ベピオゲル2.5%
添付文書情報2024年07月改定(第3版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 尋常性ざ瘡。
(効能又は効果に関連する注意)
結節及び嚢腫には、他の適切な処置を行うこと。
- 用法・用量
- 1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 8.1. 全身性過敏反応や重度皮膚刺激症状が認められた場合は本剤の使用を中止すること。
8.2. 本剤の使用中に皮膚剥脱(鱗屑・落屑)、紅斑、刺激感、腫脹等があらわれることがあり、紅斑や腫脹が顔面全体や頚部にまで及ぶ症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
8.3. 本剤の使用中には日光への曝露を最小限にとどめ、日焼けランプの使用、紫外線療法は避けること。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(5%以上)皮膚剥脱(鱗屑・落屑)(15.3%)、紅斑(12.3%)、皮膚刺激感(11.4%)、皮膚乾燥、(5%未満)皮膚そう痒、接触皮膚炎(アレルギー性接触皮膚炎を含む)、皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、間擦疹、乾皮症、脂腺機能亢進、皮膚腫脹、皮膚ピリピリ感、皮膚灼熱感、(頻度不明)汗疹、皮膚違和感、皮脂欠乏症、皮膚ほてり、皮膚浮腫、丘疹、皮膚疼痛、皮膚水疱、皮膚びらん。
2). その他:(5%未満)口角炎、眼瞼炎、白血球数減少、白血球数増加、血小板数増加、血中ビリルビン増加、ALT増加、(頻度不明)血中コレステロール減少、血中尿素減少、呼吸困難感。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(母乳中への移行は不明である)。
- 小児等
- 12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤使用時の注意14.1.1. 他の外用剤<皮膚刺激症状が増すおそれ>と併用する場合は、皮膚刺激症状が増すおそれがあるため注意すること。
14.1.2. 本剤は漂白作用があるので、髪、衣料等に付着しないように注意すること。
14.1.3. 外用としてのみ使用すること。
14.1.4. 切り傷、すり傷、湿疹のある皮膚への塗布は避けること。
14.1.5. 眼、口唇、鼻翼及び粘膜を避けながら、患部に塗布すること。眼の周囲に使用する場合には眼に入らないように注意する(万一、眼に入った場合は直ちに水で洗い流す)。
16.1 血中濃度
尋常性ざ瘡患者の顔面全体(眼囲及び口唇を除く)にベピオゲル又はプラセボを各群9例に約0.5g塗布したとき注)の代謝物である安息香酸及び馬尿酸の薬物動態学的パラメータは次のとおりであった。
表 安息香酸及び馬尿酸の薬物動態学的パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.2 吸収
ヒト正常皮膚を用いて14Cで標識したベピオゲルの皮膚透過性を検討した結果、24時間塗布した際の累積透過量及び皮膚中放射能量を合わせた吸収率は塗布量の10%程度であった(in vitro)。
16.3 分布
ヒト正常皮膚を用いて皮膚内分布を検討した結果、表皮及び真皮中には過酸化ベンゾイル及び安息香酸が検出されたが、透過後はすべて安息香酸であることが確認された(in vitro)。
16.4 代謝
過酸化ベンゾイルは、塗布後、生体内(皮膚中及び血漿中)で速やかに安息香酸に変換される。安息香酸は、更に馬尿酸へ代謝される(in vitro)。
16.5 排泄
安息香酸は、ヒト及び主要な動物種において、ほぼすべてが尿中に排泄される。
注)ベピオゲルの承認された用法・用量は、「1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する。」である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈ゲル〉
17.1.1 国内第II/III相臨床試験
顔面に尋常性ざ瘡を有する患者404例を対象として、ベピオゲル又はプラセボを12週間全顔に塗布する二重盲検比較試験を実施した。主要評価項目である最終評価時の炎症性皮疹数の減少率において、ベピオゲル群はプラセボ群と比較し統計的有意差(p<0.001)が認められた。
副作用発現頻度はベピオゲル群で37.3%(76/204例)であった。主な副作用は皮膚剥脱19.1%(39/204例)、適用部位紅斑13.7%(28/204例)、適用部位刺激感8.3%(17/204例)、適用部位そう痒感3.4%(7/204例)及び接触皮膚炎2.5%(5/204例)であった。
表 最終評価時の皮疹数の減少率
→図表を見る(PDF)
17.1.2 国内第III相臨床試験
顔面に尋常性ざ瘡を有する患者231例を対象として、ベピオゲルを52週間全顔に塗布する長期投与試験(非盲検試験)を実施した。その結果、総皮疹数は12週後まで経時的に減少し、その後も増加することなく最終評価時まで推移した。
副作用発現頻度は49.4%(114/231例)であった。主な副作用は適用部位刺激感19.0%(44/231例)、皮膚剥脱18.2%(42/231例)、適用部位紅斑13.9%(32/231例)、適用部位乾燥13.0%(30/231例)、適用部位そう痒感6.1%(14/231例)、接触皮膚炎3.0%(7/231例)であった。
〈ローション〉
17.1.3 国内第III相臨床試験
顔面に尋常性ざ瘡を有する患者222例を対象として、ベピオローション又はプラセボを12週間全顔に塗布する二重盲検比較試験を実施した。主要評価項目である治療開始12週後の総皮疹数の減少率において、ベピオローション群はプラセボ群と比較し統計的有意差(p<0.0001)が認められた。
副作用発現頻度はベピオローション群で11.9%(13/109例)であった。副作用は適用部位紅斑4.6%(5/109例)、適用部位そう痒感、適用部位乾燥2.8%(3/109例)、接触皮膚炎1.8%(2/109例)、適用部位刺激感、皮膚剥脱0.9%(1/109例)であった。
表 治療開始12週後の皮疹数の減少率
→図表を見る(PDF)
18.1 作用機序
18.1.1 抗菌作用
過酸化ベンゾイルは強力な酸化剤であり、分解により生じたフリーラジカル(酸化ベンゾイルラジカルやフェニルラジカルなど)が細菌の膜構造、DNA・代謝などを直接障害して、アクネ菌や黄色ブドウ球菌などに対する抗菌作用を示す。
18.1.2 角層剥離作用
閉塞した毛漏斗部において、過酸化ベンゾイルが、角層中デスモソームの増加を是正することにより、角質細胞同士の結合が弛み、角層剥離が促進される。
18.2 抗菌作用
過酸化ベンゾイルは尋常性ざ瘡の病態に関与しているアクネ菌、表皮ブドウ球菌及び黄色ブドウ球菌に対して抗菌活性を示した(in vitro)。
18.3 角層剥離作用
実験的ウサギ面皰モデルにおいて、過酸化ベンゾイルは角質細胞同士の結合を弛めて角層剥離を促し、毛漏斗部の角層肥厚を改善した。
- 製造販売会社
- マルホ
- 販売会社
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