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ドボネックス軟膏50μg/g

販売名
ドボネックス軟膏50μg/g
薬価
0.005%1g 75.60円
製造メーカー
レオ ファーマ

添付文書情報2023年01月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
外用ビタミン製剤
一般名
カルシポトリオール軟膏
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
尋常性乾癬。
用法・用量
通常1日2回適量を患部に塗布する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 1週間に90gを超える使用は行わないこと。
7.2. 本剤は、通常、投与後4~6週目までに効果が認められているので、治療にあたっては経過を十分に観察し、症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を継続しないこと。
腎機能障害患者
8.1. 本剤は活性型ビタミンD3製剤であり、血清カルシウム値上昇する可能性があり、また、高カルシウム血症に伴い、腎機能低下する可能性があるので、本剤の使用に際しては血清カルシウム及び腎機能(クレアチニン、BUN等)の検査を定期的(開始2~4週後に1回、その後は適宜)に行うこと(なおこれらの値に異常が認められた場合には正常域に戻るまで使用を中止すること)〔11.1.1、11.1.2参照〕。
8.2. 皮疹が広範囲にある患者及び皮膚バリア機能が低下し本剤の経皮吸収が増加する可能性がある患者では、高カルシウム血症があらわれることがある〔11.1.1参照〕。
8.3. 本剤の密封療法(ODT)における安全性は確立していない(皮膚刺激があらわれやすく、また、単純塗布に比べて皮膚からの吸収が助長され、全身性の副作用が発現しやすくなるおそれがある)。
9.1.1. 高カルシウム血症及びそのおそれのある患者:血清カルシウム値を上昇させる可能性がある。
腎機能障害患者:血清カルシウム値上昇させる可能性がある。
相互作用
10.2. 併用注意:1). ビタミンD及びビタミンD誘導体(アルファカルシドール、カルシトリオール、タカルシトール、マキサカルシトール等)[高カルシウム血症があらわれるおそれがある(相加作用)]。
2). シクロスポリン[高カルシウム血症があらわれるおそれがある(本剤による血清カルシウム値の上昇が、シクロスポリンによる腎機能の低下によりあらわれやすくなる)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 高カルシウム血症(頻度不明):高カルシウム血症及び高カルシウム血症によると考えられる臨床症状(倦怠感、脱力感、食欲不振、嘔吐、腹痛、筋力低下等)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、使用を中止し、血清カルシウム値、尿中カルシウム値等の生化学的検査を行い、必要に応じて輸液等の処置を行うこと〔8.1、8.2、13.1、13.2、14.1参照〕。
11.1.2. 急性腎障害(頻度不明):血清カルシウム上昇を伴った急性腎障害があらわれることがあるので、血清クレアチニン上昇、BUN上昇等の異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと〔8.1参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(1~5%未満)皮膚そう痒、紅斑・発赤、皮膚刺激感・皮膚ヒリヒリ感、(0.1~1%未満)落屑、皮疹、皮膚腫脹、毛嚢炎、(頻度不明)接触性皮膚炎、皮膚びらん、乾癬悪化、皮膚色素沈着、皮膚疼痛、皮膚灼熱感。
2). 肝臓:(0.1~1%未満)総ビリルビン上昇、AST上昇、ALT上昇、(頻度不明)γ-GTP上昇、LDH上昇、ALP上昇。
3). 腎臓:(0.1~1%未満)尿中クレアチニン上昇、(頻度不明)BUN上昇、血清クレアチニン上昇。
4). 血液:(0.1~1%未満)白血球減少・白血球増多、ヘモグロビン減少、リンパ球減少、単球増多、好中球減少。
5). その他:(5~10%未満)血清1α,25[OH]2D3低下、(1~5%未満)血清リン低下、血清1α,25[OH]2D3上昇、(0.1~1%未満)尿中カルシウム上昇、血清リン上昇、尿中リン低下、(頻度不明)血清カルシウム上昇。
高齢者
使用が過度にならないように注意すること(一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること(カルシポトリオールは動物試験(ラット)で胎盤を通じて胎仔へ移行することが認められている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(カルシポトリオールは動物試験(ラット)で乳汁へ移行することが認められている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意誤用(内服等)防止のため、薬剤の保管に十分注意させること。特に、小児の手のとどかない所に保存させること。万一、誤って内服した場合には、高カルシウム血症等の全身性の副作用があらわれることがあるので、医療機関を受診する等、適切な処置を受けるよう指導すること〔11.1.1参照〕。
14.2. 薬剤使用時の注意14.2.1. 使用部位(1). 顔面には使用しないこと。
(2). 眼科用として使用しないこと。
(3). 患部以外には使用しないこと。
14.2.2. 使用時:本剤に触れた手で、顔面、傷口等に触れないように注意すること。
14.2.3. 使用後:本剤使用後、顔面等への付着を避けるため、よく手を洗うこと。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報雌雄アルビノ無毛マウスを用いて40週間にわたり光線(キセノンランプ)照射しカルシポトリオール液剤を塗布した実験で、雄において皮膚腫瘍誘発に必要な光線照射時間の有意な短縮が認められたとの報告がある。しかし、同液剤をマウスに単独で塗布した実験では皮膚腫瘍誘発は認められていない。

