ネキソブリッド外用ゲル5g
添付文書情報2024年08月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 深達性2度熱傷又は3度熱傷における壊死組織の除去。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 電撃傷又は化学熱傷の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
5.2. 生殖器及び会陰部にある熱傷に対する臨床試験は実施していない。
- 用法・用量
- 混合用ゲルの容器に凍結乾燥品全量を加えて混合し、本剤を調製する。本剤を熱傷創に適量塗布し、4時間後に除去する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 塗布量は、熱傷創450c㎡あたり本剤55g(5gの凍結乾燥品と50gの混合用ゲルを混合したもの)を目安とすること。
7.2. 1回あたりの最大塗布面積は体表面積の15%を目安とすること(本剤を塗布する熱傷創が体表面積の15%を超える場合は、2回に分けて塗布すること)、なお、臨床試験の最大塗布面積は、合計で体表面積の30%までである。
7.3. 効果が不十分な場合、同部位への塗布は2回までとすること。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 8.1. 本剤はタンパク質製剤であり、ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、このような症状の発現に備え、緊急処置を取れる準備をしておくこと〔11.1.1参照〕。
8.2. 本剤はパイナップル茎由来の成分を含有するため、パイナップル、パパイヤ、パパイン、ブロメラインに対する過敏症の既往歴について確認し、投与の可否を慎重に判断すること(本剤の臨床試験では、パイナップルに対する過敏症、パパイヤに対する過敏症、パパインに対する過敏症、ブロメラインに対する過敏症の既往歴を有する患者は除外されている)。
8.3. 本剤の塗布前及び除去前に疼痛管理を行うこと〔14.2.3、14.2.4参照〕。
8.4. 創傷感染を防ぐため、必要に応じて、本剤除去後に消毒薬を浸したガーゼ等で熱傷創を被覆すること〔14.2.4参照〕。
9.1.1. 減張切開創、裂創等の創傷のある患者:減張切開創、裂創等の創部に本剤を塗布しない(本剤が接触する可能性のある創部は、あらかじめワセリン軟膏やワセリン軟膏を塗布したガーゼ等で保護する)、本剤と創部の接触により出血するおそれがある〔11.1.2、15.2参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:銀を含有する薬剤又はヨウ素を含有する薬剤や銀又はヨウ素を含有する被覆材(硝酸銀、スルファジアジン銀、ポビドンヨード又は銀含有被覆材等)〔14.2.1参照〕[本剤の壊死組織除去作用が減弱するとの報告があるため、本剤塗布前にこれらを使用した場合は、これらを除去してから本剤を塗布すること(機序は不明である)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、使用中止、本剤の除去等の適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):発疹、紅斑、血圧低下、頻脈等があらわれることがある〔8.1参照〕。
11.1.2. 適用部位出血(頻度不明):適用部位出血があらわれ、出血性ショックに至ることがある〔9.1.1、15.2参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 適用部位:(1~5%未満)疼痛、そう痒症、皮下血腫。
2). その他:(1~5%未満)発熱、頻脈。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること(本剤を用いた生殖発生毒性試験のうち、受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験、出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験は実施していない)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒト乳汁中への移行は不明である)。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 他剤と混ぜないこと。
14.1.2. 調製は次の手順で行うこと。
(1). 凍結乾燥品の容器の蓋を取る。アルミニウムキャップを外し、ゴム栓を外す。
(2). 混合用ゲルの容器のスクリューキャップを外し、ゴム栓を外す。
(3). 混合用ゲルの容器に凍結乾燥品全量を加え、凍結乾燥品と混合用ゲルが均一になるように1~2分程度かけて混合し、本剤を調製する。
14.1.3. 調製後15分以内に熱傷創に塗布すること。
14.1.4. 未使用の残った薬剤は保存せず廃棄すること。
14.2. 薬剤塗布時の注意14.2.1. 熱傷創の洗浄:熱傷創を十分に洗浄し、水疱(表皮ケラチン層)を除去する(このとき、外用薬等を使用していた場合にはこれらも除去する)。炭化した3度の熱傷創では炭化した表皮を十分に擦り取る〔10.2参照〕。
14.2.2. 塗布の前処置:十分に洗浄した熱傷創を浸軟させるため、前処置として生理食塩液又は消毒薬(0.05%クロルヘキシジン等)を浸したガーゼ・包帯等で熱傷創を被覆し、2時間程度静置(熱傷創の乾燥を避けるため必要に応じてガーゼ・包帯等に生理食塩液又は消毒薬を追加)。ガーゼ及び包帯等を除去する際、可能な限り水疱を取り除く。
