低い傾向を示した。塗布後2日以降の見かけの半減期は軟膏で1.20日、ローションで1.46日であった。
16.3 分布
ラットに主薬を3H標識した軟膏を経皮投与(24時間塗布)したとき、投与部位の皮膚中に未変化体が高濃度に認められた。また、肝臓、小腸組織に比較的高い放射能濃度が認められた。
16.4 代謝
ラット及びイヌに3H標識したタカルシトール水和物を皮下投与、又はラットに主薬を3H標識した軟膏を経皮投与(24時間塗布)したとき、血漿中には未変化体及び代謝物1α,24(R),25‐(OH)3D3が認められた。
16.5 排泄
ラット及びイヌに3H標識したタカルシトール水和物を皮下投与したとき、それぞれ10日及び11日までに約15%は尿中に、約80%は糞中に排泄された。
また、ラットに主薬を3H標識した軟膏を単回(24時間塗布)及び7日間反復経皮投与したとき、それぞれ単回塗布後11日及び最終塗布終了後6日までの尿糞中への排泄は約30%であり、皮下投与と同様に糞中排泄が主であった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
国内53施設において実施された比較試験を含む臨床試験の有効性判定症例532例において、軟膏・クリーム・ローションの「かなり軽快」以上の有効率は、次表のとおりであった。
乾癬を対象としたプラセボとの比較試験において軟膏の有効性が認められている。また、乾癬を対象とした軟膏とクリームとの比較試験において、両剤の有効性は同程度であった。
→図表を見る(PDF)
18.1 作用機序
表皮細胞の1α,25‐(OH)2D3に特異的なたん白受容体(レセプター)を介し、表皮細胞に対する増殖抑制作用・分化誘導作用により効果を発揮する。
18.2 表皮細胞に対する増殖抑制作用
マウス培養表皮細胞及び正常あるいは乾癬病巣部由来のヒト培養表皮細胞において、タカルシトールはDNA合成及び細胞増殖を抑制した。
TPA(12‐O‐テトラデカノイルフォルボール‐13‐アセテート)塗布により細胞増殖を刺激したヘアレスマウスの表皮において、タカルシトールは細胞増殖の指標であるオルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)活性を抑制した。なお、ODC活性の抑制効果において軟膏とクリーム及び軟膏とローションは同等であった。
また、乾癬患者に軟膏を4週間塗布することにより、DNA合成及び細胞分裂が抑制され、S期細胞が減少し表皮細胞の増殖が抑制された。
18.3 表皮細胞に対する分化誘導作用
マウス培養表皮細胞において、タカルシトールは細胞内不溶性膜(コーニファイドエンベロウプ)の形成を促進し、トランスグルタミナーゼ(TGase)活性を上昇させた。
ヘアレスマウスの表皮において、TGase活性を上昇させた。なお、TGase活性の上昇作用において、軟膏とクリーム及び軟膏とローションは同等であった。
正常ヒト培養表皮細胞において、タカルシトールは細胞内不溶性膜の前駆たん白質インボルクリンの合成を促進した。
また、乾癬患者に軟膏を塗布後の病巣部皮膚の電子顕微鏡所見において、角質層のケラチンパターンの形成及びケラトヒヤリンを有する顆粒層の形成など正常な角化傾向が認められた。
18.4 表皮細胞の1α,25‐(OH)2D3に特異的なたん白受容体(レセプター)に対する親和性
マウス及び正常ヒト表皮細胞中のレセプターに対して、タカルシトールは強い親和性を示した。
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