16.1 血中濃度
健常成人男子にカルシポトリオールとして100、200及び400μgを単回塗布、あるいは200及び400μgを1日2回5日間塗布した試験において、血清中カルシポトリオール濃度はすべての測定時点で検出限界(13.3pg/mL)以下であった。また、尋常性乾癬患者にカルシポトリオールとして200及び400μgを1日2回4週間塗布した試験において、血清中にカルシポトリオールが散発的に6.8~17.0pg/mL検出された(検出限界6.7pg/mL)。
16.2 吸収
健常皮膚雄性ラットに3H‐カルシポトリオール軟膏を単回投与(密封塗布)したとき、血漿中放射能濃度は投与後24時間で最高濃度に達し、半減期は2.9日であり、経皮吸収率は約18%であった。
16.3 分布
健常皮膚雄性ラットに3H‐カルシポトリオール軟膏を単回投与(密封塗布)したとき、各組織内放射能濃度は徐々に上昇し、大部分の組織において投与後24~96時間に最高濃度を示した。投与後24時間の濃度が最も高いのは投与部位皮膚であり、次いで肝臓であった。また、投与部位皮膚中には未変化体が主として認められた。
16.4 代謝
雄性ラットに3H‐カルシポトリオールを皮下投与したとき、血漿中には未変化体が認められたが、速やかに代謝された。また代謝物としてカルシトロン酸が認められた。
16.5 排泄
健常皮膚雄性ラット及びイヌに3H‐カルシポトリオール軟膏を単回投与(密封塗布)したとき、それぞれ投与後168時間までに糞中には13.3%及び5.3%、尿中には2.0%及び0.6%が排泄された。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
尋常性乾癬患者157例を対象に、吉草酸ベタメタゾン軟膏(0.12%)を対照薬剤として、6週間投与による二重盲検左右比較試験を実施した。最終全般改善度は、有効性評価対象症例144例中、「中等度改善」以上の改善率は、本剤投与群では91.0%(131例/144例)で、吉草酸ベタメタゾン軟膏投与群では68.1%(98例/144例)であり、両群間に統計学的な有意差が認められた(p<0.001、U検定ならびにχ2検定)。
最終全般改善度
→図表を見る(PDF)

副作用頻度は本剤投与群で4.0%(6/149例)であった。副作用の内訳は紅斑(発赤)4.0%(6/149例)、そう痒2.7%(4/149例)、刺激感(ヒリヒリ感)0.7%(1/149例)、鱗屑(落屑)0.7%(1/149例)であった。

18.1 作用機序
カルシポトリオールは活性型ビタミンD受容体に結合し、細胞増殖抑制作用、細胞周期調節作用、細胞分化誘導作用を示すことが報告されている。
18.1.1 細胞増殖抑制作用
(1)ヒト組織球性リンパ腫細胞系U937を用いたin vitro試験において、増殖細胞数及びDNA合成の抑制が認められた。
(2)ヒト正常角化細胞を用いたin vitro試験において、DNA中への3H‐チミジンの取り込み及び細胞数増加の用量依存的な抑制が認められた。
18.1.2 細胞周期調節作用
ヒト正常角化細胞を用いたin vitro試験において、細胞周期の変化が認められ、S期細胞が減少し、G1/G0期及びG2+M期細胞が増加した。更に細胞周期の促進に関連する網膜芽細胞腫遺伝子産物(pRB)の活性(リン酸化)阻害が認められた。
18.1.3 細胞分化誘導作用
(1)ヒト組織球性リンパ腫細胞系U937を用いたin vitro試験において、付着細胞数及びエステラーゼ活性陽性細胞数の用量依存的な増加が認められた。
(2)ヒト正常角化細胞を用いたin vitro試験において、細胞内不溶性膜(コーニファイドエンベロープ)の形成促進及び細胞内不溶性膜の前駆体であるインボルクリン陽性細胞の増加並びにトランスグルタミナーゼ活性の上昇が認められた。
18.1.4 1α,25(OH)2D3レセプターに対する親和性
ヒト組織球性リンパ腫細胞系U937を用いたin vitro試験において、細胞に存在する1α,25(OH)2D3レセプターに対する親和性が認められ、その程度は1α,25(OH)2D3と同等であった。

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