14.2.3. 塗布時(1). 本剤塗布時に疼痛を生じる可能性があるため、塗布開始前に、疼痛管理を開始する〔8.3参照〕。
(2). 熱傷創の周囲外側にワセリン軟膏を厚めに塗布して熱傷創との境界を作る(この時、ワセリン軟膏が壊死組織に付着しないように注意する)。
(3). 調製後の本剤を熱傷創全体に塗布する。1回あたりの塗布面積は体表面積の15%までを目安とする。
(4). 本剤を塗布した熱傷創を閉鎖性被覆材(フィルム材等)で被覆する(その上を柔らかい厚めの被覆材等で緩めに覆い、包帯等で固定する)。
(5). 塗布後、約4時間静置する(この間は可能な限り身体を動かさず、被覆部も極力動かさないようにする)。
14.2.4. 除去時(1). 被覆材を除去する前に、疼痛管理を行う〔8.3参照〕。
(2). 被覆材除去後、熱傷創周囲のワセリン軟膏及び分解した壊死組織を本剤ごと擦り取って除去し、滅菌ガーゼ等で熱傷創を十分に拭く。
(3). 被覆材除去後、創傷感染を防ぐため、必要に応じて、消毒薬(0.05%クロルヘキシジン等)を浸したガーゼ及び包帯等で熱傷創を被覆し、2時間程度静置する〔8.4参照〕。
14.2.5. 眼に入れない(顔面等の熱傷創で眼に接触する可能性がある場合には、薬剤が眼に入らないように保護し、誤って眼に入った場合は、直ちに水で洗い流す)。
20.1. 光の影響を防ぐために本剤は外箱に入れた状態で保存すること。
20.2. 正立した状態で保存すること。
20.3. 凍結を避けること。
- その他の注意
- 15.2. 非臨床試験に基づく情報ブタを用いた単回及び反復静脈内投与毒性試験で血液凝固パラメータ変化及び出血傾向が認められた〔9.1.1、11.1.2参照〕。
16.1 血中濃度
深達性II度又はIII度熱傷の日本人患者(15歳以上)の熱傷創に本剤を塗布したときの薬物動態パラメータは次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
16.5 排泄
本剤はタンパク質製剤であり、代謝時にペプチドやアミノ酸に分解され、消失すると考えられる。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
深達性II度又はIII度熱傷患者(0歳以上)の熱傷創に本剤を塗布(1製剤あたり、15歳以上には体表面積の2.5%の熱傷創に対して塗布、15歳未満には熱傷創の面積450cm2に対して塗布)し、約4時間後に本剤を除去した非盲検非対照試験を実施した。主要評価項目(壊死組織が完全除去注)された被験者の割合)は88.6%(31/35例、95%信頼区間:74.05-95.46)であり、95%信頼区間の下限値が事前に定めた目標値(20%)を上回ったことから、本剤の有効性が示された。
創閉鎖後3ヵ月までの副作用発現頻度は20.0%(7/35例)であり、副作用の内訳は、適用部位疼痛11.4%(4/35例)、貧血、発熱、血中CK増加各2.9%(1/35例)であった。
17.1.2 海外第III相検証的試験
深達性II度又はIII度熱傷患者(18歳以上)の熱傷創に本剤又は混合用ゲルを塗布(1製剤あたり、体表面積の2.5%の熱傷創に対して塗布)し、約4時間後に本剤又は混合用ゲルを除去した。主要評価項目(壊死組織が完全除去注)された被験者の割合)は本剤群93.33%(70/75例)で、混合用ゲル群4.00%(1/25例)よりも統計学的に有意に高かった(オッズ比:288.3、95%信頼区間:35.5-13984.4)。
創閉鎖後3ヵ月までの副作用発現頻度は本剤群で11.7%(9/77例)であり、主な副作用は、頻脈3.9%(3/77例)、皮下血腫及びそう痒症各2.6%(2/77例)であった。また、創閉鎖後3ヵ月から12ヵ月での副作用発現頻度は本剤群で2.6%(2/77例)であり、副作用の内訳は、毛包炎及びそう痒症各1.3%(1/77例)であった。
注)海外第III相検証的試験では、「壊死組織除去の完了及び創閉鎖に向けた治療を開始する状態」と定義し、この状態の判断基準として「壊死組織除去面積割合95%以上」を用いた。国内第III相試験でも同様に、「壊死組織除去面積割合が95%以上、かつ追加の壊死組織除去が必要なく、創閉鎖に向けた治療を開始できる状態」と定義した。
18.1 作用機序
タンパク質分解作用を示し、壊死組織の分解及び除去に働く。
18.2 壊死組織除去作用
18.2.1 ブタ熱傷モデルにおいて壊死組織除去作用を示した(in vivo)。
18.2.2 ブタ熱傷モデルにおいて本剤の組織除去作用は壊死組織に選択的であり、壊死組織の下層にある真皮、熱傷を受けていない皮膚は構造的に損傷を受けないことが示された(in vivo)。
18.2.3 マウス熱傷モデルにおいて壊死組織除去作用を示した。また、本剤で壊死組織を除去した熱傷創において、bFGF投与による創傷治癒促進作用が認められた(in vivo)。
- 製造販売会社
- 科研製薬
- 販売会社
おくすりのQ&A
保険審査の内容で恐縮ですが、先日の業界紙において、「社会保険診療報酬支払基金は31日、高血圧症に対して初回から第一選択薬として「配合剤」を投与することは、...
Cost of Concerta (methylphenidate)?
I am curious to find the cost of a month's supply of methylphenidate for ADHD...
わからないことがあったら、
気軽にすぐ質問しよう!
このコミュニティは、各種法令・通達が実務の現場で実際にはどう運用されているのか情報共有に使われることもあります。解釈に幅があるものや、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性のあることを、唯一の正解であるかのように断言するのはお控えください。「しろぼんねっと」編集部は、投稿者の了承を得ることなく回答や質問を削除する場合があります。